この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
腸腰筋は身体の真ん中に左右一対である、上半身と下半身をつなぐ重要な筋肉です。
デスクワークが増えた現代では、腸腰筋が硬くなり、姿勢が崩れている方や腰の痛みに悩まされている方も多いのではないでしょうか。
今回は、腸腰筋を効果的にほぐすストレッチやマッサージを紹介します。
腸腰筋が硬くなる原因やストレッチをすると得られる効果についても詳しく解説しているため、姿勢の悪さが気になる方や腰痛に悩まされている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
腸腰筋の役割について
腸腰筋は、背骨、骨盤と大腿骨にかけて股関節の前を通るように付着する筋肉です。腸腰筋は、大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つの筋肉で構成されます。
上半身と下半身をつなぎ、姿勢を安定させたり太ももを持ち上げたりする役割があります。
実際の動作では、起き上がりや歩く際に足を振り出すためにも重要な筋肉であり、日常生活を送るための動作には欠かせない筋肉です。
腸腰筋が硬くなる原因について
腸腰筋が硬くなる原因について解説します。
腸腰筋が硬くなる原因は、以下の3つです。
- 長時間座りっぱなし
- 運動不足や過度な運動
- 睡眠中の姿勢不良
腸腰筋が硬くなることで、正しい姿勢を保つのが難しくなったりつまずきやすくなったりなどの日常生活に影響を及ぼします。
腰痛の原因になることも多い筋肉であるため、適切なケアが必要になります。
①長時間座りっぱなし
1つ目の原因は、長時間座りっぱなしでいることです。
デスクワークや車の運転などで長時間座りっぱなしとなると、腸腰筋は硬くなります。
長時間座り続けると股関節が曲がった状態が長く続くため、腸腰筋が縮んだ状態となり硬くなりやすいです。
腸腰筋が縮むことで骨盤が前に傾き、反り腰の原因となるため腰痛を引き起こしやすい姿勢でもあります。
定期的に立ったり、ストレッチするなどで、腸腰筋が縮んでいる姿勢を長く続けないようにしましょう。
②運動不足や過度な運動
2つ目の原因は、運動不足や過度な運動をすることです。
運動不足は、筋肉が伸び縮みする機会が少なくなるため腸腰筋が硬くなる原因となります。
腸腰筋に限らず、筋肉は適度に収縮と伸長を繰り返すことで柔らかさや長さを保ちます。
適度な運動は、筋肉を動かす良い機会にもなるため腸腰筋を柔らかく保つうえで効果的です。
一方で、過度な運動も腸腰筋を硬くする原因の一つです。
過度な運動をすると、腸腰筋が常に収縮することになるため疲労が蓄積されます。
疲労が蓄積された筋肉は、血流が悪くなり筋肉の硬さにつながります。
腸腰筋の役割を考慮すると、以下の運動のやりすぎは腸腰筋が硬くなる原因となるため注意が必要です。
- 階段の上り下り
- ウエイトトレーニング
- ダッシュなど高強度の動きを頻繁に繰り返すスポーツ
- 硬い地面の上でやるスポーツ
③睡眠中の姿勢不良
3つ目の原因は、睡眠中の不良姿勢です。
睡眠中の姿勢が横向きで股関節を曲げ、膝を抱えるように寝ている方は知らない間に腸腰筋が硬くなっている場合があります。
睡眠中は、身体の動きが少ないことに加えて副交感神経が優位となるため、一般的に血流量は低下するとされています。
血流量が低下しているなかで股関節を曲げ、腸腰筋が縮んでいる状態は筋肉が硬くなりやすいです。
睡眠中の姿勢は、特別な理由がない限り仰向けで寝ることで腸腰筋が硬くなるのを防げます。
腸腰筋ストレッチ効果について
硬くなった腸腰筋を柔らかくする方法として、ストレッチが効果的です。
腸腰筋をストレッチして柔らかくすることで、以下の3つの効果が得られます。
- 姿勢改善
- 腰痛予防・改善
- 運動パフォーマンス向上
腸腰筋の硬さは姿勢や腰の痛みをはじめ、スポーツのパフォーマンスにまで影響します。
腸腰筋ストレッチを効果的に行い、腸腰筋の硬さが原因で起こる悩みの改善を図りましょう。
①姿勢改善
1つ目は、姿勢改善効果が望めることです。
ストレッチにより腸腰筋の柔軟性が向上すると股関節が真っすぐに伸び、腰に負担の少ない姿勢で立つことができます。
また、腸腰筋が短くなることで起こる反り腰も軽減されるため、姿勢改善効果が期待できます。
②腰痛予防・改善
2つ目は、腰痛予防・改善効果が期待できることです。
腸腰筋の柔軟性が改善することで股関節の動きが改善し、背骨や腰回りの筋肉の負担を減らすことが可能です。
腸腰筋が硬くなると、股関節の動きが制限されるため腰回りの筋肉の負担が大きくなります。
また、腸腰筋が硬く短くなることで反り腰の原因となり、反り腰も腰の筋肉に負担が大きい状態です。
いずれも使いすぎ、負担のかけすぎによる腰痛の原因となります。
腸腰筋のストレッチをすると股関節と腰回りの筋肉のバランスを整え、姿勢改善もできるため腰痛の予防・改善が期待できるでしょう。
ストレッチのほかに筋膜リリースでも改善が図れる場合があります。
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③運動パフォーマンス向上
3つ目は、運動パフォーマンスの向上が期待できることです。
前述の姿勢改善ができることで、身体の筋肉をバランス良く使えるようになります。
腸腰筋が柔軟になることで足が上がりやすくなるだけでなく、腰とお腹の筋肉のバランスも整うため腹圧もかけやすくなります。
ほかにも、背骨を介してつながる横隔膜が安定し呼吸がしやすくなることや、腸腰筋の近くを通る太い血管の血流が良くなるため代謝の改善も期待できるでしょう。
結果的に、1つの筋肉に頼るのではなく全身の筋肉を効率よく使えるようになり、呼吸の安定や全身の血流量の増加ができるため運動パフォーマンスの向上が期待できます。

腸腰筋のほぐし方【ストレッチ方法】
腸腰筋の具体的なストレッチ方法を紹介します。
今回紹介するのは、姿勢別に以下の4つです。
- 膝立ちでのストレッチ
- 四つ這いのストレッチ
- 仰向けでのストレッチ
- 椅子を使ったストレッチ
自身の身体の状況や環境に合わせてストレッチ方法を選択しましょう。
ストレッチは、1回行うだけでは効果が期待できないため、毎日続けることが大切です。
ストレッチは、痛みのない範囲で行いましょう。
痛みが出た場合はすぐに中止し、続く場合は医療機関を受診しましょう。
①膝立ちでのストレッチ
1つ目に紹介するのは、膝立ちでのストレッチです。
ストレッチの手順は、以下のとおりです。
- 膝立ちになる
- 伸ばしたい足と逆の足を前に出す
- 出した足の膝を押さえて前足に体重をかける
- 体重がしっかりかかっていることを意識する
- 30秒キープする
膝立ちで行うストレッチでは、バランスを崩して転倒しないように注意しましょう。
不安な場合は、壁や椅子の背もたれに軽く触れるなどの支えを使用して行います。
②四つん這いでのストレッチ
2つ目は、四つ這いで行うストレッチです。
ストレッチの手順は、以下のとおりです。
- 四つ這いになる
- 手をついたまま伸ばしたい法と逆の足を前に出す
- 伸ばしたい方の足を後ろに引く
- そのまま上半身を起こす
- 顔が下を向かないように注意する
- 30秒キープする
③仰向けでのストレッチ
3つ目は、仰向けで行うストレッチです。
ストレッチの手順は、以下のとおりです。
- 仰向けで寝る
- 伸ばしたい方の足と逆の膝を抱える
- 太ももをお腹に近づけるように曲げる
- 反対の足はできるだけ曲がらないようにする
- 30秒キープ
仰向けで行うストレッチでは伸ばしている足が曲がり、浮いてしまうことがあります。
膝が曲がってしまうと、効果的なストレッチは期待できません。
足が浮く場合は、膝の抱え方を反対足が浮かない程度にとどめて無理のない範囲で行いましょう。
④椅子を使ったストレッチ
4つ目は、椅子を使ったストレッチです。
ストレッチの手順は、以下のとおりです。
- 背もたれを掴んで伸ばしたい足と反対のお尻だけ椅子に座る
- 下りている足の足首をつかむ
- 掴んでいる足を手で後ろに引く
- 上半身は起こす
- 30秒キープ
椅子に座ったままできるため、狭い環境や在宅ワークでも手頃に取り入れられます。
作業の合間にデスクワークで曲がったままになっている股関節を定期的に伸ばし、腸腰筋が硬くなることを防ぎましょう。
ストレッチポールやボールを使った腸腰筋ストレッチ
ストレッチポールやボールといった道具を使った腸腰筋のストレッチを紹介します。
道具を使うことで、より効果的に腸腰筋をストレッチすることが可能です。
やり方にはコツが必要なため、運動習慣がある方におすすめの方法です。
ストレッチポールを使用した腸腰筋ストレッチ方法
ストレッチポールを使用した腸腰筋のストレッチ方法を紹介します。
やり方は、以下のとおりです。
準備するもの:ストレッチポール1つ
- うつぶせになる
- 股関節の前と床の間にストレッチポールを挟む
- 両肘をつき、軽く上半身を起こし顔は前を向く
- 可能であれば膝とつま先を床から話す
(難しければつま先を床につける) - ストレッチポールを股関節から太ももの前まで転がす
- 10回×2~3セット程度繰り返す
ストレッチポールを使用した方法は、体幹の筋力やバランス能力が必要になります。
やや上級者向けの方法といえるため、日頃から運動している方には効果的な方法といえます。
テニスボールを使用した腸腰筋ストレッチ方法
ボールを使用したストレッチ方法を紹介します。
使用するボールは、テニスボールです。
やり方は、以下のとおりです。
準備するもの:テニスボール1つ
- うつぶせになる
- へそと骨盤の前側で一番飛び出ている骨の間に、テニスボールをはさむ
(骨盤の一番飛び出している骨のやや内側) - 両肘をつき、上半身を支える
- テニスボールを入れた側の足を少し持ち上げる
- 軽くお腹に力を入れながら30秒キープする
野球のボールでも可能ですが、やや硬すぎるためテニスボール程度の硬さが無理なくストレッチす
ることに適しています。
腸腰筋のほぐし方【マッサージ方法】
腸腰筋のマッサージ方法を紹介します。
ストレッチのみでも効果は期待できますが、腸腰筋を直接刺激するマッサージを併用することで更に腸腰筋の柔軟性を高めることが可能です。
やり方は、以下のとおりです。
- 椅子に座るまたはうつぶせで寝る
- 骨盤の前側で、一番飛び出ている骨を見つける
- 飛び出ている骨の少しへそ側に手を与える
- 痛みが強くない範囲で、少しずつ指を潜り込ませる
- 指を骨盤の骨に沿ってゆっくり動かす
痛みの出やすい部分であるため、優しく行うように注意しましょう。
いきなり強く押してしまうと、筋肉がこわばってマッサージの効果が薄れてしまいます。
優しくゆっくりと行う意識を持つことが重要です。
この記事のまとめ
今回は、腸腰筋をほぐす方法を中心に腸腰筋の役割や、硬くなると起こる身体への影響について紹介しました。
腸腰筋は、ほぼ身体の中心にあり、人体のなかでも太く大きなパワーを発揮できる筋肉です。
上半身と下半身をつなぐ筋肉でもあるため、姿勢にも大きな影響を及ぼします。
また、近くに太い血管や神経が通っているため、硬くなることで痛みをはじめとしたさまざまな身体の不調の原因となります。
腸腰筋が硬くなることで、特に起こりやすい身体の不調が腰痛です。
腸腰筋がほぐれれば解消できますが、腸腰筋は身体の奥深くの背骨に近い部分にあるため、専門知識がなければうまくほぐれているかがわからないことも少なくないでしょう。
腸腰筋がほぐれているかわからない方や、腸腰筋のストレッチを続けているが腰の痛みが引かない方も多くいるのではないでしょうか。
そのようなことにお悩みの際は、理学BODYに相談してみましょう。
理学BODYは筋膜へのアプローチをメインとして行い、痛みを最短でとることをコンセプトとしている整体院です。
スタッフ全員が身体の専門家である理学療法士免許を取得しており、専門知識に基づいたアプローチができます。
腸腰筋の硬さが原因で起こる身体の悩みをとる際には、心強い味方となってくれるでしょう。
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