くしゃみや深呼吸をすると、脇から背中にかけて痛みが走る。
突然胸の辺りが針で刺されたように痛くなることがあるが、ほっとけば治るので病院に行くべきか悩む。
こんな悩みありませんか?
このような背中や胸に出現する痛みは「肋間神経痛」の可能性があります。
肋間神経痛の原因はいくつか考えられますが、中々自分で原因を探して対処するのは難しいこともあります。
そこで、今回は肋間神経痛の原因や対策を始め、肋間神経痛の痛みに自分でも対処できるように効果的で即効性もあるツボについて解説していきます!
肋間神経痛とは?
肋間神経痛とは、肋間神経が何らかの原因で傷害され、肋間神経が支配している部位に痛みが出ることを指します。
肋間神経は基本的には肋骨に沿っているため、胸や脇腹、背中に痛みが出る場合が多いです。
ただ、骨盤や腰、腕の内側にまで肋間神経は伸びているので、幅広く痛みが出る場合もあります。
特徴としては、以下のような症状があります。
- ほとんどは片側のみに痛みが出て、両側に出るのは稀
- 刺すような痛み
- 灼けるような痛み
- 呼吸や咳、体を動かすと痛む
- 数秒〜5分程度の短い間隔で痛みが出る
- 繰り返し発作的に痛みが起こる
肋骨に沿ってチクチクとした鋭い痛みがあり、左右どちらかだけに症状がある場合は、肋間神経痛である可能性が高いでしょう。
肋間神経痛の原因
肋間神経痛というのは病気の名前ではなく、あくまでも症状のことを指しています。
なので、その神経痛を引き起こしている原因を探すことが大事です。
肋間神経痛の原因としては、主に以下の3つが考えられます。
- 椎間板ヘルニアや変形性脊椎症
- 帯状疱疹
- 筋肉など肋間神経周囲の組織の問題
それぞれ解説していきますが、原因の特定は整形外科や皮膚科を受診し、専門家である医師の診察を受けることをお勧めします。
椎間板ヘルニアや変形性脊椎症
椎間板ヘルニアとは、椎間板の変性により繊維輪(椎間板の外側の部分)が破綻し、椎間板内部の髄核が脱出して硬膜管(神経が入っている管)を圧迫することで脊髄圧迫症状(脊髄が圧迫されて出る症状:下肢のしびれや感覚の低下、筋力低下など)が出現します。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
簡単に言うと、椎間板の一部が背骨を通っている神経を圧迫してしまうことで、しびれや筋力低下などを引き起こすことを言います。
変形性脊椎症とは、椎間板と後方の左右一対の椎間関節により脊柱の動きが可能になっていますが、これらが退行変性した状態を言います。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
これは加齢や慢性的に脊椎に加わった負担で、脊椎の一部が変形することで、脊柱の動きを制限したり、神経痛が出たりすることを言います。
肋間神経は背骨のすぐ後ろから肋骨に向かうので、押し出された椎間板や変形した脊椎によって、圧迫されたりこすれて摩擦が起こるなど、刺激を受けやすい位置にあります。
なので、椎間板ヘルニアや変形性脊椎症によって肋間神経が刺激されると、肋間神経痛を引き起こす可能性があるのです。
帯状疱疹
帯状疱疹とは、帯状に水ぶくれや赤い発疹が体に出ることを指します。
これは子供の頃にかかった水ぼうそうのウイルスが神経の近くに潜んでいて、疲れやストレスで免疫が低下している時にウイルスが活性化し、皮膚に発疹を引き起こします。
肋間神経の近くに潜んでいたウイルスが活性化すると、肋骨に沿った部分に痛みを感じることになります。
上述したように、肋間神経は胸や脇腹、背中、骨盤、腰、腕の内側など広く分布しているので、それだけ帯状疱疹の影響を受ける可能性が高いのです。
筋肉など肋間神経周囲の組織の問題
通常、背骨から出ている神経はそこから手足など、体の各部位へ伸びていき、筋肉や皮膚へと向かいます。
体の表面である皮膚にまで出てくるには、筋肉を貫いて出てくる部分もあります。
もし、その筋肉がこわばって硬くなったとしたら、神経は圧迫されて痛みやしびれを引き起こす可能性があります。
肋間神経も例外ではなく、皮膚にまで神経を伸ばすには筋肉を貫いて出てくるため、筋肉のこわばりによる影響を受ける可能性があります。
これも上述しましたが、肋間神経は幅広く分布しているがために、多くの筋肉を貫いており、筋肉のこわばりによる影響を受ける可能性が高いと言えるでしょう。
肋間神経痛の対策
肋間神経痛への対策としては主に以下の5つあります。
- 薬による治療
- 神経ブロック
- 原因に対する治療
- ストレッチ
- ツボ
それぞれ解説していきます。
薬による治療
基本的には抗炎症薬や解熱剤が使用されます。
カロナールやロキソニンといった薬がこれに該当します。
これは原因がはっきりしなかったり、炎症していると判断された時に処方されます。
神経ブロック
神経ブロックとは、神経の周りに麻酔をかけて興奮している神経の働きを抑えることで、痛みを和らげるという方法です。
神経の興奮が落ち着くと、神経から脳へ伝わる信号が弱くなるので、それによって感じていた痛みも弱くなるという原理です。
これは自分ですることはできず、基本的には整形外科医が必要だと判断した場合、医師によってしてもらうことになります。
原因に対する治療
上述しましたが、肋間神経痛は病気の名前ではなく、あくまでも症状の名前です。
ここまで解説した通り、肋間神経痛を起こす原因には椎間板ヘルニアや帯状疱疹など様々なことが考えられます。
当たり前ですが、椎間板ヘルニアには椎間板ヘルニアの、帯状疱疹には帯状疱疹の治療をしないと治すことはできません。
上に挙げた薬や神経ブロックは原因に対してではなく、とりあえず痛みを和らげるという治療で、原因が解決したわけではないので、また痛くなってくる可能性はあります。
なので、もし肋間神経痛だとしたら、整形外科や皮膚科を受診し、原因を調べてもらった上で治療してもらうのが最も良い方法です。
例えば、帯状疱疹であればウイルスが悪さしているのが問題なので、ウイルスに対する抗ウイルス薬が効果的です。
椎間板ヘルニアであれば、背骨に負担がかからないように体幹の筋肉を鍛えたり、足のストレッチ、ウォーキングや自転車漕ぎなどの有酸素運動が効果的です。
ストレッチ
こちらは筋肉のこわばりが原因で肋間神経が圧迫されている場合に有効です。
ストレッチによって、こわばっている筋肉が柔らかくなれば、神経の圧迫も解放されるので、痛みも和らぐことが予測できます。
今回は腰から背中にかけて広く伸びている広背筋と胸の大部分を占める大胸筋のストレッチを紹介します。
広背筋のストレッチ
- 四つ這いになる
- 片手を反対側の手と膝の間を通すように伸ばす
- 脇を床につけるように手を伸ばしていく
- 痛気持ち良いところで10〜20秒キープする
伸ばしている腕とは反対方向へ体をカーブさせるように曲げて行うと、さらに広背筋が伸びるので余裕がある方は試してみてください。
大胸筋のストレッチ
- 壁に向かって体を横にして立つ
- 壁側の腕を肩の高さまで挙げ、肘から腕を壁につける
- 腕が壁から離れないように、体幹を前から反対側へひねる
- 胸が伸びる位置で10〜20秒キープする
肩がすくまないように注意しましょう。
また、体のひねりが中途半端だとあまり伸びないので、しっかりと胸が伸びる感覚が得られるまでひねりましょう。
ツボ
そもそも、ツボとは東洋医学では五臓六腑の異常が滞る場所とされています。
そこを鍼や灸、マッサージをして整え、滞っている異常を解放することで、体の不調を改善できるというものです。
ツボは全身に数多く点在しており、それぞれに効果が出やすい症状があります。
例えば、眼精疲労や頭痛、めまい、肩こりや腰痛など、様々な症状に対応しているツボが存在します。
今回は肋間神経痛に効果のあるツボをいくつかピックアップして紹介します。
即効性もあるので、是非1つ1つ試してみてください。
肋間神経痛に効果的なツボ
ここでは、以下の4つのツボを紹介します。
- 百会
- 手三里
- 合谷
- 太衝
それぞれ解説していきますが、その前にツボの効果的な押し方を解説します。
以下の点に注意してツボを押してみてください。
- 指の腹で垂直に押す
- 気持ち良い強さで押す
- 力任せに強く押さず、軽く押す
- 5秒くらいかけてゆっくりと押していき、ゆっくりと戻す
- 押せば押すほど良いわけではなく、1日5回程度にしておく
- 押した後にあざになっていたり、痛みがある場合は押し過ぎなので注意
ツボを見つけるポイントですが、押すと体の奥の方にジーンと届く感じがして、痛いが不快ではないような感覚です。
感じ方も個人差があるので、一概には言えませんが、これを目安に探してみてください。
百会
百会は頭のてっぺんに位置するツボです。
両耳の頂点を結んだ線と鼻から後頭部に向かう線が交わる部分が百会です。
自律神経の乱れ、頭痛や耳鳴り、めまいに効果があります。
手三里
肘の近くに位置するツボです。
腕の外側で、肘を曲げた時にできるしわから指を腕に対して垂直に当て、指3本分手首側にいったところにあります。
肩こりや腕の痛み、胃腸や鼻の症状にも効果があります。
合谷
手にあるツボです。
親指と人差し指の骨が交わる点より水かき部分に少し近づいたところにあります。
ほとんどの方が押すと痛いので、押してみるとすぐに分かります。
顔や目の症状に効果があります。
太衝
こちらは足にあるツボです。
足の親指と人差し指の骨が交わる点より少し指側にあります。
親指と人差し指の間を辿っていくと、骨にぶつかると思いますが、そこから少し指を戻した位置が太衝です。
頭痛やめまい、吐き気、婦人科系の症状に効果があります。
理学ボディのおすすめ
肋間神経痛を早く治したい、ツボを押してみたけどあまり効果がない、やっぱり痛いという方は理学ボディで施術を受けることがおすすめです。
理学ボディでは、筋膜という組織に対して施術を行っており、最短で痛みを改善させることにこだわっています。
帯状疱疹などウイルスが原因の肋間神経痛は難しいですが、筋肉や筋膜の硬さが原因の肋間神経痛は筋膜の施術に精通している理学ボディととても相性が良いのです。
筋肉が硬くなると、筋膜も一緒に硬くなっている場合が多いですが、ストレッチで筋肉は伸ばせても筋膜までは中々解れません。
そこで、筋膜に精通している理学ボディのセラピストにほぐしてもらうことで、治りが早くなり、痛みが長引くのも防ぐことができます。
もし、肋間神経痛を早く治したくてお困りでしたら、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。