この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
骨盤の横に痛みを感じたことはないでしょうか。
骨盤は、姿勢の悪さなど日々の習慣が痛みの原因となるものだけではなく、婦人科系や消化器系の疾患が原因となるものもあるため、注意すべき部位といえるでしょう。
本記事では、骨盤の横が痛む原因と対策について解説します。
また、よくある質問から日常生活で手軽に行えるストレッチまで紹介します。
骨盤の横の痛みに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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ぜひご活用ください。

目次
骨盤の役割について
骨盤は、身体を支えるための強固な骨で、内部の多くの臓器を保護しています。
そのため、骨盤の状態や位置は全身の健康に大きな影響を及ぼします。
立って歩く際に上半身の重みを受け止め、それを下半身に適切に分散させて伝えるのが骨盤のおもな役割の一つです。
それによって私たちは、立つ、歩く、走るなどの活動を安定的に行うことが可能です。
また骨盤の内側は、男性も女性もさまざまな臓器が並んでいます。
男性の場合、骨盤の内側にはおもに尿道や直腸、そのほかの生殖器関連の内臓があります。
女性の骨盤内には子宮や卵巣がありますが、男性の骨盤内はそれらとは異なる配置となっていて、その配置や形状は女性特有のものです。
さらに骨盤は衝撃を吸収する役割も果たし、走ったりジャンプしたりした際の衝撃が適切に分散され、脊椎や脳へのダメージを最小限に抑えます。
これらの働きがなければ、日常生活が困難となるでしょう。
骨盤の横の痛み以外にも症状が出ている方に向けた記事も公開しています。
ぜひ参考にしてみてください。
骨盤の横が痛い原因は?
骨盤の横の辺りが痛いと感じる原因について解説します。
その大きな要因は、以下の2つです。
- 骨盤のゆがみ
- 筋肉の緊張
骨盤のゆがみと筋肉の緊張
骨盤がゆがんで正しい位置にない場合、全身のバランスが崩れて身体の不調を引き起こします。
骨盤が右側にゆがんでいる場合、身体はバランスを取るために左側の筋肉を緊張させて対応します。
その結果現れるのが、身体の左側への筋肉痛や肩こりなどの症状です。
逆に骨盤が左側にゆがんでいる場合は、身体の右側に筋肉痛や肩こりなどの症状が出ます。
骨盤のゆがみは、一方の足の長さが逆の足よりも長いなどの原因から発生することもあります。
また、いつも同じ側でバッグを持ったり、長時間同じ姿勢で過ごしたりなどの日常生活のなかでの身の回りの環境や習慣も、筋肉の緊張と骨盤のゆがみの原因の一つです。
骨盤の横に痛みが出る病気とは?何科を受診したら良い?
骨盤の横に痛みがある場合、病気が原因になっている可能性もあります。
考えられる病気は、以下のとおりです。
- 生理など婦人科や生殖器が関係する病気
- 消化器が関係する病気
- 泌尿器が関係する病気
生理など婦人科や生殖器が関係する病気
骨盤の横に痛みが出る婦人科(生理)や生殖器が関係する病気は、以下のようなものが挙げられます。
- 月経困難症
- 子宮内膜症
- 卵巣嚢腫や卵巣炎
- 子宮筋腫や子宮頸がん
- 骨盤内腹膜炎
まず、月経時に骨盤周辺が痛む月経困難症が挙げられます。
さらに、子宮内膜症も骨盤痛の一因と考えられるでしょう。
子宮内膜症は、子宮内膜と同じ組織が子宮外に発生し、特に生理周期に連動して痛みが強まることが特徴です。
また卵巣嚢腫や卵巣炎、子宮筋腫や子宮頸がん、骨盤内腹膜炎なども激しい骨盤痛を引き起こす可能性があります。
骨盤痛とともに生理痛や生理不順、下腹部の腫れなどの症状がある場合は、婦人科を受診しましょう。
消化器が関係する病気
骨盤の横に痛みが出る消化器が関係する病気は、以下のようなものが挙げられます。
- 大腸疾患や盲腸炎
- 腸閉塞
- 下部消化管出血
上記の病気は腸が膨張したり、炎症を起こしたりすることで骨盤に圧迫感や痛みを引き起こします。
またこれらの症状が現れた場合、まずは内科を受診しましょう。
内科では広範囲に身体の状態をみることが可能なため、腰痛の原因となる消化器系の疾患を発見できます。
また具体的な症状や病気が見つかった場合は、その専門である消化器内科や婦人科、泌尿器科への紹介を受けることも可能です。
泌尿器が関係する病気
骨盤の横に痛みを引き起こす泌尿器の病気は、以下のようなものが挙げられます。
- 尿路結石
- 膀胱炎
- 前立腺炎
尿路結石は、結石が尿路を通過する際に激痛が生じます。
世界三大疼痛とされるほど強い痛みが急に起こるため、尿路結石の疑いがあればすぐに医療機関へ行きましょう。
膀胱炎や前立腺炎も同様に、骨盤の痛みを伴う可能性があります。
上記の症状がある場合、まずは泌尿器科を受診しましょう。
尿路結石の疑いがある場合は、急性疾患であるため救急病院を受診することが必要な場合もあります。
骨盤の横の痛みに対して日常生活でできる対処法とは?
骨盤の横の痛みの原因が日常生活の習慣の場合は、手軽に行えるストレッチなどで改善できる可能性があります。
日々の生活に取り入れられる対処法を紹介します。
骨盤のゆがみをセルフチェックしよう
骨盤のゆがみを自己チェックする方法は、以下のとおりです。
- 立ったまま身体を前後左右に傾けてみる
- 鏡の前で自分の腰や肩が真っすぐに並んでいるか確認する
- つま先とかかとの位置をチェックする
- 適度な運動で筋肉をつける
- 正しい姿勢を意識する
- 均等に体重をかける
骨盤周囲筋のセルフストレッチ
骨盤周囲筋のセルフストレッチは、以下のような方法があります。
- 膝を抱えて丸まる
- 壁に足を上げる
- 背中を壁につけ両足を上に伸ばす
- 四つん這いの位置から足を引き伸ばす
これらのストレッチは、日常的に行うことで骨盤周囲筋の柔軟性を保ち、骨盤のゆがみを予防できます。
大臀筋のストレッチ
大臀筋のセルフストレッチは、以下のような方法です。
- 床に座り両足を前に伸ばす
- 片方の足を曲げ、それをもう片方の足の上に乗せる
- 反対側の手で曲げた足の膝を押す
- 身体を反対側にねじるように動かす
- 1〜4を各足に対して数回行う
緊張や疲労がたまった大臀筋を伸ばすことで、筋肉の緊張を緩和し柔軟性を高める効果も期待できます。
ハムストリングスのストレッチ
ハムストリングスのセルフストレッチは、以下のような方法があります。
- 椅子に浅く座り、膝を伸ばす
- 膝が曲がらないように手で押さえる
- そのまま身体を前に倒す
- 逆足も同様に行う
体勢を保ちながら、ゆっくりと深呼吸をすることも忘れないようにしましょう。
常に無理のない範囲で行い、一日数回行うのがおすすめです。
※そのほか、骨盤の横の痛みの症状を根本から改善できるよう、あなたの痛みに効果的な筋膜リリース動画をLINEにて無料でお伝えしています

骨盤の横の痛みについてお客さまからよくある質問
骨盤の横の痛みについて、お客様からよくいただく質問を紹介します。
Q:骨盤の横の痛みを引き起こす日常生活上での原因としては何がありますか?
骨盤の横の痛みを引き起こす日常生活上での原因はさまざまです。
長時間の座った状態が続いたり、不適切な姿勢で過ごしたりすることで、腰や骨盤に負担がかかり、痛みを引き起こす可能性が高くなります。
また、重いものを頻繁に持ち上げるなどの物理的なストレスも骨盤の痛みを引き起こします。
特に長時間の立ち仕事や運動不足による筋力の低下は、腰痛と結びつきやすい原因の一つです。
Q:骨盤の横の痛みの原因に、がんの可能性はありますか?
まれですが、がんが原因で骨盤の横に痛みが生じることもあります。
具体的には、子宮がん、卵巣がん、直腸がん、前立腺がんなどがあげられます。
しかし、これらのがんは初期段階では通常、痛みを伴わないことが多いです。
骨盤の横の痛みの原因には、以下のような原因が挙げられます。
- 筋肉の疲労
- 筋肉の短縮
- 神経の圧迫や炎症
- 妊娠・出産後の変化
- 更年期のホルモンバランスの変化
- 内臓疾患
- 膀胱炎
- 腎炎
- 性病
骨盤の横の痛みが続く場合は、必ず専門家に相談し適切な診断と治療を受けることがおすすめです。
痛いまま放置してしまうと、大きな病気を見逃してしまうことにもなりかねません。
妊娠後の骨盤の痛みについて、日常生活でできる対策はありますか?
妊娠後の骨盤の痛み対策には、深層筋を意識したトレーニングなどの筋肉を強化するエクササイズが有効です。
骨盤を支える筋肉を鍛えることで骨盤の安定性が向上し、痛みを軽減する効果が期待できます。
また、日常生活でのストレッチにも効果的です。
ゆっくりとした動きで筋肉の柔軟性を高め、緊張を和らげることで痛みを軽減できます。
骨盤の痛みについて、どのように医師に伝えたら良いですか?
ただ痛みを訴えるだけではなく、その痛みの程度や特性、痛む場所や痛みの持続時間などを具体的に伝えることが大切です。
たとえば、「歩くと骨盤の左側が痛い」、「骨盤全体が一日中ずっと痛い」といった表現を行うなど、症状を詳しく具体的に伝えましょう。
この記事のまとめ
今回は、骨盤の横の痛みの原因や対策、効果的なストレッチについて解説しました。
骨盤の横の痛みの原因は、婦人科や消化器科などの疾患以外に、日常の習慣や姿勢が影響している場合もあるため、日頃の予防で痛みが生じるリスクを軽減することが可能です。
理学BODYでは、骨盤周辺の硬くなった筋肉や筋膜へアプローチすることにより、症状の改善や予防を行います。
痛みが落ち着かない、自分での改善が難しいと感じるときには、ぜひお気軽にご相談ください。
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