近年、ブームに火が付いているランニング。
健康を意識する人やダイエット目的で始める人など、走る理由は人それぞれです。
10キロと聞くと、ランニング経験者やアスリート以外の人は、その距離に圧倒され「自分には無理だな。」と思ってしまうかもしれません。
しかし、「10キロ走るのに掛かる時間がどれくらいか?」「走ったことで消費出来るカロリーはどれくらいか?」が具体的にわかれば、自然とやる気に繋がります。
さらに、10キロのランニングに秘められた、驚くべき効果を知ることでより一層ランニングへの意欲が湧いてくることでしょう。
本記事では、ランニングに興味があるけれど「いまいち効果がわからない」「そもそも走り切る自信が無い」人に向けに、楽に走れるポイントも踏まえながらお伝えします。
内容をしっかりと理解し、ランニングを始める準備をしていきましょう。
目次
ランニングで10キロ走った時の効果
10キロのランニングで得られる効果には一体どんなものがあるのでしょうか。
ここでは代表的な3つをお伝えしていきます。
- ダイエット効果
- 体力がつく
- 気持ちが前向きになる
10キロもの距離を走るので、その分消費カロリーが増えダイエットにつながることは何となくイメージできますよね。
しかし、減量だけではなく体力面やメンタル面にも嬉しい効果が見られるんです。
早速一つ一つについて詳しくみてみましょう。
ダイエット効果
ランニングの効果として真っ先に挙げられるのがダイエット効果です。
ランニングは代表的な有酸素運動の一つで、一定の時間運動を継続することで体内に蓄積された体脂肪を燃やし、ダイエット効果に繋がります。
10キロもの長時間を走り続ける為には、それに相当するエネルギーを全身に送り続けなければなりません。
そのエネルギー源となるのが、私たちの体内に眠っている体脂肪です。
この体脂肪を燃焼してどんどんエネルギーにするため、ランニングではダイエット効果が得られます。
一般的には、この体脂肪がエネルギーとして利用されるまでには15〜20分程度の時間が必要と言われています。
10キロのランニングに掛かる時間は、この体脂肪の燃焼までに必要な時間を遥かに上回る為、より多くの体脂肪が燃焼されていきます。
行動体力と防衛体力がつく
体力作りのためにランニングを始める人も多くいます。
体力を大きく分けると、筋力や持久力が付くといった体の機能が向上する「行動体力」と、ストレスや環境の変化で病気にならないための「防衛体力」があると言われています。
行動体力(こうどうたいりょく)
体力を大きくふたつに分類したもののひとつ。筋力・持久力・柔軟性など、行動の基礎となる身体的能力のこと。
「体力」を大きくふたつに分けた場合の、実際に身体を動かし行動する身体的な能力のことをいいます。もう一方は「防衛体力」といい、病気やストレスに対する免疫力や抵抗力、環境に適応する能力などを指しています。
ある程度の運動強度が加わる10キロのランニングでは筋力や持久力が向上することでこの行動体力がどんどん付いていきます。
筋力がアップする
ランニングで筋力が鍛えられるしくみについて解説していきます。
ある程度走るスピードが速いランニングは、強く蹴り出す力や着地の時に体を支える力が必要となるため、下半身の筋力が向上します。
また、それだけではなく走っている間に体がぶれてしまわないように腹筋や背筋にも力が入ることで下半身だけではなく上半身の筋力も向上していきます。
このようにランニングでは、筋力向上の面で高い効果を得られます。
持久力がアップする
そもそも持久力とは、より長い時間運動し続けられる力のことを言います。
心肺持久力(しんぱいじきゅうりょく)/ 全身持久力 /
全身持久力とも呼ばれる。心臓や肺の機能に依存する身体のスタミナや粘り強さのこと。
10キロのハードなランニングでは、より強い持久力が必要です。
その為には、長時間の運動中も酸素をしっかりと身体中に届けられるための心肺機能や、長い時間走るために働き続けられる筋力の持久性(筋持久力)が大切となってきます。
これに加えて、最後まで走りきるための精神的な持久力も必要となります。
ランニングでは段階的に距離や時間を延ばしてトレーニングを行うことで、こういった様々な持久力が鍛えられていきます。
また次で解説していきますが、ランニングには気持ちを前向きにしてくれる効果もあり、これが「防衛体力」の向上にも繋がってきます。
気持ちが前向きになる
先ほども少し触れましたが、ランニングには気持ちが前向きになる嬉しい効果もあります。
仕事やプライベートで何か嫌なことがあった時や人間関係でのトラブルなど、私たちの生活の中ではストレスが絶えません。
そんなストレスに打ち勝つためには、ストレスを効率よく発散し、メンタルを向上させることが必要となります。
実はこの2つはランニングをすることによって解決することができます。
ストレス発散効果
よく、ストレス解消の為に運動やスポーツを行う人もいますが、ランニングでも同様の効果が得られます。
適度に体を動かし、軽く汗を流すことで感じる爽快感は日々のストレスを吹き飛ばし、心身共にリフレッシュすることができます。
早朝の静かな時間帯や、空気が綺麗な自然の中を走ると、その効果はより一層高まります。
ここで注意したいのが、強度が強すぎると反対にストレスが溜まってしまう可能性があるということです。
辛いと感じるほど頑張ってしまうと逆効果となってしまうので、自分が気持ちよく走れるペースで行ってみましょう。
メンタル向上
ランニングをすることでセロトニンと呼ばれる「幸せホルモン」の分泌が促されます。
セロトニンは、特にストレスに対する耐性が強く、心の平常を保つ働きがあります。
このセロトニンは日光を浴びることや、リズミカルな運動を行うことで分泌が促進されるため、朝に行うランニングは、実はメンタルの向上に絶大な効果が得られるのです。
また、走っている最中は自分の呼吸や足音などに集中が高まり、軽い瞑想に近い状態に陥ります。
心を「走っている今その瞬間」に集中することは、近年注目されているマインドフルネスにも近い状態であり、これが心の安定やメンタルの向上にも繋がると考えられています。
効果が出るまで3ヶ月はかかると思いましょう
「ランニングを頑張っているのになかなか効果が出ない」と焦ってしまう人もいます。
ここで、注意してほしいのがランニングの効果を感じるまでにはある程度の時間が掛かるということです。
先ほど解説したように、筋力や持久力がついたり、心肺機能が強化されたりするには一定の期間が必要です。
もともと運動をしていてい基礎体力がある人は1ヶ月程度で効果を感じる人もいるかも知れませんが、一般的に効果が明らかになり体に変化が出るまでには3ヶ月程度の時間が必要です。
焦らず、気長に継続していくことが一番のカギとなります。
ランニングで10キロ走った時の消費カロリー
ここでは、ランニングで消費するカロリーについて具体的な数値で考えてみましょう。
ただ「痩せたい!」と思っても、実際に体重を1キロ減らすのに必要な消費カロリーは約7000kcalと言われています。
これだけ聞くと気が遠くなってしまうかも知れませんが、この減量に必要な消費カロリーを、生活のどこかで生み出さなくてはいけません。
まずは実際にランニングで10キロ走った時の消費カロリーがいったいどれくらいなのかを計算してみましょう。
消費カロリーの計算方法
ランニングにおける消費カロリーを計算する方法は、主に2つあります。
- 走る距離で計算する方法
- 走る時間と運動強度で計算する方法
10キロ、7キロ、3キロなど、走る距離が決まっている場合の消費カロリーの計算方法として簡単なのは、①の走る距離で計算する方法です。
具体的な計算式は「体重(kg)×距離(km)」です。
例えば、体重が50kgの方が10km走ったとして計算式に当てはめると、50kg×10km=500kcal(カロリー)となります。
いきなり10キロは大変という人は、3キロ・7キロと徐々に距離を延ばしていく方法も効果的です。
その際の消費カロリーを載せておくので、走る時の参考にしてみてください。
- 3kmの場合:50kg×3km=150kcal
- 7kmの場合:50kg×7km=350kcal
次に、②走る時間と運動強度で計算する場合の計算方法で考えてみましょう。
具体的な計算式は「1.05×体重(kg)×METs×時間」です。
こちらの計算式では運動強度を細かく設定出来るので、より細かいカロリー計算が出来ます。
運動の負荷量を考えるに当たって、その運動の強度を数値化したものにメッツ(METs)と呼ばれる単位があります。
メッツ / METs(めっつ)
運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの。
メッツとは運動や身体活動の強度の単位です。
安静時(静かに座っている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。
歩く・軽い筋トレをする・掃除機をかける・洗車する・子どもと遊ぶなどは3メッツ程度、やや速歩・ゴルフ(ラウンド)・通勤で自転車に乗る・階段をゆっくり上るなどは4メッツ程度、ゆっくりとしたジョギングなどは6メッツ、エアロビクスなどは7メッツ、ランニング・クロールで泳ぐ・重い荷物を運搬するなどは8メッツ程度といったように、様々な活動の強度が明らかになっています。
(最終更新日:2021年9月21日)
例として体重50kgの人が軽めのランニングを1時間行った場合で考えてみましょう。
時速8kmの軽めのランニング(8.3メッツ)なので、上記の計算式に当てはめると、1.05×50(kg)×8.3メッツ×1(時間)=約435.8kcalとなります。
走る距離が決まっている場合は①の計算方法が簡単ですが、走る速度や時間を変えてトレーニングをする場合などは②の計算方法がおすすめです。
このように、実際に計算してみると10キロのランニングで消費されるカロリーは思っていたより少ないと感じる人もいるかも知れません。
しかし、消費カロリーをもう少し高めたい人は、次に解説している方法を試すことでダイエット効果をより高めることができます。
実際はランニングだけでは痩せにくい?
先ほどの消費カロリーの計算で、意外とランニングだけでは消費カロリーが少ないなと感じた人もいると思います。
実際、体重を1キロ減らすのに必要な7000kcalを消費するには、単純に計算すると10キロのランニングを14日継続しなければなりません。
なかなかそんなに頑張れないという人は、ランニングに筋トレを組み合わせることや食事管理をプラスすることでより効果的に痩せることができます。
筋トレをプラスすると、筋力が付くことで基礎代謝が高まり、ランニングの時だけではなく普段の日常生活の中でも消費カロリーが増えて痩せやすくなります。
また、運動だけでなくバランスの良い食事を心がけることで、余剰な摂取カロリーを抑えたり、効率的に筋肉を付きやすくし脂肪を燃焼しやすい体に近づけることができます。
ランニングで10キロ走る時の目安の時間
実際に10キロのランニングを行う際には、忙しい生活の中でいつ走るか、どのくらいのペースで走るのかという問題にぶつかります。
大まかな時間の目安を知ることで、ランニングの計画が立てやすくなったり、大体のペース配分を考えやすくなります。
目安となる平均タイムは性別や年齢、ランニング経験の有無で大きく異なりますが、ここでは一般男女の大まかな目安をお伝えしていきます。
男性の目安
まずは男性の目安から見ていきましょう。
10キロマラソンの男性の平均タイムは約60分前後と言われています。
マラソン初心者の人はまずはここを目指してランニングに挑戦してみましょう。
いきなり10キロが大変な人は、3キロ・7キロと徐々に距離を伸ばすのがお勧めです。
その場合の目安は、以下の通りです。
- 3キロ:15分〜18分
- 7キロ:35分〜42分
まずは、無理なく継続できる距離から徐々に延ばしていくことが大切です。
女性の目安
続いて女性の場合を見ていきましょう。
女子の10キロマラソンの平均タイムは約70分前後です。
ランニング初心者の方はまずは70分を目安に走ってみましょう。
男性同様、いきなり10キロは大変という方は、3キロ・7キロと徐々に距離を延ばしてみましょう。
それぞれの目安となる時間は以下の通りです。
- 3キロ:18分〜20分
- 7キロ:42分〜50分
自分が気持ちよく走れる距離から徐々に延ばしていくのがお勧めです。
ランニングで10キロを楽々走るポイント
ここまで、ランニングの効果などをお話ししてきましたが、何より大切なのは継続することにあります。
10キロのランニングに掛かる時間はおおよそ60分〜70分とやや長い道のりとなります。
ここでは、みなさんが楽しくランニングを継続できるように、10キロを楽々走るポイントを4つお伝えしていきます。
- 準備運動から始める
- いきなり飛ばしすぎない
- ランニングフォームを意識する
- 日頃の積み重ねが大切
それぞれについて詳しくみていきましょう。
準備運動から始める
走る前の準備運動はウォーミングアップのためだけではなく、ケガの予防のためにも最も重要です。
いきなり走り始めるのではなく、関節周りのストレッチを十分に行うことで血の巡りが良くなり徐々に体が温まっていきます。
足首回しや膝の屈伸運動、股関節を伸ばすだけでなく、肩回し・首回しなど全身の関節をゆっくりと動かして準備運動を行いましょう。
ランニング後のクールダウンも同様に、軽めのストレッチを行うことでケガの予防や疲労回復にも効果的です。
いきなり飛ばしすぎない
ランニングを楽に走るポイントの中でも大切となるのがペース配分です。
走り始めは体力が有り余っていることもあり、スピードを上げてしまう人も少なくありません。
ペース配分の仕方はランニングの距離によっても異なりますが、初心者の人が10キロの長い距離を走る場合は、できるだけアップダウンをしない一定のペースで走るのがポイントです。
分かりやすいように車を例にして考えてみます。
車の燃費を考えた時、アクセルやブレーキを繰り返す運転よりも一定の速さで走った方が断然燃費が良くなりますよね。
ランニングも同様に、いかに燃費よく楽に走るかはそのペース配分に鍵があります。
慣れるまではストップウォッチなどで自分の走行タイムを確認しながら、一定のペースで走るように意識してみましょう。
ランニングフォームを意識する
先ほどのペース配分の話と同様に、ランニングを楽に走るにはいかに無駄な力を入れずに走るかが重要となります。
その時にポイントとなるのがランニングフォームです。
頭が前に出てしまう、猫背や反り腰のまま走ってしまうなど、崩れた姿勢では肩周りや足に余計な力みが加わり、必要以上に疲れてしまう原因となります。
余計な力みのないフォームを作るには以下のチェック項目を参考にしてみましょう。
- 背筋をまっすぐに伸ばし、体の軸を整える
- 軽い前傾姿勢で肘は直角(90°)かそれよりも少し鋭角に曲げる
- 肩の力は抜き、肘を後ろに軽く引くように腕を振る
- 着地する足は膝の真下を意識する
- つま先や踵ではなく、中足部で着地する
日頃の積み重ねが大事
ランニングに限らず、運動は日々の積み重ねが大切です。
せっかく、ある程度走れるようになっても一度辞めてしまうと心肺機能や持久力が低下し、同じ距離を走れなくなってしまいます。
ランニングを楽しく継続するためには、ランニング仲間を作ることや、トレーニング日記を付けること、ランニンググッズをまずは揃えてみるなど自分なりの工夫を加えてみるのも良いでしょう。
自分に合った方法で、コツコツとトレーニングを続けることが何よりも大切です。
ランニングしながら下半身痩せしたい人はミスリル
ランニングで痩せたい方の目的の1つに「下半身痩せ」があります。
そんな時にオススメなのが「ミスリル」です。
(引用元:ミスリル公式HP)
ミスリルでは、骨格を整えながら下半身を引き締めるエクササイズを指導してくれます。
ランニングの際、下半身の骨格ラインが崩れていると関節を痛める原因に繋がります。
場合によっては、偏って筋肉を使ってしまい、下半身が太くなる場合もあり得ます。
そうならない為にも、下半身の骨格ラインを整える事もランニングでは大切です。
痛みを緩和したい・下半身を引き締めたい方は、骨格ラインを整えましょう。
ランニングを行いながら効率的に痩せたい方にミスリルはオススメです。
まとめ
ダイエット効果だけではなく、健康面にも嬉しい効果があるランニング。
実際の効果や時間、消費カロリーを数値として目にすることで、ダイエットの計画も立てやすくなります。
10キロと聞くと少し身構えてしまう人もいるかも知れませんが、まずは短い距離からスタートし自分が気持ちよく走れる範囲で徐々に距離を伸ばしていくことが大切です。
その際に、本記事でお伝えしたポイントをぜひ参考にしてみてください。