突然ですが、以下のような手首の悩みを感じていませんか?
- 朝起きると、手首、指の痛みやこわばりを感じる
- 痛み止めを飲んでいるが、手首の痛みが良くならない
- 買い物で重い物を持つのが辛い
これらの悩みは『更年期』のせいかもしれません。
更年期が原因の痛みは更年期のものとして対応しないといけません。
そのため、整形外科に行っても原因がよく分からず、湿布や痛み止めだけ出されて終わりという場合も少なくありません。
本記事では、更年期の世代で考えられる手首の痛みで考えられる原因と対処法について解説していきます。
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更年期の手首の痛みで考えられる5つの疾患


更年期の手首の痛みで考えられるのは主に以下の5つです。
- 手根管症候群
- 腱鞘炎
- 変形性手関節症
- TFCC(三角繊維軟骨複合体損傷)
- 関節リウマチ
それぞれ手首の痛みとどう関係するのかを解説します。
1.手根管症候群
手根管とは、手のひらにある複数の小さな骨とその上を横切る靭帯とで作られるトンネルのような空間のことを指します。
そのトンネルにはいくつかの腱と神経が通っています。
この腱と神経が通る手根管が圧迫されたり、腱や神経がこすれる摩擦によってしびれや痛みが起こることを『手根管症候群』と呼びます。
手根管症候群を発症するのは、女性で圧倒的に多いのも特徴の1つです。
症状としては、手首から指にかけての痛みとしびれが主で、夜中から明け方にかけて痛みが強くなるのが特徴です。
以下の症状がある場合、手根管症候群の可能性があります。
- 夜中から明け方にかけて強くなる痛み
- 手を使う作業、運動時に強くなる痛み
- 手を振ることで痛みが和らぐ
- 親指、人差し指、中指と薬指の親指側の痛み、しびれ
※手根管症候群の原因や対処法、当院の施術による改善例については下記の記事にもわかりやすくまとめています。
2.腱鞘炎
ここで言う腱鞘炎には主に以下の2つあります。
- 尺側手根伸筋炎
- ドケルバン病
尺側手根伸筋腱は手首の小指側を通る腱で、手首を小指側に倒す働きがあります。
この腱が周りの靭帯や骨とすれたり炎症を起こすことで痛みを感じることを尺側手根伸筋腱炎と呼びます。
ドケルバン病は手首の親指側を通る短母指伸筋腱と長母指外転筋腱の炎症を指します。
この2つの腱が尺側手根伸筋腱炎と同様に、周りの靭帯や骨とすれたり炎症を起こすことで痛みを感じます。
原因としては、ドアノブを回すような手首の動きや不慣れな手作業、手を酷使する作業などが挙げられます。
また、妊娠出産期の女性や更年期の女性にも多く生じます。
参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
以下のテストでそれぞれ小指側に痛みがある場合は尺側手根伸筋腱炎、親指側に痛みがある場合はドケルバン病の可能性があります。
小指側の腱鞘炎を評価するテスト(合掌回外テスト)
- 胸の前で手のひらを合わせて合掌する
- 合掌したまま、指を下に向けるように手首を動かす
- この時に痛みが出れば尺側手根伸筋腱炎の可能性あり
親指側の腱鞘炎を評価するテスト(Eichhoff test)
- 親指を人差し指から小指で握り込む
- 握り込んだまま小指側へ手首を倒す
- この時に痛みが出ればドケルバン病の可能性あり
※腱鞘炎の本当の原因や痛みの対処法については下記の記事にもわかりやすくまとめています。
3.変形性手関節症
関節の間にある関節軟骨の異常によって症状が起こることを指します。
手首を繰り返し使うような運動、作業によって、軟骨が変形したりすり減ることで、手首の周りに炎症が起こって痛みを伴うようになります。
その症状としては、手首の周りの痛みや腫れ、動かした際の引っ掛かる感じ、違和感が挙げられます。
手の変形性関節症は、手首よりも指で多く、親指や人差し指がしばしば発症します。
以下の症状に当てはまる場合、変形性手関節症の可能性があります。
- 手の痛み、うずき、こわばり
- 左右の親指の第1関節、人差し指、中指の第1、第2関節のうち、2つ以上に関節のこわばりと腫れがある
- 左右の親指の第1関節、人差し指、中指の第1、第2関節のうち、1つ以上に関節の変形がある
- 各指の第1関節の腫れは合計2つ以下
- 各指の第2関節のこわばりと腫れは合計2つ以上
※似たような手首の痛みについて、関連する疾患や対処法は以下の記事にも記載しています。
4.TFCC損傷
TFCCとは、小指側の手首と腕をつなぐ複数ある靭帯や腱の総称を指します。
スポーツや外傷、手首の使いすぎによって、手首の小指側のTFCCに痛みを感じるものがTFCC損傷です。
手首はよく動く関節である反面、とても負担がかかりやすい部分でもあります。
その手首にかかる負担を減らすのがTFCCで、クッションのような役割を担っています。
TFCCが損傷すると、そのクッションの役割が果たせなくなり、骨や腱、靭帯同士ですれて炎症を起こすので痛みを感じるようになります。
以下のテストで手首の小指側に痛みが出現する場合、TFCC損傷の可能性が高くなります。
骨や靭帯が原因の痛みを評価するテスト(Ulnocarpal stress test)
- 手首を真っ直ぐに保つ
- そのまま手首を小指側に倒す
- 痛みが出ればTFCC損傷の可能性あり
※TFCC損傷の原因や痛みの対処法については下記の記事にわかりやすくまとめています。
5.関節リウマチ
関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することによって関節内に慢性の炎症を生じる疾患です。
参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
症状としては、最初は手足の指の関節が左右対称に腫れ、それが手首にも進行し、こわばりを感じたり痛みを感じるようになっていきます。
30〜40代の女性に多いのが特徴の1つです。
以下の症状に当てはまる場合、関節リウマチの可能性が考えられます。
- 朝のこわばりが少なくとも1週間以上続く
- 少なくとも、3関節領域以上が同時に腫れる、もしくはむくむ
(関節領域とは、左右の指の第1、第2関節、手関節、肘関節、膝関節、足関節、足の指の第1関節を指す) - 手首、または指の第1関節、または第2関節の腫れと痛み
- 左右対称に腫れや痛みを感じる
※リウマチによる手首の痛みや、似たようなケースの見分け方については下記の記事に詳しくまとめています。
更年期になって手首が痛い場合に考えられる2つの原因


手首の痛みを起こす疾患が更年期に多いことが分かりました。
ただ、更年期の方が全員手首を痛めているかというとそうではありません。
更年期の方が手首を痛くする原因には以下の2つがあります。
- 女性ホルモンの低下
- 手首・腕の硬さ(手首・肘・肩)
それぞれどのように手首の痛みと関係するか解説します。
女性ホルモンの低下
女性は50歳前後で閉経を迎え、この前後10年くらいを更年期と呼んでいます。
この時期は女性ホルモンのエストロゲンと呼ばれるものが急激に減少するため、体に不調が起こりやすくなります。
手首の痛みの原因は、腱や筋肉、軟骨の傷やすり減りが原因です。
女性ホルモンのエストロゲンは、腱や軟骨の機能を守る役割があります。
なので、女性ホルモンが低下すると、腱や軟骨が傷ついたり炎症を起こしても完全に修復されず、手根管症候群や腱鞘炎など手首の痛みを起こす疾患につながるのです。
手首の痛みが更年期障害の1つと言われのはこのことからも考えられるでしょう。
手首・腕の硬さ(手首・肘・肩)
女性ホルモンの低下だけでは手首の痛みは起こりません。
手首の腱や軟骨を傷つける原因があって、女性ホルモンの低下が加わることで、初めて手首が痛くなります。
その原因というのが、手首や腕の硬さです。
手首が硬いと手首を使うたびに腱や靭帯、軟骨に負担がかかってしまいます。
手首の動きに合わせて、腱や靭帯は伸びますが、硬くなるとわずかな手首の動きでも腱は強く伸ばされてしまいます。
それを繰り返すことで、腱や靭帯には小さな傷がついて炎症を起こす原因になります。
また、肘や肩の硬さも手首の痛みに関係します。
それぞれがバランス良く動くことで、手首だけに負担が集中するのを防いでいるのです。
なので、肘や肩の硬さがあると、手首に負担が集中してしまい、結果として手首の痛みを起こすことになってしまいます。
更年期になって手首が痛い場合の5つの対処法


ここまでのことを踏まえると、女性ホルモンの低下に対する対策、手首の腱や靭帯の硬さや炎症に対する対策の2つ必要になることが分かりますね。
そうすると、以下の5つが対策として考えられます。
- エクオール
- 固定・安静
- ステロイド注射
- 非ステロイド性抗炎症薬
- ストレッチ
それぞれ具体的にどんな対策なのか解説します。
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エクオール
女性ホルモンの低下が原因なら、女性ホルモンであるエストロゲンを増やせば良いと思うかもしれませんが、これにはリスクがあります。
長期的にエストロゲンを投与すると、血栓症や脳梗塞、乳癌といった合併症を伴うことがあり、手首の痛みの治療には適しません。
そこで、注目されているのが、エストロゲンと構造が似ているエクオールです。
エクオールとは、大豆イソフラボンの代謝物で、最近ではドラッグストアでもサプリメントが販売されています。
エクオールは特に関節痛に効果があるとされているため、市販のサプリメントを摂取することも1つの手です。
固定・安静
手首の動きに伴う、腱や靭帯、神経の動きを休ませることが目的です。
炎症が起きているのに手首を動かしていると、中々炎症は落ち着きません。
炎症がある場合は安静が原則です。
ただ、手首は日常生活でもよく使う部位なので、サポーターやテーピングで手首を覆うように固定することが望ましいです。
ステロイド注射
ステロイド注射は関節の中へ注射することで、即効性に作用し、炎症を抑えてくれる効果があります。
ただ、打つのは痛みが強く早急に痛みを和らげる必要がある場合で、2週間を目処に使用されます。
即効性はありますが、使いすぎは逆効果になることもあるので、基本的に長期間は使用されません。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)
ステロイド注射と同じく、炎症を和らげる効果があります。
湿布のように貼り付けるタイプや塗るタイプなど様々で、ステロイド注射とは違って日常的によく用いられる薬です。
痛みがそれほど強くなく緊急性がない場合はこちらが選択される場合が多いでしょう。
ドラッグストアなどでも販売されているロキソニンやモーラスもこれにあたります。
ストレッチ
ここでは手首の筋肉のストレッチを紹介します。
手首のストレッチ(親指側の筋肉)
- 痛い側の肘を伸ばし、手のひらを上に向ける
- 反対の手で痛い側の手首を反らす
- 10〜20秒キープする
手首のストレッチ(小指側の筋肉)
- 痛い側の肘を伸ばし、手のひらを下に向ける
- 反対側の手で痛い側の手首を曲げる
- 10〜20秒キープする
まとめ
更年期の女性は、他の年代や男性と比べても手首の痛みを感じることが多いです。
ただ、手首の痛みと言っても考えられる疾患や原因は複数あるので、自分がどれに当てはまるのかを理解することが大事です。
その上で、必要であれば整形外科を受診して適切な治療を受けるのが一番です。
整形外科に行ったけど痛み止めを処方されただけで良くならない、受診するほどではないけど痛みが気になるという方は、本記事を読んでご自身に合った対策を試してください!