この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
「朝起きたら首が痛くて動かなくなっていた」
「首を動かしたときにピキっと痛くなった」
など、突然の首の痛みを感じた経験がある方もいるでしょう。
この記事を読まれているということは、「上を向けない」あるいは「首を動かすことが全くできない」など、首に痛みが生じて生活に支障が出てきてしまっているのではないでしょうか。
上を向く動きは、仰向けで寝るときの姿勢に影響し、そのほかにはうがいをしたり目薬を指したりと一日のなかで数回は必ず行う動きです。
なるべく早く痛みを軽減させて楽に生活を送れるように、今からでもできることがあります。
本記事では、「整形外科を受診するほどではないかな」と考えている方のために、首の痛みの原因や効果的な対処法を紹介します。
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上を向くと首が痛くなる原因について
上を向くと首が痛くなってしまうのは、おもに3つの原因が考えられます。
- 筋肉
- 関節
- 椎間板
そもそも首は、頚椎という骨が7つ積み重なるように構成されています。
頚椎が重なる部分は、それぞれに関節が存在し首を動かせる仕組みです。
そして首を動かすためには、筋肉が必要です。
首の周りは多くの筋肉によって覆われており、いろいろな方向へ動かせるようになっています。
また動かすだけではなく、頭の重さを支えて安定させられるようになっているのも特徴です。
また頚椎の間には椎間板というものがあり、頭の重みを支えたり、首を動かしたりするときの衝撃緩和、いわゆるクッションのような働きをしています。
長時間にわたって姿勢が悪い状態が続いたり、上下を向く・首を横に傾ける動きが繰り返されたりすると、椎間板には圧縮されるストレスが加わってしまい、首や肩の痛みにつながります。
首・肩周りをストレッチすると、一時的に筋肉の緊張が和らぎ痛みが改善する場合もあるでしょう。
しかし、椎間板が問題となっているケースだと、首の痛みが改善しない場合があります。
また上を向くときに首が痛いだけでなく、頭痛が併発する方もいます。
普段の姿勢が悪かったり、枕の高さを変えた後に寝違えてしまったりすると、首周りの筋肉の緊張が高まり、頭・首周りの神経を圧迫してしまい、頭痛が起きてしまうといった仕組みです。
肩や首こりがある
デスクワークやスマホをいじっているとき、本を読むときなどに肩こりや首こりを感じるかもしれません。
この原因は、おもに筋肉や筋膜によるものだと考えられます。
座って作業することが多い方は、背中が丸くなり頭が前に位置している状態が続いている方もいるでしょう。
この状態が続くと、首周りの筋肉が緊張してきて血流が悪くなってしまうため、肩・首周りの症状を感じやすくなります。
また頭は体重の約10%と重たいため、頭が前に位置してしまうとその重さを支えるように筋肉が持続的に活動してしまい、筋肉が休まる暇がありません。
特に上を向く動きは、両側の筋肉が縮まる動きのためさらに筋肉を緊張させてしまい、強く痛みを感じてしまう方もいます。
「午前中はいいけど、夕方にかけてだんだんと痛くなる」という場合、上述した姿勢の影響が大きいと考えられます。
首を寝違えた
「朝起きたら首が痛い」「首が痛くて目が覚めた」など、起床時の首の痛みに悩む方もいるでしょう。
痛みで振り向けなかったり、首を動かしたりできないほどの痛みが出る方もいるのではないでしょうか。
寝具に要因があると考え、それらを新しく取り替えても繰り返し痛みが出てくる場合もあります。
痛みの原因を断定するのは難しいですが、特に首周りの筋肉や関節、椎間板に原因があると考えられます。
首を寝違えてしまうのは、睡眠時の姿勢や日中の姿勢によって首・肩周りにかかる負担が大きくなっているのが原因です。
また睡眠時に、頭・首が変な方向を向いてしまっていたり、枕の高さによって首の角度がつきすぎていたりする可能性もあるでしょう。
また、夜間に歯ぎしりをしたり歯を喰いしばったりしてしまうと、顎や首に力が入り続けて筋肉の緊張が高くなってしまうため、首を寝違える要因につながる場合があります。
そのほか、上を向くと首に痛みが生じる場合に考えられる原因と対処法について解説しています。
ぜひご覧ください。
首の痛みの病名はある?
頚椎は本来前にカーブしているものですが、そのカーブがない状態がストレートネックです。
これは病名ではなく一般名で、首の痛みが生じた場合は頚椎症という病名になります。
首が痛いという症状に加えて、腕のしびれや痛み、手先のしびれがある場合は、頚椎症性神経根症や頚椎椎間板ヘルニアが疑われるでしょう。
また首の寝違えも関節や椎間板、筋肉から痛みが出ており、その病名は頚椎症です。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアでは、頚椎の間に存在する椎間板が圧迫され、椎間板内の一部が後ろや横に押し出されます。
後ろや横の部分には神経が通っているため、押し出された椎間板によって神経が圧迫されて、首の痛みや腕・手の痺れが生じてしまいます。
症状は、座っている時間が長くなると痛みや痺れが増えてしまうのが特徴です。
これは、猫背で頭が前に位置しているような座り姿勢が続いており、椎間板に圧迫されるストレスがかかっているのが影響しています。
ストレートネック
今や現代病ともいわれるストレートネックですが、ストレートネックだからといって必ずしも首に痛みが生じるわけではありません。
その理由は比較的簡単で、短期的に首のカーブが無くなり骨の配列が悪くなるわけではないからです。
日常の猫背姿勢によって、骨の配列は徐々に変化してくるものと考えられます。
そのため首の痛みは、ストレートネックが原因ではないケースが多いです。
ただし、「首が痛くなった方がレントゲンを撮影するとストレートネックでした」というケースはかなり多いとされているため、普段の猫背が首の痛みと関連している可能性があるでしょう。
猫背姿勢ということは、背中が丸い状態になっており頭は前方へ下がっています。
その頭の重さを支えるために首の筋肉が緊張したり、首の関節や椎間板に負担がかかったりすることで、首に痛みが生じてしまいます。
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上を向くと首が痛いときのおすすめの対処法
首には、身体の感覚を司る神経や身体を動かすための神経が通っているため、首周りの強いセルフマッサージをしたり首を素早く動かしたりするのは、悪化の恐れもあるため避けるべきでしょう。
ただ、ご自身でも行える簡単な対処法もいくつかあります。
今回は、上を向くと首が痛くなってしまったときのおもな対処法は、以下の5つです。
- ストレッチを行う
- 寝方と枕の高さを確認する
- 痛み止めなどを利用する
- 湿布などを利用する
- 整体で施術を受ける
それぞれについて解説していきます。
ストレッチを行う
首が痛い方は、首周りの筋肉が緊張し固まっている可能性があるため、筋肉のストレッチをすることで痛みが楽になったり、首周りの筋肉が緊張しないようにするための予防になったりします。
痛みの無い範囲で上を向きながら首の前側を伸ばすストレッチや、下を向きながら首の後ろ側を伸ばすストレッチをすると良いでしょう。
特に首の前側にある胸鎖乳突筋や斜角筋、首の後側にある後頭下筋群、僧帽筋、肩甲挙筋、板状筋などが硬くなりやすい筋肉です。
そのため上述した上もしくは、下を向いてストレッチをするやり方に加えて、頭を右側もしくは、左側に傾ける・ねじるという動きも加えると、左右の筋肉をそれぞれほぐすことが可能です。
寝方と枕の高さを確認する
寝違えて首が痛くなってしまった場合、痛みで寝られない・頭の置き所が分からないという場合があります。
上を向くと首が痛い場合、仰向けの寝方では枕をやや高めにして寝ます。
枕を高く設定することで、首は下を向いているような状態になるため、首にかかる負担を減らせるでしょう。
横向きの寝方では、後ろから見たときに背中から頭が一直線になるようにして寝ます。
頭が下がってしまうと、下側の首の筋肉は縮まって緊張し、上側の首の筋肉は伸ばされて緊張します。
一直線にすることで、両側の筋肉にかかる負担を減らすことが期待できるでしょう。
痛み止めなどを利用する
首に痛みがあるときには、薬局で手軽に入手できるロキソニンを買って内服するのも良いでしょう。
一般的に、湿布より内服薬のほうが鎮痛効果は高いと考えられます。
病院で首の痛みによく処方する薬ですし、成分量も処方薬と変わりません。
鎮痛効果だけでなく炎症を抑える効果もあり、即効性も期待できます。
そのほか、漢方の葛根湯を内服するのも良いでしょう。
葛根湯は芍薬と甘草を含んでおり、筋肉の緊張をほぐして血行を良くし痛みを抑える効果が期待できます。
首の痛みだけではなく、日常で感じる肩こりや首こりにも効果が期待されるため、整形外科でも処方される漢方です。
湿布などを利用する
首の痛みがある箇所に湿布を貼るのも、手軽に行える対処法になります。
まずは、薬局でも取り扱っている湿布を使ってみると良いでしょう。
首が痛いときには病院でも湿布を処方しますし、薬局の湿布も消炎鎮痛薬に分類されるため、病院で処方されるものと同じような成分が含まれています。
湿布を貼るとひんやりと感じますが、実際に冷やす効果はありません。
冷たく感じる成分が入っているだけで、冷湿布も温湿布も基本的には同じ効果が期待できます。
お好きなほうを使用すると良いでしょう。
整体で施術を受ける
前述したようにご自身でできる対処法はあるものの、実践していてもなかなか痛みが引かない方もいるでしょう。
これは、首に痛みを引き起こす原因が首だけとは限らないからです。
首の痛みは、肩甲骨周りや腕・手、目の周りなどからも影響を受けています。
普段の生活を快適に送るためにも整体で原因を見つけて、その場所の施術を受けて痛みを改善する方法を知るのが良いでしょう。
上を向く際に痛みが生じる方におすすめのセルフケア方法も、併せて紹介します。
- 痛む場所にタオルを当てて、痛みを確認
- 目の方向に向かって、タオルで引っ張りながら上を向く
- 痛みがなければ、5回ほど繰り返す
※痛みがあれば、位置をずらす
首だけ動かないように注意しましょう。
また引っ張る力の方向は常に目の方向で、痛みのない範囲で行うことが大切です。
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上を向くと首が痛いときの再発予防について
上を向くと首が痛いときの再発予防としては、胸周りや肩甲骨を動かすことと、何よりも日頃からの姿勢に注意することが大切です。
胸周りや肩甲骨を動かすのは、座ったまま行える手軽なエクササイズです。
長時間デスクワークをする方は、休憩時間に肩回しを数回行うと良いでしょう。
デスクワークが多いと近くの物を見ている時間が長くなるため、遠くの物を見たり、周辺視野いっぱいの範囲で上下左右に目を動かしたりするのも大切です。
日頃から姿勢に注意する
日頃から座っている姿勢や、立っている姿勢に注意していくのはとても大切です。
特に猫背姿勢が首の痛みに影響しているため、日頃から肩甲骨や首の位置を気にしておくと良いでしょう。
いわゆる「巻き肩」だと両側の肩甲骨の間隔が広くなるため、両側の肩甲骨を背骨に向かって引き寄せて、少し胸を張る姿勢をとりましょう。
そのうえで、頭・首の位置を気にしていきます。
目安としては、横から見たときに肩甲骨ライン上に耳が位置していることです。
多少は個人差がありますが、基本的には肩甲骨と頭の位置関係は一直線上にするよう意識しましょう。
さらに、骨盤を立てるのも重要です。
腰を丸めずに骨盤を前に傾けて、坐骨というおしりの骨に体重を乗せた姿勢をとりましょう。
首の痛みを予防するには、骨盤から腰・背中・肩甲骨、そして頭・首が連動した、バランスの良い姿勢を継続するがポイントです。
また、長時間同じ姿勢をとらないようにしましょう。
座る時間が長い場合は、こまめに立ち上がって少し歩くことを推奨します。
この記事のまとめ
首が痛いときに病院へ行くと、多くの場合レントゲンを撮って、頚椎症や頚椎椎間板ヘルニア、あるいはストレートネックと診断されたり、加齢によって椎間板や骨が変形していることが原因などと説明されたりします。
病院へ行けばマッサージをしてくれたり、ストレッチ・エクササイズの方法を教えてくれたりしますが、病院での治療は、ロキソニンなどの痛み止めの薬や湿布を出されるだけのケースもあるでしょう。
病院の方針によっては注射という選択肢もありますが、これらは症状を緩和しても根本的な治療にはなりません。
理学BODYでは首の痛みの根本の原因となる筋膜へアプローチし、症状の改善と再発の予防を行います。
もし、病院や整体院へ通っても症状が思うように改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。
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