立ったままカットやシャンプーしていると腰が痛くて辛い。
腰痛は仕事柄仕方のないものなので、痛みは我慢するしかない。
このように悩んでいる美容師の方いませんか?
確かに、仕事柄立ち仕事が多く、前かがみで作業することもあるので、腰には負担のかかりやすい職業だと言えます。
ですが、同じ美容師でも必ず全員が腰痛持ちというわけでもありません。
なので、美容師は腰痛になりやすいから仕方ないと諦めるのではなく、原因を見つめ直し、しっかりと対策することで、改善できる腰痛もあります。
そこで、今回は美容師が腰痛になりやすい理由から、腰痛がある時に考えられる事、対策までを解説します。
美容師が腰痛になりやすい理由
美容師は基本的に立ち仕事で、体を曲げたままカットしたりすることもあり、腰に負担がかかりやすい仕事と言えます。
美容師が腰痛になりやすいのは何となく分かるけど、実際何で腰痛になりやすいのか、その理由はおもに以下の3つです。
- 長時間の立ち仕事
- 前かがみで作業することが多い
- シザーケースが重い
それぞれ解説していきます。
長時間の立ち仕事
美容師は基本的には立ったまま仕事をします。
カットやシャンプーなどをする中で、一時的に座ることもあるかもしれませんが、やはり立ったままの作業時間が圧倒的に多いはずです。
立ったまま作業していると、脊柱起立筋と呼ばれる腰を伸ばす筋肉が常に力を入れた状態になっています。
姿勢を保つためには、脊柱起立筋が力を入れることが必要なので、これは仕方のないことです。
ですが、この脊柱起立筋が常に力を入れた状態が腰痛の原因になるのです。
腰痛を引き起こす原因は、血行不良、痛みを感知するセンサーの2つです。
1つ目の血行不良に関しては、筋肉には酸素と栄養を供給するため血管が通っています。
筋肉が力を入れると、ぎゅっと緊張して硬くなるので、筋肉内の血管は圧迫されてしまいます。
血管が圧迫されると、血流が悪くなるので血行不良に陥ってしまいます。
血行不良になると、痛みを引き起こす発痛物質と呼ばれるものが作られるため、腰で発痛物質が作られることで腰痛が生じてしまうのです。
2つ目に、筋肉には痛みを感知するセンサーのような組織が備わっています。
筋肉が力を入れると、筋肉の真ん中辺りが膨隆します。
腕の力こぶをイメージしてもらうと分かりやすいかと思います。
立ったままの姿勢では脊柱起立筋が常に膨隆しているので、筋肉が常にパンパンに硬くなっています。
すると、痛みを感知するセンサーが刺激され、その刺激を痛みとして感知するので、腰痛を引き起こします。
前かがみで作業することが多い
長時間の立ち仕事に加え、前かがみになってカットやシャンプーすることも多いです。
立っている自分と座っているお客さんとの身長差があると、真っ直ぐ立っているとカットやシャンプーしにくいこともあります。
そのような場合、前かがみになったり体を左右へ曲げながら作業することも増えるはずです。
それが腰にとっては負担が強いので、腰痛を引き起こす原因の1つになります。
前かがみになると、腰は曲がった状態となります。
腰は反らすと関節がカチッとはまって安定するのに対し、曲げると関節が開いて不安定な状態になります。
なので、腰を曲げたまま作業することは、腰が不安定なまま作業することになるので、腰を痛めやすい姿勢だと言えるでしょう。
シザーケースが重い
シザーケースの中には多くの道具が入っているため、自然と重さが増えてしまいがちです。
複数のハサミ、クシ、ヘアピン、トリマー、ブラシなど、1つ1つの重さは大したことなくても、それらを合わさると意外と重くなってしまいます。
ですが、シザーケースに道具を入れて持ち運ぶのとそうでないのとでは作業効率に大きく差が出るはずです。
なので、シザーケースを持ち運ぶのは仕方のないこととは言え、シザーケースの重さが左右どちらかの腰からぶら下がっていると、そちら側に腰が引っ張られてしまいます。
腰が片側に引っ張られると、腰の背骨はそちら側へ曲がってしまい、左右非対称の姿勢になってしまいます。
腰が片側へ曲がるとまでいかなくても、真っ直ぐな姿勢を保つためには、シザーケースの重さに拮抗して反対側の腰の筋肉が常に力を入れて緊張しなければいけません。
短時間であれば大きな問題はなくても、長時間、何日もそういった負担が積み重なることで、腰の筋肉の緊張が原因で血行不良となり、腰痛につながります。
腰痛がある時に考えられる事
美容師は上述したような腰痛となりやすい理由がありますが、それとは別に腰痛を引き起こす病気が背景に潜んでいる可能性もあります。
その場合は、病院で整形外科を受診した上で、医師からの指示を聞くことで対策していくことが望ましいです。
腰痛がある時に考えられる事としては、おもに以下の4つです。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 変形性脊椎症
- 腰椎変性すべり症
それぞれ解説していきます。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎とは、背骨の中でも腰にあたる部分のことを指します。
腰椎は5つあり、それぞれの腰椎の間には椎間板という組織があります。
椎間板は繊維輪と髄核でできていて、背骨をつなぎ、クッションの役目をしています。
その一部が出てきて神経を圧迫して症状が出ます。
椎間板が加齢などにより変性し断裂して起こります。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
椎間板が後ろへ飛び出すことで、すぐ後ろに位置する神経を圧迫し、痛みやしびれ、筋力低下などの症状が生じます。
加齢とともに椎間板が衰えて傷ついたりするのは自然な反応ですが、それに加えて腰に負担のかかる姿勢や動きがきっかけとなって、椎間板が後ろへ飛び出してしまうことが問題となります。
症状が生じる場所は圧迫される神経の場所によって異なります。
腰椎はそれぞれの背骨の間から神経が出て、足の方へ伸びています。
たとえば、上の方の腰椎から出ている神経が圧迫されると、股関節の前側や太ももの前側辺りに症状が生じる可能性があり、足を持ち上げたり膝を伸ばす筋肉が弱くなります。
神経が圧迫されることで炎症が起こると、足だけでなく腰自体にも痛みを感じます。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、その名の通り、背骨の中にある脊柱管と呼ばれる神経の通り道が狭くなる病気です。
加齢、労働、あるいは背骨の病気による影響で変性した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
脊柱管はいわば神経が通るためのトンネルのようなものですが、トンネルの周りにある背骨や靭帯、椎間板が変形すると、トンネルの内部が狭くなってしまいます。
狭くなると、トンネルの中を通る神経は圧迫されてしまい、その神経に対応した部分に痛みやしびれが生じるのです。
腰椎椎間板ヘルニアと同様に、どこに症状が出現するのかは腰の中でもどこが障害されるのかで異なります。
ヘルニアと違う点は、ヘルニアが腰を曲げると症状が悪化しやすいのに対し、腰部脊柱管狭窄症は腰を反らすと脊柱管が狭くなり、症状が悪化しやすいという点です。
変形性脊椎症
これもその名の通り、脊椎が変形する病気です。
とは言っても、歳を重ねると脊椎を含め、靭帯や椎間板などには負担が蓄積されていくので、自然と変形していくので、それが悪いというわけではありません。
加齢により生じるもので、軽症なものは無症状のことも多く、病的とはいえないこともあります。
椎間板と後方の左右一対の椎間関節により脊柱の動きが可能になっていますが、これらが退行変性した状態を言います。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
上述したように、誰もが加齢とともに衰え、多少の変形はするものなので、多くの場合は無症状です。
ですが、変形が進んで高度になると、痛みや動きの制限、神経症状を引き起こす可能性もあります。
また、脊椎の変形によって脊柱管が狭くなると、腰部脊柱管狭窄症へと進行する場合もあります。
腰椎変性すべり症
腰椎変性すべり症とは、腰椎がずれることによって脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されて症状が出ます。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
名前の通り、腰椎がすべってずれることが原因で神経を圧迫してしまう病気です。
腰部脊柱管狭窄症が骨や椎間板、靭帯などの変性による脊柱管が狭くなることが原因なのに対し、腰椎変性すべり症は脊柱管自体は狭くなくても、腰椎がずれることで狭くなってしまうという点が異なります。
なので、症状としては腰部脊柱管狭窄症と似たような症状で、腰を反らすと腰や足に痛みやしびれが出現したり、立っていたり歩くと症状が出現しやすくなります。
美容師の腰痛対策
美容師の腰痛への対策としては、以下の7つが挙げられます。
- 仕事中の姿勢を見直す
- 極力前かがみのまま作業しない
- コルセットを使用する
- シザーケースの位置を日や時間毎に変える
- ストレッチ
- 筋トレ
- 有酸素運動
それぞれ解説していきます。
仕事中の姿勢を見直す
長時間の立ち仕事に加え、元からの姿勢が悪いとより腰痛を引き起こしやすくしている可能性があります。
特に立っている姿勢では、寝ている時や座っている時に比べ、腰が反りやすいです。
なので、元から腰が反っている傾向の場合、立つとそれが強調されるので、強く腰が反ったまま仕事することになります。
腰は反ると関節が安定するのですが、強く反ると関節には圧縮する力が大きく加わり痛みを引き起こしやすいです。
また、腰椎の後ろに位置する脊柱起立筋という筋肉は、腰を反らせる働きがあります。
腰が強く反っているということは、脊柱起立筋も過剰に働きやすく、立っている間常に緊張した状態となる可能性があります。
なので、立って仕事している間は軽くお腹を引き込み、少し腰を丸くする意識を持つと良いでしょう。
慣れるまでは常に意識するのは難しいですが、5分だけとかシャンプーの間だけとか、意識する時間を区切って試し、徐々に慣らしていくのが良いです。
極力前かがみのまま作業しない
上述したように、腰を曲げると関節は不安定になるので、前かがみのまま作業することは腰痛を引き起こしやすいと言えます。
なので、極力前かがみのまま作業しないようにしましょう。
とは言え、全く前かがみにならないのは難しいので、そういった場合は腰ではなく、股関節から体を曲げて、腰はなるべく真っ直ぐを保つように意識しましょう。
腰痛となってしまう方の多くは、股関節を曲げずに腰だけ曲げてしまう方が多いです。
股関節から曲げることを意識するだけでも、かなり腰への負担は減らすことができますよ。
コルセットを使用する
コルセットを腰に装着するのも1つの手段です。
たとえば、コルセットをつけておけば、前かがみになった時も過剰に腰が曲がるのを防いでくれるので、腰痛を和らげることが期待できます。
お腹を引き込む意識や股関節から体を曲げる意識が上手くできない間はコルセットを使うことも考慮しましょう。
シザーケースの位置を日や時間ごとに変える
シザーケースの位置をこまめに変えることで、同じ場所ばかりに負担がかかることを防ぐことができます。
たとえば、シザーケースを左の腰につけていると、重さに引っ張られて腰は左へ倒れやすいです。
いつも左側ばかりにつけていると、腰にもいつも左へ倒れるような力が加わるので、たまに右側に位置を変えることで同じ場所へ負担がかかることを防ぐことができます。
ストレッチ
ここでは腰の後ろ側の筋肉をストレッチする方法を紹介します。
具体的な方法は以下の通りです。
- 正座になる
- かかとからなるべくおしりを浮かせないように肘を前方の床につく
- 尾骨を床へ向けるように、腰から首までをなるべく丸くする
- そのまま深呼吸しながら15〜20秒キープする
- 余裕があれば、肘をさらに前に出して行う
ポイントは、しっかりと尾骨を床へ向けることです。
尾骨を下へ向けないと、腰が上手く丸くならず、腰の筋肉もストレッチされないので、しっかりと意識しましょう。
筋トレ
ここでは[ruby]腹横筋[/ruby]と呼ばれるお腹のインナーマッスルを鍛える方法を解説します。
腹横筋はお腹から腰にかけてベルトのような走行をしており、力が入るとベルトを締めるような形となり、腰を安定させてくれる働きがあります。
具体的な方法は以下の通りです。
- 仰向けになる
- 両手を天井へ向けて突き出す
- 股関節、膝関節を90度に曲げて持ち上げる
- そのままの姿勢でお腹を膨らませるように息を吸い込む
- ゆっくりと息を吐き出す
- 深呼吸を10回ほど繰り返す
- 手足を下ろして元に戻る
ポイントは、できるだけ大きくお腹を膨らませます。
お腹が膨らまないと腹横筋があまり刺激されないので、上手く膨らまない場合は手足は下ろしたままでお腹を触りながら深呼吸するところから始めてみましょう。
有酸素運動
腰痛をはじめとする慢性的な症状には有酸素運動が効果的です。
ウォーキングやジョギング、自転車漕ぎなど、自分に合った方法で有酸素運動を行いましょう。
時間にすると20〜30分、頻度は週に2〜3回程度行えるとベストです。
最初から20分やろうとか、早い速度でジョギングしようとしなくても良いので、少しずつ時間を増やしていければ良いです。
いきなり完璧を求めると、中々継続できずに止めてしまうことも少なくないので、それなら短い時間でも軽い運動でも良いので、継続することを大切にしましょう。
理学ボディのおすすめ
今回紹介した対策を実践しても中々腰痛がなくならないという方は、理学ボディで施術を受けることがおすすめです。
理学ボディでは、最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
筋膜は筋肉を覆っている膜状の組織で、筋膜が硬くなると筋肉の柔軟性が低下、筋力が発揮しにくいなどが起こります。
筋膜の硬さのある場所はピンポイントで存在しているため、ストレッチやマッサージでは中々ほぐすことができません。
もし、筋膜の硬さが腰痛に影響しているのなら、ストレッチやマッサージをしていても中々改善することは難しいでしょう。
ですが、筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、ピンポイントの硬さでも見つけることができます。
もし、腰痛がなくならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
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