この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
整体は身体の不調を改善するには心強い味方ですが、正しい知識を持って整体選びができている方は少ないのではないでしょうか。
身体の不調や痛みに対して施術をする場所ですが、料金の設定や施術方法も多種多様なため期待したような効果が出ないこともあります。
今回は、整体に関する正しい知識をもとに、自身に合った整体の選び方や施術内容を紹介します。
整体院と似ている整骨院や接骨院との違いについても詳しく解説しています。
身体の不調や痛みがあり、整体選びに悩んでいる方や整体に通っているが期待するような効果が出ていない方は、ぜひ参考にしてください。
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整体とは?
整体とは、身体の中心である背骨や骨盤をはじめとした身体に生じているゆがみを整えて、全身の血流や筋肉の凝りを改善するものです。
全身の筋肉の凝りにより、身体のバランスが悪くなることで腰痛や肩痛、眼精疲労などさまざまな症状を引き起こします。
整体では、背骨や骨盤などに対して徒手アプローチすることで身体のゆがみを整え、全身の血流の改善を図ります。
血流が良くなることで、身体の不調の改善も期待できるでしょう。
また、血流の改善は現状の痛みだけではなく、痛みの再発や悪化を予防することにもつながります。
整体の歴史について
整体の歴史は明治時代まで遡り、それまでは海外から伝来した自然の力と日本古来の修験道や呪術文化を組み合わせた霊術や療術が、日頃の痛みや苦しみを解決する主な手段でした。
昭和5年ごろまでに霊術家は3万人に及び、いい加減な施術や誇大広告などが問題視され、警察が警戒を強めた過去があります。
大正から昭和初期にかけてアメリカから手技療法が導入され、これらの理論と技法を学んだ方々が日本の手技療法にアレンジを加え、現在の整体の起源が出来上がりました。
さらに、戦後GHQが霊術を禁止したことで霊術、療術は完全に無くなり、相対する形で現在の整体と似た療法が一般化されたといわれています。
整体という言葉は、戦後に山田信一がアメリカで学び、紹介したオステオパシーや野口晴哉による野口整体などにより作られました。
その後、野口整体が復員兵の職業訓練として講義されたことがきっかけで、整体という言葉が世間に広まったとされています。
整体の資格は?民間資格と国家資格
整体の資格は、民間資格です。
民間の認定資格のため、養成校や研修会などで専門性の高い技術を要する資格から、通信教育で手頃に取得できる資格まで幅広く存在します。
整体師には、特定の資格が存在しないため誰でも整体師になることはできる一方で、利用者側からすると本当に効果がある整体院を見極めなければならないのが現状です。
整体と類似する資格として、柔道整復師やあん摩マッサージ指圧師があります。
柔道整復師は日本柔道整復師会において、以下のように説明されています。
柔道整復師は、大学または養成校で、基礎医学と骨折、脱臼などの柔道整復術、関係法規を学び、国家試験に合格して取得した国家資格者です。
引用:日本柔道整復師会
あん摩マッサージ指圧師は厚生労働省が運営するjobtagで、以下のように説明されています。
体の痛みや凝りなどの症状を訴える人たちに対して、おもに手や指などを用いて押し・揉み・叩きなど力学的な刺激を身体に与える指圧・マッサージにより身体の凝りをほぐし血行を良くしたり、脊椎のゆがみを矯正することにより、症状の緩和・改善、体力回復、健康増進を図る。
どちらも文部科学省、厚生労働省管轄の養成校を修了し、各国家試験に合格することで得られる国家資格です。
あん摩マッサージ、接骨、整骨、鍼灸は整体師のような民間資格では行えません。
整体とカイロプラクティックの違い
整体とカイロプラクティックの違いについて説明します。
カイロプラクティックは、身体のなかでも脊椎とその中を通る神経線維である脊髄に着目し、神経の働きを妨げ身体に不調を及ぼす原因に対して施術するものです。
背骨と神経を中心に身体の調整をすることで、痛みの軽減や関節可動域制限の改善、身体の自然治癒力を高めることを目的としています。
脳に通じる脊髄とその通り道である脊椎を手技によって調整することで、神経系の働きを改善し、自然に症状が改善するような状態にできるという理論のもと行われます。
整体資格では表記に注意が必要
整体資格では、マッサージという表記することはできないため注意が必要です。
マッサージは、医師とあん摩マッサージ指圧師が行える施術です。
国家資格ではない整体資格では、マッサージという表記はできません。
そのほかにも「治療」「治る」という表現や施術内容、民間の認定資格などの掲載は整体資格に限らず、法律において掲載が禁止されています。
詳しくは医療法、柔道整復師法などの各種法律や厚生労働省が出している、医療広告ガイドラインに関するQ&A、医療広告規制におけるウェブサイトの事例解説書(第三版)で解説されているため、興味がある方は読んでみてください。
整体院と整骨院の違いについて
整体院と整骨院は名称が似ていますが、開設方法や施術内容が大きく異なります。
ここでは、整体院と整骨院の開設に必要な条件の違いや施術内容の違い、通う場合の選び方のポイントについて解説します。
整骨院開設には国家資格が必須
整骨院を解説するためには、国家資格である柔道整復師免許を保有していることが必須です。
柔道整復師の免許を取得するためには、文部科学省が指定する4年生大学もしくは、都道府県知事が指定する専門養成校に3年以上通い、柔道整復師国家試験に合格する必要があります。
加えて、3年以上の実務経験と施術管理者研修を修了し、受領委任を各地域の公的機関に届け出ることで整骨院の開設ができます。
整体院が民間資格や企業研修を修了すれば誰でも開設できるのに対し、整骨院の開設には国家資格を保有していることと各種届出が必須です。
整体院は筋肉や関節の不調に特化?
施術する整体師の技術や取得している資格によって内容に大きな差があるため、全ての整体院が筋肉や関節の不調に特化しているとは言い切れません。
整体院では、徒手で背骨や骨盤などの歪みを調整して筋肉の凝りの改善を図る施術をします。
筋肉や関節の不調が伴う身体の悩みに対してアプローチすることが可能です。
一方で、整骨院や接骨院は徒手での施術に加えて、低周波や牽引、ウォーターベッドなどの機器を用いる場合があります。
脱臼やねんざなど、医療的な専門知識が必要な怪我にも対応可能です。
しかし骨折は、整形外科でしか対応できない点には注意が必要です。
骨折ではレントゲンやCTなどの各種画像検査を行い、適切な対処が必要になります。
整骨院が行う怪我への対処は、応急処置的な意味合いが強いことを覚えておきましょう。
接骨院と整骨院の違いについて
接骨院と整骨院は名前が違うだけで、開設時に必要な資格も施術内容も同じです。
厳密には、柔道整復師法にて柔道整復師が使用できる施術所の名称は「ほねつぎ、又は接骨」と記載されているため接骨院が正しい名称となります。
今後、ガイドラインの整備がなされれば、時期を見計らい整骨院という名前がなくなる可能性も0ではありません。
整体院と整骨院のどちらに行くべき?
整体院と整骨院のどちらに行くべきか悩む場合は、症状や目的、受傷の経緯で決めましょう。
整体院は腰痛や肩こりへの施術のほかに、気持ちよさやリラックスすることを目的としたリラクゼーションをメインに行っているサロンも存在します。
漠然とした身体の不調やリラクゼーションが目的の場合は、整体院がおすすめです。
一方で整骨院では医療知識に基づき、悪化しないための適切な対処をしてくれます。
スポーツをして怪我をした、交通事故にあってむち打ちになったなど、明確なきっかけがある場合は医療知識のある整骨院がおすすめです。
料金形態や保険利用の可否も異なるため、十分検討してからどちらに行くか決めましょう。
なお交通事故で痛みが出た場合は、整体院では事故後1か月未満の方への施術は行えないため注意が必要です。
整体の費用について
整体を受けるうえでかかる費用を解説します。
整体院と整骨院では、料金形態に大きな違いがあるため注意しましょう。
整体院は保険適用外である
整体院で施術を受ける場合は、原則としてすべて保険適用外で全額自己負担となります。
整体院によって設定されている料金は大きく異なり、格安な整体院から高めに設定されている整体院まで幅広く存在します。
症状の改善ができるのかどうかと、整体院で施術を受けるうえでかかる費用をしっかり確認してから通いましょう。
少し高くても症状の改善を図れる整体院は存在しています。
一方で、高額にもかかわらず自分に合わない施術で症状が改善しない場合は、費用が無駄になってしまう可能性もあり注意が必要です。
整骨院は保険適用である
整骨院や接骨院の支払いは、保険適用です。
整骨院での保険適用は、療養費となります。
療養費は窓口で一旦全額支払い、後から健康保険組合に申請することで割合負担に基づいて返金されてくる仕組みです。
医療保険とは構造がやや異なりますが、負担金の観点では保険適用と同等ということになります。
整骨院を開設する場合は、受領委任の届け出が必須となっているためどの整骨院でも原則や仕組みは同じです。
整骨院で一旦全額を支払った際に、療養費支給申請書にサインをすることで整骨院が保険申請します。
療養費支給申請書には負傷名、部位、原因、施術した内容、回数、自己負担金などが記載されているため、確認した後間違いがない場合のみサインしましょう。
整骨院はすべてが保険適用ではない
整骨院や接骨院で保険適用される施術は、以下のとおりです。
- 骨折
- ねんざ
- 打撲
- 脱臼
骨折や脱臼への施術は、事前に医師の許可が必要です。
許可がない場合は、できる対処が応急処置に留まります。
骨折後の施術も保険適用されますが、骨折の具合に合わせて専門的な対処が必要なため整形外科の受診をおすすめします。
上記に挙げた以外の筋肉疲労や肩こり、腰痛などは保険対象外となり全額自己負担です。
また、医療機関にて整骨院と同様の施術を受けている場合も保険適用外となります。
医療機関と整骨院の両方で、同一の施術に対して保険請求することはできないため注意しましょう。
整骨院のほかにはり師や鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師などの施術院がありますが、それぞれ保険適用となる施術が異なるため、事前に確認が必要です。
整体サロンの選び方について
整体サロンの選び方について解説します。
整体サロンを選び方のポイントは、以下の6つが挙げられます。
- 効果があるのか口コミを確認する
- 施術料金を確認する
- 通いやすいサロンを選ぶ
- 施術の説明や内容が丁寧なサロンを選ぶ
- サロン内が清潔なお店を選ぶ
- 事前に予約を入れてサロンに行く
痛みがあるときに整体院に行くことは効果的ですが、セルフケアで改善できることもあります。
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効果があるのか口コミを確認する
1つ目のポイントは、効果があるのかお店の評価や口コミサイトを確認することです。
基本的には自分と同じ悩みを持っている口コミを確認し、症状が改善したという口コミがされている整体サロンを選びましょう。
同じ悩みが改善している口コミがある場合は、自分にも効果的な施術が期待できます。
口コミ数が多いサロンが、自分に合うサロンであるわけではないため注意しましょう。
口コミの内容が、自分にも当てはまるかどうかを確認してから来店することがポイントです。
施術料金を確認する
2つ目のポイントは、施術料金が明記されて簡単に確認できることです。
整体サロンは自由に料金設定ができるため、料金設定はさまざまです。
1回の来店のみで症状が改善することは少ないため、何度か通う際も無理なく通える料金であるかを確認することが重要です。
整体サロンを選ぶ際は、1回の施術の料金が明確に記載されていて追加料金がないことを確認しましょう。
整体サロンによっては、回数券が用意されている場合もあります。
基本的には、回数券を購入したほうが1回の施術料金は安くなりますが、サロン側が極端に回数券の購入を勧めてくる場合は注意が必要です。
通いやすいサロンを選ぶ
3つ目のポイントは、距離や料金も含めて通いやすいサロンを選ぶことです。
整体サロンは、何度か通いながら症状の改善を目指すことが前提となります。
自宅や職場から近いことや料金的に無理がないことは、継続的にサロンに通い続けるうえで重要です。
整体サロンへ通う際は、痛みや身体の不調があることが多いでしょう。
そのため、多少不調でも無理なく通える距離や環境であることは、サロンを選ぶ重要なポイントとなります。
施術の説明や内容が丁寧なサロンを選ぶ
4つ目のポイントは、施術の説明や内容が丁寧なサロンを選ぶことです。
整体サロンは整体師の資格がさまざまで、開設の基準がそこまで厳しくないため知識や技術に大きな差があります。
詳しい施術の内容や効果の説明を求めたときに、曖昧な説明や分かりにくい説明が多く納得できない場合は、サロンを変える一つの基準となります。
民間資格といっても身体の不調を改善するうえで、必要な専門的な知識を誰が聞いても分かりやすく説明できなければなりません。
説明を求めた際に模型を使って説明してくれたり、身体の悩みについて分かりやすくとことん答えてくれたりなど、信頼感をもてる整体サロンを選ぶようにしましょう。
サロン内が清潔なお店を選ぶ
5つ目のポイントは、サロン内が清潔なお店を選ぶことです。
ホームページなどでサロン内の様子を確認し、サロンが清潔かどうかを判断しましょう。
隅々まで丁寧に掃除され清潔を保っているということは、施術や説明も丁寧に行ってくれる可能性が高いでしょう。
受付や施術を受ける環境が清潔で丁寧に掃除されていることは、サロン側がサロン全体の完成度や利用者の満足度を意識できている証拠になります。
整体サロンは、不特定多数の方が利用しています。
施術後に消毒・殺菌などを行い、清潔に対しての意識を高く持っているサロンはより安心して施術を受けられるため、サロン内の清潔さもサロン選びのポイントの一つになります。
事前に予約を入れてサロンに行く
6つ目は、事前に予約を入れてからサロンに行くことです。
予約する際にメールや電話などで料金や施術内容の問い合わせをし、サロンの対応を確認しましょう。
なかには、受付や問い合わせへの対応が悪いサロンもあります。
そのようなサロンへ継続的に来店することは、大きな負担になります。
整体サロンは継続的な付き合いとなるため、問い合わせに丁寧に対応してくれて電話でも不快感なく対応してくれるなどは重要なポイントです。
電話の時点で、強引に予約を取り付けようとしないなどもチェックポイントとなるでしょう。
症状が改善するまでの継続的な付き合いとなることを前提に、サロンがどのように対応しているかを確認するために事前に予約を入れてサロンに行くことがポイントとなります。
この記事のまとめ
今回は、整体についての基礎知識をはじめとして、整体院と整骨院の違いや整体サロンの選び方を解説しました。
身体の悩みや不調を取り除くために身近な整体院ですが、さまざまな整体院が開設されているため選び方には注意が必要です。
高い料金を払っているのにもかかわらず、症状が改善されないという事態を防ぐためにも整体院選びは慎重に行いましょう。
血流の改善やリラクゼーションなどさまざまなセールスポイントを持った整体院がありますが、痛みの悩みについて的確な施術ができる整体院は多くありません。
理学BODYは数少ない、痛みに特化した整体院です。
理学BODYでは、筋膜に対する施術を行い、痛みに対するお悩みを最短で改善することをコンセプトにしています。
スタッフ全員が医療系国家資格である理学療法士免許を保有しているため、専門性の高い知識をもとに痛みに対するアプローチをすることが可能です。
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