この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
背中の痛みを経験したことがある方は多いかもしれません。
しかし、その痛みが筋肉の緊張によるものなのかそれとも何かの病気なのか、どこに問題があるのかわからないという方もいるでしょう。
実は、背中の痛みだけでも多くの原因が考えられ、内臓が関係している場合もあります。
今回は、背中の痛みが全体ではなく、左側に痛みが出現した場合に考えられる原因と痛みへの対処を紹介していきます。
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背中の痛みが左側にあるとき、考えられる原因は?
背中の左側での痛みの原因を詳しく説明します。
普段の生活において、背中を痛めるケースでは腰を曲げて重い物を持ち上げる際に、筋肉が過度に緊張して腰や背中に負荷がかかっている場合が多いです。
また立っているときの姿勢が不適切で、片側に過度の負担がかかることも考えられるでしょう。
そのほかにも自覚症状がない場合でも、心臓疾患や内臓の問題が背中の痛みの原因となることがあります。
どの場合でも悪化しないようにするには、早めの対処が必要です。
下記の痛みに対する対処法を解説するため、ぜひ参考にしてください。
- 姿勢のゆがみによる筋肉の痛み
- 内臓の不調
- そのほかの病気の可能性
1.姿勢のゆがみによる筋肉の痛み
姿勢の非対称性によって肩こりや腰痛が出現し、関連して背中の左側の痛みにつながっている可能性があります。
立位姿勢においての正しい姿勢は、横から見た状態だと下記のとおりです。
耳垂ー肩峰ー大転子ー膝蓋骨後面(膝関節前面)ー外果の前方

猫背やストレートネック、反り腰、または姿勢の変形などによって、身体が左右非対称になり、姿勢のゆがみが生じている場合があります。
また、肩こりや腰痛が単に筋肉の緊張や姿勢のゆがみから生じるわけではなく、腰椎椎間板狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、肩関節周囲炎など、さまざまな疾患が同時に関与している可能性も考えられます。
2.内臓の不調
背中の左側の痛みは、内臓の不調も原因の一つです。
神経の通り道により脳が別の場所の痛みを誤認し、背中に痛みが生じることがあります。
関連痛として知られ、安静時に痛みが出ることが特徴です。
そのため痛みの出るタイミングを確認し、内臓の不調の可能性を考えてみることも大切です。
ストレスから来てる可能性も?
実は、ストレスによって背中の左側に痛みが生じることがあります。
ストレスを感じることで、リラックス時に活動する自律神経が乱れ心身ともに緊張状態に陥ります。
そのため筋肉も過度に収縮し、持続的な緊張が背中の痛みを引き起こす要因です。
背中の痛みがストレスによるものかどうか不明な場合は、内科を受診し痛みの原因を明らかにすることから始めましょう。
3.そのほかの病気の可能性
ここまでの1や2で紹介したものに当てはまらない場合は、下記の4つの身体の病気の可能性があります。
- 心臓の病気:心筋梗塞・狭心症
- 肺の病気:肺炎、COPD、肺塞栓症、肺がん
- 膵臓の病気:膵炎、膵臓がん
- 胃の病気:胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎
それぞれみていきましょう。
心臓の病気:心筋梗塞・狭心症
背中の左側に痛みを感じる場合、心臓の疾患が潜在的に関与している可能性が考えられます。
心筋梗塞は、冠動脈が閉塞して心臓に血液が行き渡らなくなることによって、心筋が損傷する病気です。
背中の左側や左肩から胸部に激しい痛みが放射痛として現れ、意識障害も起こることがあります。
一方、狭心症は心筋梗塞に似ていますが、冠動脈の狭窄や一時的な閉塞によって一過性の心筋虚血が生じます。
狭心症は、痛みが短時間で収まることが特徴です。
しかし放置すれば、重症化して命に関わることもあります。
したがって、痛みを感じた場合は迅速に医療機関を受診しましょう。
肺の病気:肺炎、COPD、肺塞栓症、肺がん
背中の左側に痛みを感じる場合、肺の疾患が関わっている可能性があります
また痛みに加えて息苦しさや持続的な咳がみられる場合、肺塞栓症や肺がんの可能性も考えられるでしょう。
肺塞栓症は、肺の血管に血栓が詰まり胸痛や心停止を引き起こす疾患で、特に長期間寝ている方や手術後に発生することがあります。
そして喫煙者の場合は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性も懸念されるでしょう。
少しの運動や起床時に息切れや呼吸困難さを経験したり、慢性的な咳が続いたりすることがあります。
背中の左側の痛みと同時に息苦しさや咳が出現する場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
膵臓の病気:膵炎、膵臓がん
背中の左側または中央部に痛みが現れる場合、膵臓の疾患が関与している可能性があります。
膵臓は身体の中央よりやや上に位置しており、痛みが発生すると膵炎や膵臓がんの可能性が考えられます。
膵炎は、特に過度な飲酒や暴飲暴食の方に多く見られ、膵液が膵臓自体を消化してそれが炎症を引き起こしているものです。
急激な背中の痛みや嘔吐、発熱などの症状を伴い、重症化すると命に関わるケースもあります。
一方、膵臓がんでは鈍痛がおもな症状ですが、ほかに自覚症状が少ないため診断が難しい場合があります。
違和感や痛みを感じた場合は、早めに医療機関で精査しましょう。
胃の病気:胃炎、胃潰瘍、逆流性食道炎
背中の左下側に痛みがある場合、胃の疾患が関係している可能性があります。
胃は背中の左下側に位置しているため、痛みの原因としては胃炎や胃潰瘍が考えられるでしょう。
痛みの種類は、みぞおちや背中の左下部に鋭い痛みや圧迫感があるなど、人それぞれです。
症状や違和感がある場合は、医師の診察を受けるのをおすすめします。
背中の左側の痛み、症状の治し方について
ここまで、背中の左側の痛みについて紹介しました。
今回は、症状に対しての治し方や対処方法について解説します。
治し方と対処方法は、下記のものがあります。
- ストレッチをする
- 湯船に浸かって温める
- マッサージを受ける
- 整体へ行く
- 病院で受診する
また、4と5の整体や医療機関へ行く前に背中の痛みだけでなく肩や首、腰にも痛みが出ているか、痛みの種類はズキズキするのか、ズーンと重い痛みなのか、いつ頃から痛むのかなど、できるだけご自身で把握して説明できるようにしておきましょう。
1.ストレッチをする
背中の左側の痛みを改善したい場合は、肩甲骨や背中を伸ばす効果が期待できる下記の2つのストレッチをするのがおすすめです。
- 腸腰筋のストレッチ
- 大臀筋のストレッチ
1,腸腰筋のストレッチ
- 膝立ちになり、片足を前に出す
- 前足の膝を抑えて体重を前にかける
- 前側の足にしっかり体重をかかっていることを意識して、後ろ足を伸ばす
※後ろ側の足の膝が浮かないように注意する
このとき、腰が反らないように注意しましょう。
2,大臀筋ストレッチ
- 仰向けになる
- 脚を曲げてもう片方の脚の膝から太ももの間にくるぶしを乗せる
- くるぶしの下で支えている脚の膝を両手で抱えて10秒キープ
反対も同様に繰り返しましょう。
身体は動かさないと筋肉が固まってしまい、動かしにくくなります。
そのため少しの時間でも肩を回してみたり、手を前や上に伸ばす動きをしてほぐしたりするのが重要です。
背中の筋肉が硬くなると連動して首や肩、腰にも痛みが出てくることがあるため日頃から軽い運動をしましょう。
2.湯船に浸かって温める
背中の左側の痛みを改善するために、湯船に浸かって温めるのもおすすめです。
湯船に浸かることで全身を温められるため、血流が促進されます。
血流が促進されると筋弛緩作用が働き、筋肉がほぐれて痛みの軽減が期待できます。
また、入浴中や入浴後にストレッチを行うとさらに効果的です。
3.マッサージを受ける
背中の左側の痛みを改善するために、マッサージを受けるのもおすすめです。
整体でマッサージをしてもらうことで血流を促進させ、筋肉の凝りや緊張を改善させる効果が期待できます。
注意点として、マッサージの対象はあくまでも筋肉の凝りが原因で痛みがある方という点です。
また、痛みを感じるような強めの力のマッサージは、逆に筋肉を傷めてしまう可能性があるため自分でマッサージをする際は気をつけましょう。
4.整体へ行く
背中の左側の痛みを改善するために、整体へ行くのもおすすめです。
筋肉をほぐすことも大切ですが、身体のゆがみが原因だった場合は整体に行くことをおすすめします。
整体にある骨盤矯正には、身体のゆがみを整える効果が期待できます。
日常生活で片方の足に重心を乗せて立っていると、背中に負担がかかると姿勢がゆがんでいってしまいます。
根本的な改善を求めるのであれば、筋肉の深層部分にアプローチ可能な整体で骨盤矯正や姿勢矯正を行うことが大切です。
5.病院で受診する
背中の左側の痛みに加え、肩や胸の痛み、息苦しさなどを感じている場合はすぐに病院受診しましょう。
放っておくと、心筋梗塞や膵臓癌など大きな病気の発見が遅れてしまい最悪死に至る可能性があります。
医療機関を受診する際は、いつからどの部分に、どの動きでどんな痛みがあるかをできるだけ詳細に説明していただけるとスムーズに診察してもらえるでしょう。
※そのほか、背中の痛みの症状を根本から改善できるよう、あなたの痛みに効果的な筋膜リリース動画をLINEにて無料でお伝えしています

背中の痛みについてよくある質問
最後に背中の痛みについてのよくある質問をまとめました。
背中の痛みについて同じ悩みを抱えている方もいます。
ぜひ確認してみてください。
背中の真ん中が痛むとき、原因には何が考えられますか?
背中の真ん中が痛む原因として、猫背などによる首や腰からの関連痛や、内科疾患の場合は急性膵炎や膵臓がんなどが考えられます。
背中の真ん中あたりには膵臓や腎臓がある場所のため、尿管結石や腎結石などができてしまった場合にも痛みを生じます。
症状が悪化する前に、早期に病院受診をしましょう。
背中の痛みと一緒に吐き気などもある場合は、どうしたら良い?
背中の痛みと一緒に吐き気などの症状がある場合は、すぐに病院を受診してください。
背中の痛みのみであれば筋肉の張りなどの問題も考えられますが、吐き気は内臓に原因がある可能性が考えられます。
いつ頃から痛みがあるかを、受診の際に伝えるとスムーズに対応してもらえるでしょう。
咳をすると背中が痛いときは、何科を受診するとよいの?
咳をすると背中が痛いときは、呼吸器内科(呼吸器科)を受診するのが良いでしょう。
呼吸器内科で問題がなければ、担当の先生に次は何科を受診すればよいかの判断を仰いでください。
肩甲骨の下に痛みがある場合は、どうしたら改善しますか?
肩甲骨の下に痛みがある場合の改善策は、下記の5つです。
- ストレッチを行う
- 湯船に浸かる
- マッサージを受ける
- 整体に行く
- 病院受診をする
原因によっては、早めの専門家への相談や専門機関での対応が必要な場合もあるため、早めに改善させたい方は整体や医療機関に頼ると良いでしょう。
この記事のまとめ
今回は、背中の痛みが左側にだけ生じた場合の原因や対策について紹介しました。
背中の痛みだけでも多くの原因があります。
しかし筋肉の緊張やストレス内科の疾患など、さまざまな原因がある中で、自分で判断するのは難しいでしょう。
痛みを感じたら、早めの専門家への相談が大切です。
理学BODYでは背中の痛みの根本原因となる筋膜へアプローチし、症状の改善と再発の予防を行います。
もし、病院や整体院へ通っても症状が思うように改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。
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