腹筋をしていたら股関節が痛くなってきた。
せっかく腹筋を鍛えようと思ったのに、股関節が痛くて続けられない。
こんな悩みありませんか?
腹筋と股関節は関係ないのに、なんで股関節が痛くなるのか疑問に思うかもしれません。
ですが、実は腹筋のコリが股関節の痛みにつながる可能性があります。
今回は腹筋で股関節が痛くなる原因、股関節が痛い時に考えられる事、その対策までを解説します。
腹筋で股関節が痛くなる原因
腹筋しているだけなのに、なんで股関節が痛くなるのか。
腹筋と股関節は関係ないだろうと思うかもしれませんが、実は腹筋と股関節の痛みには関係があります。
腹筋することによって起こる股関節の痛みの原因としては、おもに以下の3つです。
- 腹筋の柔軟性が低下している
- 背筋の筋力が低下する
- 姿勢が悪くなる
それぞれ解説していきます。
腹筋の柔軟性が低下している
一般的な腹筋の方法は、膝を立てて膝へ向かって体を持ち上げて近づけるというものですよね。
この時、腹部の真ん中を走行する腹直筋という腹筋群の1つが緊張します。
腹直筋が収縮すると、腰は曲がり骨盤は後ろへ倒れる動きを伴います。
すると、太ももの骨である大腿骨に対して骨盤が後ろへ倒れるので、股関節では伸展という動きが起こります。
伸展とは、大腿骨を体の前から後方へ向かって動かすことと思ってください。
股関節は伸展すると、不安定となりやすく、それを押さえるために股関節前方の筋肉や靭帯に負担がかかります。
その結果、股関節の前側の痛みを引き起こす可能性があります。
股関節はその構造上、伸展の反対の動きである屈曲すると、大腿骨が骨盤に対してはまり込む形となり安定します。
ですが、伸展すると大腿骨が骨盤から離れる方向に動き不安定となるため、それを押さえるには筋肉や靭帯が頑張らないといけません。
腹筋を頻繁に行う方では、腹直筋が収縮する動きを繰り返すため、腹直筋の柔軟性が低くなりやすいです。
そのため、腰は曲がり骨盤は後ろへ倒れやすくなり、股関節も不安定な伸展方向へ動きやすくなるので、股関節の痛みも生じやすいと言えるでしょう。
背筋の筋力が低下する
腹筋が腰を曲げて骨盤を後ろへ傾けるのに対し、背筋は腰を反らし骨盤を前へ傾けます。
筋肉には反対の動きを持つ筋肉同士は互いに抑制しあう関係にあります。
どういうことかと言うと、腹筋が強く収縮すると、それを邪魔しないために背筋はゆるんで伸ばされます。
反対に、背筋が収縮すると、今度は腹筋がそれを邪魔しないようにゆるんで伸ばされます。
このように、一方が収縮するともう一方は力が抜けて伸ばされます。
なので、腹筋ばかり行っていると、普段から腹筋が緊張し柔軟性が低い状態になりやすく、反対の働きを持つ背筋はゆるんで伸ばされてしまう傾向となります。
すると、上述したように、腰は曲がり骨盤は後ろへ傾いてしまうので、股関節が不安定となり、股関節の前側に負担がかかって痛みにつながりやすくなります。
また、背筋は骨盤を前へ傾ける働きもあり、骨盤が後ろへ傾くのは股関節を不安定にするのに対し、前へ傾けると股関節は安定します。
そのことからも、背筋が腹筋に邪魔されて働きにくい状態というのは、骨盤が前へ傾くのを邪魔することになり、股関節が安定しにくくなるとも言えます。
つまり、結局骨盤が後ろへ傾くしかなくなり、股関節は不安定なままとなるので、股関節が痛くなりやすいことが言えるでしょう。
姿勢が悪くなる
腹筋ばかり行うと、腹直筋の柔軟性が低下しやすく、腰は曲がり骨盤が後ろへ傾きやすくなります。
その状態で立つと、腰から背中が曲がって猫背で少し前かがみの姿勢となるか、お腹を前へ突き出し体を無理やり起こそうとするスウェイバックという姿勢になりやすいです。
猫背は前かがみとなっているので、股関節の前側の腸腰筋や大腿直筋という筋肉が常に縮んでしまうので、硬く伸びにくくなってしまいます。
その状態で体を起こしたり、股関節を伸展して太ももを後ろへ引くと、硬い腸腰筋や大腿直筋が伸ばされ、痛みを生じやすくなります。
ピーンと限界まで張ったゴムをイメージしてもらうと、そのゴムをそれ以上伸ばそうと思うとかなりの力を入れないと伸びませんよね。
筋肉が縮んで硬くなった状態もそれと似ており、それ以上伸びにくい筋肉を伸ばそうとするとそこにはかなりの力が加わるため、微細な傷や炎症を起こしやすく、痛みにつながります。
反対に、スウェイバックは腹部を前に突き出すため、腸腰筋や大腿直筋は常に伸ばされている状態です。
ただ、股関節は伸展して不安定であるため、それを押さえるために伸ばされながらも常に力を入れないといけません。
つまり、スウェイバックの姿勢の人は、常に股関節の前側がパンパンに突っ張って緊張しており、それが股関節の痛みにつながります。
股関節が痛い時に考えられる事
股関節が痛い時に考えられる事としては、おもに以下の3つが考えられます。
- 筋肉の痛み
- 臼蓋形成不全
- 変形性股関節症
それぞれ解説していきます。
筋肉の痛み
骨折などの外傷でない場合は、多くの場合で筋肉が原因となって痛みが出ています。
腹筋のコリが原因となる股関節の痛みも、筋肉の痛みによるものであることがほとんどです。
筋肉が痛みを起こすきっかけとなる原因としては、以下の2つが挙げられます。
- 筋肉の使い過ぎ、過剰な筋肉の緊張
- 血流が悪い
慣れない運動をした、長時間同じ姿勢でいた、同じ動きを反復した、反動をつけて強くストレッチしたなどの要因で、筋肉が過剰に緊張してしまう可能性があります。
筋肉を過剰に使う、あるいは過剰に緊張するような負担がかかると、筋肉は緊張して硬くなります。
筋肉には、痛みを感じ取るセンサーがあり、筋肉の緊張でセンサーが反応すると、それを痛みとして脳へ伝えることで痛みが起こります。
また、筋肉にも酸素や栄養を供給するために血管が通っています。
筋肉が緊張すると、筋肉内にある血管は圧迫されてしまい、血流が悪くなってしまいます。
血流が悪くなると、痛みを発生させる発痛物質というものが作られるので、血流の悪さも痛みを起こす原因の1つになるのです。
臼蓋形成不全
股関節は大腿骨頭という球状の骨と臼蓋という受け皿で構成されています。
臼蓋形成不全というのは、受け皿である臼蓋が何らかの原因で、十分に発育しないことを言います。
小児期の臼蓋形成不全は基本的には乳児の時に超音波やX線(レントゲン)で診断される画像上の診断名なので、臨床的に問題となるような症状はありません。
ただ、発育性股関節形成不全のように、大腿の皮膚溝(しわ)が非対称であったり、脚の開きが悪いこと(開排制限)があります。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
子どもの臼蓋形成不全の場合、股関節の動きの悪さはありますが、痛みなどの症状が出ることはあまりありません。
しかし、大人の臼蓋形成不全の場合、後に解説する変形性股関節症の初期と同じであり、立ち上がる時や歩き始めなど、動作の始めに股関節の前側や外側に痛みを生じる場合があります。
股関節は大腿骨頭と臼蓋が上手くはまり込むことで自由に動くことができます。
ですが、臼蓋の形成が不十分であると、大腿骨頭が臼蓋に上手くはまり込まず、骨と骨がぶつかったり、筋肉や腱を関節に挟み込んでしまうことで、痛みが起こります。
変形性股関節症
変形性股関節症とは、先天的な問題、あるいは慢性的な股関節への負担が原因となり、股関節を構成する大腿骨頭や臼蓋が変形し、関節の隙間が狭くなる、あるいは関節の間にある軟骨がすり減ることを指します。
関節の隙間が狭かったり軟骨がすり減ると、大腿骨頭が臼蓋に上手くはまり込まなかったり、股関節の一部分に負担が集中するなどが起こり、股関節の痛みの原因になります。
股関節症のおもな症状は、関節の痛みと機能障害です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。
関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
変形性股関節症は進行する病気ですので、痛いのを放っておくと、徐々に関節の変形が強くなり、最終的には手術が必要となる場合もあるので、動き始めの痛みが続くようなら一度整形外科を受診することをお勧めします。
股関節が痛い時の対策
股関節の痛みに対する対策としては以下の3つが挙げられます。
- ストレッチ
- 筋トレ
- 普段の姿勢を見直す
それぞれ解説します。
ストレッチ
腹筋のコリによって股関節の痛みが生じている場合、腰が曲がり骨盤が後ろへ傾いています。
なので、腰を曲げている腹直筋、骨盤を後ろへ傾けている大殿筋のストレッチが効果的です。
腹直筋のストレッチ
- うつ伏せになる
- 両手を顔の横辺りに置く
- 手で床を押しながら肘が完全に伸びるまで体を持ち上げる
- そのままの姿勢で15~20秒キープする
- 3回程度繰り返す
ポイントは、腰ではなく背中が伸びるようにしたいので、おしりをしめて尾骨を下へ向けるような意識で行いましょう。
大殿筋のストレッチ
- 椅子に腰かける
- 片足を反対側の膝の上に乗せる
- 乗せた側の足首と膝を水平になるように上から軽く押さえる
- 水平に保ったまま、体を前に倒す
- 倒した状態で15~20秒キープする
- 3回程度繰り返す
ポイントは、体を前に倒す際、腰が丸くならないように注意しましょう。
腰が丸くなると、大殿筋はあまり伸ばされないので、ストレッチの効果が薄くなってしまいます。
筋トレ
上述したように、腹筋のコリによって腰が曲がるので、反対の腰を反らす働きを持つ背筋は筋力が低下しやすいです。
なので、腹直筋や大殿筋をストレッチした上で、背筋を鍛えることで股関節の痛みを和らげることが期待できます。
- 四つん這いになる
- 片側の腕を真っすぐ伸ばす
- 反対側の足も真っすぐ伸ばす
- 手足を元に戻す
- 先ほど挙げた手足と反対側の手足を真っすぐ伸ばす
- 手足を元に戻す
- 交互に20回繰り返す
- 2~3セット行う
ポイントは、肩がすくまないようにすること、腰が反らないように軽くへそを引っ込めることです。
首から腰まで背骨を一直線に保ったまま行いましょう。
普段の姿勢を見直す
普段からの姿勢が猫背であったり、スウェイバックのような姿勢となっていると、より股関節の痛みが引き起こされやすいです。
両者の共通点は、背中が丸くなっていることなので、頭の頂点から引っ張られているようなイメージで背中を上に伸ばすように意識しましょう。
よく背中を伸ばすように言うと、後ろに反りかえる方がいますが、それでは背中は伸びませんし、スウェイバックの姿勢を余計に強くしてしまいます。
後ろではなく、上に伸びるように意識して姿勢を見直しましょう。
理学ボディのおすすめ
今回紹介した対策を実践しても中々股関節の痛みがなくならないという方は、理学ボディで施術を受けることがおすすめです。
理学ボディでは、最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
筋膜は筋肉を覆っている膜状の組織で、筋膜が硬くなると筋肉の柔軟性が低下、筋力が発揮しにくいなどが起こります。
筋膜の硬さのある場所はピンポイントで存在しているため、ストレッチやマッサージでは中々ほぐすことができません。
もし、筋膜の硬さが股関節の痛みに影響しているのなら、ストレッチやマッサージをしていても中々改善することは難しいでしょう。
ですが、筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、ピンポイントの硬さでも見つけることができます。
もし、股関節の痛みがなくならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
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