この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
ふくらはぎの痛みや不調を感じ、それに悩まされた経験がある方は意外に多いのではないでしょうか。
ふくらはぎの痛みや不調は、立ち仕事やデスクワークなどさまざまな原因で起こります。明確な理由がわからないまま症状が長引いたり、繰り返したりすることで不安に思う方も多いでしょう。
本記事では、ふくらはぎの痛みや不調の原因や解消法について解説しています。
また今日から実践できる簡単な対処法も併せて紹介しているため、ふくらはぎの痛みに悩んでいる方は、ぜひ実践してみてください。
- ふくらはぎの痛む原因は?
- ふくらはぎが痛いときの対処法は?
- ふくらはぎの痛みを根本から改善する方法は?
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ふくらはぎが痛む原因
ふくらはぎが痛む原因としてさまざまな疾患の可能性が考えられますが、特に多い原因は以下の3つが挙げられます。
- 筋肉が疲れている
- 足の血行が悪い
- 身体が冷えている
ふくらはぎが痛む原因:筋肉が疲れている
1つ目の原因は、筋肉が疲れている場合です。
長時間の運動や慣れない運動、過度な立ち仕事を行うと筋線維が炎症する「筋肉痛」の状態になります。
筋肉が過剰に収縮すると「こむら返り」という筋肉が攣った状態になり、ふくらはぎに痛みが生じます。
ふくらはぎが痛む原因:足の血行が悪い
2つ目の原因は、足の血行が悪いことが原因です。
ふくらはぎの疲労により筋肉が硬くなると、血管を圧迫し血行が悪くなる場合があります。
ほかにも立ち仕事やデスクワーク、長時間同じ姿勢でいることが多いと筋肉のポンプ機能が働きづらくなります。
その場合もふくらはぎの血行が滞るため痛みが生じやすいです。
足の血行が悪くなると老廃物を循環できず、ふくらはぎの痛みを引き起こします。
ふくらはぎが痛む原因:身体が冷えている
3つ目の原因は、身体が冷えている場合です。
身体が冷えることで全身の血行が悪化し、代謝の低下につながります。
特に女性は男性に比べて、筋肉の量が少ないため身体が冷えやすいといえます。
身体が冷えた場合も全身の血行不良を引き起こし、ふくらはぎの痛みにつながる場合があるでしょう。
ふくらはぎが痛む要因となる疾患
ふくらはぎの痛みは筋肉だけの問題ではなく、病気や疾患により引き起こされている場合もあります。
考えられるおもな疾患は、以下の5つです。
- 肉離れ
- 下肢静脈瘤
- 閉塞性動脈硬化症
- 坐骨神経痛
- 深部静脈血栓症
肉離れ
肉離れとは、日本整形外科学会では、以下のような状態を指すとされています。
筋肉が伸ばされながら収縮すると、筋力に負けて部分断裂を生じること
引用:日本整形外科学会
肉離れとは、スポーツ中に筋肉に過度な負荷がかかることで、筋肉が部分断裂を起こしている状態です。
強い痛みがある場合は、体重をかけたり、歩いたりすることもままならなくなります。
下肢静脈瘤
下肢静脈瘤は、足にある静脈の静脈弁が正常に作用せず、血行不良となっている状態です。
血液の流れが悪くなるため、ふくらはぎの周辺で血液がうっ血を起こします。
下肢静脈瘤では、足の静脈が膨らみ、血液がうっ滞するため皮膚の上からでもコブが確認できます。
症状が進むと足の血色の低下やかゆみ、皮膚が欠けるなどの症状が現れるため注意が必要です。
また血流が著しく低下している状態で、痛みやだるさ、足が攣るなどの症状もみられます。
閉塞性動脈硬化症
動脈が硬くなる動脈硬化によって血管が細くなったり、詰まったりすることで引き起こされます。
閉塞性動脈硬化症の病態は、以下のとおりです。
手や足の動脈が狭窄・閉塞して栄養や酸素を十分に送り届けることができなくなると、手先や足先が冷たくなったり、筋肉の痛みが出たりします。
閉塞性動脈硬化症は、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病がある方や喫煙者の方に起こりやすい疾患です。足先へ送られる血液の量は著しく低下するため、足の痛みやしびれを引き起こします。
坐骨神経痛
坐骨神経痛は、歩いている最中や立ち上がろうとした際に、腰から足にかけて電気が流れるような強い痛みが生じます。
原因はさまざまですが、なにかしらの原因で坐骨神経が圧迫されることで起こります。
坐骨神経の詳細に関して、日本整形外科学会の発行している整形外科シリーズにおいて
腰仙部坐骨神経の支配領域、すなわち殿部、下肢後面あるいは外側面へ放散する疼痛自体、あるいは疼痛を呈する症候群の総称
と説明されています。
つまり一つの病気ではなく、なにかしらの原因で坐骨神経が圧迫されて、痛みや痺れを生じるのが坐骨神経痛です。
坐骨神経痛で痛みの出る部位はさまざまですが、ふくらはぎに痛みを感じる方も少なくありません。
深部静脈血栓症
深部静脈血栓症は、足の深部静脈に血栓という血の塊ができることです。
「エコノミークラス症候群」とも言われており、長時間の座りっぱなしとなる飛行機やデスクワーク、車の移動などで発症します。
深部静脈血栓症になると、足全体のむくみや変色を起こすとともに、ふくらはぎの痛みや熱感を伴います。
ふくらはぎの痛むの解消法
次にふくらはぎの痛みや不調の解消方法を、セルフケアで行える範囲で紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
マッサージ・ストレッチ
マッサージやストレッチなどは足の血流を良くし、血が固まるのを防ぐ作用があります。
筋肉が硬くなるのを防ぐ効果もあるため、神経の圧迫などにも効果的です。
注意点として、深部静脈血栓症ですでに血の塊がある場合、マッサージをすることで血栓が飛んでしまい、血管で詰まる可能性があります。
場合によっては、重篤な二次障害を起こす可能性があるため、深部静脈血栓症と診断されている方は医師に判断を仰ぎましょう。
湯船で温める
湯船に浸かることで全身を温め血流が良くなります。
ふくらはぎの痛みの原因の多くは、血行不良が関係していることです。
湯船に浸かり身体を温めることで血行が良くなり、筋肉の緊張を緩和する効果も期待できるでしょう。
生活習慣(特に食事)に気をつける
夏場、クーラーのついた部屋に長時間いるだけでも身体は冷え、血流が低下します。
夏野菜には身体を冷やす効果があり、食べ過ぎには注意が必要です。
一方で、根菜類には身体を温め、血流を良くする作用があるとされています。
バランスよく栄養を摂り、身体を冷やしすぎないように注意しましょう。
そのほか適度に水分を摂取することで、血がドロドロになり血行不良となることを予防できます。
普段の過ごし方から身体を冷やしすぎないことと食事の内容、水分の摂取量に注意して生活するのが重要です。
弾性(着圧)ソックス・ストッキングの使用
弾性(着圧)ソックス・ストッキングを使用することで足から血を押し上げ、ふくらはぎのポンプ機能を補助できます。
ふくらはぎの筋肉が働くことで、足からの血液が心臓に還る作用があります。
長時間のデスクワークや同一姿勢が多い方、歩く機会が多い方は弾性ストッキングを使用することで血流が良くなり、ふくらはぎの痛みや不調が緩和されるでしょう。
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ふくらはぎの痛みの予防法
ふくらはぎの痛みを予防する方法を紹介します。
無理のない範囲で実践し、ふくらはぎの痛みを予防しましょう。
①適度な運動
運動を行うことでふくらはぎのポンプ機能が促進され、血流量を確保することができます。
筋肉も適度に動かすことができるため、凝りや硬くなることを防ぐ効果も期待できるでしょう。
こまめな運動を継続するには、ウォーキングや水泳など負荷の少ない運動から習慣化することが重要です。
②こまめな水分補給
水分が身体に足りなくなることで血流が悪くなり、ふくらはぎの不調につながりやすいといえます。
水分補給を行うことで身体の中の水分量が確保でき、ふくらはぎの痛みに予防効果が期待できます。
そのほかミネラルや電解質を補うことで、ふくらはぎが攣る「こむら返り」を防ぐことが可能です。
ポイントとして、のどが渇いたと感じた時点で身体の水分は不足しています。のどの渇きを実感する前に、意識して水分補給をするように心がけましょう。
③全身の冷え対策
身体が冷えることで全身の血流が滞り、筋肉の緊張が強くなります。
血流が滞ると当然ふくらはぎへの血流量も低下するため、痛みを生じやすくなります。
常に身体を冷やしすぎないように対策をし、ふくらはぎの痛みを予防しましょう。
具体的には首元を冷やさないようにストールを巻いたり、靴下などで身体の先端を冷やさないようにしたりすることが挙げられます。
また意外に気を付けなければならないのが、夏場の室内です。
クーラーの効いた部屋は一見快適ですが長時間滞在する場合は、身体が冷えすぎないような工夫が必要になります。
セルフストレッチで痛みを解消
ふくらはぎの痛みを解消する方法でストレッチを紹介しましたが、具体的なストレッチ方法を紹介します。
ストレッチを習慣化することで、こまめな運動を行う第一歩にもなります。ぜひ参考にしてみてください。
ふくらはぎのセルフストレッチ
痛みが生じているふくらはぎのストレッチを紹介します。ストレッチは、痛みが強くならない程度に行うことが前提です。痛みが強い場合は、無理に行わないようにしましょう。
- 壁に手をつき、足を後ろに引く
- つま先をまっすぐにしたままかかとをつく
- ゆっくりと膝を伸ばす
- そのまま身体を反らす
- 壁をしっかりと押すように意識する
- 20~30秒キープ
ポイント:前の足の人差し指が脛と一直線となるように注意する
股関節周りのセルフストレッチ
股関節が硬いと、その下に伸びるふくらはぎに大きな負担がかかり、結果としてふくらはぎの筋肉が硬くなります。
ふくらはぎをケアするとともに、股関節周りの柔軟性の改善もふくらはぎの痛みを解消するうえで重要です。
- 四つ這いになる
- 片足を曲げる
- 伸ばしたい方の足を後ろに伸ばす
- そのまま身体を伸ばす
- 前足に体重をかけ、もも裏を意識する
- 20~30秒キープ
まとめ
今回は、ふくらはぎの痛みの原因とその解消法についてまとめました。ふくらはぎの痛みは、重篤な疾患が潜んでいる可能性があります。
痛みが強い場合や足の変色、痛みが強い場合は専門の医療機関へ治療の相談をしましょう。
病院で異常がないと指摘されても、痛みや不調が続く場合は筋肉が痛みの原因かもしれません。そんなときは理学BODYにご相談ください。
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