変形性股関節症が貧乏ゆすりで治るって聞いたことはありますか?
これは、久留米大学名誉教授の故・井上明生先生が考えて、広まっていったものです。
簡単に言うと、変形性股関節症で手術が必要だけど手術ができない女性に対して、貧乏ゆすりを指導したところ、1年で以下の効果が出たのです。
- 関節軟骨の再生
- 潰れた股関節に隙間ができる
それ以降も変形性股関節症の人に対して貧乏ゆすりを指導したところ、変形性股関節症の痛みが改善する人が多かったとのことです。
そんな事もあり、変形性股関節症は貧乏ゆすりで治ると言われるようになっていきました。
しかし、これには注意が必要です。
確かに変形性股関節症の痛みが貧乏ゆすりで改善する人もいるとは思います。
しかし、それは10人中何人くらいなのでしょうか?
おそらくですが、10人中1人いればいいくらいの確率なのではないでしょうか?
実際にあなたはどうでしょう?
貧乏ゆすりで治る感じはしますでしょうか?
もちろん、股関節の運動として貧乏ゆすりはいいのですが、それでは治らない人もたくさんいると言う事も知っておいた方がいいです。
そして、変形性股関節症の痛みが貧乏ゆすりでは治らない人はどうすればいいのか?
についても考えておく必要があります。
実際に当院にも変形性股関節症が貧乏ゆすりでは治らなかった人が来られますが、貧乏ゆすり以外の方法で改善した人も多くいます。
それが、筋膜をほぐす施術です。
変形性股関節症の人は股関節の筋膜が硬くなってしまっている人が多いため、筋膜をほぐす事で変形性股関節症の痛みが改善していく人もいます。
なので、今回は変形性股関節症を貧乏ゆすりで治す方法に加え、筋膜をほぐして治す方法についても解説をしていきます。
変形性股関節症について

まずは変形性股関節症について簡単に解説をしていきます。
変形性股関節症は名前通り、股関節に変形が起こって痛みが出る症状です。
ごく初めでは関節がきゃしゃであったり変形しているだけですが、関節症がすすんで初期関節症になると、関節の隙間が狭くなったり、軟骨下骨が硬くなったりします。
さらに進行期関節症、末期関節症となると、関節の中や周囲に骨棘とよばれる異常な骨組織が形成されたり、骨嚢胞と呼ばれる骨の空洞ができたりします。
最終的には体重がかかる部分の関節軟骨は消失し、その下にある軟骨下骨が露出します。
症状
変形性股関節症の症状は以下のような症状が出る事が多いです。
- あぐらができない
- 足の爪を切るのが大変
- 少し歩くだけなら痛くない
- 歩くと股関節が常に痛い
- 安静にしていても股関節が痛い
- 股関節が痛くて足をつくことができない
- レントゲンで股関節の変形を言われた
- 股関節の変形が進んできている
そして、どの症状が出ているかによって変形性股関節症の重症度もある程度わかります。
治療法
変形性股関節症の治療は以下の内容があります。
- 体重を減らす
- 痛み止めを飲む
- 杖を使う
- 水中で運動をする
- 手術
変形性股関節症は股関節に負担がかかると進行していくため、なるべく股関節に負担がかからないようにしていくような事をしていきます。
変形性股関節症の人で体重が重い人は減量を優先的にしていきますし、日頃から歩く習慣がある人は杖を使って股関節への負担を減らしたりします。
しかし、変形性股関節症の人はこれらの治療法では治らない人が多くいます。
そんな時に、貧乏ゆすりが効果的なのではないか?と言う意見が出てきたんです。
変形性股関節症が貧乏ゆすりで治る?

そもそもなぜ?変形性股関節症が貧乏ゆすりで治ると言われるのでしょうか?
なぜ治ると言われるのか?
変形性股関節症が貧乏ゆすりで治ると言われる理由は2つあります。
- 関節に栄養が行き渡る
- 筋肉の状態がよくなる
1.関節に栄養が行き渡る
人間の関節は関節軟骨と言うものがあるだけでなく、関節自体が関節液という水分と接しています。
簡単にいうと、関節の周りに関節包という袋があり、その中に関節液という水分がある感じです。

引用:【変形性股関節症の保存療法】ジグリングのやり方 貧乏ゆすりが痛みの軽減や軟骨再生の可能性も期待できる
そして、この関節液は関節軟骨に栄養を与える役割があります。
具体的には、歩いたり股関節を動かす事で関節液が循環して、関節軟骨に栄養を届けるイメージです。
しかし、股関節が硬い人や痛みであまり動かせない人は股関節の動きが少ないため、関節軟骨に栄養を届ける関節液の循環が悪くなります。
そうなってしまうと、関節軟骨に栄養が行かないのでいい影響はありません。
逆に言うと、貧乏ゆすりのような負担の少ない動きでもいいので股関節を動かす事で、関節液の循環がよくなるので関節軟骨の状態が良くなる可能性が高くなり、変形性股関節症の痛みも軽減すると言う事です。
2.筋肉の状態がよくなる
変形性股関節症と診断されたからといって、全員に関節の痛みが出ている訳ではなく、多くの人は筋肉などが痛みを出しています。
簡単に言うと、変形性股関節症で関節が痛みを出すのは、関節が潰れてしまっている人だけで、関節の隙間が残っている人は関節の痛みではなく筋肉などの痛みと言う事です。
なので、筋肉が少しほぐれるだけで痛みが軽減する人も多くいます。
なので、筋肉がほぐれるとメリットがあるのですが、変形性股関節症の人はストレッチなどで痛みが出てしまったり悪化する人が多くいますし、下手に運動しても悪化する人が多いので、筋肉をほぐすのも簡単ではありません。
しかし、貧乏ゆすりであれば股関節にかかる負担がとても少ないので、簡単にできる人が多いです。
変形性股関節症が貧乏ゆすりで治らない人
ここまで読むと、貧乏ゆすりで変形性股関節症の痛みが改善するかもしれないと思う人もいると思いますが、貧乏ゆすりで変形性股関節症の痛みが改善する人は少数です。
なぜなら、変形性股関節症の人は他にも痛みを引き起こしている可能性が高い原因があるからです。
もしくは、変形性股関節症が進んでいる人もいい効果は得られない事が多いです。
変形性股関節症が貧乏ゆすりで治らない人は

変形性股関節症が貧乏ゆすりで治らない人はどうすればいいのでしょうか?
関節の変形が進んでいたり隙間が潰れている人は手術が必要になる人が多いですが、痛みがあっても変形があまりない人や股関節の隙間が保たれている人は、他の方法で痛みが軽減する可能性があります。
それが、筋膜に対するアプローチです。
筋膜リリースと言うとわかりやすいかもしれません。
筋膜をほぐすと痛みが減る?
変形性股関節症の人で変形が進んでいない人や関節の隙間が保たれている人は、股関節の痛みが関節の痛みではない可能性が高くなります。
なぜなら、関節が潰れたり変形しなければ、関節の痛みは出ないからです。
しかし、関節の変形が少なくても痛みが出ている人は多いです。
そのような人の体を調べると、股関節周りや股関節と繋がっている筋膜が硬くなっている人が多い印象があります。
筋膜を簡単に言うと、筋肉や関節などを包んでいる膜で、全身に繋がるように存在しています。


そして、この筋膜が硬くなる事で包んでいる筋肉や関節も硬くなってしまったり、痛みを引き起こしたりしてしまいます。
なので、この股関節と関係している硬くなった筋膜をほぐす事で、変形性股関節症の痛みが改善する人が多くいるんです。
ですので、次は実際に筋膜をほぐす事で変形性股関節症の痛みが改善した女性の例を紹介します。
変形性股関節症の痛みが改善した例

今回は、変形性股関節症で痛みを抱えていたAさんと言う男性の例を紹介します!
股関節が痛いAさん
1週間後につくばマラソンを控えていたAさん。
以前一度別のイベントの仕事でお会いしたことがあり、知人が紹介してくれたこともあって、Facebookのmessengerで連絡をくれて私のサロンに来てくれました。
練習中に、股関節の奥?股関節の付け根?らへんが痛くなってしまいました。
今まではいくら走ってもこんなことはなかったので、初めての感覚で少し怖いです。
すぐ良くなるかと思っていましたが、数日しても痛みはほとんど変わりません。
今は歩くときに若干痛いです。
あとは、股関節を曲げても痛いです。
少しなら無理して走れなくもなさそうだけど、42Kmは厳しそうです。
もうつくばマラソンが来週に迫っているので、かなり不安です。
なんとかなりますか?
とのことでした。
股関節に出る痛みをチェック
Aさんの股関節の痛みを実際にチェックしていきました。

すると腰を後ろにそろうとすると痛みが出ました。

腰を左に倒しても痛みが出ました。

歩く時に体重がかかると股関節に痛みがあるようで、歩くだけで痛いのにマラソンを走るのはとても不安とのこと。
他にも寝ながら股関節を動かしても痛いし、可動域も狭くなっているとのことでした。


Aさんはこんな感じで股関節に痛みが出ている状態でした。
Aさんの筋膜をチェック
次にAさんの筋膜で硬くなっている場所がないか、硬さをチェックしていきました。
すると、以下の場所に筋膜の硬さが確認できました。
- 足首
- ふくらはぎの内側・外側
- モモの内側・外側
- 臀部
- 股関節の前側
このように、痛いのは股関節でも筋膜が硬い場所は股関節以外に多くあります。

そしてこの硬い筋膜をほぐすようにしていきました。
その結果、
Aさん「だいぶ良くなりました!痛みはほとんどなくて、さっきを10だとしたら今2ぐらいです!」
とのことでした。
ただ、1週間後にフルマラソンということで、まだまだこれだと不安だったので、マラソンの2日前に予約を入れてくれました。
2回目の筋膜調整
2回目は、来てもらった時点でほとんど痛みはなくなっていました。
Aさん「あれから木城さんの言っていた通りに、3日後から急になんともなくなりました。何故なんですか?」
筋膜調整では、硬くなった筋膜内のヒアルロン酸を炎症反応による熱で溶かしています。その炎症反応は生理学的に72時間ぐらいは持続するので、日が経てば経つほど良くなるケースが結構あるんです。
木城
ということで、股関節の痛みはなかったのですが、念のために1回目でチェックしきれなかった痛い足とは反対足の右足の筋膜もチェックしていきました。
すると、
右の膝と股関節周りにも硬さがありました。
ここを入念に筋膜調整した結果、股関節の痛みが改善されました。
詳細は以下の動画をご覧ください。
Aさん「痛み0です!今日は可動域もめちゃくちゃ広がりました!!」
と喜んでいただけました。
施術結果
実際にAさんにマッサージをした場所を一部紹介します。
あなたもここが原因とは限りませんが、試してみることをオススメします。
筋膜をほぐすのは難しいので、思うように効果が出ない人もいるとは思いますが、少しでも症状が変わるようであれば、あなたの痛みは筋膜が関係している可能性が高いです。
当院で行っている筋膜の施術に関しては、以下の動画と記事にも詳しく書いてあります。
変形性股関節症が貧乏ゆすりで治らないあなたへ
ここまでやってみて、変形性股関節症の痛みが変わる人もいれば、あまり変わらない人もいます。
あまり変わらない人は、自分でやるには限界があると思いますので、私たちプロに任せてください。
実際に当院には変形性股関節症で痛みがある人が多く来られていますが、多くの人が施術によって痛みが軽減しています。
もちろん、あなたも必ず痛みが改善するとは言い切れませんが、他の整体よりは早く改善できる自信があります。
ですので、私たちに任せてください!
あなたは、股関節の痛みが改善したら、
- どれだけ楽になりますか?
- すごい嬉しくありませんか?
- 気持的にも楽ですよね?
私たちがそれを実現させるために、全力でサポートさせていただきます。
少しでも気になる事がありましたら気軽にお問い合わせしてください!