こんばんは、青山の理学療法士の木城拓也です。
「先日病院で頸肩腕症候群と言われて、湿布をもらったけどぜんぜんよくならない」
「頸肩腕症候群に効く薬ってないの?」
そんな方のために今回は頸肩腕症候群に効く薬のお話です。
目次
頸肩腕症候群って具体的にどんな状態なの?

薬の説明に入る前にまず簡単に頸肩腕症候群の病態について簡単に書かせてください。
頸肩腕症候群とは、
ですので、決まった定義はなく、症状も人それぞれです。
そのため、薬の選択肢も広く、他の疾患に比べて薬の選択が非常に大事になってきます。
頸肩腕症候群の薬ってどこでもらえるの?

整形外科を受診し、医師から薬での治療が必要と判断されたときに処方されます。
「どうせ医者判断なら事前に薬のこととか知らなくてもよくないですか?」
いいえ、自分自身の症状に関しては患者であるあなた自身が一番わかっていることなので、事前に軽くでも薬のことを知ってから医師と話す方が、より自分にあった薬をもらえる可能性が高まります。
また、もし自分の症状と違う薬を処方されていた場合は、セカンドオピニオンを選択することも検討するべきです。
商品名などはとても覚えられないので、あとでネットで調べたり、薬局の薬剤師さんに説明を受けるなどしてください。
頸肩腕症候群に処方される可能性のある薬の種類

頸肩腕症候群に効くとされている薬は、大きくわけて4種類あります。
この中でどれを選択するかは、その方の症状によって決められています。
頸肩腕症候群にはこの薬、と決められている病院もあるようです。
もし自分の症状に合わない薬が処方されていた場合は、もう一度診察で相談するか、違う整形外科を受診することも考えた方が良いかもしれません。
※下の表には一応商品名の一覧を載せましたが、そこまで覚える必要はありません。4つの種類の大枠だけ(太文字になっているところ)覚えていただければ大丈夫です。
消炎鎮痛作用のある薬(非ステロイド性抗炎症薬)

ステロイド以外で抗炎症作用のある薬の総称です。
炎症反応を引き起こす物質を体内で作らせないようにする作用があります。
急性の痛みには有効ですが、慢性疼痛には有効でないことがあります。
おもな効能:抗炎症・鎮痛・解熱など
剤形:内服・座薬・経皮吸収
副作用:かぶれ・発赤・皮膚の発疹・肝機能障害・腎機能障害・胃腸障害
頸頚腕症候群で処方される可能性のある非ステロイド性抗炎症薬の種類
分類 | 一般名(商品名) | 説明 |
プロピオン酸系 | ロキソプロフェン(ロキソニン) | 消炎鎮痛作用があり、多くの場合第一選択薬として使用されている |
インドール酢酸系 | インドメタシン(インダシン) | 強い抗炎症・鎮痛・解熱作用を持つ高齢者に処方する際は注意が必要と言われている |
サリチル酸系 | アスピリン(アスピリン・バファリン・ミニマックス) | 鎮痛効果は高いが、胃腸障害が顕著なため、国内での使用量は少ない 血栓予防薬としても使用される |
オキシカム系 | ピロキシカム(フェルデン) | 強い抗炎症作用があり、1日1回投与する |
ヒラノ酢酸系 | エトドラク(ハイペン、オステラック) | 副作用の胃腸障害が他と比べると少ないとされている |
アントニラル酢酸系 | メフェナム酸(ポンタール) | 神経痛や強い痛みに有効とされている |
コキシブ系COX-2選択阻害薬 | セレコキシブ(セレコックス) | 一般的な炎症に有効とされている |
フェニル酢酸系 | ジクロフェナクNa(ボルタレン) | 慢性炎症性疼痛に有効とされている |
神経系由来のしびれ等に作用する薬(鎮痛補助薬)

鎮痛補助薬とは、もともとは鎮痛以外の治療を目的として作られた薬で、その中で痛みの治療に用いられるものの総称になります。
頸肩腕症候群の上肢のしびれに対しては、この鎮痛補助薬の『リリカ』がよく処方されます。
ただし、めまいや、吐き気、気持ち悪さなどの副作用が強いので注意が必要です。
頸頚腕症候群で処方される可能性のある鎮痛補助薬の種類
分類 | 一般名(商品名) | 説明 |
抹消神経障害性疼痛治療薬 | プレガバリン(リリカ) | 神経症状に有効とされている。めまいや、吐き気、気持ち悪さなどの副作用が強いので注意が必要 |
血液の循環が悪くて出ている症状に対して血管を広げて血流を良くする薬(血管拡張薬)

血管壁に作用し、血管の拡張をもたらします。
頸肩腕症候群と診断がつき、手にしびれや冷感などの虚血性の症状が出ているときに処方されることがあります。
頸頚腕症候群で処方される可能性のある血管拡張薬の種類
一般名 | 商品名 | 説明 |
リマプロスト |
|
出血傾向のある方は出血を助長する可能性があるため注意が必要。おもな副作用に、肝機能障害、顔面発赤、発疹、下痢、悪心などがある |
アルプロスタジン アルファデクス |
プロスタンディン | 血圧の低下や、呼吸器の症状には注意が必要。おもな副作用に、脳出血、ショック、アナフィラキシー様症状、無呼吸発作、肝機能障害、悪心、持続性勃起症などがある |
筋弛緩薬(筋肉の硬さをやわらげる薬)

筋肉の硬さが原因の頸肩腕症候群の症状に対して、筋肉の硬さをやわらげ症状の緩和を図ります。
頸頚腕症候群で処方される可能性のある筋弛緩薬の種類
一般名 | 商品名 |
チザニジン塩酸塩 | テルネリン・エンチニンなど |
エペリゾン塩酸塩 | ミオナール・アチネスなど |
バクロフェン | リオレサール |
薬は対症療法なので注意が必要

薬は即効性がありますが、根本的な問題が解決しなければ、薬が切れるとまた症状が再発します。
また、薬の中には耐性のつきやすいものもあり、毎回飲んでいると効かなくなってくるケースもあります。
眠くなったり、うつ傾向になったり、吐き気や倦怠感が出たり、副作用があるものも多いです。
なのでどうしても辛くてどうしようもない時や、一時的に炎症を抑えた方が良い時のみ私は薬はすすめています。
それ以外は基本的にはすすめていません。(細菌感染や癌などは別です)
頸肩腕症候群を薬に頼らず根本から改善するためには

頸肩腕症候群の痛みやしびれであれば、ほとんどの場合ちゃんとした専門家からに正しい治療を受けることで症状は改善します。
私のサロンでも頸肩腕症候群の方がよく来られますが数回の施術で症状が改善することがほとんどです。
頸肩腕症候群の原因や治療法、改善事例について以前書いた記事があるので▼を一度ご覧ください。
頸肩腕症候群でお悩みの方は本当に多いです。
私は病院時代から頸肩腕症候群の方々を何百人もみてきました。
薬なしで症状を改善できる自信があります。
頸肩腕症候群の痛みやしびれでお困りの方は、1度私にご相談ください。
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