自転車に乗っていると股関節の前側が痛くなってくる。
自転車をまたぐ時に股関節が痛くなる。
こんな悩みありませんか?
通学や通勤、買い物など移動手段として自転車を使っている方は、自転車に乗ることで股関節が痛いとかなり困ってしまいますよね。
実は自転車に乗っている時って、股関節にとっては不安定な姿勢であったり、動きであったりするので、痛くなりやすいとも言えるのです。
そこで、今回は股関節痛を解消し、自転車に快適に乗ることができるようにするため、なんで自転車に乗ると股関節が痛くなるのか、原因と対策まで解説します。
自転車で股関節が痛くなる2つのパターン
自転車で股関節が痛くなるのは大きく分けると2つのパターンがあります。
それが以下の2つです。
- 自転車に乗っていると股関節が痛くなる場合
- 自転車をまたぐと股関節が痛くなる場合
自転車に乗ってすぐは痛くないけど、漕いでいると次第に痛くなってくる場合と自転車をまたぐ、あるいはまたぐ過程で痛くなる場合に分けることができます。
両者はどんな違いがあって、それぞれどんなことが考えられるのかを解説していきます。
自転車に乗っていると股関節が痛くなる場合に考えられること
自転車に乗っていると股関節が痛くなる場合は、股関節のはまり込みが浅い可能性があります。
関節のはまり込みが浅いと、骨と骨がぶつかったり、骨と骨の間に腱や筋肉が挟まれて痛みが起こる可能性があります。
股関節のはまり込みが浅いのは、変形性股関節症や臼蓋形成不全という病気の可能性があります。
変形性股関節症とは、ごく初めでは関節がきゃしゃであったり変形しているだけですが、関節症がすすんで初期関節症になると、関節の隙間が狭くなったり(軟骨の厚さが薄くなる)、軟骨下骨が硬くなったり(骨硬化)します。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
簡単に言うと、関節の変形によって股関節が上手くはまり込まないので、さらに変形が進行し、関節の動きの悪さ、立ち上がりや歩き始めに痛みが生じます。
一方、臼蓋形成不全とは、股関節は大腿骨頭という球状の骨と骨盤の臼蓋という受け皿で構成されていまが、これが何らかの原因で発育不足となったことを指します。
小児期の臼蓋形成不全は基本的には乳児の時に超音波やX線(レントゲン)で診断される画像上の診断名なので、臨床的に問題となるような症状はありません。
ただ、発育性股関節形成不全のように、大腿の皮膚溝(しわ)が非対称であったり、脚の開きが悪いこと(開排制限)があります。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
成人の臼蓋形成不全は上述した変形性股関節症の初期に当たり、変形性股関節症に見られるような、動き始めや動いた後に股関節の前や外側に痛みが生じる場合が多くみられます。
股関節は球状の大腿骨頭が臼蓋という受け皿があるおかげで、大きく動くことができるわけですが、大きく動くことができるがゆえに、不安定で脱臼してしまうというリスクもあります。
股関節のはまり込みが浅い状態で大きく動くと、周りの骨や腱、筋肉とぶつかったり挟み込んだりするため、痛みが起こりやすいというわけです。
自転車を乗っている時の股関節がどういった状態かと言うと、腰が丸くなりやすく、骨盤は後ろへ傾きます。
この時の股関節は、骨盤が後ろへ倒れることではまり込みが浅い状態であり、不安定な状態となっています。
そのまま自転車に乗っていると、はまり込みが浅いまま漕ぐことになるので、股関節の痛みが出やすくなるということになります。
自転車をまたぐと股関節が痛くなる場合に考えられること
自転車をまたぐ時に股関節が痛くなる場合は、筋肉の柔軟性が低い可能性があります。
またぐという動きをする際、足を横に大きく開きますよね。
この時、内ももの内転筋と呼ばれる筋肉が伸ばされています。
内転筋にはいくつか種類があり、以下の4つあります。
- 長内転筋
- 大内転筋
- 短内転筋
- 恥骨筋
これらのうちのどれか、あるいは複数の柔軟性が低いと、またぐ動きで伸ばされた時に痛みが出やすくなります。
例えば、ストレッチをする時に限界まで伸ばすと、痛みを感じることもあるかと思います。
その感覚に近いもので、柔軟性が低下していてあまり伸びる余裕がない筋肉を伸ばすと、痛みを感じます。
また、限界を超えて伸ばしてしまった、あるいは頻回に伸びる動きを繰り返すことで、筋肉に微細な傷がついて、炎症を起こすことで痛みが生じることもあります。
股関節が痛くなる原因
股関節が痛くなる原因としては、主に以下の2つあります。
- 関節の構造的な問題
- 筋肉の硬さ
それぞれ解説していきます。
関節の構造的な問題
上述した通り、股関節は大腿骨頭と臼蓋によって構成されており、曲げる・伸ばす、開く・閉じる、ひねるといったあらゆる方向へ動くことが出来ます。
ただ、変形性股関節症や臼蓋形成不全のように、関節自体に構造的な問題があると、大きく動くことができない、反対に脱臼してしまうような方向へ動いてしまうことがあります。
例えば、臼蓋形成不全は普通の方より臼蓋が小さく、大腿骨頭を十分に支えられるだけの受け皿としての広さがないことが問題です。
これはストレッチやマッサージなどでは変わらないことなので、痛みが強い場合は手術によって人工の関節に入れ替えるしかありません。
筋肉の硬さ
股関節を曲げたり伸ばしたりすると、周りにある筋肉が伸びたり縮んだりします。
当然ですが、この時筋肉が硬くて伸びないと、関節の動きも制限されてしまいます。
自転車をまたぐ時の痛みで説明しましたが、それ以上伸びない筋肉をさらに伸ばそうとすると痛みが出やすいです。
そして、それを繰り返すと筋肉に微細な傷がつき、炎症を起こすことで痛みが起こります。
また、股関節はあらゆる方向へ自由に動くことで、臼蓋にはまり込んで安定します。
ですが、筋肉の硬さによってはまり込む位置まで十分に動かせない場合、関節の変形がなくても股関節のはまり込みが浅くなってしまい、またぐ時だけでなく自転車に乗っていると痛くなる可能性もあります。
股関節が痛くなる場合の対策
股関節が痛くなる場合の対策としては、以下の2つが挙げられます。
- ストレッチ
- 筋トレ
それぞれ解説していきます。
ストレッチ
自転車に乗っていると痛くなる場合は、骨盤を後ろに引っ張る大殿筋やハムストリングスといったお尻と裏ももをストレッチしましょう。
そうすることで、骨盤が前に傾きやすくなり、股関節が安定するので痛みが出にくくなることが期待できます。
自転車をまたぐと痛くなる場合は、内転筋のストレッチをしましょう。
こちらはシンプルに硬いことが痛みの原因である可能性が高いので、硬くなっている内ももの内転筋をストレッチしましょう。
大殿筋のストレッチ
- 椅子に腰かける
- 片膝の上に反対側の足首を乗せる
- 足首と膝が水平になるように上から軽く押さえる
- その状態を保ちつつ、体を前にお辞儀するように倒す
- そのまま15〜20秒キープする
- 3回程度繰り返す
ポイントは、腰が丸くなると上手く伸びないので、なるべく腰を伸ばしたままお辞儀するようにしましょう。
ハムストリングスのストレッチ
- 肩幅に足を開いて立つ
- しゃがみ込んで両足首をそれぞれつかむ
- 足首をつかんだまま、お尻を上に持ち上げる
- 膝を伸ばして15〜20秒キープする
- 3回程度繰り返す
ポイントは、なるべく胸からお腹と足がくっついたままお尻を持ち上げること。
内転筋のストレッチ
- 両膝を曲げて膝立ちになる
- 片足を体の真横に出して着く
- 横に出した足の膝とつま先を外側へ向ける
- 横に出した足へ体重をかけ、反対側の内ももを伸ばす
- そのまま15〜20秒キープする
- 横に出していない側の膝の位置を前や後ろにずらして同じように伸ばす
- それぞれ3回程度繰り返す
内転筋は数が多いので、足を前に出した位置、後ろに出した位置、真ん中など、位置を変えて伸ばすことで、内転筋を満遍なくストレッチすることができます。
筋トレ
自転車に乗っていると痛い場合は、骨盤が後ろへ倒れるのを防ぐために前に傾ける働きをもつ腸腰筋や背筋を鍛えましょう。
それによって、骨盤が前に傾いた位置を保つことができれば、股関節がしっかりとはまり込んで安定するので、痛みが出る可能性は低くなります。
自転車をまたぐ時に痛い場合は、内転筋の反対の働きをもつ中殿筋や外旋筋群を鍛えましょう。
内転筋と中殿筋、外旋筋群は反対の働きをもつので、互いに拮抗する関係にあります。
なので、内転筋が強く働けば股関節は内側によりますし、中殿筋や外旋筋群が強く働けば股関節は外側へよります。
内転筋が硬い場合は、中殿筋や外旋筋群を働かせることで、股関節を開くように働くので、結果的に内転筋を伸ばすことにつながります。
腸腰筋の筋トレ
- 足を伸ばしてすわる
- 腰が丸くならないように、腰から背中を真っ直ぐに伸ばす
- その状態をキープしつつ、両手をバンザイする
- 両手を元の位置に戻す
- 10回繰り返す
- 2〜3セット程度繰り返す
腰から背中を真っ直ぐにした状態で姿勢を保っている時に、腸腰筋が働きます。
バンザイすると腰が丸くなってしまいやすいですが、そうならないように姿勢を保つことで、より強く腸腰筋が働くことになります。
背筋の筋トレ
- うつ伏せになる
- 足を伸ばしたまま、片足を持ち上げる
- 元に戻し、反対側の足も同様に持ち上げる
- 左右交互に10回ずつ持ち上げる
- これを2~3セット行う
うつ伏せで足を持ち上げることで、姿勢が崩れないようにするために背筋が働きます。
姿勢が崩れない程度の範囲で足を持ち上げましょう。
中殿筋、外旋筋群の筋トレ
- 横向きに寝る
- 股関節は45度程度に曲げ、膝は90度に曲げる
- かかと同士を合わせたまま、上側の膝を持ち上げる
- 元に戻す
- 10回程度繰り返す
- これを2~3セット行う
膝を持ち上げる際、体や骨盤が後ろへ倒れないように注意しましょう。
後ろに傾くと、中殿筋や外旋筋群があまり働かないので、気をつけてください。
理学ボディのおすすめ
とにかく早く股関節の痛みを治したい、自分で対策を試したが上手くいかない、一時的に良くはなるがすぐに痛くなるという方は理学ボディで施術を受けることをお勧めします。
理学ボディでは最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
ストレッチや筋トレをしてもあまり変化がない場合、筋膜が硬くなって痛みに関係している可能性があります。
筋膜とは、筋肉を覆っている膜状の組織で、ストレッチでも硬くなった筋膜は伸ばされますが、中々硬さが解消されないこともよくあります。
そのような場合、硬くなった筋膜を直接ほぐすことが有効な場合が多いです。
理学ボディのセラピストは筋膜の施術に精通しているので、筋膜によって起こっている痛みととても相性が良いです。
もし、早く痛みを何とかしたくてお困りでしたら、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。