この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
「数日前からおしりの先端が痛い」
「椅子に座ると痛くて仕事や家事がつらい」
このように原因がわからない尾てい骨の痛みで悩んでいませんか。
尾てい骨(尾骨)は、おしりの先端部分にある骨で普段痛めにくい部位ということもあり、原因を特定しにくいといえます。
結論、尾てい骨が痛くなってしまうのは、以下の原因が考えられます。
- 姿勢が悪い
- 怪我や骨折を起こしている
- 妊娠や出産による体の変化
- 筋肉が硬くなっている
- 骨盤周りが歪んでいる
また複数の原因が重なって痛みが出ている場合もあるでしょう。
注意すべきなのは、一時的な痛みだと思って放置してしまい症状が悪化したり、病気を発症したりしてしまう可能性がある点です。
ですがご安心ください。
本記事では、尾てい骨が痛くなる原因や効果的な対処法を紹介していきます。
今すぐ痛みをどうにかしたい方に向けて、あなたの痛みに効く具体的な筋膜リリースの方法をLINEにて無料でお伝えしています。ぜひご活用ください。
尾てい骨が痛い原因は?
尾てい骨が痛くなった場合、おもに以下の5つの原因が考えられます。
- 姿勢が悪い
- 怪我・骨折
- 妊娠・出産
- 筋肉が硬い
- 骨盤のゆがみ
上記の5つの原因に共通するのは、体の変化に偏りがあり、尾てい骨に過度なストレスが加わっている状態だという点です。
そのほか小さな痛みが慢性化し、なかなか治りにくい状態である慢性痛になっている可能性もあります。
一般的に同じ痛みが3ヵ月以上続く場合は、慢性痛になっていると考えます。
痛みが起きた状況を思い返して、原因を明確にすることが大切です。
また尾てい骨の痛みが強く生活に支障が出る場合は、早急に医療機関に相談しましょう。
姿勢が悪い
原因として最も考えられるのが、姿勢が悪くなっていることです。
実際に座っている姿勢を例にみていきましょう。
正常な座り姿勢の場合、骨盤がしっかりと起き上がっているので後方にある尾骨はストレスがかかりません。
しかし悪い座り姿勢の場合は、骨盤が後方に倒れてしまい尾てい骨に体重が乗った状態で圧迫されてしまいます。
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引用:おとちえ
猫背や背もたれによりかかるような座り方の場合は、尾てい骨が痛くなってしまう可能性があるため注意が必要です。
また長時間座ることによって、尾骨滑液包炎と呼ばれる炎症を起こす可能性もあります。
怪我・骨折
尾てい骨が痛くなる原因として、以下の状況が考えられます。
- 後ろに転んで尻もちをついた
- 家具や物におしりをぶつけた
以上のようなはっきりとした原因がある場合は、ほとんどの場合で炎症がみられるでしょう。
尾てい骨周囲を強く打つ打撲は、筋肉や皮膚の下の組織がダメージを負っている状態です。
腫れや青あざ、赤み、熱感がみられる場合もあります。
打撲の場合は、安静にしていれば約1週間ほどで症状が軽減していくことが多いでしょう。
しかし、以下のような症状がある場合は骨折の疑いがあります。
- 痛みでトイレが困難
- 気分が悪く、吐き気がある
- 痛みは強くないが、1週間以上続いている
尾てい骨は比較的小さな骨のため、炎症や痛みがそこまで強くない場合もあります。
しかし痛みが長引いている場合は、整形外科のある医療機関へ行きましょう。
レントゲンで骨折と判明した場合、入院が必要なケースもあります。
病院へ行くまでの間も痛みが強い場合は、冷たいタオルや袋に入れた氷水などでアイシングを行うのも効果的です。
しかし、冷やしすぎも悪影響のため注意が必要です。
最も危険なのは、放置してしまうことです。神経などに影響が及ぶと痺れや麻痺などの後遺症が残る可能性もあります。
まれな例として、腫瘍などの病気が関係している可能性もあります。
尾骨のやや上に発生する仙骨脊索腫といわれる腫瘍や、馬尾腫瘍という神経にできる腫瘍が原因の可能性もあるため、痺れや排尿・排便での悩みがある場合は一度医師へ相談しましょう。
妊娠・出産
女性特有の原因で、妊娠や出産が影響している場合もあります。
妊娠中はさまざまな身体の変化が起こり、尾てい骨に痛みが生じてしまうことも少なくありません。
具体的には以下のような変化が考えられます。
- ホルモンバランスの変化
- 姿勢の変化
ホルモンバランスの変化
骨盤は、いくつかの骨が関節と靭帯でつながって構成されています。
妊娠中は、関節にある靭帯を柔らかくするリラキシンというホルモンの働きが活発になり、骨盤が開くように動きます。
その際に尾てい骨につく筋肉が伸ばされることで、尾てい骨に痛みが生じる可能性があるでしょう。
姿勢の変化
妊娠後期になるにつれてお腹が大きくなってくると姿勢も変化します。
お腹の重みにより前方に移動する重心を戻そうと腰を反るような姿勢となります。
また腰を反ることで骨盤は前傾方向に傾き、座ったときに尾てい骨が当たるような位置に移動してしまうことも原因の一つです。
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引用:いろどり整骨院
筋肉が硬い
普段から前かがみの姿勢で動いている、座っている時間が長いといった方は、筋肉が硬くなっているかもしれません。
姿勢を変えてみても痛みが変わらない、痛みが一時的なことが多い方は、筋肉が硬くなり高い緊張状態であることが考えられます。
尾てい骨が痛くなってしまう場合、強く関係しているのがおしりにある大殿筋という大きな筋肉です。
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引用:わしざわ整形外科
大殿筋がどの程度硬くなっているか、以下の方法で確認してみてください。
- 仰向けで片方の足を上げ、膝を曲げる
- 上げや足を外に開く
- 開いた足の膝が骨盤のライン上にあれば正常
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引用:ヨガジャーナルオンライン
硬くなっていると感じた方は、大殿筋のストレッチが効果的です。
骨盤のゆがみ
普段からデスクワークをしている方や猫背になっている方、妊娠・出産を経験している方は骨盤が歪んでいる可能性があります。
座っているときも立っているときも重心は無意識に偏っている場合がほとんどです。
そのような生活が続くと、骨盤を構成する仙腸関節を中心にズレが生じてしまいます。
身体はズレが生じても姿勢を何とか保とうとするため筋肉にも負担が生じ、その筋肉が硬くなり、痛みを起こしてしまいます。
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引用:さくらの整骨院・整体院
姿勢が偏っている方は、身体の硬さが原因である場合がほとんどです。
そのためストレッチを行い、骨盤のゆがみを整えましょう。
尾てい骨が痛いときの過ごし方
尾てい骨に痛みが出てしまった場合の過ごし方を紹介します。
- 硬い椅子を避ける
- 猫背で座らない
- 姿勢を意識する
以上の方法はあくまで痛みを回避するための過ごし方です。
万が一痛みが出てしまった場合で、仕事などで安静にできない状況での対策として覚えておきましょう。
痛み自体を改善する方法は本記事後半でも紹介しているため、参考にしてみてください。
椅子にはクッションを使用する
尾てい骨が椅子の座面に当たって痛い場合、椅子の材質を変えて座ることで簡単に痛みを軽減することができます。
例として木製の椅子や金属製、パイプ椅子なども尾てい骨に圧力がかかりやすいため注意が必要です。
クッション自体を柔らかくし、低反発のウレタン素材やジェル素材などを使用するのがおすすめです。
また綿素材のクッションは比較的安価で購入できますが、つぶれやすく尾てい骨への圧が分散しにくいため注意しましょう。
緊急時の場合は、タオルを丸めて尾てい骨周囲に置くのもおすすめです。
猫背に注意する
猫背は骨盤が後ろ(後傾)方向に動いてしまい、尾てい骨に強いストレスがかかります。
また猫背姿勢をとると肺が圧迫され、呼吸が浅くなりやすいといえます。
十分に酸素が取り込めないと身体の代謝が低下したり、血行不良からのむくみや睡眠不足になったりする可能性もあるため注意が必要です。
良い姿勢を意識する
尾てい骨の痛みの再発予防において、良い姿勢を意識することはとても重要です。
立っているときの姿勢や座っているときの姿勢を、以下の画像と比較しながら見直してみましょう。
正しい姿勢ができていても尾てい骨が痛い、正しい姿勢が苦しいという方は、身体が歪んでいる可能性があります。
身体のゆがみは、整体や整骨院で専門家に相談するのが効果的です。
尾骨が痛いときの対処法5選
尾てい骨の痛みの原因に対し、適切な対処法を行うことで痛みの程度によっては短期的な改善が可能です。
そこで、尾てい骨の痛みを改善させる対処法を5つ紹介します。
- ストレッチをする
- マッサージをする
- あったかい湯船につかる
- 適度に休憩をとる
- 整体や整骨院で骨盤のゆがみを改善する
それぞれ具体的に確認していきましょう。
ストレッチをする
尾てい骨の痛みは姿勢不良や骨盤のゆがみなどによる筋肉の硬さが影響しています。
筋肉の緊張が高まり、筋肉内の血管から発痛物質が出ることで痛みの症状が現れます。
そのため、筋肉や筋肉表面にある筋膜を柔らかくすることが効果的です。
尾てい骨の痛みに影響しやすいおしりにある大殿筋のストレッチについて、以下で紹介します。
寝た状態で簡単に実践できるため、ぜひ継続してみてください。
妊娠中・出産後の方は以下の項目に注意しましょう。
- 貧血やけだるさがない
- お腹が張っていない
- 妊娠初期
- 切迫早産のリスクはない
開始姿勢:仰向け
- 片足をお腹に引き寄せる
- 反対側の肩に向けひねる
- そのまま姿勢をキープし体勢が崩れないよう意識する
痛みが強い方は無理をせず、次項のマッサージから行ってみましょう。
マッサージをする
尾てい骨の痛みがやや残っていてストレッチを行うと響いてしまう方は、マッサージも効果的です。
当院は、おもに痛みの改善を目的とした筋膜専門の整体院です。
痛みの出やすい大殿筋を中心に、中殿筋を狙ったマッサージの方法を紹介します。
- 骨盤の中心の外側の上部分にある出っ張った骨を見つける
- その骨のすぐ外側を指で上下にマッサージする
- 逆足も同様に行う
痛みが強くなった場合は、マッサージを控え安静にしましょう。
温かい湯船に浸かる
温かい湯船に浸かるのも痛みの軽減に効果的です。
温熱による効果と適度な水圧により腰回りの循環が促され、発痛物質を抑制する働きもあります。
長時間の同じ姿勢は、尾てい骨への負担も大きいため長風呂にならないよう適度な時間に調整しましょう。
適度に休憩を取る
座っていて尾てい骨が痛くなる場合は、適度に身体を休ませることが重要です。
デスクワークで痛みが生じる場合は痛みを感じる前に休憩をとるか、30分や1時間など時間を決めて休憩をするようにしましょう。
整体や整骨院で骨盤のゆがみを改善する
最後に整体や整骨院で骨盤のゆがみを改善する方法です。
基本的に骨盤にゆがみがあっても自覚している方は少ないでしょう。
仮に姿勢が歪んでいると認識していても自分だけではなかなか改善が難しく、痛みが長引いてしまうこともあります。
医師からリハビリなどの処方がない限り、病院で骨盤のゆがみを改善してもらうのは困難です。
そんなときにおすすめなのが整体での姿勢調整です。
尾てい骨の痛みは骨盤のゆがみや姿勢不良がきっかけで、筋肉・筋膜、関節の硬さが根本的な原因となっていることが多いといえます。
そのような悩みに対して解決策となるのが、当院のような筋膜専門の整体による筋膜の施術です。
当院では、これまで多くの方に筋膜リリースによるビフォーアフターや、当院でしか受けられない筋膜調整の効果を実感していただいております。
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まとめ
今回は、尾てい骨が痛い場合の原因と対策について紹介してきました。
尾てい骨の痛みは身体の硬さや怪我などが原因していることが多く、原因に合った適切な対処法を行うことが重要です。
痛みが強い場合には無理をせず、整形外科のある医療機関へ相談しましょう。
病院や治療院に通ってもなかなか改善しない場合は、私たち筋膜のプロへ一度ご相談ください。