ある日突然訪れる肩の痛み。
その中でも取り分け多いのが『肩を上げた時の前側や外側の痛み』です。
肩が上がらない場合は、前側や外側の痛みが強くなることが多く、ひどい場合は肩が上がらなくなります。
そんな『肩が上げた時に痛い場合に考えられる4つの原因と対処法』についてお伝えしていきます。
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肩を上げると前側や外側が痛い場合のメカニズム


肩の構造
肩の関節は上腕骨・肩甲骨・鎖骨の3つの骨で構成されています。
その周りを腱板(筋肉群と腱の集まり)・滑液包(動きをスムーズにする潤滑油の袋)・靭帯・筋肉が支えて安定を保っています。
何らかの原因で安定性が崩れ、肩を上げた時に特に痛めてしまうと肩の前側や外側に痛みを生じてしまいます。
それぞれの痛みに関係する疾患
痛みの原因とその疾患でよくあるのが、
- 高齢化により関節が摩耗する
⇨肩関節周囲炎 - 肩を上げる動作の反復で炎症が生じる
⇨肩峰下インピンジメント症候群 - 何らかの原因で腱板が切れて(損傷して)しまう
⇨腱板断裂(損傷)
この3つです。
※肩の痛みに関連する疾患について、見分け方や症状別に詳しく知りたい方は、過去の記事にもわかりやすくまとめていますので覗いてみてください。
【症状別】肩を上げると前側や外側が痛い場合の4つの原因


1.肩関節周囲炎
40〜50歳代に好発することから軽いものでは『四十肩・五十肩』とも呼ばれています。
加齢による関節の摩耗や、肩を上げる動作の繰り返しにより徐々にイラストで示す部分に強い痛みが生じ,ひどくなると肩を上げるのも困難となります。


- 髪を結ぶ動作や、エプロンの紐を結ぶ動作が大変
- 少し動かすだけでも痛い
- 夜寝ている時にも痛くなる
- 肩が痛みで上がらない、硬い
上記の場合は肩関節周囲炎を疑います。
もし『肩関節周囲炎』かもと思う場合には、『肩関節周囲炎の対処法』を覗いてみましょう。
2.肩峰下インピンジメント症候群
肩の先端部分にある肩峰と腱板の間には,肩の動きをスムーズにするため『肩峰下滑液包』があります。
肩を上げる動作を頻繁に繰り返すことや不良姿勢での動作により、炎症を起こしてしまうと痛みにつながります。


- 肩を上げる動作の途中で痛みが出る
- 特に肩の高さより上に上げたときに痛みが強くなる
この2つの特徴的な痛みが生じたときは肩蜂下インピンジメント症候群を疑います。
もし『肩峰下インピンジメント症候群』かもと思う場合には、『肩峰下インピンジメント症候群の対処法』を覗いてみましょう。
3.腱板断裂(損傷)
肩を内側から支える4つの筋(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)の腱の集合体である『腱板』が傷ついたり,切れてしまうことで痛みが生じます。


- 発症は中高年以降,特に60歳代以降
- 肩を上げることはできるが、痛い
- 夜眠れないほど痛くなる
- 肩を上げるときに「ジョリジョリ」と変な音がする
上記の場合に腱板断裂(損傷)を疑います。
もし『肩腱板断裂(損傷)』かもと思う場合には、『肩腱板断裂(損傷)の対処法』を覗いてみましょう。
4.その他(外傷・スポーツ等)
上記の3つの他にも,肩を上げると痛みが出る原因は複数あります。
特に,交通事故や転倒によるものやスポーツでの外傷など、明らかな原因がある場合早めに受診し正しく診断してもらう必要があります。
【症状別】肩を上げると前側や外側が痛い場合の対処法


肩関節周囲炎の対処法
治療は『保存療法』と『手術』に分かれます。
保存療法では、3つの病期に合わせて治療を行います。
- 炎症期(痛みが強い時期)
- 拘縮期(肩の動きが硬くなる時期)
- 回復期(症状が改善してくる時期)
■炎症期
痛みが強い時は無理に動かさずに安静が基本となります。
肩の関節以外の部分(首や肩甲骨周り)のストレッチを行います。
日常生活上で痛みが出ないような以下の工夫をしましょう。
- 寝る時は仰向け、痛い側の腕の下にクッションなどを挟む
- 日常生活上、良く使用するものは手の届く範囲に置く
- バックなどの荷物は痛くない方で持つ
■拘縮期〜回復期
リハビリテーションを中心に肩の関節可動域訓練(肩の動きを良くする訓練)や肩周囲の筋力強化訓練、姿勢修正などを行います。
上記でも症状が改善しない場合は、全身麻酔下での徒手整復術や鏡視下関節包切離術などの『手術』が対象となります。
肩蜂下インピンジメント症候群の対処法
保存療法
痛みが強い場合は、肩峰下滑液包内にステロイド剤を注入します。
「インピンジメント症候群」の原因となる筋肉のアンバランスを解消するため、運動療法を行います。
過緊張となる筋肉に対してはストレッチを行い、反対に筋力が低下してしまっている筋肉(多くはインナーマッスル)に対しては筋力強化訓練を行います。
関節が正しい位置で動かせるように、姿勢修正や体幹トレーニングも必要に合わせて行っていきます。
手術療法
ステロイド剤の注入を行っても痛みが改善しない場合や、徐々に痛みが強くなる場合は、関節鏡視下で関節包の切離や肩峰下除圧術の対象となります。
腱板断裂(損傷) の対処法
保存療法
加齢による関節の摩耗が原因の場合はまず保存療法が選択されます。
痛みが強い場合は、薬物療法(非ステロイド性抗炎症薬の内服・外用、副腎皮質ステロイドの注入など)やリハビリテーションによって関節可動域訓練や低下した筋に対する筋力強化訓練を行います。
手術療法
外傷性断裂(損傷)やスポーツ動作の反復による断裂(損傷)の場合は、肩峰下除圧術と腱板修復術が選択されます。
術後より、状態に合わせたリハビリテーションで徐々に関節可動域の拡大や筋力強化訓練を行います。
肩を上げて前側や外側の痛みが出るのを防ぐ予防法
首周りのストレッチ
- 首を前後・左右にそれぞれゆっくり倒す
- その状態で深呼吸(2〜3回)
- 右回り、左回りにゆっくり回す(3回)
肩甲骨の運動
- 両肩を耳に近づけるように持ち上げる
- ストンっと脱力するように下ろす(10回)
肩周りの運動
- 手を肩に当てる
- 前回し・後ろ回し(各10回ずつ)
- 長時間同じ姿勢でいることを避ける
- デスクワークの場合はその環境を工夫する(図を用いて)
- 湯船に浸かり体を温めたり、蒸しタオルで首〜肩を温め血行を良くする
- スマホや本を読む際は、なるべく目線の高さに持ってくる
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まとめ
このように、肩を上げたときに感じる辛い痛みは、どこが原因となっているかによってその対処法も異なります。
正しく判断することが、痛みをいち早く軽減させることに繋がるのでしっかりと見極められるようにしましょう。
- 肩を上げたときの前側と外側の痛みの原因は4つ
- 主な原因疾患は「肩関節周囲炎」「肩峰下インピンジメント症候群」「肩腱板断裂(損傷)」の3つ
- 明らかな外傷やスポーツでの外傷の場合は早めに受診
- 痛みの程度や症状に合わせて適切な対処することが大切