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シンディングラーセンヨハンセン病の原因と治療法

シンディングラーセンヨハンセン病

こんばんは、青山の理学療法士木城です。

『シンディングラーセンヨハンセン病』

世間ではほとんどの方がこの疾患の名前をご存じないかと思います。

私は整形外科で理学療法士として働いていましたが、似たような膝痛である『オスグッド』や『膝蓋腱炎』と比べると担当したケースはそれほど多くありません。

ただこの記事を見てくれているあなたは、この診断を受けた方が周りにいらっしゃるのではないかと思います。

たいていの方は、膝が痛い息子さんを病院に連れていき『シンディングラーセンヨハンセン病』と言われたけど、全然聞いたことがないし、どんな病気なの?

原因は何?治るの??

そういった疑問をお持ちなのではないかと思います。

そこで、今回はこの『シンディングラーセンヨハンセン病』を整形外科で働いていた理学療法士の視点から徹底解剖していきたいと思います。

シンディングラーセンヨハンセン病とは?

シンディングラーセンヨハンセン病とは、膝のお皿の骨の下側が、膝蓋腱という腱に引っ張られて異常をきたした状態です。

シンディング・ラーセン・ヨハンソン

膝蓋腱って何?

そもそも膝蓋腱って何?って方も多いと思いますので、まず膝蓋腱の説明からさせていただきます。

膝蓋腱とは、太ももの前側の筋肉である大腿四頭筋のうちの真ん中の大腿直筋と呼ばれる筋肉が、膝蓋骨に付着する直前に腱と呼ばれる腱に変わります。

要するに、膝蓋腱は大腿直筋の一部と考えてもらえればわかりやすいかと思います。

膝蓋腱説明

シンディングラーセンヨハンセン病の特徴

サッカー少年

骨が成長過程にある10~12歳の少年に発症することが多いです。

特に、ジャンプやキックを頻繁に行うようなスポーツで多く見られます。(サッカー、バレーボール、陸上競技など)

痛みの場所としては、『膝蓋腱炎(ジャンパー膝)』と極めて近い場所にあるため一見間違われやすい。

正確に鑑別するためには、膝関節のレントゲンを撮る必要があります。

そしてレントゲン上で、膝蓋腱の付着部の膝蓋骨(膝のお皿の下の方)に石灰化が確認することができれば、シンディングラーセンヨハンセン病が確定します。

シンディングラーセンヨハンセン病の症状

  • 膝のお皿の骨の下の方を押すと痛い
  • しゃがむと痛い
  • ランジの動きをすると痛い
  • 走ると痛い
  • ボールを蹴ると痛い

などが挙げられます。

シンディングラーセンヨハンセン病の原因

太ももの前側の筋肉(大腿直筋)が硬かったり、負担がかかりすぎることで発症します。

これは上の説明にも書きましたが、お皿の骨の下の方に付着している膝蓋腱が太ももの前側にある大腿四頭筋の中の大腿直筋とつながっているためです。

シンディングラーセンヨハンセン病の発生メカニズム

なぜ太ももの前側の筋肉が硬くなってしまうのか?

硬くなっている大腿四頭筋

太ももの前側の筋肉が硬いのがシンディングラーセンヨハンセン病の原因なんだったら、太ももの前側をストレッチしたらいいんですよね?

その考えはちょっと安易すぎます。

たしかにストレッチをすれば少し楽になるかもしれませんが、太ももの前側が硬くなってしまう構造(姿勢だったり運動パターン)を変えなければまたすぐ痛くなってしまいます。

では太ももの前側の筋肉が硬くなってしまっている原因は何なのでしょうか?

  1. 後方重心の姿勢
  2. 骨盤の後傾位
  3. 体幹の筋力不足
  4. 運動のしすぎ・ケア不足

たいていの方の場合この4つが当てはまります。

ではなぜこの4つがいけないのか説明していきたいと思います。

1.後方重心の姿勢

太ももの前側の筋肉が硬くなるのは、普段からそこの筋肉を使いすぎているからです。

「そんなの知ってるよ」

と思われた方が多いと思います。

では、なぜ普段からそこの筋肉を使いすぎているのでしょう?

スポーツの特性というのはもちろんあります。

ただそれだとサッカー選手はみんなこのシンディングラーセンヨハンセン病になってしまいますよね?

問題はスポーツではなくて、そのスポーツをするときの体の使い方や、普段の姿勢にあります。

たとえば、猫背の人。

一見関係なさそうに思われる猫背ですが、猫背は、太ももの前側の筋肉を硬くします。

猫背は背中が丸まっているので後ろ重心になりやすいです。

後ろ重心になると、何もしなければ後ろに体は倒れてしまいます。

そうすると倒れないように前側では同じ力を作らないと立っていられません。

体の中でもシーソーと同じことが起きています。

この倒れないように使う前側の同じ力が、太ももの前側の筋肉なのです。

試しに、お子さんの太ももの前と後を触って、そのままお子さんに重心を後ろにしたり前にしたりしてもらってみてください。

必ず、前側に重心があるときは、前ももが緩んで、後ろのももが硬くなります。

逆に重心が後ろのときは前ももが硬くなって後ろももが緩みます。

つまり、日常的に重心が後ろにある人は、太ももの前側の筋肉硬くなっています。

この記事を読んでくれているお父さんお母さんは、一度自分の息子さんの姿勢を確認してみてください。

2.骨盤の後傾位

骨盤が後傾といって、正常の人より後ろに傾いていると、これもシンディングラーセンヨハンセン病の原因となります。

上で説明した大腿直筋(太ももの前側の筋肉)は骨盤からお皿にかけてついています。

その大腿直筋(太ももの前側の筋肉)がついている骨盤が後ろに傾けば、単純に大腿直筋(太ももの前側の筋肉)は引っ張られ、お皿にもストレスが加わり続けるためです。

3.体幹の筋力不足

体幹の筋力不足が直接の原因というよりかは、これによって1の後方重心の姿勢と2の骨盤後傾位を作りやすいです。

また、一見姿勢がよく見えて、骨盤もそれほど後傾していない問題がなさそうな子でも、体幹の筋肉が不足していることによって、スポーツ中に後方重心や骨盤後傾位が著明になってくるケースが多いです。

4.運動のしすぎ・ケア不足

1~3がそれほど顕著ではなくても、単純に1日10000回もシュートをしていたり、毎日10㎏の重りをつけて走っていますみたいな少年がいれば残念ながら膝はいつか痛くなってしまうのはお分かりいただけると思います。

さすがにここまでやりすぎている子はいないかもしれませんが、この仕事をしていると、あきらかにやらせすぎでっしょっていう練習量や、今の時代にまだこんな非合理的な練習メニューをやっているところがあるのか、と驚かされることがよくあります。

これだと根性はつくかもしれませんが、少年時代は体もまだ未完成で、過度な負荷のかけすぎは怪我や骨格の偏り(歪み)を起こしやすいためあまり良いことではありません。

また、少年達はクールダウンやストレッチ・柔軟体操を日ごろから怠りがちです。

そういう私もまさにそうでした。

クールダウンやストレッチって少年からするとかったるいんです。

なんのためにやっているかもよくわからないし。

でも体の勉強をした今だからわかるのですが、怪我の予防だけでなくパフォーマンスを上げるためにも、筋トレよりストレッチや柔軟体操の方が重要だと考えています。

イチロー選手を見ていただくとわかると思いますが、彼は毎日異常なほど全身のストレッチや柔軟体操をしています。

シンディングラーセンヨハンセン病やオスグッドになってから、太ももの前側だけストレッチをしてもそれほど効果は得られませんが、普段から運動後にストレッチをするで怪我をしにいくい動ける体になります。

この記事を読んでくれているお父さんお母さんは、今一度息子さんにクールダウン・ストレッチ・柔軟体操をしっかりやるように促していただけると嬉しいです。

シンディングラーセンヨハンセン病の治療方法

シンディングラーセンヨハンセン病の改善策としては、まずは上で挙げた1~4の原因を改善する運動やストレッチをすることが大切です。

  • 重心を前にもっていく運動
  • 骨盤後傾を改善する運動やストレッチ
  • 体幹を鍛える運動(コアエクササイズ)

などです。

これらをここで説明できれば一番良かったのですが、文章にしていたらよくわからないことになってしまったので、あきらめました。

また、人の体は人それぞれ違います。

後方重心1つとっても足首が硬くて後方重心の子もいれば、背中が丸くなっていて後方重心の子もいて、改善方法は人それぞれです。

極論その子の体を見るまでは何が一番その子に合っているのかわかりません。

ですので、1番の理想は信頼できる専門家に1度みてもらい何が1番その子の体に合っている改善方法なのかを教えてもらうことをおすすめします。

私のサロンでもシンディングラーセンヨハンセン病を改善する運動や施術を行っています

パーソナルサロン理学Body

もしシンディングラーセンヨハンセン病の診断がついてなかなかよくならないけど、近くに信頼できる専門家もいないという方。

私のサロンでもシンディングラーセンヨハンセン病を改善する運動や施術を行っています。

私も学生時代怪我に苦しめられ悔しい想いをたくさんしてきたので、自分と同じように痛くてスポーツをできなくて悔しい想いをしている子たちの力になりたいです。

もし少しでもシンディングラーセンヨハンセン病で困っていたら、1度ご相談ください。

 


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ABOUT US
木城 拓也
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。 その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。 筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
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