こんにちは、木城です。
4/15〜4/19の5日間、アメリカのボルダーで解剖実習をしてきました。
木城
死後すぐに冷凍保存されたご献体を、解剖時には解凍し、私自身がメスを持ち解剖させていただきました。
5日以上経つと体が腐ってきてしまうため、このタイミングでしかない解剖できないという本当に貴重な体験をさせていただきました。
この間はお店に出られず、ご迷惑おかけしました。
ただ今回はこの体験から、今まで以上に施術のスキルが向上したことを確信しております。
スタッフのみんなにも、現地の解剖の様子をまとめたDVDを一緒に見て共有しています。
ですので、これからみなさんに還元できるように頑張っていきます。
ということで今回は解剖実習の様子について書いていきます。
私が解剖実習に参加した理由
今回この解剖実習に参加することを決意したのは、昨年の4月です。
1年以上前から申し込んで、楽しみにしていました。
なぜこんなにこの実習にいくことを熱望していたかというと、
「人の体を治す仕事を極めるには、表面だけでなく人体の全てを見ないわけにはいけない」
と思ったからです。
解剖学の教科書や文献では勉強してきました、写真もたくさん見ました。
でも、「実際に生で見て触ってこの目で確認したら、もっと本当に良い施術を提供できるようになるはずだ!!」と思いました。
とにかくもっとレベルアップするためには、この「解剖」という知見は必須だと思ったんです。
アメリカまで行った理由
解剖に行く理由はわかったんですけど、アメリカまで行く意味はあったんですか?日本にもあるのに。アメリカ行きたかっただけでしょ?笑
Aさん
まあ確かにアメリカはじめてだったんで、行きたかったのもありますが・・・笑
実はアメリカでしかこの解剖実習は開催されてないんです。
正確にいうと日本でもあるんですけど、日本は献体が腐るのを防ぐために「ホルマリン」という液体で固めてそれを解剖する形になるんです。
これだと私が一番見たかった、「筋膜」をより自然な形で見ることができないんですよね。
なのでアメリカに行くしか選択肢がなかったんです。
アメリカのこの解剖に参加するために、セミナー代、航空券、宿泊費もろもろで、80万円以上かかりました。。。泣
木城
解剖実習の中身
解剖実習では、死後間もない生身のご献体に1からメスを入れて解剖していきました。
1人のご献体に対して、6人のチームで行いました。
順番としては
- 皮膚を切除
- 脂肪層を切除
- 深筋膜を切除
- 各組織間をメスで分けて筋肉や靭帯を明確にする
- 筋肉や靭帯を切除して、内臓や関節を取り出す
大まかにいうと、このような手順で全て私たち自身で行いました。
あまり細かい話をすることは今回お世話になった団体の方から禁止されているので、ここでは書けません。
ただやはり、教科書を見ているのとは違い、実際に自分の目で見て、触って、色々感じることがありました。
非常に勉強になったことは言うまでもありません。
解剖実習を通じて私が思ったこと
解剖実習を通じて私が思ったことはたくさんあります。
それこそ、ここには書ききれないくらいたくさんのことを学びました。
ただ、その中から1つだけあげろと言われれば
「人の体はとにかくありとあらゆるところが繋がっている」ということです。
皮膚、浅筋膜、脂肪層、深筋膜、筋外膜、神経、血管、骨膜、壁側腹膜、臓側腹膜、壁側胸膜、臓側胸膜、縦隔・・・などなど。
これを見たら、「痛みのある患部だけ治療しよう」なんて考えは絶対出てきません。
全身を複合的に見ないと人の体は絶対に治りません。内臓もかなり体の痛みに影響していると思います。
そしてその「全身の繋がり」をおもに受け持っているのはやはり「筋膜」でした。
これを改めて感じて、今まで「筋膜」を勉強してきてよかったと思いました。
自分がやってきたことが間違っていなかったな、と思いました。
終わりに
冒頭でも書きましたが、今回のこの体験から、今まで以上に施術のスキルが向上したことを確信しております。
スタッフのみんなにも、現地の解剖の様子をまとめたDVDを一緒に見て共有しています。
この解剖実習の経験をこれからみなさんに還元できるように頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。