「ロードバイクに乗っている時の首の痛みを取りたい」
「ロードバイクに乗っていて、首の痛みが気になってきた」
このような悩みを抱えていませんか?
ロードバイクによる首の痛みは怪我やフォームの悪さなど様々な原因が考えられます。
怪我の場合はヘルニアなどの病気も考えらえるのですぐに病院に行ったほうがいい場合もあります。
しかし、原因がよくわからなかったり、自分じゃ判断ができないという方も多いと思います。
本記事では、そんなあなたに体や痛みの専門家である理学療法士がわかりやすく解説していきます。記事を見ながら、それぞれについてチェックしてみましょう。
目次
ロードバイクで首が痛い5つの原因
そもそも、どうしてロードバイクで首を痛めてしまうのでしょうか?
特に接触など無いにも関わらず…
それはロードバイクの競技の特徴が起因しています。
- 道によっては強い衝撃が加わる
- 前傾姿勢のフォーム
これらの特徴から、痛みの原因を5つにまとめられます。
- 首のヘルニア
- 姿勢やフォーム
- 筋肉痛・筋力不足
- 筋筋膜性疼痛
- 衝撃や振動
首のヘルニア
ロードバイクでの首の痛みで一番注意が必要なのがヘルニアです。
ロードバイク中は、前傾姿勢の状態で顔を上げ続けていると頚椎が圧迫されます。
その結果、ヘルニアになってしまう事もあります。
病態
![]()
背骨をつなぐクッションの役割をしている椎間板が主に加齢変化により後方に飛び出すことによって起こります。30~50歳代に多く、しばしば誘因なく発症します。
悪い姿勢での仕事やスポーツなどが誘因になることもあります。飛び出す場所により、神経根の圧迫、脊髄の圧迫あるいは両者の圧迫が生じます。
症状
首や肩、腕に痛みやしびれが出たり(神経根の障害)、箸が使いにくくなったり、ボタンがかけづらくなったりします。
また、足のもつれ、歩行障害が出ることもあります(脊髄の障害)。治療法
痛みが強い時期には、首の安静保持を心掛け、頸椎カラー装具を用いることもあります。また、鎮痛消炎剤の服用や、神経ブロックなどで痛みをやわらげます。
症状に応じて牽引療法を行ったり、運動療法を行ったりすることもあります。これらの方法で症状の改善がなく、上肢・下肢の筋力の低下が持続する場合、歩行障害・排尿障害などを伴う場合は手術的治療を選択することもあります。
- 参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
姿勢やフォーム
ロードバイクに乗った姿勢を維持するのは結構しんどいですよね。
人の頭は成人で約6~8kgあると言われており、その重さをずっと支えるのにかなりの負担がかってしまうことは容易に想像できることでしょう。
しかし、首が痛く「なりやすいフォーム」と「なりにくいフォーム」があることはご存知でしょうか。
痛くなりやすいフォームは、頚椎(首)だけを使って頭を上げようとしていることが問題になります。
では、なぜ首だけを使って頭を上げると痛くなるのでしょうか?
- ロードバイクに乗る際に前傾姿勢でやや猫背気味になる
- 背骨がC字の湾曲になる(本来はS字)
- 頭を上げようとすると、背中は丸まっているので、首がよく動く
- この状態では、上を向いている状態と同じような状況なので、後頭部の筋肉の酷使や椎間板を圧迫してしまう
- 長時間乗っていると、筋疲労や振動などで筋肉や椎間板を痛めてしまう
- 結果、痛みにつながってしまう
■参照:頚椎のバイオメカニクス
また、普段の姿勢が悪く猫背だと背骨(脊柱)の柔軟性が失われるので正しいフォームをとれない、とるのに余分な筋力が必要になることがあります。
筋肉痛・筋力不足
長時間のライドを続けると、どんなに正しいフォームでも筋肉は疲労していきます。その結果、痛みを起こすことがあります。
では、なぜ疲労が痛みを起こすのでしょうか?
- 運動を続けると、筋肉内に乳酸が溜まる
- 筋肉が硬くなり、筋繊維の滑走が悪くなる
- その状態で動かそうとすると、筋繊維に微細な損傷ができる
- 損傷箇所を修復しようと、炎症が起こる
- そこに痛み物質も溜まるので、痛みが誘発される
ロードバイクでは、以下の筋肉が疲労を起こしやすいです。
- 後頭下筋郡
- 僧帽筋
- 脊柱起立筋
- 広背筋
日頃からのメンテナンスや筋力強化をしていきましょう!!
筋筋膜性疼痛症
病院に行っても、原因がよくわからないと言われるものはこれに当たる可能性が高いです。
筋膜性疼痛症候群(MPS)とは、いわゆる「筋のコリ」による多様な症状をきたす、世界中で一般的な病気です。
筋筋膜性疼痛症と言うと聞き慣れませんが、いわゆる筋肉の凝りやこわばりが原因で起こる痛みの事です。
なぜ、筋筋膜性疼痛症になってしまうのかというと、首や背中の筋肉を使いすぎたり、血行不良になってしまうことが原因です。
筋肉を消耗すれば、筋肉の緊張が増大し、微細な傷がついても炎症を起こし痛みが出ます。
また、緊張が高まれば、血管が圧迫されて血流が悪くなり酸欠により痛み物質を発生させます。
衝撃や振動
ロードバイクは一般道を走るので、路面の状態は場所によって異なります。
そのため、走っている最中に路面の凹凸している箇所の上を走ってしまいハンドルから衝撃が伝わってしまう事も多々あるので注意が必要です。
衝撃や振動が多いと、衝撃を吸収するために肩甲骨や首の筋肉に余計な緊張を作ります。
なので、体にかかる負担を減らすために段差を越えるときは少しお尻を浮かせましょう。
これにより、全身で衝撃を吸収できるようになり痛めるリスクを軽減できます。
こんな時は要注意!受診する目安
先ほどもお伝えしたように、最も注意が必要なのがヘルニアです。
ヘルニアを放置すると重症化してしまったり、別の病気との鑑別が必要なことがあります。
- 日常生活に支障が出るほど痛い場合
- 手足に力が入りにくくなった場合
- 歩行や手先の動きなどがやりにくくなった場合
- 排尿しにくくなった(おしっこが出にくくなった)場合
- 胸部にも痛みが出る
上記が当てはまる場合は、一度整形外科への受診をオススメします。
ロードバイクの首の痛みは治る?
軽症の場合などでは、ほとんどが適切に対処することで治すことができます。
なぜなら、ヘルニアなど重症の場合を除いては筋力不足やフォームの悪さ、衝撃の受け止め方などの個人で解決できるところが原因だからです。
軽症の場合にあたる人は、以下の6つの対処法を試してみてください。
また、こちらの記事もオススメです。ぜひ読んでみてください。
首が痛い人がやりがちなNGフォーム
首が痛い人がやりがちなNGフォームは2つポイントがあります。
1つは首だけで顔を上げている、もう1つは体重を腕にかけすぎていることです。
首だけで顔を上げている
ロードバイクは前傾姿勢で乗るので首や肩に負担がかかりやすいです。
しかし、顔を上げるとさらに負荷が増します。
本来、ロードバイクは猫背気味に背中を軽く丸めて走ります。それは背中でも衝撃を吸収するためです。
ただ、その姿勢だと視界はバイクの斜め下が自然になります。
そこで前を見ようと常に首を反らしていると、視界は確保できますが、常に上を向いているような状態になります。
なおかつ、長時間のライドになれば首が痛くなるのは明白です。
体重を腕にかけすぎている
これは前傾しきれていない場合かハンドルが遠すぎる場合に起こります。
腕に体重をかけ過ぎると、腕がまっすぐに伸ばした状態になりがちです。
すると、ハンドルからの衝撃や振動がモロに首や肩に伝わってしまうのです。
ロードバイクで首が痛い時6つの対処法
これから紹介する対処法をする前に、上記で紹介した「首のヘルニア」が疑われる人は、一度受診をし医師に相談した上で行うようにしましょう。
ここでは、ロードバイクでの首の痛みに有効なオススメの方法を6つ紹介します。
- 安静
- ストレッチ
- マッサージ
- 筋トレ
- フォームの見直し
- ロードバイクなど周囲の調整
出来るものから実践してみてください。
痛みが強い時は安静
痛みがある時は、基本的に安静にするのが第一です。
痛みが出ているときは体に何かしらのエラーが出ているので、無理に運動するのは禁物です。
基本的には安静にするときは、炎症なども考慮して2〜3日取りましょう!!
安静にしている間は、患部をなるべく動かさないように注意しながらアイシングなどで冷やすと効果的です。
また、痛みのある状態でロードバイクに乗ると、痛みをかばって他の部分に負担がかかってしまい、余計に痛みを強くしてしまう場合もあります。
そうなると、痛みが長引いてしまうことも考えられるので、痛みのあるうちは安静にしましょう。
ストレッチ
筋力を消耗すると、筋肉が硬くなっていきます。そんな時はストレッチをしましょう。
運動による筋肉の硬化は乳酸が溜まることが原因なので、ストレッチをして乳酸を排出してあげることが重要です。
ストレッチのポイントは、無理をすると痛みが増大してしまう可能性があるので、痛みのない範囲で行うことです。また、痛みがある場合は痛みが引いてから行いましょう!!
ここでは、効果的なストレッチを2種類紹介します。
⒈首のストレッチ
- 目的:首の可動域向上、首の疲労回復
- 効果:フォームの姿勢維持、首肩の力みをとる
※背筋を伸ばして行いましょう!!
- 頭の後ろで手を組んで、後頭部に手を置く
- そのまま、顔を下に向けて後頭部を伸ばす(その際、両肘を近づけるとより伸びる)
- 次に、顔を正面に向ける
- 斜め後ろを見るように顔の向きを作る
- こめかみあたりに手を置き、下方向に押す(首筋辺りがよく伸びるはずです)
- それぞれ、15~20秒を2〜3セット行う
⒉背中や胸のストレッチ
- 目的:猫背の解消、フォームの姿勢維持
- 効果:胸椎の柔軟性向上、肩甲骨の柔軟性向上
※バスタオルを使った簡単なストレッチです。寝ながら行います。高さが足りない場合はタオルを増やしましょう!!
- バスタオルを筒状に丸めます
- 仰向けになり、肩甲骨の下ら辺にタオルを横向きに置きます(腕はお腹の上に置く)
- 顎を引きながら、両手をバンザイするように頭の上に持っていきます
- この状態で1~2分キープします
マッサージ
ずっと同じ姿勢で頭を固定していると、筋肉は緊張していきます。緊張すると筋肉は上手に動くことができなくなるので、痛みを生じてきます。
そんな緊張した筋肉にはマッサージが効果的です。
マッサージのポイントは、強い痛みの出ない範囲で優しくじっくりと押すことです。
ここでは、効果的なマッサージを2つ紹介します。
⒈後頭部のマッサージ
- 目的:後頭下筋を緩める
- 効果:後頭部の痛みやハリ感の軽減、疲れ目の解消
※両手でも片手づつでも大丈夫です
- 後頭部に親指を当てます(その際、しっかり親指の腹で押しましょう)
- 当てたまま、顔は上を向けます(テコの原理でしっかり圧が入るはずです)
- 画像の筋肉を狙って押します
■画像元:マイベストプロ
⒉胸のマッサージ
- 目的:胸部を緩める、胸を開きやすくする
- 効果:猫背解消、肩こり・首こりの解消
このマッサージは片方づつ行います
- 腕を少し上げて(45度くらい)、脇の前の壁を掴みます(画像参照)
- 腕を捻って戻すを30回行う
- もう片方も行います

■画像元:仙南 白石接骨院いとう」
⒊脇のマッサージ
- 目的:肩甲骨の可動域向上、腕の力みを抜く
- 効果:猫背解消、肩こり・首こりの解消
※このマッサージは片方づつ行います
- 腕を少し上げて(45度くらい)、脇の後ろの壁を掴みます(画像参照)
- 腕を捻って戻すを30回行う
- もう片方も行います

■画像元:1UP カイロプラクティック
筋トレ
痛みが落ち着いてきたら、筋トレも始めましょう!!
筋トレをすることでブレのない走りができるようになり、痛めるリスクを軽減できます。
⒈プッシュアップ
簡単に言えば腕立てです。
- 目的:肩甲骨への意識を強化、胸でも衝撃を吸収できるようにする
- 効果:フォームの安定、腕の力みを減らす
やり方は膝をつけた状態でも、つま先をつけた状態でも構いません。
- 手幅は肩幅よりやや広めで行います
- 指先は自然な向きでやや内側(ハの字)になるようにする
- 肩甲骨を寄せて、胸と背中で体重を受け止める
- お尻は下げすぎず上げすぎず、目線はやや前を向ける
- ゆっくり上げ下げする(上げた際は肘を伸ばしてロックしないように気をつける)
- 20回3セット行う(初心者はかなり厳しいと思うので、できる回数で3セット)
⒉フロントプランク
- 目的:肩甲骨への意識を強化、長時間のライドへの対応
- 効果:フォームの安定、腹筋と背筋への力の入れ方を得とく
うつ伏せで行います。
- うつ伏せに寝て、肩の真下に肘を置く
- 腰を持ち上げ、頭から足まで一直線にする
- お尻と腹筋を最大限に締め、肩甲骨を少し寄せる。
- 30秒3セット行う(最大60秒)

これらのトレーニングで肩甲骨を寄せる感覚や首が痛くならない目線の置き方を身につけましょう!!
フォームの見直し
先ほど、首だけで顔を上げると首を痛めると話しました。
なので、痛めないポイントは背中を使うことです。
- 姿勢はやや前傾姿勢(腰が曲がって、腹筋の力が抜けないように注意)
- 少し肩甲骨を寄せて、やや胸が開くようにする
- ハンドルを持つ腕は肘を曲げてクッションが効くようにする
- 目線はロードバイクの1〜2m先を見る(もっと前を見るときは、上目遣いをして前を見る)
上記のストレッチや筋トレをするだけでもこのフォームを維持しやすくなります。日々のトレーニングにぜひ、取り入れてみてください。
ロードバイクや周辺環境の調整
ここまで、筋力や柔軟性、フォームについてお伝えしました。
しかし、ヘルメットが重かったり、ロードバイクが体に合っていないとそれだけでもかなりの負担になります。
本来は、お店でフィッティングしてもらうのが理想ですがそれが難しい場合もあるでしょう。そこで、いくつかポイントを抜粋しました。
- サドルやハンドルの高さ:前傾姿勢になりすぎない高さに調整
- ヘルメットの重さ:首に負担のかかりすぎない重さ

出来ることなら、お店でフィッティングしましょう!!
プロが客観的に体に合った状態に調整してくれます。
今すぐ取りたい痛みは理学ボディ
ここまでロードバイクのよって発生した首の痛みの症状や原因、対処法について紹介してきました。
「病院に受診したけど、痛みの原因がよくわからなかった」
「通院はしたけど、痛みがまだまだ残っている」
「自分だけで判断するのは不安だ」
そんな方も多いと思います。
そんな方は、ぜひ一度理学ボディにご相談ください。
当院は、筋膜リリースを使った施術で、ご来店3回以内の改善にこだわっています。
筋膜リリースを初めて聞いたという方はコチラの記事もオススメです。
痛みをすぐに取りたい方は、お近くの店舗にご相談ください。
まとめ
ロードバイクは前傾姿勢をとるので首への負担がかかりやすいことをお伝えしました。
かつ、フォームの悪さや振動や衝撃で痛めやすいこともお伝えしました。
ここでお伝えした対処法を実践して痛みをなくしていきましょう。
セルフケアや筋トレをしても良くならないという方はぜひ一度理学ボディにご相談ください。
お待ちしております!!