この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
最近首から肩にかけて痺れを感じる。
指先がピリピリして違和感がある。
以上のような症状に悩まされている方は少なくないのではないでしょうか。
また病院で診断してもらったら、頚椎椎間板ヘルニアと言われた方もいるでしょう。
本記事では頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことを解説します。
注意点や予防法も併せて解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
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頚椎椎間板ヘルニアについて
頚椎椎間板ヘルニアとは、首の骨を構成する7つの椎骨と、椎骨の間にある身体の衝撃を吸収する役割を持つ椎間板が飛び出てしまい、脊髄や神経を圧迫して痛みや痺れなどの神経症状がみられる疾患です。
激しいスポーツによる首への大きな負荷や加齢、姿勢不良などが原因の場合がほとんどです。
頚椎椎間板ヘルニアの症状は?
頚椎椎間板ヘルニアの症状は時期によって異なり、以下の順番で進行していきます。
- 肩こりや首の痛み、胸の痛み、背中の痛み
- 腕の倦怠感、上肢の痛みや痺れ、手の浮腫み、腕の筋力低下
- 頭痛、眼精疲労、めまい、耳鳴り、後頭部の痛み、ふらつき、目の奥の痛み
- 歩行障害、排尿障害
頚椎椎間板ヘルニアの症状から見る重症度
頚椎椎間板ヘルニアの症状は初期〜末期の4段階に分けられ、みられる症状によって重症度の判断が可能です。
初期症状
初期の段階では、おもに肩こりや首の痛みがみられます。
また背中や胸の痛みも現れ、動かし方次第では肩から指先にかけて放散痛を感じる場合もあります。
中期症状
腕が重く感じたり、上肢に痛みや痺れが生じたりする時期です。
また手の浮腫みや握力低下などの筋肉の萎縮などもみられ、神経の圧迫が重症化していくとなかなか眠れないほどの夜間の痛みや痺れが現れ始めます。
後期症状
さらにヘルニアの症状が重症化し、頭痛やめまいなどの症状がみられ始める時期です。
どの頚椎の椎間板が飛び出ているかによって圧迫される脊髄や神経の位置が異なり、それに併せて症状も異なります。
この時期まで長引いてしまうと、筋力低下や骨格の変性による頭痛や目眩などの症状がみられる場合があり、早急な対処が必要です。
末期症状
頚椎椎間板ヘルニアの末期症状は、足の痺れや歩行障害など下半身にまで生じます。
この時期にみられる症状は日常生活に確実に支障が出るほど重く、場合によっては手術が必要です。
また排尿障害を引き起こし、失禁や排尿コントロールに異常をきたします。
頚椎椎間板ヘルニアと診断された場合、症状を進行させないための効果的な治療法についてまとめた記事もあります。ぜひご覧ください。
頚椎椎間板ヘルニアの原因5つ
頚椎椎間板ヘルニアの原因は、以下の5つです。
- 老化による機能低下
- 頚部(けいぶ)への衝撃
- 長時間のデスクワーク
- 重い物を持ち上げる
- 睡眠中の姿勢が悪い
それぞれみていきましょう。
頚椎椎間板ヘルニアの原因:①老化による機能低下
首は7つの椎骨とその間にある椎間板という軟骨が重なって構成されています。
頚椎の衝撃を吸収するクッションの役割を果たしている椎間板は、20歳以降になると歳を重ねるごとに水分が失われ弾力性がなくなっていくのが一般的です。
それによって椎間板が変性して潰れたり、ひびが入ったりすることで頚椎の間から飛び出て脊髄や神経を圧迫します。
椎間板の変性は老化による現象で、誰にでも起こるため変性自体は病気ではありません。
しかしそれが原因で、脊髄や神経が圧迫されて痛みや痺れなどの神経症状を引き起こします。
頚椎椎間板ヘルニアの原因:②頚部(けいぶ)への衝撃
激しいスポーツで頚部へ過度な衝撃が加わることによって、椎間板が変性し頚椎椎間板ヘルニアを引き起こします。
椎間板が退行変性することによる繊維輪断裂部からの髄核が突出する場合がほとんどです。
またスポーツと同様に外部からの激しい衝撃が加わるとして、交通事故もしばしば頚椎椎間板ヘルニアの原因となります。
頚椎椎間板ヘルニアの原因:③長時間のデスクワーク
ITが発達した現代、パソコンを使ったデスクワークをしている方が増加しています。
そのデスクワークを長時間行うことで、猫背などの姿勢不良から頚椎に負担がかかり肩こりや首の痛み、腰痛を引き起こします。
そういった症状を放置することで、頚椎への負荷が蓄積され慢性的な症状につながり頚椎椎間板ヘルニアの原因となりかねません。
頚椎椎間板ヘルニアの原因:④重い物を持ち上げる
頻繁に重い荷物を持ち上げている方は、身体への負荷が何度も加わっていることになります。
通常重い荷物を持つ場合、膝を曲げずに持ち上げるでしょう。
その状態で重い荷物を持ち上げると、何も持っていない状態と比較して2倍ほどの負荷が首や腰にかかります。
それによって頚椎椎間板ヘルニアの危険性が高まってしまうため、重い荷物を持ち上げる際は膝を曲げて、全身でその負荷を支えるようにしましょう。
頚椎椎間板ヘルニアの原因:⑤睡眠中の姿勢が悪い
なかでも特に枕は首への影響が非常に大きいため、自身に合った高さの枕を使用する必要があります。
朝目覚めた際に首が痛かったり、寝た気がしなかったりする場合は枕が合っていない可能性が高いでしょう。
その状態が長い期間続くと、頚椎椎間板ヘルニアを引き起こす原因になります。
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頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけない事
頚椎椎間板ヘルニアの方がやってはいけないことを、以下の項目ごとに解説します。
- やってはいけない運動
- やってはいけない姿勢
- やってはいけない寝方
- やってはいけない入浴法
それぞれみていきましょう。
頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけない運動
頚椎椎間板ヘルニアの方はラグビーや格闘技、レスリングなどのコンタクトスポーツは行わないようにしましょう。
頚椎への外的負荷が非常に強く、頚椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させてしまいかねません。
また遠心力などの身体へ急激で強力な外的負荷のかかる体操など、長時間何度も似た動作を繰り返すのも頚椎椎間板ヘルニアを引き起こす原因となります。
ありがちなのが、症状が軽い場合に自己判断で放置してしまうことです。
頚椎椎間板ヘルニアの症状は自然に改善することはなく、確実に症状を悪化させてしまうため早めの段階で適切な治療を受けるようにしましょう。
頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけない姿勢
日常生活のなかでの姿勢不良は頚椎椎間板ヘルニアの原因となります。
なかでもデスクワークを行っていて体幹が機能していない方に多く見られる猫背や反り腰が代表的です。
猫背や反り腰といった姿勢不良は、頚椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させてしまう要因です。
症状の悪化を予防するためにも、普段の日常生活において適切な姿勢を意識するようにしましょう。
どのような姿勢が適切なのか、医師に相談するのも良いでしょう。
頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけない寝方
頚椎椎間板ヘルニアの方がやってはいけない寝方として、横向きでの手枕姿勢やうつぶせが挙げられます。
横向きでの手枕姿勢は、背骨のなかで最も重要とされる頚椎の一番上の椎骨のバランスを崩してしまうため、姿勢のなかでも最も避けるべき姿勢だといえます。
たった数分間行うだけでも頚椎にずれが生じてしまい、頚椎椎間板ヘルニアの症状の悪化につながるでしょう。
またうつぶせの姿勢は頚椎が過度に背屈したり、捻れが生じたりします。
その状態で寝てしまうと長時間負荷がかかり、頚椎が不適切なアライメントで圧迫を受け続けます。
よって頚椎やその周囲の筋肉への負荷を減らし、頚椎椎間板ヘルニアの治療を図るためにも寝方には十分に注意しましょう。
頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけない入浴法
頚椎椎間板ヘルニアの方が避けるべき入浴法は、シャワーのみの入浴です。
頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎に慢性的な負荷がかかることによって引き起こされます。
つまり頚椎周囲の筋肉や肩の筋肉が過度に緊張している状態です。
そのため全身を温め血流改善による筋肉の緊張を軽減を図るために、毎日湯船に浸かるようにしましょう。
ただし湯船に浸かると痛みが増してしまう方は、湯船に浸かりすぎないよう注意しましょう。
頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことについてまとめた記事も公開しています。
ぜひご覧ください。
頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法4選
頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法は、以下の4つです。
- 自分に合った枕を使う
- 日頃から正しい姿勢を意識する
- デスクワーク中に適度な休憩をとる
- ストレッチを行う
それぞれみていきましょう。
頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法:①自分に合った枕を使う
頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法の一つとして、自分に合った枕を使用するのが大切です。
睡眠中は寝返りなどの動作を除くと、同じ姿勢で頚椎への負荷が持続的にかかります。
よって枕選びは非常に大切と言えます。
枕選びにはポイントがあります。
横向きで寝る方は頭から首の骨、背骨にかけて真っ直ぐになり、身体全体がマットレスに対して平行になる高さの枕を選ぶのがおすすめです。
一方で、仰向けに寝る方は頭か肩甲骨にかけて、骨が軽いS字曲線を描く高さの枕を選びましょう。
頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法:②日頃から正しい姿勢を意識する
日頃から正しい姿勢を意識するのも、頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法の一つです。
パソコンを使ったデスクワークだけでなく、いつも下を向いてスマホを長い時間見ている方は頚椎椎間板ヘルニアを引き起こす可能性が高くなります。
普段から正しい姿勢を意識することで、肩こりや首の痛みの改善にもつながるためぜひ継続してみましょう。
頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法:③デスクワーク中に適度な休憩をとる
デスクワーク中に適度な休憩を挟むのも、頚椎椎間板ヘルニアの予防につながります。
長時間のデスクワークによって頚椎椎間板ヘルニアのリスクが高くなるため、1時間に一回ほど休憩を挟むようにしましょう。
休憩を挟めない方はトイレなどでデスクを離れたり、立ち上がったりする理由を作ってこまめに動くことが大切です。
頚椎椎間板ヘルニアを予防する方法:④ストレッチを行う
頚椎椎間板ヘルニアの予防として、ストレッチも効果的です。
誰でも簡単にできるストレッチの例を、以下に紹介します。
- 椅子に座って、あごを引いて姿勢を真っ直ぐに伸ばす
- タオルを両手で持ち、痛みがある部位に後方から引っ掛ける
- 目がある斜め上の方向に向かって引っ張る
- その状態のまま首を前に倒していく
- 痛みがなければ5回ほど繰り返す
紹介したストレッチは、頚椎の正常なアーチを保つ効果が期待でき、ストレートネックなどの頚椎のアライメント不良の予防にもなるため、ぜひ行ってみてください。
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まとめ
今回は頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことや注意点、予防法について解説しました。
頚椎椎間板ヘルニアは老化によって起こる疾患のため、予防していても発症してしまう可能性はゼロではありません。
しかし普段の生活やトレーニング、ストレッチの意識を高く持つことで可能な限りリスクを減らすことは可能です。
理学BODYでは頚椎周辺の硬くなった筋肉や筋膜へアプローチし、症状の改善と再発の予防を行います。
もし病院や治療院へ通ってもなかなか症状が改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。
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