ボルダリングをして終わった後に指が痛くなる。
少し痛いくらいだけど、このままボルダリングを続けて良いのか不安。
指が痛くて曲げることもつらい。
このように悩んでいませんか?
ボルダリングは指と足の指で体を支えるため、指にはかなり大きな負担がかかっています。
当然、そんな負担のかかることを行っていると、指が痛くなることもあるでしょう。
そこで、今回は指が痛い時に考えられる事やボルダリングで指が痛くなる原因と対策について解説します。
指が痛い時に考えられる事
指が痛い場合、背景に指に関するケガや病気が潜んでいる可能性があります。
指が痛い時に考えられる事としては、以下の5つが考えられます。
- 腱鞘炎
- ばね指
- へバーデン結節
- マレット変形
- 爪周囲炎
それぞれ解説していきます。
腱鞘炎
腱鞘というのは、腱がずれたり浮き上がったりしないように押さえてくれている、腱が通るトンネルのようなものです。
腱鞘炎とは、腱鞘の部分で起こる炎症を指します。
指には腱鞘がたくさんありますが、特に負担のかかりやすいのは第1関節や第2関節、第3関節付近にある腱鞘です。
なので、腱鞘炎もそれらの部分で起こりやすくなります。
原因としては、腱鞘の中で腱が何度も動いて、腱鞘と腱がこすれることで炎症を起こします。
要は使いすぎが一番の原因です。
ボルダリングでは、指先の力がかなり必要とされるスポーツなので、当然腱鞘、腱にも大きな負担がかかります。
大きな力がかかることに加えて、何度もそれが繰り返されることで腱鞘炎を引き起こします。
ばね指
腱鞘は指の部分にありますが、それが終わる指の付け根付近に力がかかり炎症を生じやすいところがあります。
その部分の腱や腱鞘が炎症を起こし、腱鞘炎になり、さらに進行すると引っかかりが生じばね現象が起こります。
これをばね指と呼んでいます。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
上述した腱鞘炎が慢性的になると、ばね指を引き起こす可能性があります。
腱鞘炎が起こると、やがて腱鞘が肥厚したり、腱自体が肥大化してしまい、腱鞘の中を腱が滑る際に引っかかってしまいます。
それが原因で、指の曲げ伸ばしをする時に引っかかり、引っかかりが取れるとばねのように急激に指が伸びる現象がばね指です。
症状としては、腱の引っかかりが生じている腱鞘部分で痛みや腫れ、熱感が生じます。
日中、指を使っていると痛みは和らぐことも多いため、そのままにしてしまうとさらに症状が進行し、指が動かなくなってしまうこともあるので、早めに整形外科を受診することが必要です。
へバーデン結節
へバーデン結節とは、指の第1関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう原因不明の疾患です。
第1関節の背側の中央の伸筋腱付着部を挟んで2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
DIP関節とは指の第1関節のことで、第2関節をPIP関節、第3関節をMP関節と呼んでいます。
症状としては、人差し指から小指にかけて、第1関節付近の腫れや痛み、少し指が曲がったりします。
痛みが強いと指を曲げて強く握ることが難しくなるため、ボルダリングのように指を曲げて体を支えるようなスポーツをするのは難しくなるでしょう。
原因ははっきり分かっていませんが、手をよく使う方に多いとされています。
最初は安静や薬、テーピングなどで経過を見ますが、症状が強い場合は手術となることもあります。
マレット変形
別名、槌指とも言われています。
これは、指の第1関節が木槌のように曲がった状態になることから由来しています。
第1関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自動伸展は不能で自分で伸ばそうと思っても伸びません。
しかし、他動伸展は可能で手伝って伸ばすと伸びます。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
自動伸展とは自分の力で指を伸ばすこと、他動伸展とは力を入れず、反対の手や誰かに指を伸ばしてもらうことを指します。
マレット変形には2つのタイプがあり、指を伸ばす腱が切れて指が曲がってしまうタイプと第1関節の中で骨折が生じて腱がついている骨がずれてしまうタイプです。
原因としては、つき指などで起こるので、ボルダリングでも引き起こされる可能性はあるでしょう。
爪周囲炎
爪周囲がささくれなどで傷つくとそこからばい菌が入り、爪の周囲が赤くはれるなどの炎症を起こします。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
急性炎症では爪周囲の痛み、赤み、腫れが出現し、症状が進行すると膿が溜まります。
ボルダリングは指先を使うスポーツなので、爪の周囲が傷ついてばい菌が入ってしまう可能性は十分に考えられます。
ボルダリングで指が痛くなる原因
ボルダリングで指が痛くなる原因としては、おもに以下の4つが挙げられます。
- 練習のやりすぎ
- 指の曲げすぎ
- 肩や背中の筋力が弱い
- 難しいコースばかりに挑戦している
それぞれ解説していきます。
練習のやりすぎ
腱は筋肉には劣りますが、わずかに伸縮する余裕があります。
ボルダリングでは、指を曲げて引っかけるため、手のひら側の腱が手首側へ引っ張られて伸ばされています。
ボルダリングを始めたばかりの初心者の場合は、腱が伸びることのできる余裕も少なく、負担がかかりやすいですが、練習を繰り返すうちに慣れてくるはずです。
これは腱も筋肉と同様に、負荷がかかると少しずつ伸縮率が高まり、最初は耐えられなかった強さで伸ばされても耐えられるようになってきます。
ただ、伸縮率が高まっていくためには、負荷がかかって傷ついた腱が回復する期間が必要です。
回復を待たずに練習をやりすぎてしまうと、伸縮率も中々高まらず負担だけが蓄積するため、指の痛みにつながります。
指の曲げすぎ
指を引っかけた際に、指を過剰に曲げていると指の痛みにつながります。
上述した通り、指を曲げて引っかけると、腱が手首側に引っ張られるので、より指を曲げようと力が働きます。
この時、腱は手首側に引っ張られると同時に手のひら側へ浮き上がろうとしますが、それを腱鞘が上から押さえています。
ですが、指を曲げる角度が大きくなると、腱の浮き上がりが強くなり、それを押さえている腱鞘への負担も大きくなります。
なので、指を大きく曲げた状態でボルダリングを繰り返すと、腱鞘に負担がかかり、腱鞘炎やばね指などの障害につながってしまうのです。
特に第2関節を90度以上曲げると、負担が大きくかかるので、90度は越えないように注意が必要です。
肩や背中の筋力が弱い
ボルダリングは指を引っかけて体を支えたり、持ち上げたりするため、指の力が必要なことは当然ですが、肩や背中の筋力もかなり必要とされるスポーツです。
たとえば、体を上へ運ぶには肘と肩を下げるため、広背筋や僧帽筋などの背中から肩を安定させ、かつ肩や肘を下げることに働く筋肉が必要です。
もし、広背筋や僧帽筋の筋力が弱いと、体を上へ運ぶには指先の力に大部分を頼らなくてはいけません。
そういった方法で練習を繰り返していると、指にかかる負担はかなり大きくなるので、指の痛みにつながります。
難しいコースばかりに挑戦している
まだ難しいコースに挑戦できるだけの技術がないのに、難しいコースばかりで練習をしていては怪我をするリスクは当然高くなるでしょう。
技術も当然ながら、それに見合うだけの筋力や体力も不足していては、指を始め肩や背中、腰など全身にかかる負担が大きくなってしまいます。
どんなスポーツでも、簡単なものから徐々に難易度を上げてできるようになっていくので、いきなり難しいものに挑戦している場合は見直す必要があるでしょう。
ボルダリングで指を痛めた時の対策
ボルダリングで指を痛めた時の対策としては、以下の5つが挙げられます。
- アイシング
- テーピング
- マッサージ
- 筋トレ
- 安静にする
それぞれ解説します。
アイシング
痛みが出始めた初期の場合は、炎症が起こっている可能性が高く、アイシングが効果的です。
ただ、実際は炎症が起きているかどうか分からないかもしれないので、熱を持っている気がしたら一度冷やしてみて、効果が感じられれば続けてみましょう。
具体的には、ビニール袋やアイスパックに氷を入れ、患部に当てて冷やします。
患部の感覚がなくなるくらい、15〜20分くらいを目安に冷やすのを止め、痛みが出てきたら再度アイシングしましょう。
熱感がなければ無理に冷やさなくても良いですが、熱感があるうちは1〜3日を目安に続けましょう。
練習の後にアイシングするのも効果的です。
テーピング
指を痛めてしまうのは、指が過剰に曲がっていたり、腱が過剰に浮き上がる、あるいは伸ばされることが原因です。
なので、テーピングでそれらをサポートするのが効果的です。
具体的な巻き方は以下の通りです。
- 痛みがある関節を挟むように、上下2ヶ所で指を1周するようにテーピングを巻く
- その2ヶ所をつなぐように、指の爪側で関節をまたぐようにテーピングを貼る
- 指先側に巻いたテーピングから指の根元側のテーピングへ向かって斜めにテーピングを貼る
- ③で貼ったテーピングと対角線になるようにテーピングを貼る
これで指を曲げる時のサポートができるので、過剰に曲げすぎたり、腱の浮き上がりや伸びすぎで負担がかかることは和らげることができます。
マッサージ
指や前腕のマッサージは指の痛みに効果的です。
指の先端から根本まで指をひねらないように満遍なくマッサージすることで、腱鞘や腱、靭帯などをほぐすことができ、指の痛みの軽減につながります。
指でマッサージしても良いのですが、フィンガーローラーという簡単に指をほぐすことのできるアイテムもありますので、そちらを使用しても良いでしょう。
また、指を曲げる筋肉は肘から手首を通って指先まで伸びています。
手首より手前からは筋肉から腱に移行して伸びていますが、筋肉が緊張して硬くなっていると腱が引っ張られるため、指の痛みを引き起こしやすくなります。
なので、前腕にある指を曲げる筋肉のマッサージも併せて行うと良いでしょう。
具体的な方法は以下の通りです。
- 手のひらを上に向ける
- 肘の外側から内側に向かって親指で横へスライドさせるようにマッサージする
- 肘から手首まで満遍なく行う
- 肘の内側から外側に向かって親指で横へスライドさせるようにマッサージする
- これも肘から手首まで満遍なく行う
ポイントは、指が表面でスライドすると皮膚しかほぐれないので、少し圧をかけつつ痛みのない範囲でマッサージすることで効果を高めることができます。
筋トレ
上述した広背筋や僧帽筋をはじめ、体幹を鍛えることで指の負担を減らし、安定して登ることができるようになります。
ここでは、広背筋や僧帽筋、体幹も同時に鍛えることのできる筋トレを紹介します。
- 正座になり、つま先は立てる
- 股関節を支点に体を前傾させ、それ以上いくと倒れる一歩手前まで前傾する
- 前傾を保ちつつ、肘を伸ばしたまま腕を体の後ろへ伸ばす
- 腕を元に戻す
- 10回程度行い、姿勢も一旦元に戻す
- 2~3セット行う
ポイントは、背中や腰が丸くならないようにすること、腕を後ろへ伸ばす際に肩がすくまないように注意しましょう。
安静にする
安静にすることも大事です。
ちょっとくらい痛くてもそのうち治るだろうと練習していては治るどころか、もっと症状が重症化してしまう恐れもあります。
指が痛くて登れないくらい症状が強い場合は、絶対安静にして指が少し曲がるようになってきたらグーパーをして腱の伸縮や血行を促通することから始めましょう。
また、整形外科で指の状態をきちんと見てもらった上で判断するのが一番良いでしょう。
登った後に少し痛いなと感じる程度であれば、上記に挙げたような対策で良いかと思いますが、それでも痛みが長引くようであれば、一度整形外科の受診をお勧めします。
理学ボディのおすすめ
今回紹介した対策を実践しても中々指の痛みがなくならないという方は、理学ボディで施術を受けることがおすすめです。
理学ボディでは、最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
筋膜は筋肉を覆っている膜状の組織で、筋膜が硬くなると筋肉の柔軟性が低下、筋力が発揮しにくいなどが起こります。
筋膜の硬さのある場所はピンポイントで存在しているため、ストレッチやマッサージでは中々ほぐすことができません。
もし、筋膜の硬さが指の痛みに影響しているのなら、ストレッチやマッサージをしていても中々改善することは難しいでしょう。
ですが、筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、ピンポイントの硬さでも見つけることができます。
もし、指の痛みがなくならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
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