こんばんは、青山のパーソナルトレーナー木城です。
「最近疲れやすくなってきたわ」
「もう歳だし仕方ないね」
年配の方のお話を聞いていると、こんな話をよく耳にします。
うちの親父は63歳でもう50年以上バトミントンをしているのですが、最近
「歳のせいでスタミナがなくなってきた。もう引退かな(笑)」
なんて言っています。
私が
「何言ってんだよ、気合だよ!笑」
と言うと
「おまえはまだ若いからそんなことが言えるんだ」
と言われてしまいました。
たしかに60年も生きたことがない私には、正直体感としてどれぐらいしんどいのかはわかりません。
ですが理学療法士やパーソナルトレーナーの仕事をしていると、こういう相談をよく受けるので、
『疲れやすい体』『体力の低下』『スタミナの低下』
という抽象的なテーマについて、科学的にはどういうことになっていて、どうすればこれらを改善できるのか、いろいろと検証をかさねてきました。
ということで今回は、『疲れない体の作り方』について書いていきたいと思います。
なぜ人は歳をとると疲れやすくなるのでしょうか?

なぜ歳をとると疲れやすくなるかを説明する前に、まず人間の体を動かしているエネルギーについて説明させてください。
人の体を動かしているエネルギーとは?
私たちの筋肉の中にはATP(アデノシン三リン酸)という物質が存在しています。
そしてこのATP(アデノシン三リン酸)という物質は筋肉内で分解され、無機リン酸という物質が放出されADP(アデノシン二リン酸)に変わります。
このATP(アデノシン三リン酸)がADP(アデノシン二リン酸)に変わる時に発生するエネルギーが、人の体を動かしています。
つまり、疲れやすい人は、エネルギーの元であるATP(アデノシン三リン酸)が減っている可能性が高いということです。
なぜATP(アデノシン三リン酸)が減ってしまっているのでしょう?

ATP(アデノシン三リン酸)は、摂取した栄養素や、呼吸で得た酸素、クエン酸回路でつくられるエレクトロンの3つを原料に、細胞内のミトコンドリアと呼ばれる場所で生産されています。
このエンジンのような役割をしているミトコンドリアですが、1つの細胞につき1000~3000個あると言われています。
ですがこれが年齢とともに減っていきます。いわゆる老化現象です。
結論としては、ミトコンドリアの減少が疲れやすい体の原因になっている可能性が高いです!
※もちろん上であげた、摂取した栄養素や、呼吸で得た酸素、クエン酸回路でつくられるエレクトロン、の3つのうちいずれかが不足していても疲れやすい体になりますが、ここでは最も多くの人が陥りやすいミトコンドリアの減少についてフォーカスしています。
わかりずらいので▼に私たちの体を動かすエネルギー産生の流れを図にしてみました。

ミトコンドリアの数を増やすには
ATPが足りていない状態を意図的に作り出すことで、ミトコンドリアは増えます。
「ちょっと待って!そもそも老化でミトコンドリアが減ってるからATPの量も減ってて、疲れやすいんでしょ?それなのにATPの足りない状態を意図的に作るって意味がわからない!もともと足りないのにもっと足りなくしろってこと?」
すいません、ちょっとわかりずらいのでもう少し説明させてください。
ATPが足りていない状態を意図的に作り出すことと、老化でミトコンドリアの絶対数が減ることの違い

老化では、ミトコンドリアが減少するので、ATPも減少します。
ミトコンドリア1000 → ミトコンドリア100
ATP1000 → ATP100
のような感じで、ミトコンドリアの絶対数自体が減っていますが、数に対してATPを産出している割合は変わっていません。
それに対して、ATPが足りていない状態を意図的に作り出すというのは
ミトコンドリア1000
ATP1000 → ATP100
ミトコンドリアの量に対してATPが不足している状態を作るということです。
ATPが不足している状態になるとなぜミトコンドリアの量が増えるの?

ATPが不足すると、ミトコンドリアの働きを監視ている酵素が細胞内でスイッチを入れて、ミトコンドリアが分裂して数を増やすようになっています。
なのでどんどんATPが不足した状態に自分を追い込んでいくと、結果的にミトコンドリアが増えて疲れずらい体になるということです。
ATPが不足した状態にするには具体的に何すればいいの?

それは、自分にとって少しきつい負荷を体にかけて運動することです。
運動の内容に特に決まりはありません。
筋トレ、ランニング、早歩き、なんでも構いません。
ただし自分にとってあまり楽すぎるものはATPの不足が起きないので意味がなくなってしまいます。
なので、ポイントは少しきつい運動です。
ミトコンドリアを増やす食事とは

ミトコンドリアを増やす時に必要な栄養素は『タウリン』になります。
タウリンが多く含まれる食材とは?
- たこ
- いか
- あさり
- ほたて
- サザエ
- 牡蠣
- ブリ
- カツオ
等の魚介類に多く含まれています。
肉類にも多少含まれてはいますが、含有量は魚介類の1/100ぐらいです。
なのでよく定食屋で、スタミナ丼やスタミナ定食という名で、肉料理が出てきますが、実は的外れで、本当にスタミナをつけたければ、築地の海鮮丼を食べてください(笑)
ミトコンドリアの働きを助ける食材

ミトコンドリアがATPを作るのを助ける食材というものもあります。
それは、『鉄』と『ビタミンB群』です。
鉄が多く含まれる食材
- レバー
- マグロ
- パセリ
ビタミンB群が多く含まれる食材
- 豚肉
- うなぎ
- 卵
カロリー制限でもミトコンドリアは増える
カロリーを適度に制限することで、上で述べたATPが不足した状態が作り出せるので、これでもミトコンドリアが分裂し増えます。
ただしこれは制限すればするほど良いというわけではなく、健康を害さない程度に制限することがポイントです!
1人で実践するのが難しいというあなたへ

疲れやすい体を改善するための方法をここまで書いてきましたが、
- これを自分一人で実践できる気がしないという方
- 今の自分の体に具体的にどの程度の負荷をかけて、どんな食事をしたらいいかわからないという方
- どうせ運動するなら、もっとも自分の体にあった運動をしたいという方
私のサロンでは、理学療法士の資格を持ったパーソナルトレーナー木城があなたが疲れにくい体になるために1番適した運動や食事を指導しています。
もし少しでも興味がある方がおられましたら、気軽にご相談ください。
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