腹筋を鍛えたくて腹筋ローラーを使い始めたが、腕が痛くなってしまった。
腹筋ローラーをしているが、腕ばかり筋肉痛になって腹筋が鍛えられるのか疑問だ。
このような悩みありませんか?
腹筋ローラーをやっていれば腹筋が鍛えられるというのは、正しいフォームで行えばの話です。
腹筋ローラーで腕が痛くなってしまう場合は、正しいフォームで行えていない可能性が高く、腹筋も鍛えられません。
せっかく腹筋ローラーをしていても腹筋が鍛えられないのでは本末転倒ですので、本記事では腹筋ローラーで腕が痛くなる原因を解説しつつ、正しいフォームで行うためのポイントも解説しています。
腹筋ローラーで腕が痛くなる原因
腹筋ローラーで腕が痛くなる原因としては、主に以下の4つです。
- 重心位置が前すぎる
- 背中を反らし過ぎている
- 戻る時に腕の力に頼り過ぎている
- 腹筋が弱い
それぞれ解説していきます。
重心位置が前すぎる
腹筋ローラーは、ローラーを前方へ転がしていくわけですが、重心位置によって負荷がかかる部位が違います。
実際にやってもらうと実感できますが、重心が前になればなるほど腕に負担がかかり、重心が後ろになると腹筋に負担がかかります。
重心位置が前方にあると、腕に体重が乗りやすいので、それだけ腕の力で支えることができる反面、腹筋は使いにくく、腕の力に頼ったフォームになってしまいます。
なので、形としてはできていても、実際はあまり腹筋に効いていない腹筋ローラーになってしまっていることになります。
背中を反らし過ぎている
背中を反らし過ぎたフォームは、腹筋に力が入りにくく、腕の力に頼ったフォームになりがちです。
重心位置とも関係しますが、背中を反らすと重心がより前方へ移動しやすく、腕に体重がかかりやすくなります。
なので、腕の力は入りやすいですが、それだけ腕の力に頼ったフォームになってしまい、あまり腹筋に効かなくなってしまいます。
また、筋肉には反対の働きを持つ筋肉を抑制するという機能があります。
背中を反らす脊柱起立筋という筋肉は腰まで伸びており、腰を丸める腹筋群と反対の働きを持ちます。
つまり、背中を反らして脊柱起立筋を働かせると、反対の働きを持つ腹筋群は力が入れにくくなるので、より腕の力に頼らざるを得ないことになります。
戻る時に腕の力に頼り過ぎている
腹筋ローラーは、ローラーを前方に転がして元の位置に戻るまでが1セットですが、戻る時もかなり負荷がかかります。
この時、腹筋をあまり使わず、腕の力に頼って戻ると腕にとってはかなりの負担になることでしょう。
十分な筋力がないのに腕を伸ばしきったり、重心位置が前すぎる、背中を反らし過ぎている、腕を下へ押し付けるように戻るといったフォームになっていると、腕に負担がかかりやすいです。
ローラーを転がして元に戻るという一連の動きを行うことばかりに意識がいっていると、間違ったフォームになりやすいです。
腕ばかりに負担となって、腹筋があまり疲れていないという場合は正しくできているか疑うべきでしょう。
腹筋が弱い
腹筋ローラーは腹筋を鍛えるための道具なのですが、そもそも腹筋が弱すぎる場合は適していないこともあります。
そのため、腹筋が弱い方が腹筋ローラーをすると、正しいフォームで行えない可能性が高いです。
なので、腹筋の弱さを補うために腕の力に頼ったフォームになりやすいのです。
そういった方は、腹筋ローラー以外で腹筋を鍛える方法を試すか、難易度を下げたフォームで腹筋ローラーを行うなどを考えなくてはいけません。
腹筋ローラーで腕が痛い時に考えられる事
腹筋ローラーで腕が痛い時に考えられる事としては、以下の4つが考えられます。
- 腱鞘炎
- 上腕骨外側上顆炎
- 上腕骨内側上顆炎
- 肘部管症候群
それぞれ解説していきます。
腱鞘炎
手首を反らした時、親指を反らした時、小指を反らした時に手首から腕にかけて痛みが生じる場合は、腱鞘炎である可能性が考えられます。
いわゆる腱鞘炎は主に以下の2種類あります。
- 尺側手根伸筋炎
- ドケルバン病
尺側手根伸筋腱は手首の小指側を通る腱で、手首を小指側に倒す働きがあります。
この腱が周りの靭帯や骨とこすれて炎症を起こすことによって、痛みを感じることを尺側手根伸筋腱炎と呼びます。
一方、ドケルバン病は手首の親指側を通る短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が周りの靭帯や骨とこすれて炎症を起こすことによって起こる痛みを指します。
どんな人に多いかと言うと、妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じます。
手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
原因としては、ドアノブを回すような手首の動きや不慣れな手作業、手を酷使する作業などが挙げられます。
腹筋ローラーのように、ローラーを握り込んで力を入れるような動きにおいても、指や肘の筋肉を酷使しますので、腱鞘炎となる可能性は十分に考えられるでしょう。
上腕骨外側上顆炎
肘の外側に付着する筋肉の使いすぎによる炎症、骨の変形や筋肉の損傷による肘の外側の痛みを指します。
別名、テニス肘とも呼ばれています。
肘の外側には、手のひらを上へ向ける長橈側手根伸筋や短橈側手根伸筋、指を伸ばす総指伸筋が付着しています。
なので、手のひらを上へ向けたり下へ向けたり、指を曲げ伸ばしする動きの繰り返しで負担がかかりやすいです。
症状としては、ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。
多くの場合、安静時の痛みはありません。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
腹筋ローラーにおいても、ローラーを握り込んで力を入れているため、ものをつかんで持ち上げる、タオルをしぼる動作に近い要素も含まれています。
そのため、肘の外側に痛みを起こす上腕骨外側上顆炎となる可能性は考えられます。
上腕骨内側上顆炎
上腕骨外側上顆炎と似ており、肘の内側に付着する筋肉の使いすぎによる炎症、骨の変形や筋肉の損傷による肘の内側の痛みを指します。
別名、ゴルフ肘と呼ばれています。
肘の内側には、手のひらを下へ向ける橈側手根屈筋や尺側手根屈筋、指を曲げる長掌筋という筋肉が付着しています。
炎症を起こしてしまう原因としては、ゴルフはもちろん、キーボードのタイピングや重い物を持ち上げる、手のひらを下へ向けたまま指を曲げ伸ばししたり力を入れるような動きが原因となる可能性があります。
腹筋ローラーにおけるローラーを握り込んで力を入れる動きは正にこれに当てはまっており、手のひらを下へ向けた状態で指を曲げて握っているので、肘の内側に負担がかかりやすいと言えるでしょう。
肘部管症候群
肘部管症候群とは、肘の内側で神経がこすれたり、筋肉や骨で圧迫されることで、肘から指先にかけて痛みやしびれが出現することを指します。
肘の内側にはそこを通る神経を押さえている肘部管と呼ばれる組織が存在しており、そこの障害による痛みやしびれを肘部管症候群と呼んでいます。
原因としては以下のようなものが挙げられます。
・神経を固定している靭帯やガングリオンなどの腫瘍による圧迫
・加齢に伴う肘の変形
・子供のときの骨折による肘の変形
・野球や柔道などのスポーツ
・その他
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
また、以下のような症状がある場合、肘部管症候群の可能性が考えられます。
- 肘の内側を軽く叩くと肘から薬指、小指にかけて痛み、しびれを感じる
- 肘を曲げたまま作業していると、肘から薬指、小指にかけて痛み、しびれを感じる
上述した上腕骨内側上顆炎と痛みの部位は似ていますが、肘から指かけてのしびれが出現するという点が異なります。
ただ、腹筋ローラーは肘の内側に付く筋肉を酷使しますので、それによる筋肉の膨隆や緊張で神経を圧迫して肘部管症候群のような症状が出現する可能性は考えられます。
腹筋ローラーを正しいフォームで行うためのポイント
ここまでを踏まえ、腹筋ローラーで腕が痛くならないためには正しいフォームでやることが前提となります。
そこで、腹筋ローラーを正しいフォームで行うためのポイントとして、以下の4つが挙げられます。
- 腰を軽く丸めておく
- 戻る時にへそを見ながら戻る
- 腕を伸ばし過ぎない
- ローラーを握りこまない
それぞれ解説していきます。
腰を軽く丸めておく
重心が前にいき過ぎていたり、背中が反り過ぎていると、腰も反りやすく腹筋の力が入りにくくなってしまいます。
なので、ローラーを前へ転がす時も戻る時も軽く腰を丸めたまま、腹筋の力が抜けないように行うことがポイントです。
尾骨を下へ向け、背中が少し猫背になるくらいで大丈夫です。
戻る時にへそを見ながら戻る
ローラーを前へ転がす時は、腰を丸くして準備をしてから転がせば良いので比較的腹筋の力を保ったまま転がすことができます。
ですが、戻る時は腹筋の力が抜けやすく、腕の力に頼ってしまいやすいです。
そこでポイントとなるのが、へそを見ながら戻ることです。
へそを見ると、自然と腹筋に力が入るので、腕の力に頼り過ぎることなく腹筋を使って元に戻ってくることができます。
腕を伸ばし過ぎない
腕を真っ過ぎに伸ばさないといけないと思うかもしれませんが、伸ばしきってしまうと負荷も強くなりますし、より腹筋に力を入れることが難しくなります。
腹筋ローラーで腕が痛くなる方は、そもそも腕の力に頼り過ぎて腹筋が弱い可能性があるので、無理に腕は伸ばしきらず、腹筋を使って戻ってこれる範囲にとどめましょう。
ローラーを握り込まない
ローラーを握り込むと、指を曲げる筋肉が強く働きます。
指を曲げる長掌筋などは肘からついているため、指を強く曲げると腕全体に力が入りやすくなります。
すると、相対的に腕の力に頼ったフォームとなりやすく、腹筋の力が入りにくくなってしまいます。
指はあくまでも軽く握る程度で、強く握り込まないように注意しましょう。
腹筋ローラーで腕が痛い時の対策
正しいフォームで行うということを前提に、加えて以下の対策を行うと腕の痛みの解消、予防することができます。
- ストレッチ
- 難易度を下げる
- 腹筋ローラー以外の方法で腹筋を鍛える
それぞれ解説していきます。
ストレッチ
腹筋ローラーで腕が痛くなる場合の多くは負担がかかり過ぎている、筋肉の使い過ぎによる筋肉の痛みです。
なので、ストレッチで筋肉の緊張を和らげることで、痛みを和らげることが期待できます。
腕の外側が痛い場合、内側が痛い場合の2つに分けて、ストレッチの方法を解説します。
腕の外側が痛い場合
- 肘を伸ばし、手のひらを下へ向ける
- 指を曲げ、手首を曲げる
- 10〜20秒キープする
腕の内側が痛い場合
- 肘を伸ばし、手のひらを上へ向ける
- 指を伸ばし、手首を反らす
- 10〜20秒キープする
ポイントは、しっかりと肘を伸ばし、指も曲げる、あるいは伸ばしきってストレッチをすることです。
難易度を下げる
ご自身の筋力が弱いと、腹筋ローラーの難易度が高すぎる場合があります。
難易度が高すぎると、上手く腹筋を使う、正しいフォームで行うことが難しいので、難易度を下げてご自身に合ったレベルで行うことが望ましいです。
例えば、現状が膝をつかずにローラーを転がしている場合であれば、膝をついたまま行うのも1つの方法でしょう。
腹筋ローラー以外の方法で腹筋を鍛える
上記の難易度を下げた方法でも上手くできない場合は、そもそも腹筋ローラーを行うだけの筋力が足りていないことも考えられます。
腹筋を鍛えるには何も腹筋ローラーだけじゃないので、無理にこだわらず別の方法を試すのも1つの手段でしょう。
腹筋ローラー以外の腹筋を鍛える方法としておすすめなのはプランクです。
具体的な方法は以下の通りです。
- 四つ這いになる
- 膝を床から離し、膝を伸ばしつま先をつく
- 両手とつま先で体を支える
- 10〜30秒キープする
- 2〜3セット行う
ポイントは、頭が下がり過ぎない、上がり過ぎないように軽くあごを引いておくことと腰が反り過ぎないように軽く腰を丸めておくことです。
また、できる人は30秒行って問題ありませんが、筋力が弱いうちは10秒から始めて徐々に時間を伸ばしていきましょう。
いきなり無理に時間を伸ばしても、腰を反らしたりあごが上がったりとフォームが崩れて腹筋に上手く刺激が入りませんので注意が必要です。
理学ボディのおすすめ
今回紹介した対策を実践しても中々腕の痛みがなくならないという方は、理学ボディで施術を受けることがおすすめです。
理学ボディでは、最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
筋膜は筋肉を覆っている膜状の組織で、筋膜が硬くなると筋肉の柔軟性が低下、筋力が発揮しにくいなどが起こります。
筋膜の硬さのある場所はピンポイントで存在しているため、ストレッチやマッサージでは中々ほぐすことができません。
もし、筋膜の硬さが腕の痛みに影響しているのなら、ストレッチやマッサージをしていても中々改善することは難しいでしょう。
ですが、筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、ピンポイントの硬さでも見つけることができます。
もし、腕の痛みがなくならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
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