ランニングは手軽な上、ダイエットや健康に効果的な運動の1つですが、足の裏の痛みなどのトラブルも絶えないのが現状です。
足の裏の痛みは、ランニング初心者だけでなく経験豊富なランナーにも起こりうる症状です。
この記事では、足の裏の痛みの原因と対処法・予防法を徹底解説します。
ランニングを続ける上で、特に必要な6つの対処法・予防法をご紹介しますので、足の裏の痛みが気になる方はこのまま読み進めてみてください。
目次
ランニングで足の裏が痛い|3つの原因とは
ここでは、ランニングで足の裏の痛みを発生させる以下の3つ原因を詳しく紹介します。
- 足底筋膜炎
- 靴が合っていない
- 走り過ぎ
それぞれ解説していきます。
足底筋膜炎
足底筋膜炎とは、足の裏の筋肉を覆う膜状の組織である筋膜が炎症を起こした状態を指します。
ランニングにおける足の裏の痛みのほとんどはこれに該当します。
原因として、足は、足根骨と中足骨が靭帯で結ばれ、縦横のアーチを形成し、筋肉や腱がこれらを補強しています。
スポーツにより、衝撃が続くと、足の骨や軟骨、靭帯や腱に障害をきたし疼痛が発生します。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
ランニングやジャンプ動作を含むスポーツなどで、荷重による衝撃と足の裏が強く引っ張られる力によって、足底筋膜に過剰に負担がかかり、小さな損傷や炎症を起こしやすくなります。
以下に当てはまる方は、足底筋膜炎になりやすい人と言われています。
- ランニングやジャンプなど踏み込み動作が多いスポーツをしている人
- 硬い路面で練習している人
- 長時間の立ち仕事をしている人
- ふくらはぎから足の裏の筋肉の柔軟性が低い人
- 足の筋力が弱い人
- 扁平足、あるいは土踏まずが高い人
- 肥満の人
- クッション性が弱い靴を使用している人
もし、上記に当てはまる項目があるのであれば、それが足底筋膜炎を引き起こしている原因になっているかもしれません。
痛くなる場所に関しては、足の裏に痛みを感じることが多く、特にかかとから土踏まずの辺りに痛みが出やすいです。
足底筋膜炎は、適切なトレーニングやシューズの選び方、ストレッチなどで予防することができます。
痛みが強い場合は、医師に診てもらうことをおすすめします。
靴が合っていない
靴のサイズが大きすぎる、あるいは小さすぎるなど、靴が合っていない場合にも、ランニング中に足の裏に痛みを感じることがあります。
靴のサイズが大きい場合、ランニング中に靴の中で足が動きすぎるため、本来負担のかからない部分に負担がかかる可能性があります。
サイズが小さい場合は、本来なら指の付け根の関節(第三関節)が反ってつま先で地面を蹴り出しますが、サイズが小さいと関節ではない場所に曲がるような力が加わってしまいます。
関節なら曲がるようにできているので問題ありませんが、関節ではない本来曲がらない部位に力が加わると組織を痛めてしまう原因になってしまいます。
また、インソールや靴の幅が合っておらず、適切なサポートを受けられないことで、足の構造に合わずに痛みを引き起こしてしまう場合もあります。
ランニングシューズは、足の形状や歩行パターン、ランニングの距離や頻度などによって異なります。
そのため、ランニングシューズは自分の足の形状や走る距離や頻度から選ぶことが大切です。
また、新しい靴を履く際は、ゆっくりと履いて走ることで、靴に馴染ませることも大切です。
走り過ぎ
走り過ぎが原因の場合、ランニングを始めたばかりの時、距離や強度を急激に増やした場合に、足の裏に痛みを感じることがあります。
これは、足やすねの筋肉や骨、軟部組織に過剰な負担をかけ、炎症を引き起こしているためです。
走りすぎによる痛みは、ランニングをした後や次の日に強く感じられることがあります。
これを防ぐためには、ランニングの頻度や距離、強度を自分に合うように適切に調整することが重要です。
また、ランニング前後のストレッチやウォーミングアップ、アイシングなども大切です。
痛みが長引く場合や痛みが強い場合は、医師に診てもらうことをおすすめします。
ランニングで足の裏が痛い|足底筋膜炎とは
そもそも、足底筋膜とは、かかとから足の指の付け根にかけて広がる膜状の組織を指します。
これは、土踏まずの高さを維持しており、歩く時やランニング時にたわんで衝撃を吸収し、負担がかかりすぎないようにしてくれる役割があります。
足底筋膜炎とは、この土踏まずを支える足底筋膜が小さな損傷を起こし、炎症している状態です。
ランニング時に着地すると、足底筋膜が伸ばされるため、その時に痛みを感じる場合が多いです。
「起床時の一歩目が痛い」「急に歩くと痛い」という訴えがよく聞かれます。
ランニングと足底筋膜炎については下記の記事でも詳しく解説しています。
ランニングで足の裏が痛くなるメカニズム
ランニングで足の裏が痛くなるメカニズムとしては、以下の2点が問題となります。
- 着地時のかかとへの衝撃
- 足を蹴り出す際の足底筋膜の伸張
歩く時やランニング時はかかとから地面に足を着きますが、足底筋膜はかかとの前に付着しているため、かかとを着いた時の衝撃がそこに加わり、かかとへの付着部が損傷すると炎症を起こす場合があります。
また、足を蹴り出す際、指の付け根の関節が反り、足の裏が伸ばされます。
足底筋膜はかかとから指の付け根まで伸びているため、指が反ると足底筋膜も伸ばされます。
さらに、蹴り出す際に強く力が加わるため、より強く足底筋膜が伸ばされます。
こうした衝撃や伸張ストレスが繰り返し加わることで、足底筋膜が損傷すると伸ばされると痛みが引き起こされますし、炎症が起こると炎症による痛みも起こります。
痛みを緩和させるには、足底筋膜の回復と炎症が鎮静することが必要で、ランニング時にかかる衝撃と伸張ストレスを和らげることが重要となります。
【要注意】足の裏の痛みで受診が必要なケースはコレ
足の裏の痛みが持続しており、以下のような症状がある場合は、必ず医師に診てもらうことをお勧めします。
- 痛みが強すぎて走ることが困難な場合
- 痛みが強くて歩くことも困難な場合
- 腫れや熱を伴っている場合
- 痛みが急激に発生した場合
- 痛みが次第に強くなっている場合
- 痛みが数ヶ月長引き、改善しない場合
- 足を動かすことによって痛みが増強する場合
- 足または足の付け根に変形がある場合
これらの症状がある場合、問題が深刻化する可能性があるため、早めに医師から診断・治療を受けることが大切です。
ランニングで足の裏が痛いときの6つの対処法
ランニングで足の裏が痛い時の対処法としては、主に以下の6つが挙げられます。
- 痛みが強い時は安静
- アイシング
- ストレッチ
- マッサージ
- 筋トレ
- 走り方を見直す
それぞれ解説していきます。
痛みが強い時は安静
足の裏の痛みが強い時は、まず安静にすることが最重要です。
安静にすることで、痛みや炎症の悪化を防ぎ、痛みを和らげることができます。
安静にするためには以下のような対処法があります。
- ランニングを休む:痛みが強い場合は、ランニングを一旦休んで、安静にすることが大切
- 足を心臓より高い位置に置く:足を心臓より高い位置に置くことで心臓への血流を促すことができ、腫れや炎症を抑えることができる
- 冷やす:足を冷やすことで、炎症を抑えて痛みを和らげることができる
- 患部以外の運動をする:ヨガやピラティスなど、患部の足の裏以外の軽い運動で全身を動かすことで、痛みを和らげる効果が期待できる
痛みが和らぐまで数日から数週間かかる場合がありますが、痛みが引き続き持続する場合は、医師に診てもらうことをお勧めします。
アイシング
アイシングは、ランニングで足が痛いときの対処法として効果的です。
アイシングには以下のようなメリットがあります。
- 炎症を抑える:冷やすことで炎症を抑えて、痛みを和らげることができる
- 血流を促進する:冷やすことで血流が促進され、炎症を抑えて痛みを和らげることができる
- 筋肉をリラックスさせる:冷やすことで筋肉がリラックスされ、痛みを和らげることができる
アイシングの具体的な方法としては、ビニール袋に氷を入れ、患部を10〜20分冷やすと感覚がなくなってきますので、その時点で冷やすのをやめて大丈夫です。
痛みが和らぐまで数時間から数日かかる場合がありますが、痛みが引き続き持続する場合は、医師に診てもらうことをお勧めします。
ストレッチ
ストレッチもランニングで足の裏が痛いときの対処法として非常に有効です。
ストレッチには、筋肉の緊張を和らげ、柔軟性を高めたり、痛みの緩和、血流の促進などの効果があります。
ストレッチする場所としては、ふくらはぎと足の裏がおすすめです。
ふくらはぎから足の裏の足底筋膜はつながっていますが、ふくらはぎの柔軟性が低いと、足の裏だけが過剰に伸ばされるので、炎症を起こす原因になります。
また、足の裏自体の柔軟性の低さも問題となりやすいので、どちらもストレッチしておきましょう。
ふくらはぎのストレッチ
- 壁に向かって肩幅に足を開いて立つ
- 両手を壁につく
- 片足を少し前に出し、反対側の足を大きく後ろに出す
- 前足に体重をかけ、後ろ足のふくらはぎをストレッチする
- 15〜20秒ストレッチする
- 2〜3セット行う
ポイントは、後ろ足のかかとが浮かないようにすることです。
かかとが浮いてしまうと、十分にふくらはぎが伸ばされないので注意しましょう。
足の裏のストレッチ
- 四つ這いになる
- つま先を立てる
- 両手を離し、お尻をかかとへ近づける
- かかとができるだけ前に傾くように調整する
- そのまま15〜20秒ストレッチする
- 2〜3セット行う
ポイントは、かかとをしっかりと前に傾けることです。
つま先を地面についたまま、かかとを前に傾けることで足の裏が伸ばされます。
マッサージ
マッサージは、筋肉を柔らかくし、血流を促進することで疲れや痛みを和らげる効果があります。
マッサージを行うことで、筋肉の柔軟性も向上するため、痛みの再発にも効果があります。
専門家がマッサージすることが望ましいですが、ポイントをおさえれば自分でも行うことができます。
どのマッサージにも共通するポイントとしては、以下の通りです。
- 最初は20〜30秒から始める
- 慣れてきたら90秒ほどを目指す
- 1日の中で数回に分けて行う
- いきなり強くやらず、物足りないくらいの強さから始める
上記のポイントを踏まえ、当院では、足の裏の痛みに対するマッサージとして、以下の2つが効果が高いです。
ふくらはぎの外側のマッサージ
ふくらはぎの外側には、長腓骨筋という筋肉があり、土踏まずの辺りまで伸びて、足の裏から土踏まずを支えています。
- すねを3等分した真ん中のエリアを触る
- 外くるぶしの延長線上にある腓骨という骨のすぐ後ろをマッサージ
- 20〜30秒ほどかけてゆっくり優しく行う
ふくらはぎの内側のマッサージ
ふくらはぎには、腓腹筋とヒラメ筋から構成される下腿三頭筋という筋肉があります。
下腿三頭筋は、足首の方へ伸びており、アキレス腱となってかかとに付着しています。
上述したように、足の裏の足底筋膜ともつながっています。
そのため、下腿三頭筋の硬さは足首の動きを悪くし、足の裏への負担を大きくするので、足底筋膜炎を起こす可能性が高くなります。
- すねを3等分した真ん中のエリアを触る
- 内くるぶしの延長線上にある脛骨というすねの骨の指1本分後ろをマッサージ
- 20〜30秒ほどかけてゆっくり優しく行う
足底筋膜炎に対するマッサージについては、下記の記事でも詳しく解説しています。
筋トレ
筋トレは、筋肉を強くし、筋力を高めることができます。
強い筋肉は、より多くの負荷に耐えることができるため、疲れや痛みを感じにくくなります。
二の腕や太ももなどと違って、足の裏を鍛えると言ってもイメージが湧きにくいかもしれませんが、足の裏も多くの筋肉がありますので、筋トレすることで効果は期待できます。
- タオルを床に引く
- タオルの上に足を乗せる
- 指の付け根の関節を曲げ伸ばしして、タオルを引き寄せる
- 10〜20回行う
- 2〜3セット行う
ポイントは、指先の第1関節や第2関節ではなく、指の付け根から動かすことです。
親指に関しては第2関節になりますが、残りの指は第3関節にあたる部分だけを曲げ伸ばしして、タオルを引き寄せるようにしましょう。
走り方を見直す
正しい走り方を身につけることができれば、足に負荷をかけずに効率的に走ることができます。
逆に、走り方な次第で、疲れや痛みを引き起こす可能性も十分にあります。
足の裏に負担をかけやすい走り方は以下の3つです。
- 着地時に足が過度に身体の内側に入ってしまう
- 着地した足と同じ側の骨盤が外側へずれる
- 着地した足と反対側の肩が下がる
足が身体の内側に入ってしまうと、かかとが内側に、足首に対してすねが外側に傾くことになります。
すると、土踏まずが低くなるため、足底筋膜が伸ばされることとなり、そのまま走ることで過剰に伸ばされるストレスが足底筋膜にかかります。
骨盤が外側にずれる、肩が下がるのも同じで、結局かかとが内側に、すねが外側に傾くため、足底筋膜が伸ばされることになります。
足底筋膜に負担をかけないためには、左右の肩と骨盤が過度に傾かないように注意しつつ、身体の中心に1本の軸があるイメージで走ると良いでしょう。
また、誰かに見てもらう、あるいは動画を見ながら自分の走り方を比較することも効果的です。
走り方を見直すことで、足の裏の痛みを緩和させ、安全で効率的なランニングができるようになります。
足の裏の痛みを予防する3つのポイント
足の裏の痛みを予防するためのポイントは以下の3つです。
- 走る距離を見直す
- 足に合った靴を選ぶ
- インソールなどの活用
それぞれ解説していきます。
走る距離を見直す
足の裏の痛みを予防するためには、走る距離を見直すことが重要です。
急に長い距離を走しったり、自分に合っていない距離を走ると、足の裏に過剰な負担がかかります。
なので、走る距離は短い距離から段階的に増やすことが大切です。
少しずつ距離を伸ばし、自分にとってどれくらいの距離なら無理なく走れるのかを確認しましょう。
足に合った靴を選ぶ
自分の足に合った靴を選ぶことも予防において大切です。
サイズが大きい、あるいは小さいなど、適切なサポートができない靴を履くと、足の裏に過剰な負担となる可能性があります。
サイズが大きいと、靴の中で足が動いて上手く力を発揮できずに、本来負担がかからない場所に負担となる可能性があります。
また、ランニング時は指の付け根の関節が曲がって、つま先に力を入れて蹴り出します。
ですが、靴のサイズが小さいと、指の付け根以外の本来曲がらない場所に力が加わってしまう可能性があり、痛みの原因になります。
自分に合った靴の選び方のポイントは、インソールを外して、そこに足を乗せることで確認できます。
ポイントは、以下の4つです。
- インソールに足を乗せ、かかとを合わせる
- かかとのサイズがあっているかどうか
- つま先に0.5~1cmの余裕がある
- 足幅がインソール上におさまっている
さらに言うと、インソールをつけて靴を履いてみて、つま先立ちをしてみてください。
指の付け根(第三関節)部分と靴の曲がる部分が一致していれば良いですが、ずれている場合はサイズが適切ではない可能性があるので注意しましょう。
インソールなどの活用
足底筋膜炎の場合、扁平足あるいは土踏まずが高くなっている傾向にありますが、インソールを足の形に合わせることで、痛みを和らげることもできます。
扁平足の場合は、足の裏の内側を高く、土踏まずが高い場合は、足の裏の外側を高くすることで、足の下からサポートすることができ、足の裏の負担を減らすことができます。
ただ、扁平足にしても、内側が高ければ良いというわけではなく、高すぎるとこすれて痛くなってしまう可能性もあるので、いくつか試してみるのが良いでしょう。
足の裏の痛みを今すぐどうにかしたい人へ
足の裏の痛みを今すぐ何とかしたいという方は、理学ボディにご相談ください。
ストレッチやマッサージ、靴を合わせてもあまり変わらないという方は、筋膜という組織が原因かもしれません。
筋膜は、筋肉を覆う膜状の組織で、運動の繰り返しや姿勢の不調により緊張し、可動性が低下します。
これが、痛みや不快な症状を引き起こす原因になります。
そこで、筋膜に対して有効なのが筋膜リリースという方法です。
筋膜リリースについて詳しくは下記の記事を参照ください。
筋膜の施術に精通している理学ボディのセラピストなら、筋膜に存在するピンポイントの硬さでも見つけることができます。
理学ボディでは、筋膜に対して施術を行い、最短で痛みを和らげることにこだわっています。
もし、足の裏の痛みが良くならなくて困っているという方は、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。
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すぐにできますので、まずは自宅であなたの痛みがどれだけ改善するのか試してみてください。
まとめ
- 足の裏の痛みの原因は、主に足底筋膜炎、靴が合っていない、走り過ぎの3つ
- ランニング時の足の裏の痛みのほとんどは、足底筋膜炎が原因
- 足底筋膜炎とは、足の裏にある足底筋膜という組織が炎症を起こした状態で、ランニングやジャンプによる衝撃と足の裏が強く引っ張られることで、足底筋膜が損傷、炎症した状態
- ランニングで足の裏が痛くなるのは、着地時のかかとへの衝撃、足を蹴り出す際の足底筋膜の伸張が問題
- 足の裏が痛い時の対処法としては、安静、アイシング、ストレッチ、マッサージ、筋トレ、走り方を見直すの6つ
- 足の痛みを予防するポイントは、走る距離を見直す、足に合った靴を選ぶ、インソールを調整するの3つ
今回は、ランニング時の足の裏の痛みについて、原因と対処法、予防法を解説しました。
多くは足底筋膜が炎症していることが原因であり、対処法としては、安静やストレッチ、靴、走り方を見直すことなどがあります。
基本的には炎症が鎮静しないと、痛みも治まらないので、そのままにしておいても痛みは和らがないことの方がほとんどです。
本記事で紹介した対処法を1つ1つしっかりと読んで試してみてください。