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英語を全く話せない私が単身インドで筋膜マニピュレーションのコースに参加した話③

理学療法士木城拓也のインド滞在記③.jpg

こんばんは、青山の理学療法士、木城拓也です。

 

今回は、前回に引き続き

英語を全く話せない私が単身インドで筋膜マニピュレーションのコースに参加した話』

の続編をお送りしたいと思います。

 

前回記事は▼になります。

英語を全く話せない私が単身インドで筋膜マニピュレーションのコースに参加した話①

英語を全く話せない私が単身インドで筋膜マニピュレーションのコースに参加した話②

 

連載にするほどたいした話ではありませんが、読んでいただけたら嬉しいです。

講習スタート

いよいよ初日の講習がはじまりました。

 

講師の先生は、イタリア人のAlessandro通称Aleと、Michelaです。

アレックス先生ミカ先生

Aleは陽気なお兄さんといった感じで、講習がはじまる前に私のことを「ジャパニーズなんちゃらかんちゃら」と言ってみんなに紹介してくれました。

 

正直目立ちたくなかったので、勘弁してくれ…と思っていましたが、ようやく念願の講義を受けることができるということで気合いが入りました。

 

講義がはじまると案の定先生の言っている言葉がわかりません。

 

ただ、内容に関しては日本で日本語に翻訳されている本を何度も読んできましたし、

筋肉や骨、治療につかうポイントに関する英語は全て覚えてきていたので、今どの辺りの内容を説明しているのかは結構わかりました。

 

またこちらは聞く専門で良かったので、インド人と日常会話をすることよりはるかに楽で正直ほっとしました。

 

そんな感じで午前中の講義は終わりました。

 

あれ?想像してたより案外いけるかも?
初日の午前中の講義を終えて、そんな風に思えました。

 

ですが、すぐにそれが錯覚だったことに気づかされます。

 

休み時間になると、周りのインド人達が一斉に話しかけてきます。

 

インド人Aさん「Odf@AFNogMfygMKcpdxO!」

 

インド人Bさん「H*F**j$L0@A%GIRqauUV?」

 

私「・・・」

 

たぶん彼らは私に気をつかって話しかけてきてくれている。

 

それはわかりましたし、ありがたい話なのですが、正直私としては

 

頼むからほっといてくれー

 

と心のなかで叫んでいました。

 

そしてすぐに耐えられなくなって、気がついたら泊まっている自分の部屋に戻ってきていました。

 

結局昼休みは自分の部屋でギリギリまで過ごして、開始直前に教室に行く

 

この日の休憩時間は全てこの調子。

 

転校したばかりで友達がなかなかできない小学生がトイレでご飯を食べる。そんな心境でした。

午後の講義は実技練習

実技練習

午後からは実技の練習でした。

 

実技の練習にかける私の想い

このコースに参加した目的は、資格を取得することと、もう一つはこの実技の指導を本場イタリアの講師の先生から受けることでした。

 

日本で文献は全て読んできたし、コースを修了した先生から話は聞いていたので、だいたい内容は把握しており、講義は多少言葉がわからなくても大丈夫。

 

でも、実技に関しては触診の微妙な位置や角度、治療の圧の強さなど、どうしても日本で独学でやっていてもわからない。

 

だから8日間みっちり本物の先生から教わりたい。

 

そう考えていました。

 

なので、この実技の練習を私は心待ちにしていました。

実技練習スタート

実技練習は、2人1組で行います。

 

まず、みんなの前に1人代表の受講生が患者役で裸になり、その方の体にアレックスがマジックで治療ポイントに印を書いていきます。

 

それを見ながら2人組のどちらかが患者役となり、もう1人がマジックでAleと同じようにポイントに印を書いて、終わったらペア内で患者役を交代していくというものでした。

実技患者役

私はとなりのインド人の方とペアになり、まず私が患者役となりました。

 

私は言葉が通じないのでインド人の方に言われるがまま横になっていました。

 

すると、たまたまこの時組んだインド人の方、かなり我が強い方なのか、触診に没頭しているのか、私が日本人だからナメているのか、なかなか代わってくれません。

 

印をつけ終わっても、近くのインド人達とあーでもない、こーでもないと議論しています。

 

残りあとわずかというあたりでやっと交代してくれました。

 

正直私は、これを受けにわざわざ日本から来たのにふざけんな。

 

とイライラしていましたが、なんて言ってこの気持ちを伝えていいのかわかりません。

こんなにしゃべれない自分が文句を言うのはおこがましいかもしれない。

なんか言って相手を怒らせたくないし、バカだとも思われたくない。

とにかくこれ以上目立ちたくない。

仕方ないか…。

 

そう思ってしまいました。

 

そして結局この日1日これの繰り返しで終わってしまいました。

セミナー初日を終えて

この日の講義は18時に終わりました。

 

終わったと同時に私はそそくさと逃げ帰るように部屋に戻ってきました。

リクープ部屋

あー疲れた・・・

 

部屋で1人になると本当に落ち着きます。

 

そしていろいろな感情が溢れ出てきます。

もう帰りたい…

全然楽しくない

俺は何しにわざわざ日本から来たんだ?

講義の時間教室で座ってるだけで休み時間のたびにここに逃げ帰って来て

実技練習は相手に言われるがまま横になっているだけ

今日1日何か少しでも成長したか?

どんな人でも治せるようになって、自分の店を出す。そのためにここまで来たんじゃないのか?

こんなんでいいのか?

悔しい…

 

気づいたら1人部屋のベッドで仰向けになり、2時間以上天井を見上げて涙を浮かべていました。

このままじゃいかん

天井を見上げて2時間以上が経過した後、

 

こうしてても何も変わらない。後悔したくない。

 

どうすれば英語が話せなくても自分が成長できて前に進めるか考えよう。

 

そう思えるように徐々になってきました。

 

そこでまず作戦を立てることにしました。

1人作戦会議

まず、今から急に英語を話せるようになることはなさそうなので、英語は諦めよう。

 

そして、英語が伝わらなくても、行動で先生や周りのインド人に、こいつはやる気がある奴だと思わせよう。

 

そうすることで、自分のことを理解してフォローしてくれる人ができるかもしれないし、先生もテストの時に助け舟を出してくれるかもしれない。

 

とにかくここで1人で閉鎖的になっていても何も変わらないし、だったら話せなくてもやりたいことはどんどん自己主張していこう

 

もうインドでどう思われようと知ったこっちゃない!!

 

そう考えました。

ムネリン作戦

そこでまず思いついたのが、『ムネリン作戦』です。

 

ムネリンとは、当時トロントブルージェイズのムードメーカーで、今はソフトバンクホークスでプレーしている川崎宗則選手です。

 

この川崎選手何が凄いかって、英語全くしゃべれないのに、いきなり通訳なしでアメリカに乗り込んで行って、どこのチームでもムードメーカーになってしまうのです。

▲川崎宗則選手の動画

 

この川崎選手のノリ。

 

これしかない。

 

ということで、明日から自分のことをムネリンだと思って行動する!

 

そう心に誓ってその日は寝ることにしました。

セミナー2日目

インド2日目の朝

朝起きたらまず川崎選手の記事を読んで気合いを入れました。

 

そして、2日目の講習がはじまりました。

 

2日目は昨日に引き続き実技の練習からでした。

 

ここでまず私は行動に出ます。

「アイウォントゥードゥファースト!マイターン!マイターン!」

 

とかテキトーに言ってインド人を無理矢理患者役にして先に寝かせることに成功しました。

 

そして、部屋中に聞こえるようなばかでかい声で

「ヘイ!ティーチャー!カモン!カモン!」

 

とりあえず質問するために、大声で先生を呼びまくりました。

 

自分を奮い立たせるために、わざと日本のフェスでよくロックバンドが叫んでるようなノリで呼びまくりました。

 

そして呼んでからは超真剣に触診について身ぶり手ぶりで質問します。

 

先生にも気合いが伝わったのかすごく丁寧に教えてくれました。

 

これをしつこいぐらいに繰り返しました。

 

もう自分の中で殻を破った方がいいなと思っていたので、

 

「セイ!ウォイ!!」

 

「アイムジャパニーーーズ!」

 

とかわけのわからんことを言って遠くにいてもひたすら先生を呼んでいました。

 

そうしたらでかい声を出したせいか、なんか1人で勝手に楽しくなってきました(笑)

 

そして日本にいる時から教わろうと思っていたポイントの触診方法も教わることができました。

 

そんなこんなで実技の練習が終わる頃には、インドに来てはじめてちょっとした充実感を感じていました。

きのこたけのこ大作戦

きのこたけのこ

次に考えついた作戦が、この『きのこたけのこ大作戦』です。

 

インドはカレーばかりで飽きると聞いていたので、日本からお菓子を大量に持ってきていました。

 

その中でもこの珍しい形をした、きのこの山とたけのこの里。

 

これをジャパニーズスナックとして教室中のインド人と先生達に配ろう!

 

そして、喋れないけどみんなと仲良くしたがってる意志を伝えよう。

 

ついでに先生にもごますっとこう。

 

と考えました。

 

さっそくお昼休みみんなが各自カレーを食べているところを狙って

 

「ディスイズスペシャルジャパニーズスナック!!」

 

「スーパーデリシャス!!」

 

「ユーマストイートディススーパースナック!!」

 

とかテキトーな英語を並べて、きのこの山とたけのこの里を配り歩きました。

 

するとインド人達はみんな笑って喜んでくれました。

 

お菓子が美味しくて笑ってるのか、私のことをバカにして笑ってるのかはわかりませんでしたが、とりあえず喜んでいるようだったので勝手に大成功だったと思うことにしました。

 

Ale先生も

「アリガトウ!」

とカタコトの日本語で答えてくれました。

私も

「グラッチェ!」

と返したら笑ってました(笑)

友達ができました!

作戦のおかげか、その日の夕方あたりから1人のインド人とすごく仲良くなれました

彼の名前は「サンディー」

サンディー

彼にチョコをあげた後、彼は携帯を見せてくれました。

 

彼は世界のお金(コイン)を集めているらしく、そこには世界中のコインが写っていました。

 

そこに日本の1円玉もなぜか写っていて、彼はそれを指さして笑ってこっちを見ていました。

 

こいつなんでこんなの持ってんだ?あぶない奴か?と少し思いましたが、私も財布にあった1円玉と10円玉を取り出して彼に見せました。

 

彼はそれを見て喜んでいたので、私はそれを彼にあげました。

 

これを機に彼とはすごく仲良くなって、それ以降実技の練習の仲間に混ぜてくれるようになりました。

 

どうやら11円でインド人の買収に成功したようです(笑)

インド人との絡みに徐々に慣れてきた

この辺りからインド人にも私がバカなことが浸透してきたようで、私にもわかるようにゆっくり簡単な言葉で話してくれるようになりました。

 

私も少しずつインド人とのコミュニケーションのコツを掴み始めました。

 

インド人は基本的に陽気で良い人が多いです。

なので多少変なこと言ってても笑って許してくれます。

 

それに気づいて私ももっと積極的なコミュニケーション方法でいくことにしたら、なんとなく仲良くやれるコツを掴めてきました。

私が身につけたバカでもインド人と仲良くなるコツ

  1. 会話は文法とかを考え出すとすぐに返事ができないので、とりあえず知ってる単語を思いついた順に適当に並べてしゃべる。
  2. 何言ってるか細かいことはよくわからなくても、とりあえずオーバーリアクション。
  3. 重要な話でわからない時は、その場で携帯に打ってもらって翻訳アプリへ。

この3つでなんとかうまく乗りきれることがわかりました!

サンディーとバイクの旅

サンディーとバイク

サンディーはめっちゃ良い奴で、私が観光したいと言ったら、3日目の夕方から講習後バイクでいろいろなところに連れて行ってくれました。

 

リクープの近く

▲リクープホスピタルから街へ出るインドの街並み

 

バンガロール地方最大のショッピングモール

▲バンガロール地方最大のショッピングモール

 

クリケット

▲人生初クリケット

 

スラム街のお店

▲スラム街のお店

 

他にもいろいろ連れて行ってもらいました。

 

感想としては、インドってすげーなってことです。

 

道路は全く整備されてなくて、インド滞在中に信号は3つしか見ませんでした。

 

その代わりにプープープープークラクションがどこに行っても鳴り響いていて、車線なんて誰も守っていません。

 

道路の真ん中によく牛がいます(笑)

インド牛

バナナの皮とかもめっちゃ落ちてて、もうマリオカート状態です。

 

スラム街ではまだ小学生低学年だろって感じの子が私にきのみのジュースを売ってきます。

 

大通りで立ち止まると、すぐにホームレス?の人達がお金を恵んでくれと言ってきます。

 

ずっと日本で育った私にとっては全てが規格外で、衝撃的でした。

 

世界にはこんなところがあって、こんな人達がいるのか。

純粋にもっと彼らとインドのことを知りたいと思いました。

そのためにもっと英語話せるようになりたい。

 

心からそう思いました。

 

今すぐ英語を話せるようになることは難しいですが、

こんな経験をさせてくれたサンディーには本当に感謝しています。

 

第3話  完

次回予告

さて、インド生活が少し前進して楽しくなってきたところで肝心なことに気がつきます。

 

それは、テストのことです。

 

このテストを通らないと、私は日本でLevel2を受けることができません。

 

なんとしてもこれだけはパスしなければ…

 

次回、インド滞在記最終話、テスト受かるのか?編になります。

 

今回も私のくだらない記事を最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。


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ABOUT US
木城 拓也
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。 その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。 筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
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