「登山をしたら足が痛くなった」
「足首が痛いけど原因がわからない」
これらの問題で悩んでいませんか?
登山は、初心者の方でも始めやすく運動不足の解消にもとても効果的な方法です。
しかし一方で、登山をしたら足首が痛くなったと答える方は実に3人に1人程度と非常に多く、怪我にも注意が必要です。
登山で足首を痛めたことがある方は、
「自分は怪我をしないから大丈夫」
「安静にしていれば良くなる」
このように考えておられる方も多い印象です。
登山で足首を痛めてしまった場合、最も大切なのが痛みの原因を判別することと適切な処置です。
間違った判断は症状を悪化させたり、捻挫や骨折など緊急で受診が必要となる場合があります。
では、足首の痛みの原因を正しく判別し、適切な処置を行うにはどのようにすればよいのでしょうか?
本記事では、体と痛みの専門家である理学療法士が、下記のポイントをわかりやすく解説していきます。
- 登山で足首が痛くなる原因
- 足首の痛みの原因の多くは捻挫
- 足首が痛い時の受診の目安
- 登山で足首が痛い時に効果的な6つの対処法
当院では、国際的に認知されている筋膜リリースという技法を用いて足首の痛みを即時的に解消する施術を行っております。
足首の痛みをすぐに治したい!という方は、コチラからお読みください。
※足首の痛みに関して、自己判断や対応に不安があるという方は整形外科への受診をおすすめします。

目次
登山で足首が痛い時に考えられること
まず、登山で足首が痛くなる時に考えられる原因が4つあります。
感じている痛みと照らし合わせて確認してみましょう。
- 関節の痛み
- 筋肉の痛み
- 外傷による痛み
- 靴の種類や使い方の問題
それぞれ詳しく解説していきます。
まずはここで痛みを大まかに判別していきましょう。
関節の痛み
まず、痛みが出る原因として挙げられるのは関節の痛みです。
登山は荷物を持ちながら斜面や不整地を歩くことになりますので、足の関節に強い負担がかかります。
変形性足関節症
足に痛みが起こる関節の疾患として挙げられるのが変形性足関節症です。
変形性足関節症は、足首を構成する脛骨と距骨の表面にある軟骨がすり減っている状態を表します。
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変形性足関節症の状態
- 症状=足の痛み、しばらく歩くと落ち着きやすい、変形が進行すると常に痛くなる
- 診断=レントゲンやCT、MRI撮影
- 治療法=保存療法(インソール、サポーター)、手術療法
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変形性足関節症に対するおもな手術例
筋肉の痛み
次に考えられるのが、筋肉による痛みです。
そして、登山は日常生活よりも筋肉による痛みが出やすい運動です。
なぜ登山は筋肉による痛みが起こりやすいのでしょうか?
登山は、荷物や体重が加わった状態で同じ動作を繰り返し行います。
雨や風などの環境、歩きにくい地面の状態でより足の筋肉が疲れやすい状態となります。
過度に使われた筋肉は、硬くなり循環不良を起こします。
すると筋肉から発痛物質が出て痛みがでるのです。
登山で歩いている時に痛みがでる方は、コチラで詳しく解説していますので参考にしてください。
外傷による痛み
今回、考えられる原因の中で最も注意したいのが外傷による痛みです。
外傷とは、足の捻挫や転倒、骨折などを指します。
登山中に足を捻ってしまったという方は、捻挫かもしれません。
詳しくはコチラからお読みください。
以下のポイントに当てはまる方は、まず医療機関を受診しましょう。
- 痛みの原因がはっきりとしている
- 痛みが強い
- 患部が赤い、もしくは青く腫れている
登山靴が足に合っていない
見落としやすいポイントとして、登山靴が足に合っていない可能性があります。
登山靴は足の安定性を高める上でとても重要となり、痛みが治まっても靴が原因で再発する恐れがあります。
「靴があっていない気がする」
「どこを調整したらいいかわからない」
という方はコチラからお読みください。
登山で足首を捻って痛いなら捻挫?
登山で足首を捻ってしまったという方は捻挫が疑われるかもしれません。
ここでは、以下のポイントを抑えて正しく痛みを対処していきましょう。
- 登山の痛みの多くは捻挫
- 捻挫のパターン
- 骨折や受診の目安
登山の痛みの多くは捻挫
実際、登山で足を痛めた方の多くは捻挫というケースが多いです。
YAMA HACKのインスタグラムで「山で捻挫をしたことがあるか」というアンケートを実施したところ、3,205人の回答のうち、
・ある/1,028人(全体の32%)
・ない/2,177人(全体の68%)
と、およそ3人に1人は捻挫を経験したことがあるという結果に。引用:YAMA HACK
登山の経験が浅い初心者の方や、つい過信してしまい捻挫してしまったという方が多くいるようです。
では、なぜ起こりやすいのか、また、足のどこの部位が捻挫になってしまうのでしょうか?
登山での不安定な地面の環境、疲労や判断力の低下などがおもな要因として考えられます。
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捻挫が起こりやすい部位
引用:日本整形外科学会
捻挫は上記における前距腓靭帯という部位に起こりやすいです。
なぜ、この部位に起こりやすいのかは、捻挫のパターンが重要となってきます。
捻挫のパターン
前述したとおり、捻挫は前距腓靭帯を含む足の外側部位に起こりやすい特徴を持っています。
そのような外側部位の捻挫を内反捻挫、内側部位の捻挫を外反捻挫と言います。
内反捻挫 | 外反捻挫 | |
痛みの部位 | 足首の外側 | 足首の内側 |
痛みの特徴 | 軽~重度 | 軽~重度 |
痛み以外の症状 | 腫れ、変色、歩行困難 | 腫れ、変色、歩行困難 |
下記は、内反捻挫の状態表す画像です。
つま先を内側に捻った状態で体重がかかると外くるぶし周囲の靭帯が損傷します。

こんな時は要注意!骨折や受診の目安
「痛みはあるけど、動ける」
「早いうちに受診したほうが良い?」
と心配になる方もいらっしゃると思います。
実際、捻挫や骨折ですぐに受診が必要となる場合があります。
以下のポイントを確認して、医療機関を受診しましょう。
- 歩けないほどの痛みがある
- 赤く、または青く腫れている
- 2日以上たっても痛みが変わらない
- 触ると鋭く痛む
- 患部が熱くなっている
上記に当てはまる方は、捻挫もしくは骨折などの外傷が疑われますのですぐに対応しましょう。
登山で歩いてて足首が痛いなら?
登山で歩いている最中に足首が痛い場合は、
筋肉や関節による痛みが原因であると考えられます。
理由として、斜面での歩き方が乱れていたり、自己流になってしまっていることが考えられます。
また、歩き方が乱れている場合は、体が硬くなっていたり、筋力が不足していることも考えられます。
コチラでご紹介している対策を行えば、登山中の痛みが解決するかもしれません。
登山靴が当たって足首が痛いなら?
登山靴が当たって足首が痛くなる場合、おもに考えられるのは以下の点になります。
- 靴擦れ
- 靴の締め具合
- 履き方の乱れ
登山に慣れていない方や、新しい靴に履き替えた方などは靴の調整が不十分で痛みが起こることが多いです。
正しい調整方法については後ほどご紹介していますので、一緒に確認してみましょう。
登山で足首が痛い時の6つの対処法
ここまで登山で足が痛くなるおもな原因や受診の目安について解説してきました。
ここからは、足首の痛みに効果的な6つの対処法についてご紹介していきます。
ご紹介するおもな内容は以下の通りです。
- 安静
- ストレッチ
- マッサージ
- 筋トレ
- 靴や荷物の見直し
- 歩き方の見直し
すでに知っている方法でも新しいやり方や発見があるかもしれないので、ぜひチェックしてみてください。
痛みが強い時は安静
痛みが強い場合は、安静がとても重要となります。
しかし、痛みの原因が骨折や捻挫などの外傷では、まず病院へ受診することが大切です。
捻挫の場合、安静の目安は以下の通りとなります。
- 軽度=1週間~10日
- 中度=2週間
- 重度=3週間
あくまでも目安となりますので、受診先の医療機関の指示に従うことが大切です。
原因が筋肉痛や登山靴が足に当たって痛いなどの場合は、
1~2日しっかりと安静をとり、痛みの変化を観察していきましょう。
痛みが落ち着いてもすぐに登山に復帰しないことが大切です。
後ほどご紹介するストレッチやマッサージ、筋トレを行いウォーキングなどから始めましょう。
ストレッチ
ここでは、登山に必要なストレッチをいくつかご紹介します。
ストレッチを行うことで、痛みを緩和させる、筋肉の柔軟性が高まる、登山で痛めにくい体を作る効果が期待されます。
※ストレッチ中に痛みが起こるまたは増加する場合は、中止してください。
ふくらはぎのストレッチ
開始姿勢:足を前後に広げて立った状態
- 足を前後に開いて立ちます
- 前足の膝をゆっくり曲げ体重を前に移動する
- 後ろ足のかかとは上げない
- 伸ばした状態で10~15秒間キープ
太ももの前面(大腿四頭筋)のストレッチ
開始姿勢:うつ伏せであごの下で手を組む
- 片方の膝を曲げる
- 片方の足の甲をおしりに近づけるよう手で引っ張ります
- そのまま10~15秒ほどキープ
マッサージ
続いて足のマッサージです。
当院では、筋膜に対する施術を多く行っているため痛みの改善にとても重要な筋膜に対するマッサージをご紹介します。
足の外側のマッサージ
開始姿勢:膝を立てて座る
- 足を反らし外側に出るすじを触る
- すじの上を指の腹でなでるようにマッサージ
- 硬いところは集中的に行う
ふくらはぎのマッサージ
開始姿勢:膝を立てて座る
- すねを3等分した真ん中を触る
- 骨の後ろを指の腹でマッサージ
- 硬いところは柔らかくなるまで行う
筋トレ
痛みがだいぶ落ち着いてきたという方は、再発防止のための筋力トレーニングが重要です。
今回は、足を疲れにくくし強くするトレーニングをいくつかご紹介していきます。
※運動中に痛みが強くなる場合は、運動を中止してください。
スクワットトレーニング
スクワットは太もも~足首まで全体的に鍛えることができます。
開始姿勢:肩幅で立った姿勢
- 両手を前に伸ばしゆっくり腰を落とす
- つま先と膝が同じ向きを向くようにする
- 10回行い2~3セット繰り返す
カーフレイズ
カーフレイズはふくらはぎを全体的に鍛えることができます。
開始姿勢:肩幅で立った姿勢
- 壁やテーブルなどを触りゆっくりとかかとを上げる
- かかとを上げきったらゆっくりとおろし床面手前で止める
- 10回行い2~3セット繰り返す
靴や荷物の量の見直し
靴が当たって痛い、荷物の適量がわからないという方は
道具が原因で痛みが起こっている可能性があります。
適切な調整方法を確認していきましょう。
- つま先まで靴ひもを緩める
- かかとをしっかりと靴に合わせる
- つま先の靴紐からしっかりと締める
- 靴紐を結ぶ
※最後の靴紐を締めすぎると循環不良の原因になりますので注意しましょう!
- よく使うものは上部に入れる
- すぐに取り出したいものは表面に入れる
- 重量があるものは背面に入れる
- あまり使わないものは下部に入れる
パッキングは重量があるものを体からなるべく離さないようにするのがポイントです。
歩き方の見直し
登山において道具の調整やストレッチなどの対策はとても大切です。
しかし、最も大切なのは歩き方の見直しです。
なぜなら、歩き方に乱れがある場合、痛みは再発する可能性が高く、膝や腰などほかの部位への影響も考えられるからです。
歩いている途中に痛みがでやすい、登山以外では痛くならないという方は歩き方を見直すのが効果的です。
具体的な方法は以下でご紹介していきます。
登山で足首が痛くならない正しい歩き方
ここでは、登山で足が痛くなりにくい歩き方についてご紹介していきます。
登山は平地と違い斜面での歩行となりますので、大丈夫と安心している方程、歩行が原因であったりします。
一緒にチェックしてみましょう!
- 頭、上半身はまっすぐになり過度にかがんでいない
- 歩幅は大きくせず細かくなっている
- 斜面でかかとが浮いていない、足裏全体が地面についていている
- 急な勾配はジグザグに登れている
- 急な斜面での下山は横向きで降りている
- ストックに体重をしっかりかけられている
- ペースが一定であり疲れにくい
以上、7つのチェックリストになりましたがいくつ当てはまりましたでしょうか?
基本的には足に負担をかけないこと、急がないことが大切になります。
今すぐ痛みをとるなら理学ボディ
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まとめ
今回は、登山で足首が痛くなる原因や受診の目安、効果的な対処法についてご紹介しました。
結論、足首の痛みは、関節、捻挫、靴、歩き方など痛みの判別をしっかり行うこと。
痛みの状態に適した対応を行い、必要であれば受診することが重要となります。
上記の内容を参考にしてもなかなか痛みが改善しない。
上手く出来ているかわからないという方もいらっしゃると思います。
そんな方はぜひ一度理学ボディにご相談ください。
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痛みをしっかりと改善させ、楽しく登山を再開しましょう!