ある日突然起こる背中の激痛。
ぎっくり腰と似たようなその痛み「ギックリ背中」かもしれません。
「ちょっとひねっただけだから」
「ちょっと無理が掛かっただけ」
と放っておいてしまうと、動けなくなるほど痛みがひどくなってしまうこともあります。
本記事では、ギックリ背中の原因から痛みを改善する方法まで理学療法士が詳しく説明していきます。
※すでに我慢できないほどの痛みを抱えている人は「痛みの対処法」から読み進めてみましょう。
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ギックリ背中とは?
- ちょっと重たいものを持った時に背中に激痛が走った
- 寝返りをした時に背中に電気が走るような痛みが出た
- 特に何もしていないのに背中が痛くなってきた
- 背中の片側だけが痛くなってきた
このように様々なきっかけで起こるギックリ背中は「筋筋膜性疼痛症候群」と呼ばれています。
筋膜性疼痛症候群(Myofasical pain syndrome, MPS[エム・ピー・エス])とは、いわゆる「筋のコリ」による症状をきたす、世界中で一般的な病気です。
参照元:一般社団法人日本整形内科学研究会
まずは、ギックリ背中とはどんなものか解説していきます。
症状
ぎっくり背中の症状としては、
- 痛くて動けない
- 体を動かすと痛い・痺れる
- 背中の一部分を押すと痛い
- 時間が経つと症状の出る部分が移動する
などがあります。
重症な人では痛くて動けない、呼吸をするだけで痛くなる場合があります。
ぎっくり背中と似ている痛みで肋間神経痛という病気もあります。
ギックリ背中と見分ける特徴として、似たような痛みでも
肋間神経痛は肋骨にそって症状が出るため、背中よりは脇腹が痛くなる事が多いことです。
ビリっと電気が走ったような鋭い痛みだったり、じくじくとした痛み、ヒリヒリとするような痛みだったりする。
肋間神経は肋骨に沿う形でつながっているため、肋骨に沿って痛みが出ることが多く、片側のみが痛む場合が多い。
参照元:ドクターズ・ファイル
背中に限定する痛みではギックリ背中である可能性が高いです。
メカニズム
ギックリ背中は
- 重たいものを持ち上げる
- 長時間同じ姿勢ばかりとっている
- 体をねじる
といった場合に背中の筋肉や筋膜に過度な緊張やストレスが掛かることで軽度の肉離れとなってしまうことで痛みが生じます。
また、肉離れまでいかずとも
- じっとしていても痛む
- 特に何もしていないのに痛くなった
- 朝起きた時から痛みが出た
というケースでは筋肉が緊張状態となっていることが原因で起こります。
また、
- 普段の姿勢から背中に負担が掛かっている
- 仕事やスポーツで背中を酷使している
- 変な姿勢で寝てしまっている
というケースでは誘発なくギックリ背中になってしまうことがあります。
ギックリ背中になりやすい人の特徴
ギックリ背中になりやすい人には以下のような、ある程度共通の特徴があります。
- もともと体が硬い
- 日頃から肉体労働をしている
- 同じ姿勢で仕事や作業をすることが多い
- 寝返りが少ない
- インナーマッスルが機能していない
※ギックリ背中の原因や、痛みの対処法については下記の記事でもわかりやすくまとめています。
もともと体が硬い
もともと体が硬い人は全身の筋肉の柔軟性が極端に低くなっています。
「自分はもともと体が硬いから」と、日頃のストレッチからも遠ざかってしまっていませんか?
この状態では体の支柱となる背骨を支える背中の筋肉も硬くなってしまいます。
体の柔軟性が低下し筋肉が硬くなると
少しストレスが加わっただけでも極度に緊張したり痛めてしまうことが多いです。
ギックリ背中に繰り返し悩まされている人の大方がこのケースです。
日頃から肉体労働をしている
建設現場や介護スタッフ、配達作業など普段から重たいものを持ったり、無理な姿勢で力を入れたりする人はその分体背中にも大きな負担が掛かってしまいます。
また、仕事上なかなか休憩が取れなかったり常に緊張状態でいると背中の筋肉もどんどんストレスが溜まってしまいます。
- 普段よりちょっと無理が掛かったとき
- 年齢を重ねてストレスに耐えきれなくなったとき
などにいきなりギックリ背中を発症してしまうことがあります。
同じ姿勢で仕事や作業をすることが多い
年々増えていくデスクワークや、同じ姿勢での作業が続く仕事などでもギックリ背中は発症しやすいです。
長時間同じ姿勢を続けると、
- 背骨の動きが少なくなる
- 背骨を支える筋肉が硬くなる
- 全身の血の巡りがわるくなる
- ある一定の部分ばかりに負担が掛かる
など、ギックリ背中になりやすくなってしまいます。
時間を決めて軽めのストレッチをしたり、適度に休憩を挟むことが大切です。
寝返りが少ない
「朝起きたときから背中が痛い」
「朝起きると体が硬い」
などの症状に悩むケースでは、睡眠中の姿勢が原因となっていることが多いです。
特に寝返りが少ない人は長時間同じ姿勢が続くので背骨や背中への負担も大きくなってしまいます。
このような場合は
- 寝過ぎないように生活習慣を整える
- マットレスや枕などの寝具を見直す
- 日頃からストレッチを習慣にする
などのポイントを見直すことで改善する場合が多いです。
インナーマッスルが機能していない
背骨の周りには内側から体を支えるインナーマッスルが付着しています。
このインナーマッスルがしっかりと働くことで、
ある特定の部分ばかりにストレスをかけることなく体の軸が整い安定します。
しかし、インナーマッスルが機能しなくなると
- 猫背・巻き肩
- 反り腰
など、体に掛かる重力に耐えられなくなりどんどん崩れた姿勢になってしまいます。
これが背中の筋肉に負担がかかる原因となり、ギックリ背中にもつながってしまいます。
ぎっくり背中が重症化してしまう人の特徴
重症化すると痛みで動けなくなってしまうギックリ背中。
重症化してしまう人には主に2つの共通の特徴があります。
- 痛みがあっても動きている
- 治っては再発を繰り返している
痛みがあっても動いている
一つ目が痛みがあっても我慢して動いてしまっているケースです。
はじめは我慢できる程度の痛みでも、無理して動いてしまうとどんどん負担やストレスが蓄積されてしまいます。
気づいた頃には痛み生活するのも大変になてしまうほど重症化してしまうケースも少なくありません。
少し異変を感じたら、早めに適切な対処をすることで重症化を防ぐことができます。
治っては再発を繰り返している
二つ目が何度も再発を繰り返しているケースです。
「少し休むとよくなるから……」
痛くなった時だけ我流で対処し、そのまま放っておいてしまう人も少なくありません。
これでは根本的な治療にはならず、また負担がかかると痛くなってしまいます。
これを繰り返すと背中に受けるダメージは徐々に大きくなり重症化してしまいます。
ある日突然動けなくなるほど重症化してしまう
なんてことになる前に一度しっかりと原因を突き止めて治すことが大切です。
重症なギックリ背中の対処法
ここでは重症なギックリ背中の対処法について解説していきます。
- 痛みが強い場合は安静にする
- 病院で薬をもらうのも効果的
- 冷やすと効果的な場合は冷やす
- 温めると効果的な場合は温める
- ストレッチ
- マッサージ
- 日常生活動作や姿勢の見直し
- インナーマッスルの強化
痛みの程度や症状に応じて、対処していきましょう。
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痛みが強い場合は安静にする
基本的に動くのが困難なほど痛みが強い場合は安静が優先です。
筋肉に炎症が起きているため無理をして動くほど炎症を強めて症状を悪化させてしまいます。
痛みが落ち着くまでは、横になって静かに休むようにしましょう。
運動や仕事も可能な場合はお休みし、まずは体をしっかりと治すことに専念しましょう。
市販の痛み止めを併用することも効果的ですがその際は、ロキソニンなどの非ステロイド系消炎鎮痛剤を選びましょう。
病院で薬をもらうのも効果的
安静にしてもなかなか痛みが引かない場合は
一度病院を受診し痛み止めや炎症止めなどの薬をもらうと最も効果的です。
この場合受診するのは「整形外科」のある病院です。
必要に応じて、他に痛みの原因となっている部分がないかレントゲン検査などでみてもらうことも大切です。
冷やすと効果的な場合は冷やす
痛みが出た時に「冷やすか・温めるか」で迷ってしまう人もいると思います。
基本的に、発症からまもなく炎症が起きている場合は冷やすのが効果的です。
氷嚢やタオルを巻いた保冷剤などを患部に当てて冷やすのがおすすめですが、
冷湿布などを貼って気持ちがいい場合はそれでも良いでしょう。
入浴も控え、体を温めることは避けるようにしましょう。
温めると効果的な場合は温める
温めると効果的な場合は筋肉が緊張して硬くなっている場合です。
特に誘発なく痛くなった時や、全体的に症状が続く場合など、
温めた方が気持ちが良い場合は温湿布や入浴などでしっかりと温めることが効果的です。
ストレッチ
痛みがある程度落ち着いて動かせるようになってきたら、硬くなっている背中の筋肉をほぐすためのストレッチが効果的です。
朝の起床後や入浴後、長時間同じ姿勢が続く合間などに行うことがおすすめです。
ここでは簡単に行えるストレッチを紹介します。
画面を見ている目を休めて一緒に行ってみましょう。
背中のストレッチ①
体を反らせながら肩甲骨まわりから背骨まわりをほぐすストレッチです。
左右の肩甲骨をしっかりと寄せる意識で行うとより効果的です。
- 背筋を伸ばして座り、後ろで両手を組む
- 組んだ手の平を外側に向け、背中側で左右の肩甲骨をギュッと寄せる
- その状態で10秒キープ
- 力を抜いて元に戻る
- 3〜4回行う
背中のストレッチ②
先ほどのストレッチとは反対に、背中を丸めながら筋肉を伸ばすストレッチです。
ゆったりとした呼吸で行うとより筋肉がほぐれて効果的です。
- 両手を胸の前で組み前に突き出す
- 左右の肩甲骨が開くのを感じながら背中を丸める
- 深呼吸をしながら10〜20秒キープ
- ゆっくりと元に戻る
- 3〜4回行う
マッサージ
ストレッチではなかなかほぐしにくい部分は、マッサージでしっかりとほぐすのも効果的です。
マッサージも痛みがある程度引いてから痛みのない範囲で行うことが大切です。
背中まわりは自分で行うのはなかなか難しいですが、マッサージローラーやテニスボールを用いて行うのがオススメです。
息を止めてしまうとかえって筋肉が緊張してしまうので、ゆったりと呼吸をしながら行うことが重要です。
日常生活動作や姿勢の見直し
根本的に治すことを考えた時、一番大切なのが日常生活動作や姿勢の見直しです。
普段から猫背や反り腰など崩れた姿勢でいると筋肉への緊張を高め痛みの再発の原因となります。
- 背筋を伸ばし、上から紐で吊られているようなイメージで生活する
- デスクワークの環境を整える
- 座っている時間を意識的に少なくする
- 重たい物を持つときはなるべく体に近づける
- しゃがむときは足幅を広げるか、片膝をつける
- 高い所にある物を取るときは足台を利用する
上記にあるように、生活の中でも過度に背中を反らせたり屈めたりしないような工夫も大切です。
インナーマッスル強化
背骨を支えるインナーマッスルを強化しておくことも痛みの予防や改善に効果的です。
普段から背筋を伸ばして生活するだけでもインナーマッスルの強化に繋がりますが、
ここでは簡単に行えるトレーニングを一つ紹介します。
毎日1回時間を見つけて行ってみましょう。
インナーマッスルのトレーニング①
一枚の板のように体をまっすぐにした状態でお腹や背中、足など全身を使ってキープするトレーニングです。
お尻が突き出たり、お腹が下がったりしないよう注意しながら行ってみましょう。
- うつ伏せの状態から両肘を両肩の下に置き腕で体を支える
- 両方のつま先を腰幅にして立てる
- その状態で20〜30秒キープ
- ゆっくりと元に戻る
- 2〜3セット行う
インナーマッスルのトレーニング②
四つ這いの姿勢から手を伸ばし背中とお腹のインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。
背中がまっすぐな状態をキープしながら行うとより効果的です。
- 四つ這いの姿勢になり、両手を両肩の下に両膝を両股関節の真下に置く
- 右手を前に伸ばし10秒キープ
- 左手を前に伸ばし10秒キープ
- 元に戻る
- 2〜3セット行う
- ※できる人は右手と左足、左手と右足をそれぞれ対角線状に一緒に持ち上げてみましょう
まとめ
つらいギックリ背中を治すためには、痛みやその程度に合わせて適切な対処をすることが重要です。
また、再発を繰り返す人は根本的に治すために
日頃から背中に負担が掛からないように工夫をすることやケアを続けることが大切です。
本記事の内容を参考に、一緒につらい痛みを治していきましょう。