腕立て伏せしていると、肘が痛くなってきて続けられない。
腕立てをすると肘が痛くなるが、腕を鍛えるのを止めたくない。
このような悩みありませんか?
腕立て伏せは肩や肘、胸の筋肉を使い、鍛えるための種目ですが、正しいフォームで行わないと、肘に負担がかかり、痛くなってしまう可能性はあります。
続けていればそのうち治ると思い、そのまま続けているとかえって痛みを強くしてしま可能性もあるので、まずは自分のフォームを見直してみることが大切です。
それ以外にも痛くなってしまう原因はありますので、今回は腕立て伏せで肘が痛くなる理由や考えられる事、正しいフォームや対策を解説していきます。
腕立て伏せで肘が痛い理由
腕立て伏せで肘が痛くなる場合、何かしら原因はあるはずです。
それが腕立て伏せのフォームだったり、負荷量だったり、その他の要因であったりと原因は様々です。
肘が痛くなる場合に理由として考えられるのは、主に以下の5つです。
- お尻が上がったまましている
- 肘が外側を向いている
- 肩がすくんでいる
- 筋力が弱い
- 負荷量が強すぎる
それぞれ解説していきます。
お尻が上がったまましている
腕立て伏せを行う際の理想的な姿勢は、頭から足まで真っ直ぐになっていることです。
ですが、お尻を持ち上げ、腰や背中が丸くなった状態で腕立て伏せを行うと、体重が腕にかかってしまうので、肩や肘へかかる負担が大きくなります。
腕立て伏せは肘の曲げ伸ばしを行う種目ですので、肩よりも肘にかかる負担は大きいでしょう。
肘が外側を向いている
肘を曲げて体を下げていく際、脇が開いて肘が外側を向いてしまうと、大胸筋への負荷があまりかからず、肘への負荷が強くなってしまいます。
腕立て伏せは、胸の大胸筋、肘の上腕三頭筋や上腕二頭筋をメインに鍛える種目ですが、大胸筋があまり働かないフォームで行うと、その分の負荷が肘のかかってしまうので、痛くなる原因になります。
肩がすくんでいる
腕立て伏せの際、肩がすくんでしまうと、脇が開きやすくなってしまい、胸や肩に力が入りにくくなってしまいます。
上述したように、肘が外側を向いてしまうことも1つの要因ですが、肩もすくみやすくなっていることにも注意が必要です。
肘が外側を向く場合と同様で、大胸筋の力を使いにくいフォームなので、その分の負荷が肘にかかってしまい、痛くなるげん
筋力が弱い
そもそも、筋力が弱すぎると正しいフォームで行えないので、肘に負担となって痛くなる可能性があります。
腕立て伏せ自体が筋力をつけることが目的の1つであるとは思いますが、正しいフォームで行えほど筋力が弱い場合は話が別です。
その場合、まずはもっと難易度を下げた方法で鍛えないといけません。
例えば、足を伸ばした状態で腕立て伏せをするのが難しいのなら、膝をついて難易度を下げた状態で試してみると良いでしょう。
筋力が弱い方は、無理に腕立て伏せにこだわるのではなく、難易度を下げたり別の方法で鍛えることを考えてみましょう。
負荷量が強すぎる
シンプルに考えて、負荷が強すぎると肘を痛める可能性が高くなってしまいます。
例えば、ゆっくりと時間をかけて肘を曲げ、同じように時間をかけて肘を伸ばしていくというやり方では、普通にするよりも強く負荷が加わります。
実際にやってみると違いがはっきりと分かるはずです。
負荷が強い方がより鍛えられるのでは?と思うかもしれません。
ですが、負荷が強く加わるということは、筋力が弱い場合、正しいフォームで行うのが難しくなってしまいます。
回数を重ねるごとに、正しいフォームから外れて間違ったフォームになってしまい、知らず知らずに肘に負担をかけてしまうと痛みにつながってしまいます。
上級者なら、あえてそうした方法を行う人もいるかもしれませんが、肘が痛くなってしまう場合は正しいやり方で行うのが良いでしょう。
また、回数のこなしすぎも大きな負荷がかかってしまいます。
回数を増やせば、少ない回数で腕立て伏せするよりも効率良く鍛えられるのは事実ですが、自分の限界を超えた回数でやり続けるのは逆効果です。
しかも、間違ったフォームで回数をこなすと、本来それほど負担がかからない場所に過剰に負担がかかってしまいます。
鍛えるにはある程度の負荷をかけないといけないのは事実ですが、明らかに強すぎる負荷は逆効果になりますし、肘を痛めてしまう可能性が高くなります。
効率良く鍛えるには、どれくらいの負荷で行えば良いかは科学的に示されていますので、それに従って回数を決めるのが良いでしょう。
腕立て伏せで肘が痛い時に考えられる事
腕立て伏せで肘が痛い時に考えられる事として、多くは筋肉の使いすぎ、負担のかかりすぎ、関節への一時的な過負荷が原因です。
ですが、それらに当てはまらない場合もあり、そういった場合は以下に示す4つの可能性も考える必要があります。
- 上腕骨外側上顆炎
- 上腕骨内側上顆炎
- 肘部管症候群
- 変形性肘関節症
それぞれ解説していきます。
上腕骨外側上顆炎
上腕骨外側上顆炎とは、肘の外側の骨が出っ張った部分の痛みを指し、いわゆるテニス肘と呼ばれています。
これは、肘の外側に付着する筋肉や腱の炎症による痛みとされています。
肘の外側には、手のひらを上へ向ける長橈側手根伸筋や短橈側手根伸筋、指を伸ばす総指伸筋が付着しています。
症状としては、ものをつかんで持ち上げる動作やタオルをしぼる動作をすると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。
多くの場合、安静時の痛みはありません。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
なので、テニスをしている方だけがなるわけではなく、テニスをしない方であってもテニス肘になる可能性はあります。
上腕骨内側上顆炎
上腕骨内側上顆炎とは、肘の内側の骨が出っ張った部分の痛みを指し、いわゆるゴルフ肘と呼ばれるものです。
これは、肘の内側に付着する筋肉や腱の炎症による痛みとされています。
肘の内側には、手のひらを下へ向ける橈側手根屈筋や尺側手根屈筋、指を曲げる長掌筋という筋肉が付着しています。
炎症を起こしてしまう原因としては、ゴルフはもちろんそうですが、キーボードのタイピングや重い物を持ち上げる、手のひらを下へ向けたまま指を曲げ伸ばししたり力を入れるような動きが原因となる可能性があります。
なので、テニス肘と同じく、ゴルフをしない方であってもゴルフ肘になる可能性はあります。
肘部管症候群
肘の内側には肘部管と呼ばれる組織があり、そこを通る神経を上から押さえる役割を果たしています。
肘部管症候群とは、この部分で神経がこすれたり、筋肉や骨で圧迫されることで、肘から指先にかけて痛みやしびれが出現することを指します。
原因としては以下のようなものが挙げられます。
・神経を固定している靭帯やガングリオンなどの腫瘍による圧迫
・加齢に伴う肘の変形
・子供のときの骨折による肘の変形
・野球や柔道などのスポーツ
・その他
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
症状として特徴的なのが、小指と薬指の一部にしびれが起こり、肘の内側を軽く叩くと小指と薬指にしびれが走るというものです。
そして、症状が進行すると、手の筋肉がやせてきたり、小指と薬指の変形も見られるようになってきます。
変形性肘関節症
変形性肘関節症とは、骨の変形や軟骨のすり減りによって痛みに加えて肘関節の動きも制限された状態を指します。
原因としては、肘関節の酷使(スポーツ、重労働)、肘関節内骨折などの肘関節外傷、関節炎などが原因として挙げられます。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
最初は関節周囲に骨棘と呼ばれる骨の出っ張りができて、動きにくさやこわばりを感じる程度ですが、進行するとさらに動きが制限され、手を口まで持ってこれなかったり、肘を真っすぐに伸ばせなくなることもあります。
以下に当てはまる場合、変形性肘関節症の可能性が考えられますので、一度整形外科を受診して医師の判断を仰ぐことをお勧めします。
- 肘が伸ばしにくい
- 肘が曲げにくい
- じっとしていれば痛くないが、肘を動かすと痛みを伴う
- ある角度で急激に肘が動かなくなり、少しでも動かそうとすると激痛を伴う
正しい腕立て伏せの方法
手をつく位置が広すぎたり、前後にずれていたりすると、正しいフォームで腕立て伏せすることができず、肘を痛めてしまう原因になります。
上級者や慣れている方はあえてそうする場合もありますが、慣れない方や肘を痛めてしまう方は、まずは正しいフォームを身につけましょう。
一般的に言われている正しいフォームは以下の通りです。
- 肩幅より少し広いくらいの位置に手を置く
- 指先は真っ直ぐ前に向ける
- 足はこぶし一個分程度に開く
- 首からかかとまでがなるべく一直線になるようにする
- あごが挙がらないように注意する
- 肩甲骨は寄せずに、肩を下げて首を長く保つ意識を持つ
これを守って腕立て伏せすると、過度に肘に負担がかかることは避けられるはずです。
腕立て伏せで肘が痛くなる時の対策
正しいフォームで腕立て伏せをするのが一番の対策、予防にもなりますが、それと併行して以下の対策も行っていくと良いでしょう。
- 自分に合った負荷量で行う
- 方法を変える
- ストレッチ
それぞれ解説していきます。
自分に合った負荷量で行う
自分に合った適切な負荷や回数で行うことは、腕立て伏せに限らず、トレーニングを行う上で重要なことです。
筋トレの効果がどのようにして決まるかと言うと、総負荷量によって決まります。
総負荷量とは、「強度×回数×セット数」で決定されます。
強度とは、例えば重りをつけて運動したり、あえて動かしにくい位置に関節を置いて運動したり、ゆっくりと運動して負荷をかけたりなどが挙げられます。
腕立て伏せの場合、重りをつけるなどはやりにくいですし、手のつく位置を広げたりするとフォームが崩れて痛みを起こす可能性もあります。
なので、強度以外の回数やセット数で調整するのが良いです。
一度に多くの回数をこなさないと意味がないと思っている方もいるかもしれません。
ですが、3つの要素のかけ算なので、回数が少なくてもセット数を増やせば同じだけの効果は得られます。
また、一般的に筋肉をつけるためには、限界の7〜8割くらいの強度で筋トレをこなす必要があるとされています。
例えば、腕立て伏せを連続で10回が限界の場合、7〜8回くらいは行う必要があるということです。
ただ、それだと強度が強すぎて背中を痛めてしまう場合もあるので、上記の強度×回数×セット数に則って、回数を減らしてセット数を増やすやり方が良いでしょう。
肘にかかる負担を減らしながら、効果もちゃんと得られるので、お勧めの方法です。
方法を変える
腕立て伏せのやり方や腕立て伏せ以外の方法で鍛えるというのも1つの方法です。
例えば、足を伸ばしたまま腕立て伏せをするのが難しい場合は、膝を立てて行う、あるいは立ったまま壁に手をついて行うなどの負荷量を下げた方法もあります。
また、何も腕立て伏せにこだわらずにダンベルを使って腕を鍛えるなど、他の方法で肘に負担のかからない方法を探すことも良いでしょう。
いずれにせよ、自分に合った方法で行うというのがベストです。
ストレッチ
腕立て伏せは、肩や肘、手首を使ってそれらが動くことでできる種目です。
ただ、どこかに硬い部分があると、それを補って別の関節や筋肉に負担がかかってしまうことも考えられます。
その場合はシンプルに硬い部分を伸ばしてあげることで、負担を軽減しましょう。
今回は特に硬くなりやすい大胸筋、脇のいくつかの筋群を合わせた腋窩筋群のストレッチを紹介します。
大胸筋のストレッチ
- 壁に対して横向きに立つ
- 壁側の腕を肘が肩より少し高い位置まで挙げる
- 手のひらから肘までを壁につける
- 壁につけたまま、体を腕とは反対側へひねる
- 胸の伸張感を感じたところでキープする
- 15〜20秒キープする
肘を肩より高い位置まで挙げるとは書きましたが、もっと高い位置、あるいは少し低い位置など、色々な位置でストレッチをかけてあげると、より大胸筋の柔軟性が高くなります。
腋窩筋群のストレッチ
- ストレッチする側の腕を下にして横向きに寝る
- 下にした腕を肩の高さまで動かす
- 手のひらは足側へ向け、肘を90度に曲げる
- 反対側の手で手首をつかみ、手にひらを床に近づけるようにストレッチする
- 15〜20秒キープする
- 一旦元に戻し、手の甲を床に近づけるようにストレッチする
- 15〜20秒キープする
こちらも肩の高さでストレッチすると書きましたが、肩より高い位置や低い位置など、色々な位置でストレッチすることで、大きな可動性を得ることができます。
理学ボディのおすすめ
今回紹介した対策を実践しても中々肘の痛みがなくならないという方は、理学ボディで施術を受けることがおすすめです。
理学ボディでは、最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
筋膜は筋肉を覆っている膜状の組織で、筋膜が硬くなると筋肉の柔軟性が低下、筋力が発揮しにくいなどが起こります。
筋膜の硬さのある場所はピンポイントで存在しているため、ストレッチやマッサージでは中々ほぐすことができません。
もし、筋膜の硬さが肘の痛みに影響しているのなら、ストレッチやマッサージをしていても中々改善することは難しいでしょう。
ですが、筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、ピンポイントの硬さでも見つけることができます。
もし、肘の痛みがなくならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
以下のLINEをお友達登録していただき、簡単な質問にいくつかお答えいただくだけで、あなたの痛みがどういったものか、その痛みを改善するためのマッサージ動画をお送りします。
すぐにできますので、まずは自宅であなたの痛みがどれだけ改善するのか試してみてください。