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シンスプリントの本当の原因は8つあり | 理学療法士が対処法と合わせて解説

 

運動中や運動後に感じる【すねの辺りの痛み】に悩まされていませんか?

実はその痛み、ただの疲れではなくシンスプリントが原因かもしれません。

シンスプリントは、別名で脛骨過労性骨膜炎けいこつかろうせいこつまくえんと呼ばれる骨膜の炎症が原因で生じるスポーツ障害の一つです。

シーズン始めのスポーツ選手や、部活動でスポーツを始めたばかりの中高生に多くみられ、運動直後にすねの下1/3のあたりにうずくような痛みを生じます。

過労性というと「ただの使い過ぎ」と思ってしまう人もいますが、足の構造や履いている靴の影響、スポーツを行う環境など、炎症に繋がる原因は探ってみると実は人それぞれなんです。

本記事では、そんなシンスプリントの原因について詳しく解説していきます。

あなたの痛みの原因がどこにあるのか探りながら読み進めていきましょう。

 

シンスプリントとは?

シンスプリントは、別名で脛骨過労性骨膜炎けいこつかろうせいこつまくえんと呼ばれる骨膜の炎症です。

原因は様々ですが、おもにランニングやスポーツなどのやり過ぎによって、脛の骨(脛骨けいこつ)に付着する骨膜の付着部に負担が掛かり炎症を起こしてしまいます。

特に、激しい運動を行うことや、固い地面などの衝撃を受けやすい場所での運動、急な発進・ブレーキを必要とするスポーツ(バスケットボールやサッカーなど)を行うことによって起こります。

軽症の場合は少し安静にすることで、治ってしまうことが多いですが、重症化してしまうと完治するのに何ヵ月〜数年も掛かってしまうことがあります。

 

シンスプリントに直接関係する筋肉

シンスプリントの痛みは下腿(膝より下の部分)のですねの内側・外側のいずれかに生じます。

この痛みはどの筋肉や骨膜が炎症を起こしているのかによって異なります。

すねにある筋肉でシンスプリントの原因となりうるのは、おもに以下の5つです。

  • 前脛骨筋ぜんけいこつきん
  • ヒラメ筋
  • 後脛骨筋こうけいこつきん
  • 長母趾屈筋ちょうぼしくっきん
  • 長趾屈筋ちょうしくっきん

また、痛む場所で分けると以下のようになります。

  • すねの内側の痛み:前脛骨筋ぜんけいこつきん
  • すねの外側の痛み:ヒラメ筋、後脛骨筋こうけいこつきん長母趾屈筋ちょうぼしくっきん長趾屈筋ちょうしくっきん

前脛骨筋はおもに足先を上に上げる時に働く筋肉で、ランニングなど足を持ち上げる動作の繰り返しや、スキーなどのように膝を曲げた状態で前傾姿勢をとることでストレスがかかります。

ヒラメ筋や後脛骨筋などの足先を下に動かす筋肉や、長母趾屈筋や長趾屈筋のような足指を曲げる働きをする筋肉は、蹴り出す時やジャンプによる衝撃吸収動作が加わるとストレスがかかります。

また、足の構造上の問題(足部の変形やアーチの低下による扁平足)が関わることもあります。

 

シンスプリントの原因は8つある

シンスプリントは過労性のスポーツ障害として知られており、大きくいうと運動のやり過ぎで起こります。

スポーツ外傷とスポーツ障害

スポーツ活動中、身体に急激な大きな力が加わっておこる不慮のケガを「スポーツ外傷」と言います。

一方、スポーツ動作の繰り返しによって身体の特定部位(骨、筋肉、靱帯)が酷使されることによっておこるものを「スポーツ障害」と言います。
「スポーツ障害」は別名、「使い過ぎ症候群」とも呼ばれます。

参照元:公益社団法人 日本整形外科学会

ランニングやその他のスポーツをやり過ぎて、脛の骨(脛骨けいこつ)に付着する骨膜の付着部に負担が掛かり、炎症を起こしてしまいます。

しかし、一口に運動のし過ぎと言ってもシンスプリントになる人とならない人がいるのは一体なぜでしょうか。

それには、様々な要因が関係してきます。

以下に示すシンスプリントを引き起こす要因に一つでも当てはまる人は要注意です。

  1. 急に負荷が高い運動を始めた
  2. 走り過ぎ、運動のし過ぎ
  3. ブレーキ動作を多くする
  4. 硬い地面の上での運動が多い
  5. もともと筋肉が硬い
  6. 扁平足で足のクッション機能が低い
  7. シューズのクッション性が低い
  8. 走り方が悪い

一つ一つについて詳しくみていきましょう。

 

1.急に負荷が高い運動を始めた

特に成長期の中高生では、部活動をやり始めたことによって急に運動をするようになり痛みに繋がってしまうケースが頻繁にみられます。

体が発育がまだ未熟な部分もあるため、競技の負荷に体がついてこれないということが一つの原因と考えられます。

他にも、シーズン初めのアスリートや趣味で運動を始めたばかりの人にも同様に痛みがみられるケースもあります。

これまで運動していなかったところから急に体を駆使することで、その負担に対応しきれずに炎症を起こしてしまうという原因が考えられます。

はりきっていきなり激しい運動を始めるのではなく、徐々に体を慣らしていくことが大切です。

 

2.走りすぎ、運動のしすぎ

再三お伝えしていますが、シンスプリントの痛み原因で特に多くみられるのが運動量が急に増加してしまったことや、運動のやり過ぎによるものです。

おもにランニングやスポーツのやり過ぎによって、脛の骨(脛骨けいこつ)に付着する骨膜の付着部に負担が掛かり炎症を起こしてしまいます。

その結果、運動直後に脛の内側で下方3分の1あたりにうずくような痛みを生じます。

このように過剰な運動によって、脛の内側や後ろ側にある筋肉や筋膜が繰り返し引っ張られることで骨に付着する骨膜にまでストレスが掛かって痛みに繋がってしまいます。

 

3.ブレーキ動作を多くする

サッカーやバスケットボールなどのスポーツでは、走っている状態から急に止まったり、切り返したりする場面が多く、頻繁なブレーキ動作が必要となります。

スピードに乗った状態から急ブレーキを掛ける際、その衝撃を受け止める足への負担は強くなり、筋肉はより強く引っ張られる状態となります。

さらに、コンタクトスポーツでは、崩れた姿勢でのブレーキ動作が強要される場面も少なくありません。

この動作の繰り返しによって、筋肉はどんどん引っ張られ、耐えられなくなった時に痛みや炎症に繋がってしまいます。

 

4.硬い地面の上での運動が多い

土や天然芝の上と比べてコンクリートやアスファルトの地面での運動は、足へ加わる衝撃が強くなってしまいます。

また、人工芝などもコンクリートの上に人工の芝を敷いているため、足への負担は大きくなってしまいます、

このように、硬い地面での運動が多いとその分足へ加わる衝撃が大きくなり炎症や痛みに繋がってしまいます。

 

5.もともと筋肉が硬い

もともと体が硬いなど、筋肉の柔軟性が低い人はケガをしやすいとよく言われますが、これはシンスプリントの場合でも同じです。

脛周りの筋肉の柔軟性が低下してしまうと、上手く伸び縮み出来ずに筋肉に微小に損傷してしまったり、骨の付着部である骨膜が引っ張られてしまいます。

繰り返しストレスが加わってしまうと痛みや炎症に繋がってしまいます。

また、筋肉が硬くなるとその分、関節の動きが制限されてしまいます。

関節の動きが硬くなったまま、無理に運動を続けてしまうこともまた、痛みの原因となってしまいます。

 

6.扁平足で足のクッション機能が低い

もともと人の足の裏には、衝撃を吸収する為の以下の3つのアーチがあります。

足裏の3つのアーチ
  • 足の外側にある縦のアーチ
  • 足の内側(土踏まず)にある縦のアーチ
  • 足指の付け根にある横のアーチ

この3つのアーチによって足裏に加わる衝撃を和らげたり、足を蹴り出す際に力を発揮することができます。

この3つのアーチは足裏や足指に繋がる筋肉によって構成されますが、何らかの原因でこのアーチが崩れてしまうと「扁平足」となってしまいます。(下記の引用を参照。)

足にはアーチ構造があり、効率よく体重をささえています。内側のくるぶしの下に、アーチをつり上げる働きをする後脛骨筋の腱が通っています。年齢による腱の変性や体重の負荷によって、この腱が断裂すればアーチは低下します。成人期の扁平足は女性に多く発生します。

原因と病態

参照元:公益社団法人 日本整形外科学会

扁平足となった状態では、足に加わる衝撃が上手く回避できずにそのまま脛までストレスが加わってしまいます。

また、扁平足となった状態では前脛骨筋に負担が掛かりやすくなり、すねの外側の痛みが生じてしまいます。

これは、足のアーチが低下したことで前脛骨筋が付着する足の骨(内側楔状骨ないそくけつじょうこつと第1中足骨)が下に沈み込むことで、より前脛骨筋が引っ張られやすい構造をとってしまうことが影響しています。

このように、土踏まずが沈み込んだような扁平足の人は、すねの外側が痛くなりやすいため要注意です。
 

7.シューズのクッション性が低い

ランニングシューズやスポーツシューズには、靴底が薄いものから厚めのものまで実に様々です。

靴底が薄い、または硬いものを履いてしまうと、足に加わる衝撃がうまく吸収されずに直接足へ伝わってしまいます。

これが繰り返されることで蓄積されたストレスが痛みに繋がってしまいます

シンスプリントの痛みに悩まされている場合は、足の衝撃をより吸収してくれるクッション性の高いシューズがおすすめです。

自分の足に合ったシューズを選ぶように心がけることも大切です。

 

8.走り方が悪い

シンスプリントで生じる痛みは、動き方や走り方のクセが影響しているケースも少なくありません。

特に股関節の柔軟性が低下し、股関節から足を外側へ捻る外旋がいせんの動きが制限されてしまうと、膝が内側を向いてしまい結果的につま先を外に向けてバランスを取るようになってしまいます。

このように股関節や膝関節の向きが崩れた状態での運動は、足のアーチが崩れやすくなり扁平足となる原因にも繋がってしまいます。

また、それだけでなく、つま先を外に向けた状態で足を上げる動きでは、前脛骨筋への負担も強くなってしまいます。

このようなフォームの崩れは意外と多く、結果的にシンスプリントを引き起こしてしまう人も多くみられます。

 

重症なシンスプリントは原因が違う

「ただの使いすぎかな?」と思って放っておいてしまうと、どんどん痛みが悪化し重症化してしまうのがシンスプリントです。

一度重症化してしまうと回復までに時間が掛かってしまったり、治りにくくなってしまうこともあります。

重症なシンスプリントの場合の原因は、疲労骨折に繋がっているケースがあります。

今感じている痛みが重症化に繋がるものなのか、自分でしっかりと見極められる様になることが大切です。

 

疲労骨折の可能性もあります

シンスプリントは骨膜の炎症が原因となって起こるものですが、これが重症化し炎症が骨膜に留まらずに骨にまで影響してしまうと、骨折に繋がってしまうことがあります。

これが、いわゆる「疲労骨折」です。

重症化して骨折してしまう前に自分自身が感じる痛みがどの程度なのか、しっかりと症状を見極めることが重要です。

一般的に軽症の場合は、運動の直後や運動時に一時的に痛みが生じる程度で、少しの安静で痛みが消えてしまいます。

しかし、次第に痛みがひどくなり、安静にしていても持続する痛みを感じたり、痛みによって歩くのが困難となってしまうなどの症状が見られた場合は重症化を疑います。

その場合は、早めに病院を受診し検査をすることが最優先となります。

 

シンスプリントの対処法は8つある

シンスプリントの主な対処法は以下の8つです。

  1. 安静
  2. 運動後のアイシング
  3. ストレッチ
  4. マッサージ
  5. 筋トレ
  6. 動き方やフォームの修正
  7. テーピング
  8. インソール

痛みや炎症がある際はまずは①・②を優先に行います。

痛みの状態に合わせて、③〜⑤を少しずつ取り入れていきましょう。

※以下で解説する方法を参考に行ってみましょう。

痛みの原因が個人の動き方やフォーム、足の構造にある場合は⑥〜⑧が有効となりますが、これらは自己流ではなく専門家の人に診てもらって行うのがお勧めです。

 

1.安静

運動のやり過ぎが大きな原因となるので、痛みが生じている間はできる限り安静にするのが優先です。

ランニングなどの運動を初め、部活動やスポーツは一旦休止し足に掛かる負担を取り除くことが大切です。

炎症症状や痛みが落ち着いたら、徐々に段階を追って運動を再開することが再発を予防するためにも重要となってきます。

 

2.運動後のアイシング

安静と同時に大切となるのが、運動後に行う患部のアイシングです。

アイシングの目的は、炎症を抑えて痛みを軽減させることにあります。

そのため、運動の直後などの痛みや炎症が起きている時に行うことがより効果的です。

とくに腫れや痛みが強い時や、触るだけでも痛みが出る時は適応となります。

冷やすことによって一時的に血液循環やその周辺組織の代謝を低下させることで、痛みを感じにくくしたり、炎症を抑える効果が得られます。

その他にも、消炎鎮痛効果のある貼り薬や内服薬を併用する場合もあります。

 

3.ストレッチ

脛周りの筋肉の柔軟性を適切に保つこともまた、シンスプリントの治療の上では重要となります。

痛みを生じる脛やふくらはぎの筋肉をしっかりとストレッチすることで痛みの軽減につながります。

以下で紹介する2つのストレッチを実践してみましょう。

ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎには蹴り出すときやジャンプをする際に必要となる筋肉が複数存在しています。

ここが硬くなってしまうと、骨膜が引っ張られてしまい炎症や痛みに繋がってしまいます。

日頃からしっかりとストレッチを行い、柔軟性を保つことが重要です。

  1. 両手を壁に付けて両足を前後に開く
  2. 後ろ足の踵は地面につけた状態で、前の膝を曲げていく
  3. 後ろ足のふくらはぎがしっかりと伸びていることを感じながら20〜30秒キープ

  ※左右それぞれ2セットずつ行う

 

脛の前側のストレッチ

足首の前側には、足首や足指を上に反らす筋肉が存在しており脛に繋がっています。

ここが硬くなってしまうと足首の動きが低下したり、シンスプリントに繋がる骨膜の炎症を引き起こしてしまいます。

先ほどのふくらはぎのストレッチを合わせて、継続して行うことでより効果的です。

  1. 両手を壁に付けて立ち、伸ばしたい方の爪先を地面につける
  2. そのまま足の甲を地面に押し当てるように20〜30秒ゆっくりとストレッチ

※左右それぞれ2セットずつ行う

 

4.マッサージ

ふくらはぎや脛、足裏の筋肉がこわばって硬くなってしまいシンスプリントに繋がっているケースでは、足のマッサージが効果的です。

しかし、ここで一つ注意が必要なのが、マッサージをする範囲やタイミングです。

痛みを生じている患部周辺は腫れや炎症が強く、熱を帯びていることから無闇にマッサージをしてしまうと逆効果となってしまうケースがあります。

また、マッサージによって患部周辺の血流が促進された結果、炎症反応を助長してしまうケースもあります。

少し触るだけでも痛みが生じるような重症な場合は、無闇に触らないように注意が必要です。

上記以外の軽症の場合や、安静によって痛みが軽減してきた際に効果的なセルフマッサージを2つ紹介します。

脛の内側のマッサージ

脛の内側には蹴り出す際やジャンプの際に働く複数の筋肉が存在しています。

この筋肉が硬くなり柔軟性を失ってしまうことや、複数の筋肉が癒着してしまうと、シンスプリントに繋がってしまいます。

これらの筋肉の強張りをほぐし、疲れを取り除くことは痛みの軽減にもつながります。

運動の前後や、入浴の後など1日の中で時間を見つけ、脛の内側に指を押し当てた状態でゆっくりと筋肉を揉みほぐしていきましょう。

足裏のマッサージ

足裏にはアーチを形成する筋肉が多数存在します。

これらの筋肉の硬さや強張りをほぐし、適切な柔軟性を保つことは足の衝撃吸収機能を働かせるためにも重要です。

足の裏に指を押し当て、外側・内側それぞれのアーチに沿って揉み解します

足裏のマッサージは指先で行う他にも、ゴルフボールを転がすことでも効果的に行えます。

日頃から、継続してこまめにストレッチを行うことが大切となってきます。

 

5.筋トレ

前脛骨筋をはじめとする脛の前側の筋肉と、ヒラメ筋、後脛骨筋こうけいこつきん長母趾屈筋ちょうぼしくっきん長趾屈筋ちょうしくっきんをはじめとする脛の後ろ側の筋肉をバランスよくトレーニングし鍛えておくことで痛みの根本的な治療に繋がります。

それぞれに効果的な筋トレを2種類紹介しますので、痛みの無い範囲で行ってみてください。

脛の前側の筋トレ

つま先の上げ下げ

前脛骨筋を鍛えるトレーニングです。

つま先がしっかりと真っ直ぐ前を向くように注意しながら行いましょう。

  • 椅子に座った状態で足裏をしっかりと地面に着ける
  • 両足のつま先を上に持ち上げる
  • テンポよく20回繰り返す

 

踵歩き

足が着地した際の衝撃吸収に働く筋肉を鍛えるトレーニングです。

体を真っ直ぐに伸ばした状態で、なるべく音を立てないように行うとより効果的です。

  • 真っ直ぐ立った状態から両足のつま先を持ち上げる
  • その状態で1分間踵歩きを行う

 

脛の後ろ側の筋トレ

ふくらはぎ周囲の筋肉を鍛えるトレーニングです。

このトレーニングのポイントは、かかとを真っ直ぐに持ち上げること、親指と小指側に体重をかけたまま持ち上げることです。

踵の上げ下げ
  1. かかととかかとを合わせて立つ
  2. つま先を30°程度外側へ向ける
  3. そのままかかとを持ち上げる
  4. かかとをゆっくりと降ろす
  5. 10〜20回繰り返す

 

6.動き方やフォームの修正

走り方やそれぞれのスポーツでのフォームが悪く、痛みや炎症に繋がっている人も少なくありません。

崩れた姿勢やバランスの悪い体制で過酷な運動や練習を続けてしまうと、体のどこかに負担が掛かってしまいます。

脛の痛みに繋がっているケースでは、特に股関節や膝関節がうまく機能していないことが多くみられます。

上述したように、股関節や膝が硬いと、それを補って足首や足の指ばかりを使って走ったり跳んだりすることで、足先への負担が大きくなってしまいます。

その他にも、普段の姿勢や動き方のクセで股関節や膝の関節の向きがバラバラになってしまったり、股関節や膝をあまり使わずに動いてしまうケースもあります。

前者の場合は、下半身全体のストレッチを日頃から行い足先ばかりに負担が掛からない体づくりを意識していくことが大切です。

後者の場合は、走ったり飛んだりする際に股関節や膝はしっかりと使えているか、ブレーキや蹴り出し等あらゆるスポーツの場面で膝や足先の方向が同じ方向となっているかを確認してみることが必要です。

 

7.テーピング

痛みがなかなか改善しない場合の応急処置としては、テーピングを行うことも有効です。

テーピングによって正しい関節の動きを誘導したり、適度に圧迫を加えることは痛みの軽減にも効果的であると言われています。

ただし、注意したいのがインソールと同様に、テーピングのみでは根本的な治療とはならないということです。

痛みの原因をしっかり探りその原因に対する治療を行う中で、あくまで補助的な役割としてテーピングを利用するようにしましょう。

 

8.インソール

テーピングと同様に、一時的な応急処置としてインソールを活用することも効果的です。

痛みの原因が、足へ加わる衝撃吸収が何らかの原因で上手くいかないケースが多くみられますが、この衝撃吸収を助けることを目的としてインソールを活用します。

ここで注意したいのが、衝撃吸収だからと言って極端に柔らかいものを入れれば良いというわけではないということです。

インソールが柔らか過ぎてしまうと足が着地した後、重心を前方に送り出す動きに遅れが出てしまい逆効果となってしまう可能性があります。

インソールを入れる際は、体重移動を邪魔しない適度な柔らかさを持ったものを使用することが重要です。

専門家の方と一緒に自分の足に合ったインソールを着用するようにしてみましょう。

まとめ

過労性のスポーツ障害として知られるシンスプリントですが、本記事で解説してきたようにその障害の原因は実に様々です。

ただの運動のし過ぎや使い過ぎだけはなく、足の構造や履いている靴の影響、スポーツを行う環境などが炎症に繋がるケースも多く、それによって対処法は異なります。

自分の痛みの原因がどこにかるのかしっかりと理解し、適切な対処法を取ることが痛みの軽減や早期回復の重要なポイントとなります。

運動前後の脛の痛みに悩まされている方は是非、本記事を参考にしてみてください。

 


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ABOUT US
木城 拓也
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。 その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。 筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
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