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ストレッチの目的とメリット

ストレッチのメリット

先生!よく世間ではストレッチが体にいいって言うじゃないですか?

運動の前後でしなさいとか

夜お風呂あがったらしなさいとか

でもあれって具体的に何にいいんですか?

それがわからないとやる気がしなくって・・・

この間そんな質問をされたので、今回は長年整形外科に勤めてきた理学療法士の立場からストレッチについて書いていきたいと思います。

ストレッチのメリットって何?

ストレッチのメリットは数多くありますがここでは代表的な5つを紹介していきたいと思います。

関節の可動範囲の拡大

関節の可動範囲の制限が筋肉の硬さによるものであった場合は、関節の可動範囲が大きくなります。

股関節なんかは筋肉が可動範囲の制限になっていることが多いので、顕著に成果が表れます。

(例)ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスのストレッチ

▼ハムストリングスのストレッチ前後の可動域の変化

ハムストリングスのストレッチ後

1度ストレッチをしただけでは、この変化が長時間持続するわけではありません、ですが一時的にはそれなりに変化が表れます。

また、可動範囲が広がることで防げる障害もあります。

たとえば股関節が動くようになることで、腰にかかる負担が軽減し、腰痛の改善にもつながります。

腰痛改善のストレッチに関しては以前詳しく書いた記事がありますので▼の記事をご覧ください。

腰痛で後ろに反ると痛い原因とストレッチ方法

腰痛で前屈できない人の原因とストレッチ方法

パワー(筋出力)の向上

たまにストレッチをすると力が抜けてパワーが低下したり関節が不安定になるという俗説を耳にすることがあります。

ストレッチは正しい部位に正確に行えばそんなことはありません。

むしろ筋肉の長さを伸ばすことで、筋肉が収縮できる距離が長くなるため、これにより筋肉の潜在的なパワー(筋出力)は向上します。

長さ張力曲線

▲の図を見てください。

筋の長さが100%の時、活動張力(パワー)もピークを示していることがわかります。

逆に少しでも筋の長さが100%を上回ったり、下回ったりすると活動張力(パワー)も100%発揮されません。

これはどういうことかというと、筋の長さが100%に達していない筋肉をストレッチで伸ばした場合はパワー(活動張力)を発揮しやすくなるということです。

ただしこの理論でいくと、もともと筋の長さが100%以上の筋肉をストレッチした場合はパワーを発揮しずらくなります。

(静止張力というのは、名前の通り止まっているときの力のことです。これは伸びていれば伸びているほど力が出ています。これはここまで話してきたパワーの話とは別の力の話なので今回はこれ以上触れません)

たとえば、▼の猫背の人の画像を見てください。

この胸の筋肉は縮んでいて100%以下の筋の長さになっているので、ストレッチをした方がパワーが発揮しやすくなります。

逆に背中の筋肉は、すでに伸ばされていて筋の長さが100%以上あるのでここをさらにストレッチすることはパワーを発揮時ずらい状況にすることになります。

つまりストレッチはなんでもかんでもすればいいというものではなく、短くなっている筋肉を見極めて行うことが重要なのです。

姿勢の改善を手助け

ストレッチをするだけで姿勢が直るとは言いませんが、ストレッチと筋トレを組み合わせることで姿勢の改善につながります。

具体的には短くなった筋肉にはストレッチ、長くなった筋肉には筋トレ、を行います。

少し細かい話になってしまうのですが、ストレッチを筋腱移行部に対して持続的に行うことで、筋肉を構成する『筋節』と言われる細胞のような組織の数を増やすことができると言われています。

姿勢の改善に関しては▼の記事に詳しく書いているのでそちらをご覧ください。

悪い姿勢を改善できない原因と治し方!

運動後の筋肉痛の軽減

日頃から運動の習慣がない人が、ジムで運動をはじめたり、マラソンをしたりすると、翌日以降に筋肉痛になることはみなさん想像がつくと思います。

この筋肉痛は、筋繊維の微細な損傷や血液停滞、乳酸などの老廃物の停滞などにより生じるとされています。

クールダウンの一環としてストレッチを行うことで、微細な損傷をした筋肉は伸ばされることで筋緊張が落ち、血液循環は活発になり、老廃物が除去されるため、筋肉痛を和らげるのに役立つとされています。

疲労の軽減

ストレッチを行うことで、硬くなって緊張した筋肉を緩めることができます。

これが疲労の軽減につながります。

肩こりがひどい人が、肩甲骨から首にかけてついている筋肉をストレッチすると、その時は少し楽になりますよね?

プロのスポーツ選手なんかは、試合の後必ず入念にストレッチをしていますよね?

このようにストレッチには、リラクゼーション的な要素も多く含まれています。

ストレッチは継続して行うことが重要

ここまで読んでいただいた方は、ストレッチって意外とすごい!

と思ってくれたかと思います。

ただしストレッチは1回やっただけでは効果は限定的です。

たとえば、上で述べたハムストリングス(もも裏の筋肉)のストレッチ

これでその場で前屈が少し下までいくようになっても、おそらく翌朝にはほとんど戻ってしまっていると思います。

ストレッチで体を変えたいと思ったらある程度継続的に行っていただく必要があります。

お相撲さんを見てください。

彼らはもれなく全員股が割れます。

股割力士

でも彼らだって最初からこうだったわけじゃないと思うんですよ。

彼らは毎日毎日上の写真のようにストレッチを繰り返したからここまで股が割れるようになったのだと思います。

なのでストレッチを思いついたように単発で行うだけでなく、ある程度継続してやってみてください。

ストレッチの注意点

ここまでストレッチの良い所ばかり書いてきましたので、最後にストレッチを行う上での注意点を書いていきたいと思います。

無理やり伸ばしすぎない

無理やりグイグイやりすぎると逆に筋肉を傷めてしまいます。

ドMじゃあるまいしそんなことないでしょー

と思う方も多いかもしれませんが、

もも裏の筋肉(ハムストリングス)のストレッチをしすぎて、もも裏の筋肉(ハムストリングス)を部分損傷(軽い肉離れ)したという方を、何度か見たことがあります。

気を付けてください。

ストレッチのポイントは痛気持ちいいぐらいの位置で持続的に伸ばすことです。

秒数にすると30秒以上で2分以下ぐらいがちょうどいいです。

正しいフォームで行う

よくもも裏の筋肉(ハムストリングス)のストレッチをする際、上半身を丸めて無理やりつま先を触ろうとする人がいます。

でももも裏の筋肉(ハムストリングス)が伸びるのに、つま先を触ることは全く関係ありません。

上半身を丸めてどんなに体を前に倒せても全く意味がありません。

なぜならもも裏の筋肉(ハムストリングス)は骨盤から膝についている筋肉で、上半身にはついていないからです。

これはもも裏の筋肉(ハムストリングス)に限らず、どこの筋肉でも一緒で、ストレッチはどこからどこについている筋肉なのかを意識して、その筋肉の起始部と停止部を引き離すように伸ばすようにしてください。

私のサロンでできること

私のサロンでは痛みを改善する施術のほかに、パーソナルトレーニングを行っています。

その中で、姿勢を改善するための正しいストレッチを実践したり、家で一人で行えるセルフストレッチの方法の指導も行っています。

ストレッチをした方がいいのはわかったけど、私の場合どこをストレッチしていいかわからないという方

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ABOUT US
木城 拓也
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。 その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。 筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
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