「スキーをすると毎回すねが痛くなる!」
「ブーツを変えたのに同じようにすねが痛む!」
このようにスキーによるすねの痛みで悩んでいませんか?
スキーによるすねの痛みには、道具や滑り方の問題などさまざまな原因があります。
特に、シンスプリントと呼ばれる炎症性疾患が関係している場合、注意が必要です。
炎症に対して対応が適切でないと、痛みが治らなかったり、悪化してしまう危険性があります。
ですが痛みを抱える多くの方は、
「なんとなく痛みがあるから放置している。」
「自己流だけでストレッチを行っている。」
このように対応が適切でない場合があります。
じゃあどう対応したらいいの?と不安になりますよね。
でも大丈夫です!
本記事では、体の専門家である理学療法士が下記のポイントを誰でもわかりやすく解説していきます。
- すねの痛みの4つの原因
- 痛みの判別方法
- 今すぐできる7つの対処法
これらについてわかりやすく解説していきます。
実際に見ながらできる対処法ですので当てはまる方は一緒にやってみましょう!

目次
スキーですねが痛くなる時4つの原因とは?
なぜスキーをするとすねが痛むでのしょうか?
結論から言うと、スキーという競技の特徴が関係しています。
- 滑走する際は、すねが常に前傾位でブーツと圧を受ける
- 滑り方に個人差があり、間違えていても自分だけでは修正が難しい
このような競技の特徴を正しく理解することが大切です。
特徴をふまえた上で、痛みの部位や症状から、原因は以下の4つが考えられます。
- シンスプリントなどによる炎症
- 筋肉や筋膜が硬い
- ブーツが合っていない
- 滑り方に問題がある
これらの原因は発生するメカニズムや判別方法、対処法にもそれぞれ異なります。
すねの痛みの原因を判別するには以下の4つのポイントが重要です。
- いつ痛みがでるのか
- どこが痛むのか
- どんなふうに痛むのか
- 痛み以外の症状はないか
スキーをしている時だけ痛みが出る場合は、競技中のどのタイミングで痛みが出ていたのか思い返してみましょう。
それでは順番に原因について解説していきます。
炎症
スキーによるすねの痛みで注意したいのは炎症です。
炎症は組織が何らのかのダメージに対する体の防御反応です。
なぜこのような炎症反応が起こるのでしょうか?
スキーによるすねの炎症の場合、多くはシンスプリントという疾患が考えられます。
シンスプリントによる炎症で起こる痛みのメカニズムは以下の通りです。
- 高負荷、使いすぎ、合わないブーツでの運動が繰り返される
- すねの内側に過剰な負担がかかり周囲の組織が損傷する
- 損傷した組織から発痛物質が発生し痛みを感じる
炎症にはほかにも、
- 腫脹
- 発赤
- 熱感
- 疼痛
これらがあり、上記の症状が起きていないか、目や肌で確認してみてください。
痛みの原因が炎症であるかを判断するには
- いつ=運動時または運動後
- どこが=すねやふくらはぎ
- どんなふうに=ズキズキと
- 痛み以外の症状=腫脹、発赤、熱感などが起こる場合がある
これらをチェックすることが大切です。
スキーのし始めや後にズキズキ痛いという方もシンスプリントが疑われます。
筋肉や筋膜が硬い
次に考えられる原因は筋肉や筋膜が硬いということです。
筋肉や筋膜が痛みの原因であるかを判別するには
- いつ=主に運動時、筋肉を押したり伸ばしたとき
- どこが=すねやふくらはぎ
- どんなふうに=ズキッとしたりギューッと伸ばされるような痛み
- 痛み以外の症状=特にみられない
これらをチェックしてみてください。
ではなぜ筋肉や筋膜が硬いと痛みを引き起こすのでしょうか?
それは、筋肉が過剰に使われすぎて緊張状態を引き起こし、筋肉自体が硬くなることで痛みを起こしているからです。
筋肉による痛みがどのように発生するのかは、以下の通りです。
- 使われた筋肉が過緊張状態となる
- 血管が圧迫され循環不良を起こす
- 発痛物質が発生して痛みがでる
このように筋肉による痛みの多くは循環不良によるものです。
筋肉はゴムのような性質に似ているため、伸ばされると上記のような状態が生まれるのです。
上記のような症状が当てはまる方には、詳しく対処法をコチラでご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ブーツが合っていない
スキーを行う上でブーツのサイズが合っていない場合は、すねの痛みに大きく影響します。
ブーツが合っていないことによる痛みの原因として、一番考えられるのがブーツにすねが当たってしまっているということです。
ブーツによる痛みの判別方法するには、
- いつ=ブーツを履いている時
- どこが=すね
- どんなふうに=圧迫されるような痛み
- 痛み以外の症状=腫脹や発赤などが起こる場合もある
これらをチェックしてみてください。
しっかりと調整できたと思っても滑ってみると痛くなってしまうという場合もあります。
詳しいみかたはコチラでご紹介しています。

滑り方に問題がある
最後に滑り方に問題があるケースです。
滑り方は個人差があり、すねに負担のかかりやすい滑り方になっている場合もあります。
どんな滑り方だとすねに痛みが生じてしまうのでしょうか?
ここでは痛みが出やすいNG例についてご紹介します。
- 地面に対し重心が過度につま先、もしくはかかとに落ちている
- 横から見て足よりも頭が前に出ている
- お尻が過度に後ろに出ている
このような姿勢になっている場合、すねに負担がかかりやすいです。
なぜ上記の姿勢が適切でないのか、正しい滑り方に見直す方法をコチラで紹介しています。
ブーツが当たってすねが痛いなら?
すねの痛みがブーツによる原因と判別できたら、さらに詳しくブーツの問題を見ていきましょう。
ここでは痛みの部位ごとにチェックリストでご紹介します。

- ブーツが緩くなっている
- 下部のシェルがしっかり締まっていない
- ブーツ自体のサイズが大きい
すねに痛みが出る方におすすめの対処法はコチラ
すね以外にも痛みが起こる場合があるため参考までにご紹介していきます。
- ブーツの形状と足が合っていない
- ブーツ自体のサイズが小さい
- ブーツの履き方が間違っている
- ブーツ自体のサイズが小さい
上記2つの問題に対しても後ほど対処法をご紹介しているので当てはまった方はチェックしてみてください。
スキーのし始めや後にズキズキ痛いなら?
スキーのし始めや後にズキズキすねが痛む場合、シンスプリントやほかの炎症性疾患が疑われます。
シンスプリントの判別方法を以下にまとめました。
- すねの内側中央1/3に縦にズキズキとした痛みがある
- 走る、ジャンプなど運動時にも痛みがある
- すねの内側を押すと痛みがある
- 足の指が反るような状態で体重がかかると痛い
- 痛む部位に腫れ、赤みなどの症状がある
これらの症状に当てはまる場合、シンスプリントの疑いがあります。
ではなぜシンスプリントが発生してしまうのでしょうか?
シンスプリントは別名、脛骨過労性骨膜炎とも呼ばれ、発症の起因は使い過ぎ(オーバーユース)であることが多いです。
運動時および運動後に脛骨中央から遠位1/3の内側後方を中心に縦長に広い範囲で痛みが起こる過労性障害で脛骨過労性(疲労性)骨膜炎とも呼ばれてきました。
参照元:日本整形スポーツ医学会
具体的にはすねに付着する
- 前脛骨筋
- 長趾屈筋
という筋肉が影響してることが多いです。
前脛骨筋は、足首を反らす動きに作用します。また、スクワットのようなかがむ姿勢を保つのにも作用します。
長趾屈筋は、足の親指以外の指を曲げる動きに作用します。スキーは前方に進む場面が多く、姿勢を保つために長趾屈筋が使われます。
これらを踏まえてシンスプリントの発生機序は以下の通りです。
- スキーの際に、重心が過度につま先寄りになる、またはブーツにすねが当たる
- 前脛骨筋や長趾屈筋が過度に使用される
- 筋肉によって骨膜に負担がかかる
- 骨膜が炎症を起こし、シンスプリントを起こす
正しい滑り方でも、発症する可能性はあるため注意が必要です。
以下の項目に当てはまる方は、シンスプリントを起こしやすいため注意してください。
- 日頃から十分に体が休めていない
- ストレッチや準備運動をせずに滑っている
- トレーニング方法が間違っている
- ブーツが調整できていない
- 滑り方が自己流になってしまっている
では、シンスプリントが発生してしまった、発生させないためにはどのようにしたらよいでしょうか?
スキーですねが痛い時にやるべき7つの対処法
ここではすねが痛い場合に適切に対応するために7つの対処法についてご紹介します。
ここでご紹介する対処法は以下の7つです。
- 安静
- アイシング
- ストレッチ
- マッサージ
- トレーニング
- ブーツの見直し
- 滑り方の見直し
よく聞く対処法でも新たな発見があるかもしれないのでぜひ参考にしてみてください。
安静
運動時の痛みが強い場合、もしくは何もしていなくても強い痛みを感じる場合は安静が大切です。
多少我慢できる場合でも繰り返し同じ痛みを発症してしまう場合、慢性痛になり治りにくくなることも考えられます。
痛みが強く安静をとってもなかなか改善しない場合、整形外科に受診することをおすすめします。
アイシング
痛み以外に患部周囲が腫れている、赤くなっているなど炎症症状がある場合は、アイシングが有効です。
また、患部をしっかりと冷やすことで痛みの程度を軽減させる効果があります。
シンスプリントは炎症性疾患であるため適度なアイシングは有効です。
アイシングの方法は、水で濡らしたタオルや保冷剤などで10~20分程度患部を冷やします。
アイシングを行った後も患部は回復しているため安静をとることも心がけましょう。
ストレッチ
しっかりと安静やアイシングが行えたらストレッチを行いましょう。
炎症や強い痛みがないという方は、ストレッチから行って構いません。
ストレッチは筋肉や筋膜が硬い、滑る姿勢を保つのが苦手という方に効果的です。
今回は、シンスプリントやスキーの姿勢を保つのに有効的なストレッチをご紹介します。
まずご紹介するのは、前脛骨筋のストレッチです。
- 椅子に座った状態で片足のみあぐらをかくように足を乗せます
- 膝を固定してつま先を倒すように足首を動かします
- そのまま10~15秒キープ
前脛骨筋をストレッチすることで筋肉を柔らかくしシンスプリントの予防、すねの前面に痛みがある場合に鎮痛効果を期待できます。
次にふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋のストレッチをご紹介します。
- 立った状態で片方の足を後ろに引きます
- 後ろの足のかかとが浮かないよう前足に体重をかけます
- そのまま10~15秒キープ
下腿三頭筋は腓腹筋、ヒラメ筋で構成されるふくらはぎの筋肉の総称です。
下腿三頭筋をストレッチすることで、すねの内側から後面にかけて痛みがある場合鎮痛効果、姿勢保持に必要な柔軟性獲得が期待できます。
ストレッチによって痛みが強くなる場合、悪化する場合もあるため控えましょう。
マッサージ
痛みを感じるセンサーは筋肉よりも筋膜の方が多く存在しています。
そのため筋肉や筋膜が硬いことによる痛みを治すには筋膜に対する介入がとても大切です。
ここでは筋膜や筋肉に対するマッサージを動画も交えながらご紹介していきます。
まずはすねの内側に対するマッサージです。
- 内側のくるぶしから上4本文の範囲を触る
- 脛骨のすぐ後ろを指の腹でなでるようにマッサージ
次にふくらはぎの内側のマッサージです。
- すねを3等分した真ん中のエリアを触る
- 脛骨から指1本分後ろをなでるようにマッサージ
上記のマッサージをやって痛みが強くなる場合は、マッサージを控えてください。またやり方がうまくわからないという方は専門化に相談することをおすすめします。
トレーニング
スキーで体にかかる運動負荷量に対し筋力や持久力が不足していると痛みが再発したり偏ったフォームになってしまいます。
ストレッチやマッサージなどですねの痛みが落ち着いたら痛みを再発させないための体づくりが大切です。
ここでは正しいスキーでの滑走姿勢を獲得するためのトレーニングをご紹介します。
- 椅子に座った姿勢でつま先を前方に向ける
- 両足のつま先を丁寧に上げる
- 20回ほど繰り返し行う
前脛骨筋はすねの内側に痛みがある方に対し有効的です。
次は腓骨筋に対するトレーニングです。
- 椅子に座った状態で両方のかかとを合わせます
- 膝・かかとは合わせたままつま先を外に開きます
- そのまま5秒キープ、10回行う
腓骨筋はすねの外側に痛みがあることに対し有効的です。
上記のトレーニングを行って、痛みが強くなる場合は運動を控えてください。またやり方がうまくわからない場合は専門家にご相談ください。
ブーツの見直し
ブーツにすねが当たって痛い場合はブーツを見直すことが効果的です。
- インソールの下に1~2mm程度の下敷きをいれる
- かかとのパットでフィット感を出す
- すねが当たる部分をカットする
すねとブーツの間に隙間を作らないこと、過度にすねとブーツが当たらないようにするのがポイントになるのでチェックしてみましょう!
滑り方の見直し
すねに痛みを出さないためにはすねに過度に体重をかけない、重心を正しい位置に落とすことが大切になります。
ここでは、正しい滑り方についてご紹介していきます。
- 横から見て頭と足を結ぶ線が直角である
- 背中とすねの角度が平行である
- 重心は土踏まずあたりの真ん中に落ちるようにする
上記の姿勢になるように鏡などを見ながら見直してみましょう!

即効で痛みをとるなら理学ボディ
ここまでスキーですねが痛くなる原因や対処法についてご紹介してきました。
競技の特性上、自分だけでは原因がわからない、対処法を試してみてもなかなかうまくできない。といったこともあります。
すねの痛みをどうにかしたい!という方は、ぜひ一度理学ボディにご相談ください!
当院では、体の専門家でもある理学療法士が医学的知識をもとに施術します。
当院では、筋膜に対する筋膜リリースという施術を行っており、国際的認知度も高く効果も期待できます。
当院では、シンスプリントやすねの痛みで悩んでいた方に対し、筋膜治療を行い改善した例をご紹介しています。
痛みの特徴にも個人差があるためすぐに治るのか不安に思われる方もいると思います。
でも安心してください。
理学ボディは痛みが解消され改善するまでに3回以内の施術で終わります!
痛みをすぐにどうにかしたい方は、お気軽にお近くの店舗にご相談ください。
まとめ
今回はスキーですねが痛くなる原因や対処法についてご紹介してきました。
スキー競技を楽しく長く続けるためには
- 正しく体を使うこと
- ブーツやフォームを見直すこと
この2つのポイントがとても重要になります。
まずは自分で対処し、少しでも不安になったら理学ボディでお待ちしています!