こんばんは、青山筋膜整体 理学BODYの木城 拓也です。
最近うちのお店にもたまに来ていただくようになりました、
病院でリハ期限が切れてリハビリ終了になってしまった方
いわゆる『リハ難民』と呼ばれる方々です。
病院ではリハビリの期限が決まっていて、疾患にもよりますが現行の医療制度では、150日ないしは、180日しか基本的にリハビリを受けることができません。※特別な手続きを踏めば可能な場合もある。
少子高齢化社会で医療費が不足している今、これはある程度仕方ないことか・・・
と、これに意を唱えることを半ば諦めていました。
ところが最近友人と話していたらこんなことを言ってきました。
昨日仕事疲れて肩凝ったから整骨院で揉んでもらってきちゃった。えへ
友人のNさん
よくよく聞いてみたら、最近転職してデスクワークが増えたから、肩が凝って体が重ダルいらしいんです。
それで近所の整骨院だと、700円で揉んでもらえて、電気も当ててくれて、気持ちいいから毎週通ってるとのこと。
確かに気持ちはわかります。
皆さんの中にも経験ある方多いと思います。
でも考えたことありますか?
あなたの仕事で疲れた肩や背中が気持ちよくなるために、医療保険、つまり国の税金が使われているということを。
これは整骨院さんを批判しているわけでもなく、まして整骨院に肩を揉んでもらったことのある皆さんを批判しているわけでもありません。
私だって理学療法士じゃなくて、デスクワークのサラリーマンや現場仕事の土建屋さんだったら、多分通っていたと思います。
今回私が意見したいのは、現行の医療制度に対してです。
言い方は少し悪いかと思いますが、この中田さんのような方に使っている医療費を、本当に医療が必要な人に回してほしいと切実に思っています。
今回は医療業界で長年働いてきた私が、日本の医療制度でついて日頃感じていることを勝手に語っていきたいと思います。
医療費の削りどころはもっと全然あると思った
少し前の話になってしまいますが、私は東京都民なので、前舛添都知事の時に
労働人口が減ってるわけだから税金が増えてくのはわかる。仕方ないと思う。でもこんなによくわからない理由で使われてる税金があるのは許せない!都民から税金取るなら、もっと節約して無駄を省いてほしい。
木城
そう思っていました。
正直これと同じようなことを、先ほど上で書かせてもらった友人のNさんと話た時も思いました。
彼女みたいな人は本当は、整骨院で医療費を使ってマッサージを受けるべきではないと私は考えます。
じゃあ私はどうしたらいいの?確かに自信を持って「病気や怪我です」とは言えないけど、肩がこるのだって体が疲れてダルいのだってそこそこ辛いのよ
友人のNさん
そうですよね。そこが難しいところです。
でもNさんのような人がみんな医療保険を使い出したら、国の医療費がなくなって、本当に医療を必要としている人が医療を受けられなくなってしまいます。
(これについては、後ほど書きます。)
だからNさんみたいな人を対象にしたサービスが、日本には結構あるんです。
いわゆる『リラクゼーションサロン』です。
リラクゼーションサロンとは?
リラクゼーションサロンは肉体的、精神的な緊張をほぐし、リラックスすることを目的とした施術を行う施設です。日頃の生活で疲れた身体や心を癒すことが目的で、音楽や香りによってリラックスし、その中でストレッチや指圧などを行うことでリラックス効果を増幅させることができます。
引用元:エステプロナビ「リラクゼーションサロンとはどんな施設?」
ここではNさんのように仕事で体が疲れている人の体を癒すことができます。
すいません、先に言っておきます。
私は、Nさんを悪く言いたい訳でも、整骨院を批判したい訳でもないです。
ただ医療費削るとこ間違ってない?って話がしたいのです。
医療保険適応の線引き
じゃあ医療保険はどんな時に適応されるの?
友人のNさん
そこの線引きが難しいところだと思うのですが、厚生労働省のHPには以下のことが記載されています。
保険を使えるのはどんなとき
- 整骨院や接骨院で骨折、脱臼、打撲及び捻挫(いわゆる肉ばなれを含む。)の施術を受けた場合に保険の対象になります。
- なお、骨折及び脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。
治療をうけるときの注意
- 単なる肩こり、筋肉疲労などに対する施術は保険の対象になりません。このような症状で施術を受けた場合は、全額自己負担になります。
引用元:厚生労働省HP「柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて」(アクセス2018/2/19)http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/jyuudou/index.html
・・・肩こりや筋肉疲労は対象外ときっちり書かれていましたね。
うーーーん
厚生労働省のHPにしっかり明記されているので、この件を調べているうちに一概に国の制度だけが悪いとは言い切れなくなってきてしまいました・・・。
まあでも、よそのことを悪く言いたい訳ではないのでこれはこのへんにしておきます。
節約したらもっと医療費を使ってほしいところはたくさんある!!
私はずっと理学療法士として、病院で働いてきました。
その中で、リハビリに関する医療費は年々削減の方向で進んでいきました。
このまま少子高齢化が進む以上、今後もそれは変わらないでしょう。
リハビリの単価が下がることで、病院の経営は苦しくなり、病院で働く理学療法士である私の友人達も、どんなに一生懸命働いても今後厳しい職場環境になっていくと思われます。
正直開業した私には今は直接関係ありませんが、やっぱり病院勤めの友達もたくさんいるので、正直なんだかなーと思います。
まあでもこれは他の職種でもありそうなことなので、仕方ないと思うことにします。
ただ、身体的にもっとリハビリが必要な人が、国のお金の問題でリハビリを受ける機会を奪われている。
これがどうしても納得いきません。
リハビリを打ち切ってしまうことで生活の質を保てなくなってしまう方もいる
理学療法士として病院に勤めながら、休日にスポーツジムでパーソナルトレーナーをしていた時のことです。
脊髄損傷の方を、担当していました。
この方、もともと受傷後は車椅子だったのに、病院でリハビリを頑張ってついに歩けるようになったそうです。
でも180日でリハ期限が打ち切られてしまいました。
リハビリを受けれなくなってから、足の指先などが固まってしまい動かなくなってしまったそうです。
歩くのも杖をついてなんとか歩けるけど、前はもっとスムーズに歩けたと言っていました。
仲間の中には歩けるようになって家に帰ったけど、1年後にはまた車椅子生活になってしまった人もいるそうです。
「私はそうなりたくないから、お金はそんなにあるわけじゃなけけど、先生お願いします!」
って。
これってひどい話だと思いませんか?
肩凝ったからって医療保険を使う人がいる中、歩ける自分でいるために保険外で施術を受ける人がいるんです。
麻痺の人に限らず、肩が上がらなくなった人だったり、前十字靭帯の手術後の方なんかでも同じで、今までにこういった経験を何度かしてきました。
正直、これってうちのお店的にとってはお客さんが増えるから良いことかもしれません。
でも、なんかモヤモヤするんですよ。
施術をすることに対してじゃなくて、この医療制度の矛盾に対して。
今の私にできること
だからって今の私にできることはそれほど多くありません。
今まであまり思いつかなかったです。
でもこの記事を書いていく中で、考えがまとまってきました。
そして、できることは今のところ2つかなと思っています。
- 医療保険の正しい使い方について発信していくこと
- 理学療法士のリハビリを受けたくても受けれなくてどうしていいかわからない人に対して、今後その方の体がどうすれば今よりも良くなるのか専門家として情報を発信していくこと
医療保険の正しい使い方についてまずは周りの人に伝えていくこと
これは本当に些細なことで、すぐに何かを変えることはできないかもしれませんが、医療保険を使っていい範囲を専門家目線で周りの人にしっかり伝えるべきだと思いました。
舛添さんが税金を無駄づかいしていることを、ジャーナリストや税金の専門家の方が指摘したように、私も医療資格保有者として、正しい医療の受け方を周りの人に伝えていきたいと思いました。
これでほんの少しの少しでも、医療費が削減できれば、何もしないよりは自分としても嬉しいです。
理学療法士のリハビリを受けたくても受けれなくなった人に届くような情報を発信していこう!
理学療法士のリハビリを医療保険の中で受けれなくなった人で、もっと体を良くしたいって人はたくさんいると思います。
でもこの後どうすればいいかわからない、って人も多いと思います。
この人たちに、今後どうすれば体が良くなるかを伝えていきたいです。
これはうちのお店に来てくれって言ってるわけじゃなくって、その人ひとりひとりの体や経済状況にあったものを伝えていければと思っています。
理学療法士がやっているお店を紹介したり、その方にあったトレーニングやストレッチをお伝えしたり。
とにかくそういうことがわかってる人がここにいます!ってことをまず知ってもらうことが重要かなと思っています。
なので、もし今どうしたらいいかわからないって方や、周りにそういう困ってる人がいるって方は、1度気軽にご相談いただければと思います。