ベンチプレスを始めたが、肩が痛くなってしまい、満足にすることができない。
ベンチプレスをしていると、肩が痛くなってきて続けられなくなってしまう。
このような悩みありませんか?
ベンチプレスで肩が痛くなってしまうのは、多くの場合は正しいフォームで行えていないことが原因です。
なので、正しいフォームで行うことを意識しつつ、痛めてしまった組織や痛めないための予防のために、体のケアを並行して行なっていく必要があります。
そこで、今回はベンチプレスで肩が痛くなる原因や考えられる事、正しいフォーム、痛くなった場合の対策を解説していきます。
ベンチプレスで肩が痛くなる原因
ベンチプレスで肩が痛くなる原因としては、以下の3つが挙げられます。
- 肩で持ち上げている
- 手首が反っている
- 肩甲骨が床から浮いている
それぞれ解説していきます。
肩で持ち上げている
勘違いしている方もいますが、ベンチプレスは大胸筋をメインに胸を鍛える種目です。
なので、胸の筋肉を使ってバーを持ち上げないといけませんが、肩の筋肉を使って持ち上げていることがあります。
このように、胸の筋肉ではなく、肩の筋肉を使ってバーを持ち上げていると肩を痛める原因になります。
理想はバーを乳首のあたりに下ろし、真っ直ぐ持ち上げるフォームで行うことです。
その方法で持ち上げれば、大胸筋を使って持ち上げることができますが、乳首より上、あるいは下にずれてしまったまま持ち上げると、かなり肩に負担がかかってしまいます。
と言うのも、胸の筋肉である大胸筋の繊維は上腕骨に付着していますが、ちょうど乳首から外側へ向けた直線上に位置しています。
これがバーを乳首のあたりに下ろして真っ直ぐ持ち上げると大胸筋を使いやすい理由で、ちょうど筋繊維に沿った位置で持ち上げているからです。
ここからずれると、大胸筋が使いにくくなるので、肩の筋肉でかばって持ち上げることとなり、肩を痛めてしまう可能性が高くなるというわけです。
手首が反っている
バーを下ろしてきた際、手首がバーの重さで手首が反ってしまう場合があります。
ですが、手首が反ってしまうと、バーの位置が乳首より上にずれてしまい、肩がすくんだまま持ち上げてしまいやすいです。
肩がすくむと、肩に力が入りやすく、胸を張りにくいので胸の力は入りにくくなります。
そのままのフォームでベンチプレスを続けると、肩の筋肉に負担がかかるため、肩を痛めやすくなってしまいます。
また、手首にもバーの重さによる負担がかかりやすいフォームなので、手首を痛める可能性も高いです。
肩甲骨が床から浮いている
ベンチプレスをする際は、肩甲骨がしっかりと床面にくっついており、浮いていないことが重要です。
肩甲骨が浮いてる場合、肩甲骨は外転と呼んでおり、背中に対して外側に移動している状態です。
ベンチプレスでは、バーを持ち上げる前に一旦胸までバーを下げますが、この時の肘を体の後ろ側へ向けて引く動きを肩関節の水平外転と呼んでいます。
肩関節の水平外転時、本来は肩甲骨が背骨に近づく内転と呼ばれる動きが起こります。
ですが、肩甲骨が床面から浮いて外転した状態だと、肩関節を水平外転した時に肩甲骨と上腕骨がぶつかってしまったり、腱などを挟み込むことで痛みを起こす可能性があります。
また、肩甲骨が浮いていると、肩周りの安定性が低くなるため、その状態で重さのあるバーを扱うのはかなり肩にとって負担となってしまいます。
実際にやってもらうと分かるはずですが、肩甲骨を床面にべったりつけた状態と浮かした状態で、それぞれ腕を動かすと前者の方が腕を動かしやすいはずです。
これは床面に対して背中や肩甲骨がついているので、そこを支点に腕を動かせるからです。
浮いている場合は、床面を支点にできないので筋肉で肩周りを固定し、それによって安定性を作り、腕を動かさないといけず、肩周りにかかる負担が異なります。
ベンチプレスで肩が痛い時に考えられる事
ベンチプレスで肩が痛い時に考えられる事としては、主な原因は筋肉に偏った負担がかかったこと、筋肉の使い過ぎによる筋肉が原因の痛みが多いです。
ですが、場合によってはそれ以外の問題も考えられ、以下の4つが挙げられます。
- インピンジメント症候群
- 上腕二頭筋長頭腱炎
- 腱板損傷
- 腋窩神経障害
それぞれ解説していきます。
インピンジメント症候群
インピンジメント症候群とは、肩を挙げていく際、ある角度で痛みや引っかかる感じがあることを指します。
特徴としては、ある一定の角度で痛みや引っかかりがありますが、その角度を越えると症状はなくなるというものです。
多くは腕を60〜120°の間で動かした際に症状が出現することが多く、ベンチプレスの動作においても約90度の位置で腕を上げ下げするため、インピンジメント症候群による痛みが出現する可能性はあります。
肩は上腕骨頭という球状の骨と肩甲骨の関節窩と呼ばれる受け皿の2つの骨で構成されています。
痛みが生じる原因として、上腕骨頭が動く際に周りの腱などを関節窩との間に挟み込んでしまう、あるいは骨と骨がぶつかることが考えられます。
上腕二頭筋長頭腱炎
上腕二頭筋とは、肘を曲げた際にできる力こぶの筋肉です。
この筋肉は肘から肩の前を通って肩甲骨に付いています。
肩の近くまでくると、筋肉は腱になって肩甲骨に伸びていきますが、この腱は結節間溝と呼ばれる上腕骨にできた溝を通ります。
ベンチプレスを行う中で肘の曲げ伸ばしを繰り返すと、この溝で上腕二頭筋長頭腱がこすれて摩擦を起こし、炎症が起こることで痛みを引き起こします。
肩の前側、真ん中辺りを押すと痛みがある、肘の曲げ伸ばしでも痛みがあるのが特徴です。
腱板損傷
肩にはいわゆるインナーマッスルと呼ばれる4つの筋肉があります。
- 棘上筋
- 棘下筋
- 小円筋
- 肩甲下筋
これら4つの筋肉を総称して腱板筋群と呼び、これらの内のどれか、あるいは複数の筋肉が損傷することを腱板損傷と呼びます。
原因としては、投球動作を繰り返す中で、腱板と上腕骨頭や関節窩が何度も衝突し、次第に腱板が損傷してしまうことが考えられます。
肩の運動障害・運動痛・夜間痛を訴えますが、夜間痛で睡眠がとれないことが受診する一番の理由す。
運動痛はありますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
このように、夜の痛みと肩の運動時の痛みが主な特徴です。
腋窩神経障害
腋窩神経は腕の外側の感覚や小円筋や三角筋といった筋肉の働きをt司っている神経です。
この神経は筋肉や骨で囲まれた四辺形間隙症候群と呼ばれる空間を通っています。
この空間は腕を挙げると狭くなり、腋窩神経は圧迫されやすい位置にあります。
腕を挙げるほどこの空間は狭くなるため、ベンチプレスでは90度程度の高さくらいしか挙げないので、それほど腋窩神経障害の可能性は高くはありません。
ですが、可能性としては0ではなく、腋窩神経が圧迫や摩擦などの負担を受け、それによって腋窩神経の支配する領域に痛みが起こる可能性があります。
特徴としては、腕のしびれがある、脇の裏側を押すと痛みということが挙げられます。
ベンチプレスで肩が痛くならない正しいフォーム
ここまでの内容を踏まえ、肩が痛くならないための一番の対策は、まず正しいフォームでベンチプレスを行うことでしょう。
いくらストレッチやテーピングなどの対策を施したとしても、根本のフォームが悪くて肩を痛めていたとしたら、肩の痛みは中々良くならないでしょう。
ベンチプレスで肩が痛くならない正しいフォームは以下の点を押さえておきましょう。
- バーを乳首の周囲に下ろす
- 手首が反りすぎないようになるべく起こす
- 左右の肩甲骨を床面にしっかりとつける
それぞれ解説していきます。
バーを乳首の周囲に下ろす
乳首の周囲にバーを下ろすことが大胸筋を効率良く使ってベンチプレスするために重要です。
乳首より低い位置だと、恐らく力が入りにくくて持ち上げるのはかなり難しいと思います。
なので、位置がずれるとしたら乳首より上で、鎖骨や首の辺りにずれる場合が多いです。
ですが、乳首より上にずれると肩がすくみやすく、肩や腕の力でバーを持ち上げることになってしまうので、あくまでも胸を使う意識で乳首の周囲にバーを下ろすことを心がけましょう。
手首が反りすぎないようになるべく起こす
バーの重さが重ければ重いほど、指先側へバーが偏ると重さで手首が反りやすくなってしまいます。
手首が反ってしまうと、バーの位置が乳首周囲からずれやすく、鎖骨や首の方へずれてしまいやすいです。
すると、上述したように、肩がすくんで肩や腕の力でバーを持ち上げることになるので、可能な限り手首を起こしておくことが大事です。
そこで、バーの握り方がポイントになりますが、握り込まないことが重要です。
持つ前に、中指の付け根にバーがくるようにし、親指でバーの下側、小指でバーの上側から挟み、強く握り込みすぎないように残りの指でバーを包み込むように握ります。
握り方は様々で、親指だけバーから外す握り方であったり、バーに対して手首を斜めにハの字になるように持ったりなどありますが、一般的なのが既に解説した握り方です。
まずはこれで慣れてから、自分に合った方法を探していくのが良いでしょう。
左右の肩甲骨を床面にしっかりとつける
これも上述したように、肩甲骨が浮いて外転していると、バーを下ろしてきた時に肩を痛めてしまいやすいです。
また、力の入れやすさという観点からも、肩甲骨は床面につけておきましょう。
ポイントは、バーを持ち上げる前に胸を張って左右の肩甲骨を寄せるように準備しておき、そこからバーを持ち上げて下げてくると、肩甲骨が浮いてしまうことはないはずです。
ベンチプレスで肩が痛い時の対策
正しいフォームでベンチプレスをすることも当然重要ですが、少なからず肩や腕周りの筋肉に負担はかかります。
なので、フォームを修正する以外の対策も併せて実践することで、肩の痛みの解消、予防につながります。
ベンチプレスで肩が痛い時の対策としては、以下の3つが挙げられます。
- 肩甲骨や大胸筋を使う種目で練習する
- 肩のインナーマッスルを鍛える
- ストレッチ
それぞれ解説します。
肩甲骨や大胸筋を使う種目で練習する
フォームが中々修正できない、そもそもの筋力が弱い場合は、ベンチプレスを本格的にやる前に別の種目で肩甲骨や大胸筋を使う感覚を養ったり、筋力をつけた方が良いでしょう。
そのための種目として、ここでは2つご紹介します。
ベンチシュラッグ
- バーを持つ
- 肘は曲げずに、肩を前に突き出したり戻す動きを繰り返す
- 20〜30回繰り返す
これに関しては、肩甲骨の内外転の動きを学習する目的なので、バーだけで重りはつけなくても大丈夫です。
また、自宅など機材がない場所であっても、何も持たずに肩の出し入れをするだけでも効果的です。
カウントダンベルベンチプレス
- ダンベルを持つ
- ベンチプレスの要領でダンベルを持ったまま下げていく
- 床について良いので、完全に脱力する
- 5秒数えてから持ち上げる
- 10回程度繰り返す
肩を脱力し、ダンベルの重みで大胸筋を伸ばすことで、大胸筋に刺激を入れて大胸筋で持ち上げる感覚を養うための種目です。
大胸筋を使う感覚だけでなく、単純に筋トレにもなるのでおすすめです。
肩のインナーマッスルを鍛える
肩のインナーマッスルは上述した4つの筋群です。
これらが協調して働くことで、肩を前後、上下から安定させ、スムーズに腕を動かすことができます。
具体的な鍛え方としては以下の2つがおすすめです。
横向きでのトレーニング
- 横向きになる
- 腕を体の横にピッタリつけ、肘を90度に曲げる
- 肘は曲げたまま、手のひらをお腹側、天井側へと交互に繰り返す
- 20〜30回程度行う
ポイントは、手首で動かさずにあくまでも肘を支点に肩を動かしましょう。
また、素早く行わず、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。
座ったままでのトレーニング
- 椅子に腰かけ、目の前にテーブルを用意する
- 体がやや前傾して肘をつける位置に椅子を調整する
- 両肘をテーブルにつき、肘は90度に曲げる
- 軽く肘でテーブルを押しつつ、肘から手首を内外へ動かす
- 20〜30回程度繰り返す
ポイントは、肩がすくんだり、あごが上がったりしないように、軽く肘でテーブルを押した状態をキープすることです。
また、先ほどと同様に、手首で動かさないこととゆっくり時間をかけて行いましょう。
ストレッチ
ベンチプレスで使って緊張している筋肉をストレッチすることで、緊張を和らげ、血流の増加効果も期待できます。
痛みの緩和や予防につながるので、日頃からやっておくことをおすすめします。
具体的な方法は以下の通りです。
肩のストレッチ
- ストレッチする側の肩を下にして横向きになる
- 腕は肩の高さまで持ってきて、肘は90度に曲げる
- 手のひらを地面に近づけるように動かす
- それ以上動かない位置で20〜30秒キープする
手のひらを地面に近づける時、肘が伸びたり曲がったりすると上手くストレッチできません。
肘は90度に保ったまま、真っ直ぐ地面に向かって動かすようにしましょう。
大胸筋のストレッチ
- 肘を曲げ、肩の高さくらいで壁につける
- 腕を壁につけたまま、体を反対側へひねる
- そのまま20〜30秒キープする
胸の大胸筋[のストレッチです。
腕が壁から離れないように注意しつつ行いましょう。
理学ボディのおすすめ
今回紹介した対策を実践しても中々肩の痛みがなくならないという方は、理学ボディで施術を受けることがおすすめです。
理学ボディでは、最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
筋膜は筋肉を覆っている膜状の組織で、筋膜が硬くなると筋肉の柔軟性が低下、筋力が発揮しにくいなどが起こります。
筋膜の硬さのある場所はピンポイントで存在しているため、ストレッチやマッサージでは中々ほぐすことができません。
もし、筋膜の硬さが肩の痛みに影響しているのなら、ストレッチやマッサージをしていても中々改善することは難しいでしょう。
ですが、筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、ピンポイントの硬さでも見つけることができます。
もし、肩の痛みがなくならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
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