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股関節の痛みは整体と病院のどっちが治せるのか理学療法士が結論付ける

監修者について

 

股関節が痛い時、整体に行った方が良いのか、病院に行った方が良いのか、判断に悩んでいませんか?

痛みの程度や感じ方は人それぞれなので、医学的な知識がないとどちらに行くのが良いのか判断が難しいですよね。

整体と病院では、それぞれメリットとデメリットがあり、それを踏まえてどちらを選択するのが良いかを判断する必要があります。

そこで、本記事では股関節の痛みに悩む方に向けて、自分は整体に行った方が良いのか、病院に行った方が良いのか悩まずに判断できるように、それぞれでできることとできないことを解説します。

 

股関節の痛みは病院がいい?

ここでは以下の4つについて解説します。

  • 病院を受診した方が良いケース
  • 病院でできること
  • 病院ではできないこと
  • 病院で治療を受けるべき人

それぞれ解説します。

 

病院を受診した方が良いケース

以下の項目に当てはまるものがある方は病院で整形外科を受診することをお勧めします。

病院受診した方が良い場合のチェックリスト
  • 患部が腫れて、熱を持っている
  • 痛みや腫れで動かすことが困難
  • 痛みで歩くことが困難
  • 安静にしていても痛みが強い
  • 安静にしていても痺れがある、あるいは痺れが強い
  • 痛みや腫れが出現したきっかけが明確である(転んだ、ぶつけたなど)

強い痛みや腫れ、痺れなどを伴う場合は、骨折の可能性があり、場合によっては神経にも何らかの影響が出ている可能性があるため、早急に整形外科を受診するのが望ましいです。

また、変形性股関節症と診断を受けている方や受けていなくても高齢で変形している可能性がある方も受診が望ましいです。

この場合は、痛みがそれほど強くなくても、変形がある場合は病院で検査をしてもらう必要があるで一度調べてもらった方が良いでしょう。

 

病院でできること

股関節の痛みで病院を受診する場合、基本的に診療科は整形外科になります。

整形外科は身体の芯になる骨・関節などの骨格系とそれを取り囲む筋肉やそれらを支配する神経からなる「運動器」の機能改善を重要視して治療する外科で、背骨と骨盤というからだの土台骨と、四肢を主な治療対象にしています。

切創せっそう挫創ざそうなどのケガ、打撲、捻挫、骨折、脱臼、関節損傷、脊髄損傷、開放骨折、切断指・肢などは、整形外科が扱います。

参照元:公益社団法人 日本整形外科学会

できることとしたら、骨折や関節炎などの異常が疑われる方に対してレントゲン、神経や腱・筋肉の損傷が疑われる方に対してMRIなどの検査をすることができます。

他には、医師の指示の下、薬を処方してもらうこともできます。

また、股関節の痛みで整形外科を受診しても他の病気が疑われれば、他の診療科へ紹介してもらい診察を受けることもできます。

 

病院ではできないこと

上述したように、病院ではレントゲンやMRIによる検査で原因を調べることができます。

ですが、それで原因がはっきりしなかった場合、画像上は問題なしとされ痛みがあっても明確に原因を突き止めるまでには至らないこともあります。

病院では、あくまでも問診や画像から分かることを元に原因を調べることがメインのため、それで分からなければ、痛み止めや湿布などの対症療法になってしまうかもしれません。

 

病院で治療を受けるべき人

病院で治療を受けるべき人は、変形が進んでいる変形性股関節症、あるいは他の股関節の病気がある人です。

それらは検査をしないと分かりませんし、それが痛みの原因の場合は整体へ行っても治すことはできないからです。

 

変形が進んでいる変形性股関節症の人

変形性股関節症とは、股関節が変形し、関節の隙間が狭くなったり、関節に面する骨が硬くなることで、関節の痛みや動かしにくくなることを指します。

股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。

関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。

参照元:公益社団法人 日本整形外科学会

股関節の変形はレントゲンを撮ってみないと分かりません。

必要に応じて、MRIやCTなどの検査をする場合もあります。

変形が軽度の場合は経過を見つつ、運動療法を指導されることが多いですが、変形が進行している場合は手術の適応となる場合もあります。

なので、検査結果を元に医師の指示で慎重に治療する必要がある病気ですので、病院に受診するべきです。

 

股関節の他の病気がある人

変形性股関節症以外の股関節の病気としては、おもに以下のようなものが挙げられます。

  • 大腿骨頭壊死症だいたいこっとうえししょう
  • 大腿骨頚部骨折だいたいこつけいぶこっせつ
  • 骨盤骨折

たとえば、大腿骨頭壊死症は症状としては、股関節の痛みと痛みのせいで上手く歩けないというのが一般的です。

画像上特に問題がなくても痛みのせいで上手く歩けない方も多くおられます。

なので、症状だけ見ても大腿骨頭壊死症とは分かりませんが、MRIなどの検査をすることで初めて診断されます。

これも変形性股関節症と同じく、手術となることもあるので、病院でないと対応できません。

 

股関節の痛みは整体がいい?

ここでは以下の4つについて解説します。

  • 整体に行った方が良いケース
  • 整体でできること
  • 整体ではできないこと
  • 整体に行くべき人

それぞれ解説します。

 

整体に行った方がいいケース

病院を受診した方が良いケースで挙げた以下の項目に当てはまらないが、股関節に痛みがある場合は整体に行った方が良い可能性があります。

病院受診した方が良い場合のチェックリスト
  • 患部が腫れて、熱を持っている
  • 痛みや腫れで動かすことが困難
  • 痛みで歩くことが困難
  • 安静にしていても痛みが強い
  • 安静にしていても痺れがある、あるいは痺れが強い
  • 痛みや腫れが出現したきっかけが明確である(転んだ、ぶつけたなど)

もしくは、一度病院を受診してレントゲンなどの検査を受けたが、原因となるような問題が見つからなかった場合は整体へ行くことで改善できるかもしれません。

整体では検査や薬の処方、手術などはできませんが、問診を元に実際に身体を触り、筋肉や関節の問題が痛みに関係しているかを調べます。

筋肉の硬さや関節の動きの悪さが問題であれば、整体で痛みを改善することも可能です。

 

整体でできること

整体でできることとしては、以下の2つが挙げられます。

  • 痛みの改善
  • 根本的な原因に対してのアプローチ

実際に身体を触り、硬くなった筋肉を見つけてほぐしたり、痛みの原因となっている筋肉を見つけることで、痛みの改善を図ることができます。

筋肉の損傷はレントゲンやMRIで調べることができますが、筋肉の硬さはそれらでは見つけることができません。

ですが、整体では筋肉や関節を実際に触って動かす中で硬い部分や痛みの原因となっている部分を探すことができます。

画像や数値で表せるわけではないので、主観的な要素が強くはなりますが、原因を探して対応できるのは整体の強みでもあります。

なので、画像では分からないような根本的な原因に対してもアプローチすることができます。

 

整体ではできないこと

整体では、医師のような資格を持っているわけではないので、病気の診断をしたり薬を処方したりすることはできません。

もちろん、レントゲンやMRIなどの医療機器もないので、画像検査をすることもできません。

もし、病院で治療を受けるべき変形性股関節症のような病気のせいで股関節が痛い場合でも、それを調べることはできません。

その場合は、いくら整体へ通っても痛みは良くならない可能性もあります。

 

整体に行くべき人

整体へ行くべき人としては、グロインペイン症候群のような画像検査では原因がはっきりしにくい、あるいは慢性的な症状や変形が少ない軽度の変形性股関節症が当てはまります。

 

グロインペイン症候群

グロインペイン症候群は、ランニングや起き上がり、キック動作など腹部に力を入れたときに鼠径部そけいぶやその周辺に痛みが生じます。

参照元:公益社団法人 日本整形外科学会

これは筋肉や関節の硬さや動きの悪さが原因となるので、整体のように身体を触って筋肉の硬さなどを調べないと、はっきりと原因はわかりません。

整体では、グロインペイン症候群のような病院では原因が分かりにくい症状でも対応することが出来ます。

 

変形が少ない変形性股関節症

変形性股関節症はいきなり痛みが出現するのではなく、長い年月をかけて徐々に変形が進行し、次第に痛みが出現します。

病院で検査してもらい、変形が軽度で運動の許可も出ている場合であれば、整体で対応することもできます。

変形が軽度の場合であれば、むしろ整体で筋肉の硬さを解消し、関節の動きを良くしたり筋力を発揮しやすい状態に整えることをお勧めします。

 

股関節の痛みが整体で改善した例を紹介

今回紹介するのは、1週間後につくばマラソンを控えていたAさん。

 

以前一度別のイベントの仕事でお会いしたことがあり、

知人が紹介してくれたこともあって私のサロンに来てくれました。

 

以下、Aさん談

練習中に、股関節の奥?股関節の付け根?らへんが痛くなってしまいました。

今まではいくら走ってもこんなことはなかったので、初めての感覚で少し怖いです。

すぐ良くなるかと思っていましたが、数日しても痛みはほとんど変わりません。

今は歩くときに若干痛いです。

あとは、股関節を曲げても痛いです。

少しなら無理して走れなくもなさそうだけど、42Kmは厳しそうです。

もうつくばマラソンが来週に迫っているので、かなり不安です。

なんとかなりますか?

とのことでした。

 

股関節に出る痛みをチェック

 

Aさんの股関節の痛みを実際にチェックしていきました。

 

すると腰を後ろに反ろうとすると痛みが出ました。

ランニング 股関節 痛み

 

腰を左に倒しても痛みが出ました。

ランニング 股関節 痛み

 

歩く時に体重がかかると股関節に痛みがあるようで、

歩くだけで痛いのにマラソンを走るのはとても不安とのこと。

ランニング 股関節 痛み

 

他にも寝ながら股関節を動かしても痛いし、

可動域も狭くなっているとのことでした。

ランニング 股関節 痛み

 

ランニング 股関節 痛み

 

Aさんはこんな感じで股関節に痛みが出ている状態でした。

 

Aさんの筋膜をチェック

次にAさんの筋膜で硬くなっている場所がないか、硬さをチェックしていきました。

 

すると、以下の場所に筋膜の硬さが確認できました。

  1. 足首
  2. ふくらはぎの内側・外側
  3. モモの内側・外側
  4. 臀部
  5. 股関節の前側

 

このように、痛いのは股関節でも

筋膜が硬い場所は股関節以外に多くあります。

ランニング 股関節 痛み

 

これではいくら股関節だけをストレッチしても治らない理由がわかります。

 

そしてこの硬い筋膜をほぐすようにしていきました。

 

その結果、

Aさん

だいぶ良くなりました!痛みはほとんどなくて、

さっきを10だとしたら今2ぐらいです!

とのことでした。

 

ただ、1週間後にフルマラソンということで、

マラソンの2日前に予約を入れてくれました。

 

2回目の筋膜調整

2回目は、来てもらった時点でほとんど痛みはなくなっていました。

 

ということで、股関節の痛みはなかったのですが、

念のために1回目でチェックしきれなかった痛い足とは反対足の右足の筋膜もチェックしていきました。

 

すると、

右の膝と股関節周りにも硬さがありました。

 

ここを入念に筋膜調整した結果、股関節の痛みが改善されました。

 

詳細は以下の動画をご覧ください。

 

Aさん「痛み0です!今日は可動域もめちゃくちゃ広がりました!!」

と喜んでいただけました。

 

まとめ

病院と整体はそれぞれできること、できないことがあるので、どちらが良いとは一概に言えません。

なので、ご自身の股関節の痛みに適した方へ行き、診察あるいは施術してもらうのが良いと言えるでしょう。

本記事を参考に、ご自身の症状とよく相談してどちらに行くのかを検討してみてください。


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ABOUT US
木城 拓也
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。 その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。 筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
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