この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
運動中や睡眠中に突然足がつってしまうことは、多くの方が経験する症状の一つです。
しかし、足がつる(こむら返り)原因や突然足がつったときの対処法がわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、足がつる原因や対処法、足がつらないための予防法について詳しく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
足がつる原因は何?
足がつる(こむら返り)とは、筋肉に激しい痛みを伴う痙攣が起きている状態です。
主に、就寝中や運動直後にふくらはぎで発生しやすいため「こむら返り」と呼ばれていますが、ふくらはぎ以外の筋肉でも発生する場合もあります。
足がつる原因はさまざまですが、特に以下の4つの原因が挙げられます。
- 身体疲労
- 精神疲労
- 水分不足
- 服薬の関係
それぞれ解説していきます。
足がつる原因①:身体疲労
1つ目の原因は、身体疲労です。
筋肉は、筋原線維と呼ばれる細い線維が束となってできており、筋原線維をさらに細かくすると、細い線維と太い繊維に分けられます。
筋肉の収縮とは、太い線維と細い線維が深く噛み合うことで生じる現象です。
長時間の運動や激しい運動によって筋肉に疲労が蓄積していると、筋線維が急な収縮にうまく対応できないため足がつってしまう原因となります。
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ぜひご覧ください。
足がつる原因②:精神疲労
2つ目の原因は、精神疲労です。
人は、活発に活動するときに働く交感神経と、身体を休めるときに働く副交感神経がバランスを取り合うことで、身体の状態を調整しています。
強い不安や緊張などのストレスは、交感神経と副交感神経のバランスを乱す原因の一つです。
バランスが崩れると、血行不良や不眠など身体にさまざまな影響を及ぼします。
その際に生じる血行不良によって、筋肉に必要な栄養素や酸素が運ばれず、筋収縮が適切に行われないことで足がつってしまいます。
足がつる原因③:水分不足
3つ目の原因は、水分不足です。
睡眠中や運動中に汗をかいたり、水分補給をおろそかにしたりすると、足がつってしまう可能性が高くなります。
身体の水分(体液)にはミネラルが多く含まれており、特にカリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルには、筋肉の収縮やエネルギーの代謝など、さまざまな身体の生理作用を正常に機能させています。
しかし水分不足が原因で、保たれているはずのミネラルのバランスが崩れると、筋肉や神経の正常な機能が損なわれてしまうため、足がつってしまう原因になります。
また水分不足は、冷えや血行不良の原因の一つです。冷えや血行不良は、筋肉が働くために必要な栄養素や酸素を運ぶ阻害因子になるため、その結果筋肉が緊張状態になり、足がつってしまうといわれています。
足がつる原因④:服薬の関係
4つ目の原因は、服薬の関係です。
薬の中には、足がつるリスクを高めてしまう成分が含まれています。
例として、利尿作用がある成分が含まれる薬です。
利尿作用のある薬は、尿量を増加させることで体内の不要な水分を排出したり、血圧を下げたりする作用があります。
しかし、十分な水分補給が行われていない状態で排出される水分量が増えてしまうと、体内の水分不足を引き起こし、ミネラルバランスが崩れたり、血行不良に陥ったりして足がつる可能性が高くなります。
薬を服薬していて足がつるのが心配な方は、一度医療機関を受診してみましょう。
夜間や季節により足がつりやすい原因について
足がつりやすくなる環境的な原因について解説します。
夏に足がつりやすくなるメカニズムとは?
夏に足がつりやすくなるメカニズムは、以下の2つです。
- 脱水・電解質異常理論
- 神経筋制御異常理論
脱水・電解質異常理論
1つ目は、脱水・電解質異常理論です。
人の身体は、体外から栄養や水分を体内に取り込み、不要な老廃物を尿として体外に排出することで、身体の水分や電解質(ミネラル)のバランスを保っています。
しかし夏の暑さでたくさん汗をかくと、体内の水分と電解質(ミネラル)のバランスが乱れるため、筋肉や神経の機能を低下させてしまいます。
その状態を脱水・電解質異常と呼び、夏に足がつりやすくなる原因の一つと考えられています。
神経筋制御異常理論
2つ目は、神経筋制御異常論です。
人の身体は、脳からの指令だけでなく、さまざまな反射による筋肉の収縮や弛緩で動いています。
その際に、筋肉の伸びすぎを防ぐ筋紡錘と、筋肉の縮みすぎを防ぐここに漢字が、脊髄反射によってコントロールされています。
正しい筋肉の収縮と弛緩が機能しているのは、その脊髄反射によるコントロールがあるからです。
しかし水分不足によって、電解質(ミネラル)バランスの乱れと血行不良が起きて筋紡錘と腱紡錘の機能が低下すると、正常にコントロールができなくなり筋肉が過剰に収縮してしまいます。
その状態を神経筋制御異常と呼び、足がつりやすくなる原因として考えられています。
原因となる疾患がある
運動したり、1日中立ち作業や歩いたりしたなどの心当たりがないのにもかかわらず、足がつってしまう場合は何らかの病気が原因となっている可能性が高いといえます。
特に足がつるリスクを高めてしまうとされている疾患は、以下のとおりです。
- 糖尿病
- 肝硬変
- 下肢静脈瘤
- 動脈硬化症
- 椎間板ヘルニア
- 脊柱管狭窄症
- 脳梗塞
- 筋萎縮性側索硬化症
頻繁に足がつってしまう場合は、上記のような病気が原因の可能性があるため早めに医療機関を受診しましょう。
足がつってしまったときの対処法
運動中や睡眠中に突然足がつってしまった場合、痛みを伴うため焦ってしまう方も多いでしょう。
しかし患部を急に伸ばすと、筋肉が損傷してしまい肉離れを引き起こす可能性があります。
また足がつってしまったときは、筋肉の中にある腱紡錘が異常を起こしている状態です。
その状態で急に伸ばすと筋紡錘がうまく対応できず、再度足がつってしまう可能性があります。
足がつってしまったときの対処法は、以下のとおりです。
- 深呼吸をして足を伸ばす
- 患部を優しくマッサージ
- 十分な水分補給
対処法①:深呼吸をして足を伸ばす
膝足を伸ばした状態で座り、つった側のつま先を掴んでゆっくり伸ばします。
つま先に手が届かない場合は、タオルをつま先に引っ掛けて伸ばす方法や、立った状態で壁に手をついてふくらはぎを伸ばす方法もおすすめです。
対処法②:患部を優しくマッサージ
痛みが徐々に落ち着いてきたら、患部を優しくマッサージしましょう。
患部を温めながらマッサージを行うと、より血行が改善するため効果的です。
対処法③:十分な水分補給
患部のストレッチとマッサージを行い症状が軽快してきたら、再発を防ぐために水分補給を行いましょう。
場合によっては、漢方を飲むのもおすすめです。
またストレッチやマッサージは、あくまで対処法に過ぎません。
足がつらないようにするために、日頃から水分補給の習慣をつけましょう。
足がつらないようにする予防法4つ紹介
足がつらないようにするための予防法は、以下のとおりです。
- 水分補給
- ミネラル補給
- ストレス対策を行う
- ストレッチを十分に行い、身体を休める
予防法①:水分補給
1つ目の予防法は、水分補給です。
足がつってしまうのは、水分不足による体内の電解質(ミネラル)の乱れや血行不良が原因とされています。
特に運動中や睡眠中は汗をかくため、水分不足に陥りやすいでしょう。
そのため、運動中は定期的に水分補給を心がけましょう。
また就寝前に、コップ1杯分の水分を補給するのも効果的といわれています。
ただし、心臓や腎臓に病気を患っている場合は水分摂取量が制限される可能性もあるため、心臓や腎臓に病気を患っている方は必ず医師に相談しましょう。
予防法②:ミネラル補給
2つ目の予防法は、ミネラル補給です。
ミネラルは、体内で合成できないため食事や飲料水で補う必要があります。
OS-1やポカリスエットなどの飲料水は、ミネラル成分のバランスが整えられているためおすすめです。
ただし、OS-1やポカリスエットには砂糖が使用されているため、糖尿病を患っている方は摂りすぎないことが大切です。
何か病気を抱えている方は、まずは医師に相談するようにしましょう。
また、野菜や海藻類にはミネラルが豊富に含まれています。
普段の食事から、野菜や海藻類を含んだバランスの良い食事を摂るよう心がけることが大切です。
心臓や腎臓病を患っている方の場合、ミネラルの摂りすぎは状態を悪化させる可能性もあるため、必ず医師に相談しましょう。
予防法③:ストレス対策を行う
3つ目の予防法は、ストレス対策を行うことです。
普段の日常生活でストレスがたまると、自律神経が乱れてしまい足がつるリスクが高くなってしまいます。
そのため音楽を聴いたり、適度に身体を動かしたりするなど、自分に合ったストレス解消法でストレスをためすぎないようにしましょう。
予防法④:ストレッチを十分に行い、身体を休める
4つ目の予防法は、ストレッチを十分に行って身体を休めることです。
運動や仕事による身体の疲労や筋肉の柔軟性の低下は、足がつる原因になります。
そのため普段からストレッチを行い、身体に疲労がたまらないようにしたり、筋肉の柔軟性を維持したりするように心がけましょう。
ストレッチを行うタイミングとしては、運動前や運動直後、入浴後や就寝前に行うのがおすすめです。
足がつりやすい下腿三頭筋のストレッチを、動画で一部紹介します。
- 壁に手をつき、足を後ろに引く
- つま先をまっすぐにしたままかかとをつく
- ゆっくりと膝を伸ばす
- そのまま身体を反らす
- 壁をしっかりと押すように意識する
- 20~30秒キープ
ポイント:前の足の人差し指が脛と一直線となるように注意する
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足がつらないために効果的なストレッチを紹介!
足がつらないようにするために効果的なストレッチは、以下のとおりです。
- 大腿四頭筋のストレッチ
- ハムストリングスのストレッチ
- 下腿三頭筋のストレッチ
大腿四頭筋のストレッチ
太ももの前にある大腿四頭筋のストレッチを紹介します。
- うつぶせまたは立ったまま壁に手をつく
- 片側の足を曲げて足の甲を持ったまま、踵をおしりに近づけるように引いて太ももの前を伸ばす
※手が届かない場合は、タオルを使いましょう
ストレッチの際は、大腿四頭筋を意識してしまうと効果が十分に得られないため、つま先に引っ掛けている手や前に倒している身体を意識して行いましょう。
ハムストリングスのストレッチ
太ももの裏にあるハムストリングスのストレッチを紹介します。
- 足を伸ばして座り、片方の足は膝を曲げる
- 逆足のつま先に手を伸ばし、身体を前に倒す
- 逆足も同様に行う
ストレッチの際は、ハムストリングスを意識してしまうと効果が十分に得られないため、つま先に引っ掛けている手や前に倒している身体を意識して行いましょう。
下腿三頭筋のストレッチ
特につりやすい下腿三頭筋のストレッチ方法を紹介します。
- 立ったまま壁に手をつく
- 片方の足を前に出して、逆足は後ろに引く
- 踵が床から離れないようにしながら、身体を前に倒す
- 逆足も同様に行う
こちらも同様に、伸びている下腿三頭筋を意識してしまうと効果が十分に得られないため、壁についている手で壁を押す意識を強くもって行いましょう。
また、後ろに引いた足の踵をつけたまま膝を曲げると、下腿三頭筋の一つであるヒラメ筋をメインにストレッチすることが可能です。
まとめ
今回は、足がつる原因や症状、対処法について解説しました。足がつる原因は、水分不足や筋肉の疲労などさまざまです。
そのため足がつらないようにするには、日頃の水分補給やストレッチが重要になります。
普段から足がつらないために予防していても、頻繁に足がつってしまう方は、糖尿病などの病気や、薬の影響が関係している可能性があります。
少しでも異変を感じたら、すぐに医療機関に相談しましょう。
もし病院や治療院へ通ってもなかなか症状が改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。
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