この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)

「膝を曲げたらポキポキと音が鳴る」
「膝の痛み以上に音が心配だ」
このように感じたことはないでしょうか。
膝の音は、大人だけでなく子どもにも起こる症状であり、心配に感じる保護者の方もいらっしゃるでしょう。
基本的に痛みがなければ問題がない場合も多いですが、膝の曲げ伸ばしで痛みを生じる場合や変形性膝関節症などの病気が原因で音が鳴るケースも少なくありません。
本記事では、膝を曲げると音が鳴る原因や対処法、効果的なストレッチについても紹介します。
ぜひ、最後までご覧ください。
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目次
膝がポキポキ鳴るのはなぜ
膝がポキポキ鳴るのはなぜでしょうか。
膝がポキポキと鳴る音の正体は、関節液にたまった気泡が弾ける音です。
膝の関節は、摩擦が起きないように関節液で満たされた状態で軟骨を保護していますが、急に関節が動くと関節液の圧力が急激に変化し、関節内に空洞が生まれます。
関節が動くことでかかった圧力により空洞内の気泡が弾け、膝から音が鳴ります。
音が鳴る原因について
音が鳴る原因は、膝関節部分の軟骨の消耗です。
膝関節部分の軟骨は、生活していくなかで徐々に消耗していき、それとともに膝関節の変形が進んでいきます。
膝からミシミシといった何かが擦れるような音や痛みが伴う場合は、変形性関節症の疑いがあるでしょう。
また、変形が進むと次第に大腿骨と脛骨が直接ぶつかり合うようになり、ゴリゴリなどと鳴ることがあります。
膝の構造(半月板・軟骨・関節液の働きについて)
膝の構造は、膝関節内の骨の表面がそれぞれ軟骨と呼ばれる水分の多いクッションのようなものに覆われていて、関節が滑らかに動く仕組みです。
膝関節はさらに関節包という袋に包まれており、その中には関節液と呼ばれる潤滑油の役割を果たす液体で満たされています。
また、脛骨と大腿骨の間には半月板という柔らかい組織があり、2つの骨の軟骨への衝撃が吸収されるようになっています。
日常的に音が鳴る方は注意が必要
日常的に膝から音が鳴る方は、注意が必要です。
子どもの場合に注意が必要なのが、ばね膝です。
ばね膝は、音とともに膝に痛みを生じる子どもに多く、生まれつき半月板の形で起こりやすくなり小学校低学校高学年にかけて多くみられます。
また、大人で膝関節痛が日常的にある方は、変形性膝関節症などの疑いがあるため注意が必要です。
アメリカのベイラー医科大学が発表した研究結果によると、以下の研究データが出ています。
- 膝がまれに鳴る方は、変形性膝関節症の1.5倍発症リスクが通常よりも高い
- 日常的に何度も膝が鳴る方は、3倍も変形性膝関節症の発症リスクが通常よりも高い
- 変形性膝関節症などの病気が原因の可能性もある
膝の音以外にも症状が出ている方に向けた記事も公開していますので、ぜひ参考にしてください。
膝に痛みや違和感の症状チェック!気になる原因と改善法
膝に痛みや違和感が出る違和感の症状やその原因、改善方法は以下のとおりです。
- 膝の曲げ伸ばしがしづらい
- 膝に水がたまっている
- 脚がO脚になっている
順番に見ていきましょう。
膝の曲げ伸ばしがしづらい
膝の曲げ伸ばしがしづらい場合は、膝周辺の筋肉が固まることや、軟骨の擦り減りなどがおもな原因と考えられています。
日常生活において、歩行や正座などをする際には膝を曲げることが必要です。
しかし、膝の曲げ伸ばしがしづらいと感じる場合は、膝の曲げ伸ばしの可動域が狭まっている可能性があります。
改善法としては、可動域を広げるストレッチや下半身を中心とした筋トレ、ウォーキングなどが効果的です。
ただし、膝が腫れて熱をもっている場合や、体調が悪い場合は一時中断して様子を見ましょう。
膝に水がたまっている
膝に水がたまっている場合は、膝に痛みや違和感がある場合が多いでしょう。
膝関節は関節包という袋状で覆われていて、その中を関節液が満たしています。
関節包の内側にある滑膜という組織を作り出すのが、その関節液です。
しかし、さまざまな原因により滑膜が炎症を起こし、関節液が異常に分泌されて水がたまり膝が痛いなどの症状が現れます。
- 膝に腫れや痛み、だるい感じがする
- 膝を押すとぶよぶよと膨らむ感じがする
- 異物感がある
改善法は、大きく分けて以下の2つです。
- 関節内の水を抜く
- 水がたまる原因を取り除く
病院で注射針を使って関節液を抜くことにより、炎症を抑えられますが、あくまで悪化を防ぐための一時的な処置です。
水がたまる原因を取り除かないと再び関節内に水がたまってしまうため、医師の診察を受けましょう。
脚がO脚になっている
脚がO脚になっている場合は、変形性膝関節症になる大きな要因の一つです。
O脚の原因は、膝が生まれつき外側を向いている構造的O脚と、生活習慣などからくる
機能的O脚があります。
構造的O脚の場合は、専門医の診察・治療をおすすめしますが、機能的О脚の場合は、姿勢や歩き方などの生活習慣を改善することである程度の予防が可能です。
自分がO脚かどうかは、鏡の前でセルフチェックをしてみましょう。
両脚を揃えて立ち、両脚の太ももの付け根や膝、ふくらはぎがくっついているかどうかを確認し、膝に隙間ができる場合には、O脚の可能性があります。
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膝を曲げるとポキポキ鳴る方の治療・予防方法
変形性膝関節症など膝を曲げるとポキポキ鳴る方の治療は、手術を行わない保存療法が基本となります。
特に初期の場合は、生活の改善や運動療法で治ることも珍しくありません。
病状が進行して保存療法だけでは改善の見込みがなくなると、膝の変形を矯正して痛みを解消する高位脛骨骨切り術や人工関節置換術といった手術が行われます。
おすすめの運動
膝に痛みがあるなら安静にしたほうが良いのではと思われがちですが、安静にしすぎても痛みが悪化する原因となります。
変形性膝関節症の方におすすめの運動は、筋力トレーニングです。
筋力が衰えると階段を乗り降りする際に、膝の安定性が低下して歩き方が不安定になり、膝への負担も悪化します。
また、ウォーキングなどの有酸素運動も効果的とされているため、無理のない範囲で取り組んでみましょう。
おすすめのトレーニング
運動療法でよく用いられるトレーニングは、以下の2つです。
- 大腿四頭筋のトレーニング
- 大臀筋のトレーニング
大腿四頭筋のトレーニング
大腿四頭筋のトレーニング方法は、以下のとおりです。
- 椅子に浅く座り、背筋を伸ばして胸を張る
- 片足を床と平行になる高さまで膝を伸ばす
- その状態を5~10秒ほどキープして、10回ほど繰り返す
- 逆足も同様に行う
無理のない範囲で行うようにしましょう。
大臀筋のトレーニング
大臀筋のトレーニング方法は、以下のとおりです。
- 仰向けに寝て、胸の前で手を組む
- 両膝を曲げて、お尻を持ち上げる
- 身体が真っすぐになるように意識して5~10秒ほどキープする
- 10回ほど繰り返す
楽に感じるようになったら、片足ずつ行うようにしましょう。
1回の運動強度は低いですが、毎日繰り返すことで少しずつ筋肉を鍛えられるため積極的に行うことが大切です。
痛い場合は早めの受診
痛みを感じたときはもちろん、膝の音や日々の動作などで違和感がある場合は、早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
変形性膝関節症は、進行するとじっとしていても膝に痛みが生じて膝が変形してまっすぐに伸ばせなくなります。
重症化すると歩くのもままならなくなり、日常生活に大きな支障が出る可能性があるでしょう。
変形性膝関節症では、膝の機能を温存しながら早めに治療を受けることで膝の痛みや炎症を軽減し、手術が必要となる状態を避けられることもあります。
当院によくある質問
当院にも、膝関節の痛みや立ち上がり時、歩行時に頻繁に膝が鳴るようになったが放置しても大丈夫なのか、病院を受診する目安について質問をいただきます。
多く寄せられる質問について、いくつかご紹介します。
膝関節が軋むように鳴るのですが病院にいったほうが良いでしょうか。
膝のポキポキというのは、関節内で気泡が弾けている音のことが多いためそれほど心配ありません。
しかし、ミシミシといった軋むような音の場合は、軟骨がすり減り膝関節がこすれて関節内で変形が起きている可能性があります。
さらに進行が進むとゴリゴリといった音が鳴るようになり、痛みや変形も悪化して最悪の場合歩くのが困難になります。
すり減った軟骨は元通りに直すことはできないため、痛みや軋むような音が鳴る場合にはできるだけ早く病院を受診しましょう。
膝が最近ミシミシと鳴りますが、治す方法はありますか?
膝から音が鳴っている場合は、軟骨がすり減っている可能性があります。
すり減った軟骨を直すことはできないため、これ以上進行させないことが大切です。
これ以上進行させないためには、体重などを減らし膝関節の負担を軽減しましょう。
また、太ももやふくらはぎなど膝周りの筋力トレーニングやストレッチを行い、膝関節を筋力でサポートすることも有効な手段といえます。
ただし筋力トレーニングやストレッチなども、膝の状態に合わせて適切に行わないとかえって悪化させてしまうおそれがあるため、注意が必要です。
膝から音が鳴るのですが、放置しても大丈夫でしょうか?
ポキポキといった音が鳴る場合、関節が急に引っ張られることで関節液の中にできた気泡が弾ける音のためそれ自体は問題ありません。
しかし、痛む場合や膝からミシミシという音がなる場合は、膝関節内部の軟骨や半月板がすり減り骨同士がぶつかって擦れて発生している可能性があります。
その症状は、変形性膝関節症の兆候としても多く見受けられます。
音が鳴る状態を放置しておくと、痛みや曲げ伸ばしがしづらいなどの症状が出る場合もあるため、整形外科などの医療機関で画像検査や触診などによる診断を受けることが大切です。
関節が鳴りやすい人に特徴はありますか?
特徴というものはありませんが、変形性膝関節症などの疾患が原因で関節が鳴りやすくなっている場合は注意が必要です。
普段の日常生活での生理的な音であれば問題ありません。
しかし膝の音に違和感を感じたら、早めに整形外科などの医療機関を受診しましょう。
この記事のまとめ
膝がポキポキと鳴る音の正体は、関節液にたまった気泡が弾ける音で痛みがなければ特に問題ありません。
ときどき膝を曲げると音が鳴る程度では心配ありませんが、音の種類や頻度、痛みの有無によっては注意が必要です。
変形性膝関節症が進行し、すり減った軟骨は元通りに直すことはできないため、痛みや軋むような音が鳴る場合はできるだけ早く病院を受診しましょう。
理学BODYでは、膝周辺の硬くなった筋肉や筋膜へアプローチすることにより、症状の改善や予防を行います。
痛みが落ち着かない、自分での改善が難しいと感じるときには、ぜひお気軽にご相談ください。
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