この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
右腰後ろの痛みに不安になったことはありませんか?
突然右腰だけ痛みを感じると、原因もわからず対処法に困ることも多いでしょう。
腰の片側だけの痛みは、筋肉の影響で痛みが発症している場合のほかにも、内臓の疾患による影響を受けている場合もあります。
本記事では、突然起こる右腰後ろの痛みについて解説していきます。
症状や原因と対策方法も紹介しているため、右腰の痛みにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
- 右腰後ろの痛みの正体は?
- 右腰後ろの痛みの原因は?
- 痛みに対する対処法は?
さらに、痛みを今すぐどうにかしたい方に向けて、あなたの痛みに効く具体的な筋膜リリースの方法をLINEから無料でお伝えしています。ぜひご活用ください。
右腰後ろが急に痛くなる原因
右腰の後ろが急に痛くなる原因としては、以下の3つがあります。
- 背中の筋肉や脊椎の問題
- 腎臓の問題
- 婦人科系の問題
それぞれの原因について詳しく解説します。
原因によっては、早急に専門医療機関への相談が必要となるため注意しましょう。
右腰後ろが急に痛くなる原因①:背中の筋肉や脊椎の問題
骨折や靭帯の損傷や骨の変形、姿勢の悪さによる筋肉の緊張などが痛みの原因となります。
背骨の神経の通り道が狭くなる脊柱管狭窄症や、背骨のクッション材である椎間板が飛び出ることで起こる椎間板ヘルニアなども、右腰の後ろが急に痛くなる原因です。
そのほか加齢による骨の変形で神経を圧迫する場合や、不良姿勢を続けることで起こる筋肉の緊張などでも右腰の痛みは起きます。
右腰後ろが急に痛くなる原因②:腎臓の問題
腎臓は左右にあり、右の腎臓のほうがやや低い場所に位置しています。
右の腎臓の感染症や炎症によって、右腰の後ろに痛みが急に発症します。
そのほか、腎臓結石なども原因の一つです。
背中や下腹部、鼠径部など比較的広範囲で痛みを覚える場合は、腎臓結石を疑います。
右腰後ろが急に痛くなる原因③:婦人科系の問題
生理痛が重い方や、月経困難症がある方で右腰の後ろの痛みを発症した場合は、婦人科系の問題が考えられます。
子宮筋腫や子宮内膜症のサインの可能性があるため、専門医療機関への相談が必要です。
痛みに加えて吐き気や嘔吐、頭痛、倦怠感なども発症しているのであれば早急に受診する必要があります。
筋肉や脊柱の問題
筋肉や脊柱の問題について詳しく解説します。
痛い場所や痛みが生じる動作によって、以下の3つが考えられます。
- 椎間板ヘルニア
- 椎間関節性疼痛
- 筋筋膜性腰痛
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは日本整形外科学会にて、以下のように解説されています。
椎間板は、腰の背骨に加わる衝撃を緩和するクッションの役割を担っています。この椎間板の内容物が押し出されて突出します。これを椎間板ヘルニアと呼びます。
引用:日本整形外科学会
椎間板ヘルニアの症状は、突出した側の神経を圧迫することで起こる、腰や臀部の痛み、足にかけての痺れや痛みです。
場合によっては、足に力が入りにくくなることもあります。
原因としては、椎間板の加齢や繰り返し椎間板に負荷がかかった際に変性したり、断裂したりすることが挙げられます。
喫煙や不良姿勢の継続が原因となることもあるため、注意が必要です。
椎間関節性腰痛
椎間関節性腰痛とは、椎体と椎体の間にある椎間関節が炎症を起こしたり、動きが悪くなったりすることで起こる痛みを指します。
腰痛は左右どちらかに起こることが多く、神経を圧迫することでおしりや太ももの裏への痺れを発症します。
椎間関節性腰痛は、加齢による変性や椎間関節へ繰り返される負担が原因です。
腰を過度に捻ったり、反ったりすることで負担が蓄積し、椎間関節性腰痛が発症します。
筋筋膜性腰痛
筋筋膜性腰痛は、腰の周囲にある筋肉や筋膜に過度な負担がかかることで引き起こされる腰痛です。
原因が筋肉もしくは筋膜であるため、レントゲン上では異常を認めません。
不良姿勢の継続や重労働により、筋肉および筋膜に慢性的な負担がかかることで発症します。
筋筋膜性腰痛では炎症や硬結による血流量が低下し、痛みにつながるケースもあります。
動作時の痛みや、炎症を起こしている筋肉を押したときに痛みが引き起こされるのも特徴です。
内臓の問題
右腰の後ろの痛みは、内臓の問題によっても引き起こされます。
腎臓や胃、膵臓の影響により腰痛を発症していることもあるため、以下で詳しく解説します。
腎臓が関係する病気
腎臓が影響する右腰の痛みとしては、以下の2つが代表的です。
- 尿路結石
- 腎盂腎炎
尿路結石について
尿路結石とは、腎臓から尿道までの尿路に結石が生じる疾患です。
腎臓や泌尿器で最も頻度の多い疾患の一つとされています。
特に、男性と閉経後の女性で発症しやすいです。
おもな症状としては、血尿と突然生じる強い痛みが挙げられますが、右腰のほかに下腹部や側腹部の痛みを伴うこともあります。
痛みは早朝や夜間に発症することが多く、3〜4時間持続する場合がほとんどです。
なんの予兆もなく右腰とその周囲の痛みが急激に発症し、血尿を伴う場合は尿路結石による痛みが疑われます。
腎盂腎炎について
腎盂腎炎は、腎臓が細菌に感染することで炎症を起こす疾患です。
本来、尿路に細菌は存在しませんが、何らかの原因で細菌が侵入し感染した場合に尿路感染症が起こります。
尿路感染症は炎症が起こる部位により、下部尿路感染症と上部尿路感染症に分けられます。
上部尿路感染症は、腎盂や腎臓で起こる感染症で腎盂腎炎と診断されることが多いといえます。
腎盂内で細菌が繁殖し、腎臓にまで炎症が及んだものが腎盂腎炎です。
胃が関係する病気
右腰の後ろの痛みには、胃が関係している場合もあります。
代表的な例として、以下の2つが挙げられます。
- 胃潰瘍
- 胃がん
胃潰瘍について
胃潰瘍とは、胃酸から胃壁を守る粘膜の分泌が低下し、胃の組織がはがれた状態です。
胃潰瘍では、腰よりやや右上の背中部分に痛みを生じる場合もあります。
同時にみぞおちの痛みやお腹の張り、コーヒーのような色をした嘔吐などが生じる場合は、胃潰瘍を疑いましょう。
胃がんについて
胃がんが生じている場合も、右腰の後ろの痛みを発症します。
初期の悪性腫瘍では、痛みを生じることはそこまで多くはないといえますが、脊椎に転移している場合などは腰のあたりに痛みを生じます。
安静にしていても同じような痛みが持続する場合や、痛み以外の症状が発症する場合には胃がんの可能性もあるため、専門医療機関へ早期の相談が必要です。
膵臓が関係する病気
最後に紹介するのは、膵臓が影響する病気です。
代表的な病気は、以下のとおりです。
- 膵炎
- 膵がん
膵臓は、後腹膜と呼ばれる背中に近い膜に張り付いているため、膵臓に病気が発症すると腰の痛みが出る場合があります。
膵炎の場合は、飲酒や胆石により膵臓に負担がかかり腰痛を引き起こすことが多いといえます。
また、食事による痛みが悪化する特徴があるため注意が必要です。
膵臓がんでは、胃がんと同様に背骨の周囲の神経へがん細胞が広がることで痛みが発症します。
腰だけでなくみぞおちの痛みも伴うことが多く、食事もままならないほどの痛みが持続する場合もあります。
そのため、腰痛とともに他の部位の痛みもある場合は、早急な専門医療機関へ相談が必要です。
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片側だけ痛い場合は要注意!生活習慣の癖
片側だけの腰痛は、生活習慣や動きの癖が関連している場合が多くあります。
特に日常生活でよく見られる癖として、以下の3つが挙げられます。
- 片側のみ足を組み
- 食事で毎回片側へ向けている
- 物を運ぶなどの動作を繰り返す
日常生活の癖が原因で右腰の後ろの痛みを発症している場合は、癖の改善を図ることで腰痛が軽減することもあります。
片側のみ足を組む
片側のみ足を組むことで、組んでいる足側の骨盤が常に上がり、身体が横に曲がっている状態となります。
その状態を繰り返すと腰回りの筋肉に左右差が生まれ、一方の筋肉が常に緊張する可能性が高くなるでしょう。
逆側の筋肉に過度な負担をかけることになるため、腰痛を発症しやすくなります。
足を組むことを極力控え、左右のバランスが崩れないようにする必要があります。
どうしても足を組む癖が抜けない場合は、意識して左右の足を組みかえて左右差が生じないようにすることが重要です。
食事で身体を毎回片側へ向けている
毎日の食事で身体を片側へむけていると、意識しないうちに筋肉のバランスは崩れていきます。
長期間に渡り蓄積された左右差は、一方の筋肉にのみ負担をかけ、片側のみ腰痛を発症する原因となるでしょう。
食事する際は可能な限り正面を向いて座るか、片側へ向ける必要がある場合は、左右どちらも向くように環境を工夫する必要があります。
可能な限り、左右均等な負荷となるように注意しましょう。
物を運ぶなどの動作を繰り返す
重労働を行っている方は、すでに腰に大きな負担がかかっている状態です。
その状態で毎回同じ方向へ物を運んでいると、一方の筋肉のみを使い続けることになり、身体の左右差を生じる原因となります。
物を運ぶ際は、意識して左右どちら側にも運ぶようにしましょう。
流れ作業などで難しい場合は、休憩の合間で適切なストレッチや、筋力トレーニングなどの身体のケアが必要になります。
片側だけに負担がかかるような動作は、一方に腰痛を発症する大きな要因です。
重労働を繰り返す場合も身体のケアをしっかりとし、環境を変更するなどで左右差が出ないよう意識しましょう。
片側だけ痛い腰痛に対しておすすめストレッチ
片側の腰の痛みに対しての対処法として、ストレッチが有効です。
腰痛に対して有効なストレッチ方法を3つ紹介します。
- 四つ這いでの背中・わき腹のストレッチ
- 股関節付け根のストレッチ
- 背骨の運動
習慣的なストレッチによって、日常生活の癖で緊張状態が続いている筋肉を緩めることで痛みの緩和が望めるでしょう。
腰のストレッチにはさまざまな種類がありますが、なかには腰痛がある場合はやってはいけないストレッチも存在します。
四つ這い:背中・わき腹のストレッチ
四つ這いでの背中・脇腹のストレッチについて紹介します。
- 背中のストレッチ
- 脇腹のストレッチ
腰痛がある場合は、腰に負担がかかりすぎるストレッチは逆効果になります。
痛みの無い範囲で、ストレッチを行うようにしましょう。
背中のストレッチ
背中のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- 四つ這いになる
- 手を引きながらおしりを足に近づける
- おしりと足をつける
- つけたまま頭を下げていく
- 30秒キープ
脇腹のストレッチ
脇腹のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- 四つ這いになる
- 肩の下に手、おしりの下に膝をつく
- そのまま片方の肘をつく
- 肘をついた逆の手を、肘の延長線上に伸ばす
- 30秒キープ
股関節のストレッチ
股関節の付け根にあり、腰痛と関連性が高いといわれる腸腰筋のストレッチを紹介します。
腸腰筋が硬くなることで、腰回りの負担が大きくなります。
腸腰筋のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- 四つ這いになり、片足を膝を曲げた状態で前方へ出す
- 逆足を後方へ伸ばす
- そのまま上体をまっすぐに伸ばし胸を張って顎を引く
- 逆側も同様に行う
脊柱(背骨)の運動
背骨の運動について紹介します。
背骨は椎体と椎体の間にそれぞれ関節があり、一つひとつの関節を動かせるようになることで、腰回りの筋肉の負担を軽減できます。
背骨の運動方法は、以下のとおりです。
- 背骨の運動のやり方
- 四つ這いになる
- 少し腰を丸める
- さらに腰を丸める
- おへそを覗き込む
- もとの位置に戻す
- 30秒繰り返す
まとめ
今回は、右腰後ろの痛みの原因や対処法などについて解説してきました。
右腰の痛みは、原因によっては緊急を要する場合も多く、専門医療機関への相談が必要になります。
背骨や内臓に問題がなくても、筋肉や筋膜が痛みの原因となっている場合もあるでしょう。
筋筋膜性疼痛の場合は、レントゲンをとっても異常なしと診断される場合が多いため、整形外科ではなかなか改善が見込めません。
もし病院や治療院へ通ってもなかなか症状が改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。
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