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外反母趾で親指の付け根が痛い原因と治療方法

外反母趾で親指の付け根が痛い原因と治療方法

昔から外反母趾はひどかったんですけど痛みはなかったんです。

でも3カ月ぐらい前からなんだか痛いんです。

ちょっと歩くと痛くて買い物に行くのもしんどいです。

なんで急に痛くなってしまったんでしょうか?

これ治りますか?

そんなご相談をよくされます。

今回は外反母趾の痛みの原因とその痛みの改善策について、整形外科に長年勤めてきた理学療法士の視点から解説していきたいと思います。

外反母趾とは

外反母趾 写真

外反母趾は名前の通り、親指が外反といって▲の画像のように変形している状態のことをいいます。

なんで外反母趾になるの?

親指の付け根の関節面は斜めになっています。

そのため、アーチを支える筋肉がうまく働いていなかったり、関節が緩かったりする女性などは親指の付け根が外に広がりやすい構造になっています。

外反母趾 説明

そして親指の付け根が外に開いてくると、親指についている筋肉のバランスが崩れます。

ほとんど聞いたことのないような筋肉の名前を出して申し訳ないのですが、具体的には、母趾外転筋(ぼしがいてんきん)は付着部の距離が縮まり短くなり、母趾内転筋(ぼしないてんきん)は引っ張られてつっぱります。

外反母趾になる理由

▼の図を見ていただくとわかるのですが、筋の長さが長くなればなるほど下の青い線で示してある静止張力が増加していきます。

静止張力とは、名前の通り『止まっている時に使われている力』です。

※ここでは赤い線の活動張力と緑の線の全張力は無視して構いません。

長さ張力曲線

つまり、親指の付け根が関節面にそって外に広がってくると、親指の骨の先端についている母指内転筋は引っ張られて長さが長くなり、静止張力(止まっているときに使われている力)が増加していきます。

この状態が長く続いていくと、親指の付け根は外にひらき、先端は内に曲がる、いわゆる外反母趾になってしまうのです。

外反母趾の痛みの原因

外反母趾の痛みの原因はおもに5つあります。

①靴による影響

ハイヒールのようなつま先の狭い靴を履くと、親指の付け根の内側なある関節包といわれる関節を覆っている袋が引っ張られて痛みが出現します。

②神経の圧迫

外反母趾が進行してくると、本来親指の内側を通っていた固有底側趾神経(こゆうていそくししんけい)という神経が、親指の第2関節の下の内側を通るようになり、この状態で親指に体重がかかると神経を圧迫するため痛みをが出現します。

③開張足(かいちょうそく)による影響

外反母趾になると、足の骨の位置関係が崩れて、アーチが低下します。

アーチが低下すると、足はべたっとつぶれて横に広がったような状態になります。

このことを開張足といいます。

開張足になると第2趾、第3趾に通常より過剰に圧が集中するため、第2趾、第3趾に痛みが発生します。

④槌趾変形によるもの

槌趾変形

外反母趾が顕著になると、母趾が第2趾や第3趾の下に回り込むことがあります。

それに伴い、上の写真のように第2趾や第3趾が槌趾変形を起こすことがあります。

槌趾変形を起こすと、第2趾や第3趾の背面の部分が靴とぶつかり、これが続くことで痛みが発生します。

⑤筋膜による影響

外反母趾の進行とともに筋膜にねじれやコリが生じ、痛みが発生するケースです。

私はこのケースが最も多いと感じています。

また、①~④のケースでもこの筋膜の問題を解消することで、①~④の問題もある程度解消して症状が改善するケースを多く経験します。

外反母趾で親指の付け根の痛みが改善した事例の報告

改善事例

半年ぐらい前から長時間歩くと親指の付け根が痛くなるという50代女性のAさん

この頃は、ヒールをやめたり、市販のインソールなどを入れてだましだましなんとかなっていたそうです。

ただ、2ヵ月前ぐらいから少し歩くだけで親指の付け根に激痛が走り、体重を親指にかけることができなくなってきたそうです。

この時点で整形外科を受診されたそうですが、シップと薬を処方されただけで経過観察とされてしまったとのこと。

その後近所の整体に行って、タオルを握るトレーニングを教わったけど、即効性がなく困っていると、私のことをネットで見つけて連絡をくれました。

外反母趾自体はもう20代のころからとのことです。

Aさん外反母趾

足はこんな感じでした。

「変形はたしかに強いですが、外反母趾でも痛くない人もいるので、痛みは施術である程度改善できるはずです。」

と説明して早速問診を開始しました。

私の施術ではこの問診の時間を大事にしています。

特に過去のケガのことについて細かく聞きます。

体は全身つながっているので、過去にケガした部位の周りの筋膜が今の痛みを引き起こしていることが非常に多いからです。

Aさんにも過去にケガをしていないか聞いていくと、10代のころに部活で疲労骨折のような下腿の内側の痛み、30代後半になって腰痛がでるようになったと教えてくれました。

これをもとにさっそく疲労骨折疑惑のあった下腿周辺、腰痛になった骨盤周り、外反母趾で今現在痛みがある足部の筋膜の状態を調べていきました。

すると、Aさんは下腿の内側と外側、足部の内側、両骨盤の外側に筋膜の硬い部分が見つかりました。

Aさん 筋膜の状態

この筋膜の硬さを1か所につき3~5分程度入念に取っていくと・・・

 

歩行時の痛みがなくなりました!

「薬飲んでも効かなかったのに!!すごい!!」

と感激してくれました。

ただし、外反母趾の見た目自体はほとんど変わっていません。

ここで正直に申し上げてしまいますが、私の力で外反母趾自体の見た目を治すことは非常に難しいです。

ですが、今回のAさんのように外反母趾による痛みを改善することはできます。

後日Aさんに連絡したところ、1週間たっても痛みは全く出ていないとのことでしたので、その場限りの効果ということではないと思います。

今外反母趾に伴う足の指の痛みでお悩みの方、筋膜の施術で痛みが改善できるかもしれません。

お役に立ちたいです。1度私にご相談ください。


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ABOUT US
木城 拓也
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。 その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。 筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
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