「股関節を柔らかくするためにストレッチをしよう。」
「股関節が痛いからストレッチしてみようかな。」
こういった想いでストレッチをするのは素晴らしいですが、ストレッチは正しく行わないと良いことばかりではありません。
「ストレッチしていたら股関節が痛くなってきた…。」
なんてことにもなりかねません。
ストレッチをした直後、あるいは翌日に股関節が痛くなってくるのであれば、それはストレッチのやりすぎが原因かもしれません。
ですが、ストレッチ自体が悪いことであるわけではないので、本記事ではストレッチで股関節が痛くなる原因や股関節に悪いストレッチ、正しいストレッチの方法を解説します。
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ストレッチで股関節が痛くなる原因
ストレッチによって股関節が痛くなる原因の1つとしては、ストレッチのしすぎが考えられます。
正しくストレッチができれば、硬く緊張した筋肉をほぐし柔らかくすることで、関節の動きを良くすることができます。
ですが、言い換えると、硬くなった筋肉を伸ばすので、筋肉は伸ばす力に対して抵抗することになります。
なので、ストレッチをしている時は筋肉にとって負担となることをしているわけで、負担がかかりすぎないようにストレッチすることがポイントになります。
これを無視して、無理やりストレッチすると筋肉には微細な傷がつき、痛みや炎症による腫れが出てくる可能性があります。
炎症が起こると、治る過程で筋肉は硬くなってしまうので、柔らかくするためにストレッチしているのに、むしろ逆効果になってしまうのです。
股関節が痛い時に考えられること
股関節が痛い時に考えられることとしては、主に以下の3つが考えられます。
- 変形性股関節症
- 臼蓋形成不全
- 筋肉の痛み
ストレッチをした直後や翌日に股関節が痛くなってくるのであれば、筋肉が原因の痛みである可能性が高いです。
ですが、ストレッチをする以前から股関節に痛みや違和感を感じていたり、ストレッチがきっかけで痛くなったわけではなさそうなら、変形性股関節症などの病気による痛みかもしれません。
その場合は、無理にストレッチをしてはいけないこともあるので、一度整形外科で医師の診察を受けた上でストレッチする方が良いでしょう。
それぞれ以下に解説していきます。
変形性股関節症
40〜50代以降に多くみられる関節の病気です。
股関節症の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。
関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。
一方日常生活では、足の爪切りがやりにくくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になります。また長い時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事などの主婦労働に支障を来たします。階段や車・バスの乗り降りも手すりが必要になります。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
股関節は骨盤という受け皿に先端が丸い大腿骨の頭がはまり込む形をとっており、うまく転がったり滑ったりしながら自由自在に動くことができます。
ところが、関節内の軟骨が歳をとるにつれてすり減ってしまったり、急に体重が増えるなど関節に掛かる負担が増えてしまうと痛みが出てしまいます。
徐々に関節の変形が進んでくると動きが制限されたり歩くことが困難となってしまいます。
臼蓋形成不全
股関節の受け皿に当たる臼蓋は子供の成長に伴って発育していきます。
これが、何らかの原因で発育不足となったのが臼蓋形成不全です。
小児期の臼蓋形成不全は基本的には乳児の時に超音波やX線(レントゲン)で診断される画像上の診断名なので、臨床的に問題となるような症状はありません。
ただ、発育性股関節形成不全のように、大腿の皮膚溝(しわ)が非対称であったり、脚の開きが悪いこと(開排制限)があります。
参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
変形性股関節症に見られるような、動き始めや動いた後に股関節の前や外側に痛みが生じる場合が多くみられます。
病気の進行に伴い痛みは悪化し関節自体の動きが制限されてしまいます。
筋肉の痛み
股関節の痛みで多いのは、筋肉の痛みです。
ストレッチ直後、あるいは翌日に股関節の痛みや違和感を感じたのであれば、ほとんどの場合筋肉が原因になっています。
ストレッチは筋肉を伸ばしているので、いきなり関節に負担がかかるわけではなく、まず筋肉に負担がかかって損傷や炎症を起こします。
なので、変形性股関節症など、股関節の病気がないのであれば、まず疑うべきは筋肉による痛みです。
間違ったストレッチの方法
ストレッチは正しく行えば効果的ですが、間違った方法で行うと逆効果になってしまいます。
その間違ったストレッチの方法として、注意すべきは以下の2つです。
- 強度
- 時間
それぞれ解説します。
強度
ストレッチにおける強度とは、ストレッチをする強さです。
よくある間違いが以下の3つです。
- 何度も反動をつけて筋肉を伸ばす
- 痛いのを我慢して筋肉を強く伸ばす
- それ以上動かないのに、限界を超えてさらに無理やり伸ばそうとする
上記の3つはどれも間違いです。
ゴムが強く伸ばされるとたるみがなくなって硬くなるのと同じで、筋肉も伸ばされると硬く緊張します。
その状態で何度も反動をつけて伸ばすと、伸ばされて緊張している筋肉に対し、さらに伸ばすように力を何度も加えるので、微細な傷がつきやすいです。
また、痛みを伴う、あるいは無理やり伸ばそうとするストレッチでは、筋肉がそれ以上伸ばされまいと無意識に力を入れてしまうので、上手くストレッチすることはできません。
なので、痛みに耐えてストレッチしているのに、結果的にはあまり効果が出ないということになります。
人によって筋肉の硬さや力加減は違うので、一概にこれというのは難しいのですが、痛みが出る一歩手前、気持ち良いくらいの強度でストレッチするのが良いでしょう。
時間
ストレッチの強度が適切だったとしても、闇雲にストレッチの時間を長くしていると、痛みを起こす原因になります。
何度も言いますが、ストレッチは硬く緊張した筋肉を伸ばすことなので、適切な強度でしても筋肉を傷つけてしまう可能性はあります。
闇雲に長い時間ストレッチするということは、筋肉を傷つけてしまう可能性を高くしてしまいます。
また、ストレッチをする頻度が多すぎるのもよくありません。
なので、時間も頻度もストレッチのやりすぎは、股関節の痛みにつながってしまいます。
一般的には、1回20〜30秒のストレッチを2〜4セット程度を目安に行いましょう。
股関節に悪いストレッチ
股関節は骨盤という受け皿に先端が丸い大腿骨の頭がはまり込み、うまく転がったり滑ったりしながら自由自在に動くことができると解説しました。
この特徴から、股関節が膝や肘と違うのは、自由に動ける反面、脱臼しやすい関節であることです。
骨盤と大腿骨の位置関係から、大腿骨の頭は前外側に脱臼しやすいです。
これは股関節の動きで言うと、後ろに伸ばし外側にひねる動きです。
過度にこの動きを行うと、脱臼しないように伸ばしているはずの筋肉は常に力を入れておかないといけず、上手くストレッチできません。
上手くストレッチできないばかりか、力が入った筋肉を伸ばすことになるので、筋肉を傷つけやすく、痛みの原因にもなりかねません。
ストレッチを行う際には、股関節を後ろに伸ばす動きと外側にひねる動きを一緒には行わないように注意しましょう。
股関節の正しいストレッチ
正しいストレッチのポイントは、上述したように強度と時間を守ること。
そして、脱臼する方向へはストレッチしないことです。
- 強度は痛みが出る一歩手前、あるいは気持ち良いくらいの強度で行う
- 時間は20〜30秒を2〜4セットを目安に行う
- 股関節を後ろへ伸ばす、外側へひねる方向へストレッチしない
基本的にはこの3つを守って行えば問題ありません。
今回は股関節のストレッチの例を2つ紹介します。
股関節の前側のストレッチ
足を組む、しゃがむ、階段を昇る、またぐなど、生活の中で股関節を曲げる動きは多いですが、後ろへ伸ばす動きというのはあまりありません。
股関節を曲げる前側の筋肉は硬く緊張しやすいのですが、反対に股関節を伸ばす後ろ側の筋肉は衰えやすいという特徴があります。
なので、股関節の前側をストレッチしておくと、股関節の動きを改善し怪我の予防にもつながります。
具体的な方法は以下の通りです。
- 壁に対して横向きに、膝立ちになる
- 壁と反対側の足を前に出す
- 前に出した足に体重をかけ、壁側の股関節の付け根をストレッチする
- 20秒程度キープし、元に戻る
- 繰り返し行う
ポイントは、腰を反らないように軽く下っ腹に力を入れておくこと、へそは真っ直ぐ前に向けておくことです。
腰が反ると上手く股関節の付け根がストレッチされませんし、へそが外側へ向くと脱臼しやすい方向へ力が加わるので注意が必要です。
股関節の内側のストレッチ
これも股関節の前側と同じで、普段の生活で股関節の内側が伸びる機会というのはあまりありません。
股関節は外に開くことで安定する構造なので、内側が硬いと股関節が安定しにくいということなので、それが筋肉を硬くする、あるいは痛みにつながる原因になります。
なので、股関節の内側をストレッチし、柔らかい状態にしておくことが大切です。
具体的な方法は以下の通りです。
- 膝立ちになる
- 片方の足を膝を曲げ外側につき、つま先はなるべく真横を向くようにする
- 外側についた足に体重をかけ、股関節の内側をストレッチする
- 20秒程度キープし元に戻る
- 繰り返す
ポイントは、しっかりとつま先を外側へ向けること、へそを真っ直ぐ前に向けることです。
上述したように、股関節を外へ開く動きで安定するので、しっかりとつま先を外側へ向けることで、股関節が安定した状態でストレッチすることができ、負担が少なくなります。
へそを前へ向けることも、つま先を外側へ向けるために大事です。
実際にやってみると、へそが外側へ向いていると、つま先が上手く外側へ向けられないことが分かるかと思います。
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まとめ
ストレッチによって股関節が痛くなる原因は、ストレッチのしすぎです。
何度も反動をつけてストレッチしたり、痛いのを我慢しながらのストレッチ、闇雲に時間をかけて行うストレッチは筋肉に微細な傷をつけ、痛みの原因になってしまいます。
正しくストレッチを行わないと、効果が出ないばかりか、痛みを起こしてしまう原因になるので、ストレッチの強度と時間を正しく守って行いましょう。