この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
歩く際に足の裏が痛い、地面に足をつくと痛い、と感じることはありませんか。
このような場合は、足底筋膜炎が原因かもしれません。
普段あるべき足底のクッション機能が損なわれることにより、炎症が起きてしまうことがあります。
歩くたびに痛みを感じることは大きな苦痛になってしまうため、痛みを感じないための予防や、痛みの早期の治療が大切です。
本記事では、足底筋膜炎の症状や原因、改善方法、予防法について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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足底筋膜炎について
足底筋膜炎とは、足裏の指の付け根からかかとまでの足底筋膜が炎症を起こす病気です。
加齢や過度な運動時に足底の筋膜に傷がつくことにより、痛みが生じます。
スポーツをする若者や、加齢に伴いふくらはぎやアキレス腱が硬くなる40~50代の方に多くみられる症状です。
足底筋膜炎は足の裏・かかとが痛む?
足底筋膜炎のおもな症状は、足の裏やかかとが痛むことです。
これは足底筋膜が固まり、クッション機能が損なわれた状態になった足裏が、体重を支えるときに筋膜が押されたり、ヒビが入ったりして痛みが発生するためです。
歩き始めや長時間立っているとき、または足に負荷がかかることにより痛みが出ます。
足底筋膜炎の原因について
足底筋膜炎が発症する原因には、以下の5つが挙げられます。
- 肥満
- 長時間の立ち仕事
- 長時間の歩行や走行
- 不適切な靴の着用
- 加齢による脚の筋力や柔軟性の低下
足底筋膜炎の症状について
足底筋膜炎の症状により、歩き初めに足底が痛み出しますが、しばらく歩き続けると痛みが治まることがあります。
しかし長距離を走る場合などは、長時間足底に負荷がかかるため徐々に痛みが強くなります。
また身体を動かす以外にも、足底のアーチが高すぎたり低すぎたりする場合も同様に痛みが生じるため、注意が必要です。
足底筋膜炎の検査・診断
足底筋膜炎を診断するには、病歴と身体検査を行います。
病歴において医師が確認する内容は、以下のとおりです。
- 足の痛み
- 不快感
- 活動量
- 運動習慣の変化
- 過去の足の怪我
- 手術歴
上記の内容を確認したうえで、身体検査で足の筋肉や靭帯の硬さ、歩行や姿勢の異常をみていき、必要に応じて超音波検査やMRIを用いた画像診断が行われます。
これらの検査情報をもとに、筋膜の炎症や断裂の有無を確認し、足底筋膜炎かどうかを判定していきます。
足底のなかでも、土踏まずが急に痛くなった場合のセルフチェックや対処法についても解説しています。
ぜひご覧ください。
足底筋膜炎の治療法
足底筋膜炎の治療法は、以下のとおりです。
- 薬物療法・安静
- 装具療法
- リハビリテーション
- 体外衝撃波治療
- 手術
それぞれみていきましょう。
薬物療法・安静
足底筋膜炎のおもな治療法として、薬物療法や安静が重要です。
ここでの薬物療法とは、抗炎症効果のある薬を使用する方法です。
薬によって炎症を抑え、足底筋膜の痛みを和らげることが期待できます。
足底筋膜炎は、過度な運動や立ち仕事などで足に負担がかかった場合に発症することが多いため、負担を緩和するためには足を十分に休ませることが必要です。
ただし、完全な安静も逆に筋肉が硬くなる原因になるため、適度な運動を心がけましょう。
装具療法
足底筋膜炎の治療法の一つに、装具療法があります。
専用のサポートブレースやシューズインソール、ナイトスプリントなどを用いて足部を適切な位置に保持し、筋膜への負荷を減少させるものです。
装具療法によって足底筋膜炎の炎症や痛みの軽減や、さらなる損傷を防げます。
これらの装具の使用と併せて、物理療法や薬物療法、場合によっては手術が求められることもあります。
リハビリテーション
足底筋膜炎の治療法として最初に考えられるのが、リハビリテーションです。
理学療法士の指導のもと、ストレッチやエクササイズで筋膜をほぐしていきます。
特に、アキレス腱やふくらはぎのストレッチが効果的です。
また、足に負担をかけずに日常生活を送るためのウォーキング法も教えてもらえます。
体外衝撃波治療
足底筋膜炎の治療法のなかでも特に注目されているのが、体外衝撃波治療です。
特定の領域に高エネルギーの衝撃波を送り込むことにより、炎症を抑制し痛みを和らげます。
さらに衝撃波は、新たな血管形成を促進して組織の再生を助ける作用がある点も特徴です。
治療は日帰りで、痛みは少ないという利点もあります。
ただし、全ての患者さんに効果があるわけではありません。
その効果を最大限に引き出すためには、適切な使用法や症状に応じた設定が重要です。
手術
足底筋膜炎の治療は、おもに保存療法が優先されます。
痛みを和らげるためのアイシングやOTCの痛み止めが用いられることが多いでしょう。
手術は最後の手段と考えられており、ほかの治療法が効果を示さない持続的な疼痛の場合にのみ検討されます。
手術を選択する場合は、整形外科医による治療が必要です。
一般には足底筋膜の部分的な除去や、あるいは足底筋膜からカルカネウス骨(踵)を解放する手術が実施されます。
ただしリハビリが必須となるため、病状や生活スタイルによっては手術を避けるほうが良い場合もあるでしょう。
そのため手術を考える際は、十分な情報収集と医師との相談が必要です。
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足底筋膜炎のおすすめ予防法
足底筋膜炎は、セルフケアとして日頃からストレッチやトレーニングに取り組むことで予防できます。
足を鍛えるストレッチ
足底筋膜炎の予防には、適切なストレッチが大切です。
足底のストレッチとふくらはぎのストレッチを紹介します。
足底のストレッチ
足底筋膜のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- 足の裏全体を広げて地面にフラットに置く
- つま先をゆっくりと身体の方向に引き寄せる動きを繰り返す
このほかにも、ソフトボールやテニスボールを使って足底を転がすストレッチも効果があります。
これらのストレッチによって足底筋膜の緊張を和らげ、筋肉の柔軟性を高めることで足底筋膜炎の発症リスクが期待できるでしょう。
運動前後のストレッチは、特に効果的です。
ふくらはぎのストレッチ
ふくらはぎのストレッチは、以下のとおりです。
- 壁に手をつき、片足を後ろに置く
- 人差し指を軸につま先をまっすぐにし、かかとを浮かさないよう膝を伸ばす
- その状態で身体を適度に反らす
- 逆足も同様に行う
これを毎日続けることで筋肉が柔らかくなり、足底筋膜への負担を減らすことが可能です。
足にしっかりフィットする快適なシューズを選ぶことも、足への負担を軽減することにつながります。
足底を鍛えるトレーニング
足底筋膜炎は、長時間立っている仕事やランニングなどのスポーツをされている方に多く見られる足の症状です。
足底筋膜炎のおもな原因は、足底筋膜が過度に刺激されることで起こります。
そのため予防するには、足底部を鍛えることが効果的です。
足底を鍛える運動はいくつもあるため、代表的な運動を2つ紹介します。
- グー・チョキ・パー運動
- タオルギャザー
グー・チョキ・パー運動
足底筋膜炎の1つ目の予防法として、グー・チョキ・パー運動がおすすめです。
寝る前や運動前にこのトレーニングをすることで、足底筋膜をストレッチングして予防につながります。
グー・チョキ・パー運動のやり方は、以下のとおりです。
- 足首を伸ばした状態で足指をグー、チョキ、パーの順で動かす
- グーでは足指を曲げる
- チョキでは広げる
- パーでは最大限に伸ばす
足底筋膜への適度な刺激が加わることで、筋膜が適度に伸びて痛みの予防が可能です。
しかし無理な運動は逆効果のため、無理はせずにできる範囲で行いましょう。
タオルギャザー
足底筋膜炎の2つ目の予防法が、タオルギャザーです。
これは、床に広げたタオルを足指でつまみ上げながら足元に引き寄せる運動で、足底筋膜をしっかりと収縮する効果があります。
足底筋膜が硬くなってしまうと、足底筋膜炎を引き起こす可能性があるため柔軟な状態をキープすることが重要です。
適度な運動によって、筋力を保つことも忘れずに行いましょう。
日々の生活のなかで少しの工夫と注意を払うことで、足底筋膜炎の予防につながります。
この記事のまとめ
足底筋膜炎は、普段から歩くとき、立っているときに負荷のかかる足底の筋膜が炎症を起こす症状です。
そのため、誰でも痛みが出る可能性があります。
一般的に足底筋膜炎は、湿布を貼る、リハビリテーションを行うなどの治療法で回復が可能です。
症状が重い場合は手術が必要になることもあるため、痛みが続く場合は担当の医師へ早めに相談しましょう。
足底筋膜炎は、一度痛みが出てしまうと病院や整体、接骨院で治療を行う必要があります。
痛みが出る前に、日頃から簡単に行うことのできるストレッチやトレーニングを取り入れていくことがおすすめです。
少しの時間で取り組めるため、早速今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。
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