歩く際に、足の指と指の間に痛みやしびれがある場合、それは「モートン病」と呼ばれる病気かもしれません。
ですが、モートン病と言われても聞いたことのない方がほとんどだと思うので、どう対処したら良いか分かりませんよね。
原因の1つに、つま先に負担をかけた歩き方が考えられます。
特に女性でハイヒールを履く方は当てはまりますが、男性であってもモートン病になる方はおられます。
そこで、今回はモートン病の原因となる歩き方と歩く際に痛みが出る時の対処法を解説します。
モートン病は歩き方に原因があるの?
原因が全て歩き方にあるわけではありませんが、モートン病を引き起こす1つの要因になる可能性はあります。
そもそも、モートン病とは、障害神経の足趾間に感覚障害があり、中足骨頭間足底に腫瘤と同部のティネルサイン(神経障害部位をたたくとその支配領域に疼痛が放散する)があれば診断は確定できます。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
簡単に言うと、足の指と指の間にある神経が何らかの原因で障害されると、その神経が支配する領域に痛みやしびれなどの症状が出現します。
また、長期間神経が障害されると、神経が腫れて大きくなる神経腫と呼ばれるものになる場合があります。
神経腫がある場合、手術で神経腫を取り除くこともあります。
足の指の中でも中指と薬指の間に症状が出ることが多く、人差し指と中指の間、薬指と小指の間に症状が出る場合もあります。
モートン病の原因に関して、歩き方とどう関係するのかを解説します。
つま先側に負担がかかる歩き方が原因
結論から言うと、つま先に負担がかかる歩き方に原因があります。
モートン病の病態は以下のように考えられています。
槌趾変形がある場合や中腰の作業、ハイヒールの常用などで趾の付け根の関節(MP関節:中足趾節関節)でつま先立ちをすることによって、足趾に行く神経が中足骨間を連結する靱帯(深横中足靱帯)のすぐ足底部を通過するため、この靱帯と地面の間で圧迫されて生じる神経障害です。■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
つま先立ちやハイヒールを履いた時のようにつま先に体重をかけて歩くと、足の指と指の間にある靭帯がすぐ下にある神経を地面との間で圧迫します。
それによって、神経に圧迫や摩擦が加わることが痛みを引き起こす原因の1つとなります。
走ることが原因にはならない?
マラソンや日常的にランニングをする方は、それが原因と言われることもあります。
確かに、走る時は歩く時と比べてもつま先で強く蹴り出すため、つま先に負担がかかりそうですよね。
しかし、モートン病になる全ての方がランニングをしているわけではなく、していない方でもモートン病で痛みが出る場合もあります。
つまり、ランニングはあくまで原因の1つの要因であって、ランニング自体が根本的な原因ではないのです。
モートン病で歩く時に痛みが出る場合の対処法3選
つま先に負担がかかることがモートン病の原因の1つではありますが、必ずしもランニングでモートン病になるわけでもありません。
では、どう対処したら良いのでしょうか。
モートン病の場合、障害された神経やその周りで炎症していることも考えられるため、まずはつま先に負担がかからないように対処することが望ましいでしょう。
モートン病で歩く時に痛みが出る場合の対処法を以下の3つにまとめました。
- つま先に負担がかかる靴をやめる
- テーピングでつま先の負担を軽くする
- インソールを履く
それぞれ解説します。
つま先に負担がかかる靴をやめる
日常的にハイヒールなどつま先部分が細く、つま先に負担がかかる靴を履いている場合はやめましょう。
男性の場合、作業靴などつま先が硬いものの場合、それが負担となっていることも考えられます。
他にも、靴紐のない靴は靴の横幅を調整できないので、靴紐のある靴の方が良いでしょう。
また、室内でも裸足ではなく、スリッパなどを履くことで神経が床と直接触れるのを避けることができます。
あまりにもペラペラなスリッパだと効果は薄いですが、ある程度厚みのあるものであれば、クッションの役割を果たしてくれるので、痛みを和らげてくれます。
テーピングでつま先の負担を軽くする
足の裏にテーピングを貼ることで、つま先にかかる負担を軽くすることができるので、こちらもお勧めです。
モートン病の方は、指と指の間が広がり、足の横幅が広くなっている開張足と呼ばれる状態となっている場合が多いです。
本来、足の裏と地面の間はぺったりとついておらず、アーチと呼ばれる構造があることで、わずかに隙間があいています。
土踏まずがその1つですね。
土踏まずは足の縦のアーチですが、親指から小指を横切るように横のアーチも存在します。
モートン病の方は、この横のアーチが潰れて低くなっていることが多く、そのため、足の横幅が広くなっているのです。
すると、地面と足の裏の間は隙間がなくなり、神経が地面との間でより圧迫されやすくなってしまいます。
それを防ぐために、足の裏にテーピングを貼ることで横のアーチをサポートする方法があります。
- テーピングを足の横幅より少し長く切る
- テーピングをよく伸ばした状態で、足の第1関節に合わせて母指球にかかるように踏む
- そのままテーピングをきれいに貼る
このように貼ることで、テーピングが縮むように力が加わるので、足を着いた時に指が開くのと反対の力が加わることになります。
なので、横のアーチをサポートしてくれ、つま先にかかる負担を軽くしてくれます。
インソールを敷く
インソールは靴はそのままでできますので、取り入れやすい対処法です。
インソールを使用することで、テーピングと同じく横のアーチをサポートできること、つま先に体重がかかりにくくすることができます。
市販のインソールは様々な種類があります。
選ぶポイントとしては、以下の2つです。
- インソール中央に高さがある横のアーチを支えてくれるタイプ
- インソールの外側に高さがあり、内側に体重がかかりやすいタイプ
ただ、靴があまりにもつま先が細いタイプのものにインソールを入れると、靴の中が狭くなって逆効果になることもあります。
その場合は、インソールを入れれば大丈夫というわけにはいかないので、靴を変えることも検討すべきでしょう。
モートン病の痛み改善ができる筋膜リリース
上述した3つの対処法はあくまでも痛みを和らげてくれるだけで、根本的な解決にはなっていません。
ストレッチやマッサージも効果はあるかもしれませんが、多くは一時的なものに過ぎません。
そこで痛みの改善が期待できるのが、「筋膜リリース」です。
モートン病に筋膜リリースが効果的な理由を解説していきます。
筋膜リリースがモートン病の痛み改善ができる理由
モートン病は神経が圧迫や摩擦を受けることで、神経に問題が起こることが原因です。
圧迫や摩擦が加わらないようにすることは、靴やインソールで対処もできます。
ですが、神経自体が障害された場合は靴やインソールを見直しても、治すことはできません。
そこで、筋膜リリースの効果が期待できます。
何故なら、神経も筋肉と同じように、筋膜で包まれているため、筋膜をほぐすことで根本的な原因に対して対処できるのです。
モートン病の痛み改善が期待できる筋膜リリースの方法
上述した靴やインソールなどの対処法も行いつつ、筋膜リリースをすることで根本的な改善も期待できます。
実際、硬くなった筋膜をほぐすことで、モートン病の痛みやしびれが改善する場合も多いです。
なので、まずはご自身でもできますので、今から解説する方法を参考にして筋膜リリースを試してみてください。
筋膜リリースの方法としては、一般的なマッサージのように揉むのではなく、少し圧を加えつつこするように行います。
消しゴムを使う際にゴシゴシこするイメージで筋膜をほぐします。
始めは痛いかもしれませんが、数分続けていると徐々に痛みが減ってくるので、そのまま続けてください。
ほぐす場所は以下に示す場所を参考に行ってみてください。


本当にお困りの方は筋膜リリースのプロがモートン病を改善します
今回紹介した筋膜リリースの方法で症状が改善するのなら、定期的にご自身で続けてみてください。
ただ、今回の方法を試しても中々症状が改善しないのであれば、ご自身で対処するのは難しいかもしれません。
ご自身では限界もあると思いますので、そんな方は筋膜リリースに精通したスタッフがいる当院に来てください。
当院にもモートン病でお悩みの方が多く来られますが、多くは3回以内に改善しているので、あなたのモートン病による症状も3回以内に改善できる可能性が高いです。
本当にモートン病による痛みでお悩みなら、一度当院へのご来店を検討してみてください。
まとめ
モートン病による痛みやしびれは、つま先に負担がかかるような歩き方が原因の1つと解説しました。
ですが、あくまでも原因の1つであって、ランニングのように歩くよりもつま先に強く負担のかかることを日常的に行っていても、モートン病になる人とならない人がいます。
なので、ランニングをやめれば良くなるという考えよりは、根本的な解決策を考えた方が良いです。
痛みを和らげるための対処法として、靴の見直しやテーピング、インソールといった方法があり、さらに根本的な解決を目指すなら、筋膜リリースがお勧めです。
ご自身でも筋膜リリースをすることはできますが、それでも良くならない症状もあるので、その際は是非当院への来店をご検討ください。