特に足首をひねってはいないが、くるぶしを押すと痛みがあって気になる。
このような悩みありませんか?
足首をひねったなど、明確なきっかけがなくてもくるぶしを押すと痛くなることがあります。
程度は人によって様々ですが、押すと痛い程度だからと放置しておくと、悪化してしまう恐れもあります。
かと言って、特に痛くなったきっかけもなければ自分で対策しようもないので、今回はくるぶしを押すと痛い場合に考えられる事を解説していきます。
原因や対策まで解説しますので、痛くて気になる方はよく読んで実践してみてください。
くるぶしを押すと痛い時に考えられる事
くるぶしを押すと痛い時に考えられる事としては、以下のようなものが挙げられます。
- 捻挫
- 腱炎、腱が伸びている、あるいは損傷や断裂している
- 関節炎
- 関節リウマチ
- 変形性足関節症
- 三角骨障害
- 足根洞症候群
- 滑液包炎
- 痛風
それぞれ解説していきます。
捻挫
捻挫とは、関節にかかる外力により非生理的運動が生じ、関節を支持している靭帯や関節包が損傷することです。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
足首における捻挫のほとんどは、足首を内側にひねって生じます。
それによって、足首の外側の靭帯が損傷し、外くるぶしの前側や下側を押すと痛みを生じ、腫れてきます。
足首をひねったという明確なきっかけがあり、かつ、外くるぶしを押すと痛みがあって腫れている場合は捻挫である可能性が高いでしょう。
正確な診断は整形外科で医師の診察を受ける必要があります。
腱炎、腱が伸びている、あるいは損傷や断裂している
足首の外側には靭帯の他にも腱が走行しています。
足首をひねって捻挫した際、靭帯だけではなく、外くるぶしの近くを通る腱にも強く伸ばされるストレスが加わり、損傷したり断裂する可能性があります。
また、歩いたり走ったりする際に、足首が内側にひねらないようにおさえてくれるのが外側の腱です。
歩き方の癖などで、足首が内側にひねりやすい方は常に外側の腱が頑張っておさえてくれているので、慢性的にストレスが加わった結果、腱や腱の周りで炎症が起こる可能性もあります。
この場合は、外くるぶしの後ろ側や下側を押さえると痛みが生じます。
関節炎
運動による関節への負担や肥満、加齢、骨折や関節の変形などのケガが原因で関節に痛みや腫れが生じている状態を関節炎と言います。
関節で炎症が生じている場合、外くるぶしも内くるぶしもどちらも押すと痛みが生じる可能性があります。
ただ、関節の中で炎症が起こっている場合は、くるぶしを押しても痛くない場合もあり、関節を動かした時や歩いたり体重をかけた時に痛みが起こるのが主な症状です。
関節リウマチ
関節リウマチとは、関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することによって関節内に慢性の炎症を生じる疾患で、進行すると関節が破壊され様々な程度の機能障害を起こします。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
関節リウマチは足首にかぎらず、手首や指、足首から腫れてきて、人によって膝関節や股関節など大きな関節も腫れてくることがあります。
関節だけではなく、全身の病気なので、貧血となったり、体のだるさや微熱が出る場合もあり、徐々に悪化していく傾向にあります。
なので、早めの治療を受けるために少しでも疑わしい場合は、整形外科で診察してもらいましょう。
以下にアメリカリウマチ協会が定めた診断基準を載せておきますので、当てはまるものがある場合は受診することをお勧めします。
- 少なくとも1週間以上持続する「朝のこわばり」が6週間以上続く
- 3個以上の関節の腫脹(腫れ)が6週間以上続く
- 手・中手指節間関節・近位指節間関節(手首・指の第一関節・第二関節)の腫脹が6週間以上続く
- 対称性関節腫脹(左右対称に起こる関節の腫れ)が6週間以上続く
- 皮下結節(皮膚の下にできるしこりのようなもの)
- 血清リウマトイド因子が陽性
- 手・指のX線(レントゲン)の変化
ちなみに、上記7項目中、4項目を満たす場合に関節リウマチと診断されます。
変形性足関節症
機械的刺激などにより軟骨の変性・摩耗を生じ、また関節周囲を取り囲む滑膜の炎症が併発して変性が加速します。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
簡単に言うと、関節運動や関節へ体重をかけたりといった刺激が軟骨を変形させたり、摩擦で薄くなり、それが原因で滑膜という組織が炎症して、さらに関節の変形や痛みが進んでいくというものです。
症状としては、関節の周りの痛みや腫れ、動かした時の引っかかり感、違和感などがあり、進行すると痛みが強くなり、関節の動きも悪くなってきます。
関節の周りの腫れが生じるので、くるぶしを押すと痛みを感じます。
原因としては、関節の使いすぎや肥満による過剰な体重負荷、骨折などの外傷などがきっかけになったり、原因がよく分からない遺伝的なもので生じる場合もあります。
三角骨障害
三角骨障害とは、足首の後方で起こるインピンジメント障害の1つです。
インピンジメントとは、挟まる、衝突といった意味を持ち、足首の運動時に三角骨という骨が関節にぶつかったり挟まることで痛みが生じるというものです。
そもそも、三角骨とは誰にでもある骨ではなく、一部の方にのみ存在するものです。
通常は三角骨が存在していても無症状ですが、スポーツなどで足首を酷使すると痛みを生じるようになることがあります。
三角骨はかかとの骨の後ろにあり、足首を動かす際に邪魔になって痛みを起こす場合があります。
くるぶしの後ろ辺りを押すと痛みが生じる場合があります。
足根洞症候群
そもそも、足根洞とはかかとの骨とその上にある距骨と呼ばれる骨の間にある溝のことを指します。
そして、足根洞症候群とは、足首の捻挫をした後に続く足首の外側から前側の痛みを指します。
ですが、原因ははっきり分かっていないことが多く、足首の捻挫で損傷する外くるぶしの前側の靭帯の炎症、かかとの骨と距骨の間にある靭帯が上手く働かないことによる関節の不安定さが原因と言われています。
立っている時や砂利道などの不整地を歩く際に痛みが起こりやすいことが特徴です。
外くるぶしの前側や下側を押すと痛みがある場合もあります。
滑液包炎
滑液包とは、骨のすぐ上を腱や筋肉が通る時、なるべく摩擦を少なくするために骨と腱や筋肉との間にあるねばり気のある液体を含んだ袋状の組織です。
滑液包炎とは、その滑液包が炎症を起こし、痛みも伴う状態です。
滑液包の近くで骨折や靭帯損傷などの外傷を起こしたり、筋肉の使い過ぎによって過剰に滑液包に摩擦が加わることで、炎症が起こります。
足首に関して言うと、かかとや指の第一関節の下、外くるぶしに滑液包があります。
外くるぶしの近くには、つま先を外側や下へ向ける腓骨筋と言う筋肉があります。
つま先を動かすには足首が動くので、足首を酷使するようなスポーツや歩きすぎなどによって、滑液包に繰り返し摩擦が加わると、滑液包炎へとつながる可能性があります。
痛風
痛風とは、暴飲暴食した翌朝、急に足の親ゆびのつけ根が腫れて痛くなることがあります。
風が吹いても痛いということで、「痛風」と呼ばれています。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
これは関節炎の一種で、血液中の尿酸値が上昇すると、尿酸塩結晶と呼ばれるものが作られます。
この結晶を白血球が処理する過程で、関節炎が起こり痛風となります。
痛風は足首や肘、膝など様々な場所に炎症を起こす可能性がありますが、足首に関して言うと、アキレス腱の近くやかかと、足の甲、親指の付け根などに炎症が起こります。
足の甲やアキレス腱、かかとに炎症が起こると、くるぶしの前側や後ろ側を押すと痛みが起こる可能性はあります。
くるぶしが痛くなる原因
くるぶしが痛くなる原因としては、大きく分けると、足首の使い過ぎや外傷などの要因と痛風など生活習慣の問題の2つに分けられます。
多くは足首の使い過ぎなど、関節や筋肉に関するものです。
なので、そこへ焦点を当てて原因を考えると、主に以下のような要因が挙げられます。
- 外傷
- 足首の酷使
- 扁平足
- 足首の柔軟性が低い
- 足首の筋力が弱い
- 靴が合っていない
それぞれ解説していきます。
外傷
これは主に捻挫のことを指します。
捻挫をすると、足首の外側にある靭帯が伸びたり損傷、重症の場合は靭帯が断裂してしまいます。
すると、組織を治す過程で炎症が起こり、患部へ血液が集中して腫れます。
炎症すると、痛みも伴うので、患部である外くるぶしを押すと痛みも感じるというわけです。
足首の酷使
内くるぶしも外くるぶしも、くるぶしの近くには腱がいくつも通っています。
足首を動かすと、その腱は伸びたり縮んだり動きます。
すると、くるぶしやその近くの骨と腱の間には動かすたびに摩擦が起こります。
日常的に歩く程度であれば問題となる可能性は低いですが、スポーツや普段から仕事などでよく歩く場合は、過剰に摩擦が生じて炎症が起こる可能性があります。
捻挫の時と同様に、炎症が起こると患部は腫れて痛みを伴います。
なので、くるぶしの近くを押すと痛みを感じます。
扁平足
足の裏にはアーチと呼ばれる足に加わる衝撃を吸収するクッションのような構造があります。
アーチは、足の関節や筋肉、腱によって形作られ、ドーム状の形をしています。
土踏まずが分かりやすいですが、指を反らすと土踏まずの部分に腱が浮き出てドーム状の形を作るはずです。
本来ならアーチはドーム状に少し高さがあるのですが、扁平足の方はこのアーチが低くなっていて、高さが低い、あるいはなくなっています。
アーチは足に加わる衝撃を吸収するものなので、それがないということは衝撃を上手く吸収できず、足に加わる負担が大きくなるということです。
そうして負担が加わり続けると、関節炎や滑液包炎につながり、炎症を起こして痛みも生じます。
くるぶしは足首の関節の近くにあるため、炎症の影響を受けやすく、押すと痛みも感じる可能性は高いです。
足首の柔軟性が低い
柔軟性が低いということは、筋肉や腱が硬く伸びにくいということです。
その状態で歩いたり走ったりすると、本来はそれほど負担にならない動きでも筋肉や腱が強く伸ばされて、筋肉に微細な傷がつく可能性があります。
ピーンと張ったゴムとたわんだゴムを伸ばす時、張ったゴムは伸びる余裕がなく、伸ばすには強い力が必要ですが、たわんだゴムはある程度伸びる余裕がありますよね。
柔軟性が低い筋肉は張ったゴムと同じで、伸びる余裕がなく、伸びている時は強い力がかかっています。
傷がつくと、それを治す過程で炎症が起こり痛みを生じます。
くるぶしは足首の近くでよく動く場所なので、そこを通る筋肉や腱の柔軟性が低いと損傷して炎症する可能性は高く、くるぶしを押すと痛みを感じる原因になります。
足首の筋力が弱い
足首は可動性が大きく、よく動く関節です。
ですが、足首の周りは脂肪も少なく、大きな筋肉もないので、よく動く反面、不安定な関節とも言えます。
同じく可動性が大きい肩関節や股関節は、脂肪や筋肉も多く、足首に比べると安定していると言えるでしょう。
それだけに、足首の近くを通る筋肉が適切に働くことで、足首の安定性を担っています。
なので、足首の筋力が弱いと、足首が大きく動いた時にそれを制御するだけの力がない可能性があります。
例えば、足首を内側にひねりそうになった時、足首の外側の筋肉がしっかりと働けば、内側へひねるのを止めて、捻挫を防げるかもしれません。
ですが、筋力が弱いと、そのまま足首をひねってしまい、捻挫してしまうかもしれません。
靴が合っていない
足首はよく動く反面、不安定な関節だと言いましたが、靴はそれを補うための道具でもあります。
ですが、サイズが合っていなかったり、靴底が薄くクッション性が弱いものだったり、女性なら高いヒールを履いていると、足首には負担が大きく加わります。
サイズが適切であれば、足首が動きすぎないように守られますし、靴底が厚ければクッション性が強く、足に加わる衝撃を和らげることができます。
なので、足首の柔軟性や筋力など、自分自身の原因もありますが、靴が問題となっている場合もあるのです。
くるぶしを押すと痛い時の対策
くるぶしを押すと痛い時の対策は以下の3つが挙げられます。
- アイシング
- 適した靴を履く、インソール
- テーピング
それぞれ解説していきます。
アイシング
くるぶしを押して痛い場合、炎症で腫れている可能性が高いです。
炎症が起きていると、熱を持っている場合がほとんどなので、アイシングで冷やすことが効果的です。
具体的には、ビニール袋やアイスパックに氷を入れ、患部に当てて冷やします。
患部の感覚がなくなるくらい、15〜20分くらいを目安に冷やすのを止め、痛みが出てきたら再度アイシングしましょう。
熱感がなければ無理に冷やさなくても良いですが、熱感があるうちは1〜3日を目安に続けましょう。
適した靴を履く、インソール
自分に適した靴、インソールを使用することで、足に加わる負担を軽減できます。
その結果、腫れが引いて痛みも和らげることもできます。
自分が履いている靴、インソールが合っているかどうか判断するポイントは以下を参考にしてください。
- 靴のサイズは自分の足より0.5〜1cm余裕があるか
- かかとで合わせた時、つま先にゆとりがあるか
- かかとで合わせた時、インソールの上に足がおさまっているか
- 圧迫感が強くないか(靴紐などで調整できる場合は緩める)
- 土踏まずは少し支えられている程度で強く支えられていないものを選ぶ
注意する点として、よく靴を履く時につま先をトントンとして合わせるのを見ますが、あれは間違いです。
靴はつま先ではなく、かかとで合わせるものなので、つま先で合わせても意味がないことを覚えておきましょう。
テーピング
適した靴やインソールを選ぶだけでも、かなり足首への負担は軽減できます。
ですが、腫れや動かすと痛い場合はテーピングで足首をある程度固定して守ることで、負担を和らげることができます。
動かしすぎると悪化する原因にもなるので、テーピングで安定性を強めることも必要でしょう。
巻き方は以下の方法を参考にしてください。
- かかとの下にテーピングを置く
- かかとを支点に内くるぶしと外くるぶしへ向けて、引っ張り合いながら伸ばして貼る
- 1本目のテーピングから半分前に同様にもう1本貼る
- すねと足の甲の間で足首の中央から、かかとの上辺りへ向けて伸ばす
- そのまま引っ張りながら2〜3cmすねに向かって巻き上げていく
強く巻きすぎると、血管を圧迫してしまい、血流を悪くしてしまう可能性があります。
テーピングを少し伸ばし引っ張りながら巻く程度で大丈夫です。
くるぶしが痛い時にやってはいけない事
腫れや痛みがあるのに、無理してスポーツや歩くのは控えましょう。
腫れや痛みは患部へ負担がかかっている体からのサインです。
無理をしても早く治ることはなく、むしろ治りを遅くしてしまう原因になります。
捻挫でも重症の場合、松葉杖を使って体重がかからないようにすることが必要な場合もあります。
もし、腫れや痛みが強い、中々治らずに日が経っている場合は、一度整形外科を受診して医師の指示を仰ぐことをお勧めします。
理学ボディのおすすめ
とにかく早く痛みを治したい方は、理学ボディで施術を受けることをお勧めします。
理学ボディでは最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
捻挫で損傷した靭帯や関節リウマチによる関節の変形を治すことはできませんが、捻挫の後遺症や二次的に筋膜が硬くなって痛みを起こしている場合は施術による効果も期待できます。
筋膜の硬さはストレッチや筋トレでは中々改善できないことも多く、硬くなった筋膜を直接ほぐすことが有効な場合が多いです。
理学ボディのセラピストは筋膜の施術に精通しているので、筋膜によって起こっている痛みととても相性が良いです。
もし、早く痛みを何とかしたくてお困りでしたら、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。