この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
ランニングをしていて、膝の外側に痛みを感じたことはないでしょうか。
それはランナー膝かもしれません。
ランナー膝は、ランニングによって膝の外側に痛みが生じるスポーツ障害で、腸脛靭帯炎ともいいます。
最初は少し痛む程度で走り終えると痛みが消失するため、気にしない方もいるかもしれません。
しかし、放置しておくとどんどん痛みが強くなっていき、痛みが引かなくなってしまいます。
ランニング中に痛みを感じたら、医療機関を受診しましょう。
また、ランナー膝にならないために予防することも大切です。
本記事では、ランナー膝の原因となりやすい方の特徴、治療法、予防法について解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
ランニングで膝の痛みが出やすい理由は?
膝関節は、身体のなかで一番荷重がかかる関節です。
立つ、歩くを行うだけでも、膝には体重の何倍もの負荷がかかります。
ランニングをすると、より大きな負荷がかかってきます。
ランニングで膝の痛みが出やすいのは、膝を曲げたり伸ばしたりを繰り返すことで膝に負荷がかかり続けるからです。
ランニングのしすぎで膝に痛みが生じる疾患で、「ランナー膝(腸脛靭帯炎)」が代表的です。
ランナー膝になると、腸脛靭帯にストレスがかかって痛みや炎症が起こります。
最初の頃は、ランニングをやめると膝の痛みが消失しますが、放置して走り続けると痛みが強くなり、引かなくなってきます。
膝が痛むと日常生活を送るのに支障をきたす可能性があるため、痛みが出てきたら医療機関を受診するようにしましょう。
ランナー膝の原因について
ランナー膝のおもな原因は、オーバーユース(使いすぎ)です。
オーバーユースにつながる要因として、下記が挙げられます。
- 長距離・長時間のランニング
- ウォーミングアップ不足
- 休みが足りない
- 硬い路面や下り坂でランニングすることが多い
- シューズが合っていない
使いすぎると、腸脛靭帯が大腿骨の下にある一番でっぱっているところ(大腿骨外側上顆)にこすれて炎症が起こり、膝の外側に痛みが生じます。
腸脛靭帯は、太ももの外側に位置している靭帯です。
腸脛靭帯は、膝を曲げ伸ばしすると大腿骨外側上顆の上を前後に動きます。
他にも、ランニングで足を接地したときの衝撃が、足関節や股関節に分散されずに膝関節のみに負担がかかることによって、痛みが生じる場合もあります。
ランナー膝になりやすい方の特徴
ランナー膝になりやすい方の特徴は、以下のとおりです。
- ランニングを始めたばかりの方
- マラソンなど長距離走る方
- 膝に負荷のかかる動作が多い方(自転車、バスケットボールなど)
- 筋力が弱い方
- 筋肉が硬い方
- O脚で外側に体重がかかりやすい方
特徴を持っている方は、痛みが生じたら無理せずに休むようにしましょう。
膝のどこを押すと痛むかで原因が異なる?
膝の外側が痛む疾患には、以下の3つがあります。
- ランナー膝(腸脛靭帯炎)
- 外側半月板損傷
- 外側側副靭帯
膝の外側といっても、3つとも同じ場所が痛むのではなく、押して痛む場所は異なります。
自分の痛みの場所を確認して、考えられる疾患を確認してみましょう。
医療機関を受診して、適切な診断のもと改善のために治療をしていきましょう。
ランナー膝(腸脛靭帯炎)の場合
ランナー膝は、腸脛靭帯炎ともいい膝の外側に痛みが生じます。
マラソンなど長距離を走ることが多い方がなりやすいです。
腸脛靭帯は、膝の屈伸のたびに大腿骨外側上顆の上を前後するため、大腿骨外側上顆周囲を押すと痛みが生じます。
大腿骨外側上顆の位置は、膝関節の外側の少し上側です。

大腿骨外側上顆周辺に痛みが生じたら、ランナー膝の可能性があります。
外側半月板損傷の場合
外側半月板損傷は、外側半月に亀裂が入ったり欠けたりした状態のことです。
半月板は、膝関節の内側と外側にありCの形をしているもので、膝にかかる荷重を分散し衝撃を吸収する働きがあります。

外側半月板損傷が起きると、膝を曲げ伸ばししたときに痛みや引っかかりが生じます。
また、急に膝が動かなくなるロッキングという現象がみられるのも特徴です。
外側の半月板が損傷しているため、痛みが生じるのは膝の外側です。
特に、膝を伸ばした際に膝のお皿の下が痛くなったら、外側半月板損傷の可能性が高いといえます。
外側側副靭帯損傷の場合
外側側副靭帯は、大腿骨と腓骨をつなぐ靭帯です。
膝から下の部分が内側に入り込まないように支えています。
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膝の靭帯(右膝を前方から見たところ)
外側側副靭帯は単独で損傷するのは稀で、他の靭帯や半月板とともに損傷することが多いです。
損傷すると膝の外側を圧迫したり、膝を屈伸させたりすることで強い痛みや膝の不安定さが現れます。
膝の外側を押すと痛みが生じるのに加え、腫れや不安定さがみられたら外側側副靭帯損傷の可能性があります。
ランナー膝の治療方法
ランナー膝の治療は、まず患部を冷やして安静にすることが大切です。
安静のために、ランニングは一旦休止しましょう。
初期の頃は、膝の外側の痛みはランニングをやめると消失するため、再度ランニングし始めてしまうかもしれません。
しかし、初期の頃に安静にせずに続けてしまうと痛みが強くなり、悪化します。
そのため、痛みが現れ始めたら無理せず安静にするようにしましょう。
安静にしているときには、ストレッチをすることをおすすめします。
大腿筋膜張筋や股関節の外側の筋肉をメインに行いましょう。
また、筋膜リリースで痛みが緩和する場合もあります。
安静にしていてもストレッチしても症状が良くならない場合は、筋膜リリースを試してみても良いかもしれません。
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ランナー膝に有効な予防方法について
ランナー膝は、筋力が弱い方や筋肉が硬い方がなりやすい傾向があります。
そのためランナー膝を予防するには、ストレッチと筋力トレーニングが有効です。
ランナー膝に有効なストレッチとトレーニングを紹介します。
ランナー膝に有効なストレッチ
ランナー膝の予防には、大腿筋膜張筋のストレッチが有効です。
大腿筋膜張筋は、腸脛靭帯とつながっている筋肉で股関節の外側についています。
大腿筋膜張筋から腸脛靭帯にかけてのストレッチは、以下の流れで実施してみてください。
- 壁のほうを向いて立つ
- 壁に手をつけて、伸ばす方の足を後ろにクロスする
- 骨盤を伸ばした足のほうに突き出す
骨盤を突き出すときは、壁に近づき後ろ足に体重をかけると伸びやすくなるでしょう。
ランナー膝に有効なトレーニング
腸脛靭帯は足の外側にあり、股関節を外側に開く動作のときに働きます。
ランニングなどをするときは、身体が外側に倒れないように腸脛靭帯をはじめとする股関節を外側に開く筋肉(股関節外転筋)が機能しています。
そのため、これらの筋肉が弱いと身体がぶれた状態で走ることになってしまうのです。
また、身体が外側に倒れるようなストレスに耐えられないと、腸脛靭帯が大腿骨外側上顆とこすれて膝の外側に痛みが生じてしまいます。
そうならないために、股関節外転筋を鍛える必要があります。
股関節外転筋のトレーニング
股関節外転筋のトレーニングを紹介します。
以下の手順で実施してみてください。
- 横向きに寝る
- 上にある足を上下に動かす
- 無理のない範囲からはじめましょう。慣れてきたら、負荷を上げるためにバンドを巻いてみてもいいかもしれません。
股関節外転筋のトレーニングだけでなく、足腰の筋肉を鍛えることも大切です。
筋力に差があると、鍛えている筋肉への負担が大きくなりフォームの乱れにつながります。
フォームの乱れも、ランナー膝の原因の一つです。
足腰を鍛えるトレーニング
ランナー膝を予防するために、足腰の筋肉を鍛えるトレーニングをしましょう。
足腰の筋肉を総合的に鍛えられるトレーニングは、スクワットです。
スクワットは膝への負担が大きいため、正しいフォームで行わないと痛めてしまうかもしれません。
逆効果にならないように、気を付けることが2つあります。
- 膝の位置
- しゃがむときの深さ
1つ目は、膝の位置です。
つま先より内側に膝が入ったり、外側に出たりすると膝への負担が大きくなってしまいます。
膝の位置がつま先と同じ方向を向くように意識して行いましょう。
2つ目は、しゃがむときの深さです。
最初から深くしゃがみ込んでしまうと、腰を痛める原因となります。
最初は浅めから始め、慣れてきたら徐々に深くしていきましょう。
スクワットはあくまでも、予防のために実施するトレーニングです。
ランナー膝になっていて、膝の痛みがあるときに実施するのはやめましょう。
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この記事のまとめ
ランナー膝の原因やなりやすい方の特徴、治療法、予防法について解説しました。
ランニングは、膝を曲げ伸ばしする動作を繰り返すことで膝に負担がかかり続けるため、痛みが生じやすいです。
ランナー膝は、最初はランニング中のみ膝の外側に痛みが生じる程度ですが、放置して走り続けていると痛みが引かなくなってきます。
ランニング中に膝の外側に痛みが生じたら、放置せず医療機関を受診したほうがいいでしょう。
また、ランナー膝は筋肉が弱い方や筋肉が硬い方がなりやすいです。
ランナー膝にならないために、ストレッチとトレーニングを行いましょう。
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