ダイエットに効果的な有酸素運動で代表的な縄跳びとランニング。
同じ有酸素運動でも、短い時間で効率的に痩せるのは一体どちらでしょうか?
ランニングというとウエアやシューズを揃えたり、始めるまでのハードルが少し高く感じてしまう人もいますよね。
しかし、縄跳びの場合は縄があればすぐに始められるので、あまり運動習慣がない人でも手軽に始められ継続しやすいのが特徴です。
本記事では、縄跳びとランニングそれぞれのメリット・デメリットやその効果を踏まえた上で、より効率的に行う方法までを順を追って説明していきます。
縄跳びとランニングのメリット・デメリット
ダイエットにおける運動は1日だけ頑張ってもその効果は十分に得られません。
ご存知のように、1番大切なのは「どれだけ継続して行うことができるか」にあります。
縄跳びとランニング、それぞれのメリットとデメリットを比較した上で、自分が継続して出来そうなものを一緒に選んでみましょう。
縄跳びのメリット
縄跳びのメリットはなんといってもその手軽さです。
子供の頃から馴染みのある運動でもあり、誰もが一度は行ったことがあると思います。
縄一本あれば場所を選ばず出来るので、比較的簡単に始められ継続することができます。
また、雨の日や風の強い日、寒さや暑さの厳しい日ではランニングを行うのは億劫になってしまいますが、縄跳びは比較的天候や気候に左右されることもありません。
このように縄さえあればその場ですぐに出来る手軽さは縄跳びのメリットの一つです。
他にも、短時間でも消費カロリーをしっかりと得られることもメリットと言えます。
大人になってから縄跳びをすると、短時間でも意外とすぐに息が切れたり「意外とキツいな」と感じるかと思います。
実は、縄跳びで消費出来るカロリーは、ウォーキングや軽めのランニングと同等かそれ以上であるとも言われています。
このように、短時間でも効率よくカロリー消費が行えることも縄跳びのメリットと言えます。
縄跳びのデメリット
嬉しい効果をもたらしてくれる縄跳びですが、長時間行うといった場合で考えると難点が少し見えてきます。
短時間で消費カロリーが得られやすいというのは、それなりに心拍数が上がりやすく疲れやすいという意味でもあります。
5分や10分と短めの時間設定で行う分には頑張れる人も、20分、30分、、、と長時間となると中々続けるのが難しくなってしまいます。
また、ランニングと比べ同じ場所で飛び続ける縄跳びは、目に映る景色に変化はありません。
時間が長くなればなるほど、飽きてしまうこともデメリットの一つと言えます。
ランニングのメリット
ランニングのメリットはなんと言っても工夫次第で飽きずに続けられるところではないでしょうか?
空気が綺麗な山の中や海辺など四季折々の美しい自然の中、景色を楽しみながら走るのは心身ともにリフレッシュできますよね。
また、朝焼けや夕焼けなど同じコースでも走る時間帯によって見える景色は変わるので飽きずに続けられるのも良いところです。
走ったことの無いコースを走ってみると、普段の生活では気づかなかった景色や、知らなかった素敵なお店に出会えたりと走ること以外の楽しみも見つけられます。
その日の気分で、「今日はどこを走ろうか?」と考えることもランニングの醍醐味とも言えるでしょう。
ジョギング程度の軽いランニングから、トレーニングで行うような快適な速度など自分に合った速さで走ることで、無理なく続けられ体への負担も最小限に留めることが出来ます。
このように運動の強度も自分で調整できるところもランニングのメリットの一つです。
ランニングのデメリット
ランニングのデメリットは、本格的に行う場合の装備の問題です。
今ではランニングブームの影響で、オシャレなウエアや高機能のシューズなど、こだわり始めるとキリがないほどその装備にお金が掛かってしまいます。
縄跳びは縄一本で始められるので高くても数百円程度で始められますが、ランニングの場合はそうはいきません。
そんな人はある程度継続できたら、次へのモチベーションとして少しずつランニング用品を揃えていくことがおすすめです。
また、ランニングを頑張りすぎたり、正しい知識がないのにただ闇雲に走ってしまうことによる膝のスポーツ障害もたびたび見られます。
「スポーツによる膝の慢性障害」
症状
ランニングやジャンプを長時間繰り返しおこなうことによって膝に痛みが生じてきます。
痛みの程度により重症度が異なります。原因と病態
右膝を前から見たところ
オーバートレーニングにより生じるため、使い過ぎ症候群ともよばれます。
靭帯や腱が骨に停止するところでは、筋肉のはたらきによるストレスが集中しやすく、組織の小さな損傷が生じます(①②③)。
また、靭帯が骨のすぐ上を通るところでは、膝の曲げ伸ばしによって靭帯と骨の摩擦が生じて炎症の原因になります(④)。① 大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)
② 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
③ 鵞足炎
④ 腸脛靭帯炎選手側の問題としては、筋力不足、筋力のアンバランス、骨の成長と筋の伸びとのアンバランス、からだの柔軟性不足、アライメント不良などが挙げられ、練習や環境の問題としては、オーバートレーニング、選手の体力や技術に合わない練習、不適切な靴、硬すぎたり軟らかすぎる練習場などが挙げられます。
■参照元:公益社団法人 日本整形外科学会
飽きずに続けられることが、やり過ぎで返って膝への負担となり、怪我に繋がってしまうこともあるので注意が必要です。
縄跳びとランニングで比較すると痩せるのはどっちなのか
では、ダイエットとして手っ取り早く効果を得られるのは縄跳びとランニングのどちらでしょうか?
先ほど縄跳びの消費カロリーの方が、同じ時間ランニングをした場合と比較すると多い場合もあるとお伝えしました。
ここでは運動としての
- キツさ
- それぞれの消費カロリー
- 痩せやすさ
の3つを比べながら解説していきます。
1.運動としてはどっちがきついのか
まずは、運動のキツさを運動強度の観点から説明していきます。
運動の負荷量を考えるに当たって、その運動の強度を数値化したものにメッツ(METs)と呼ばれる単位があります。
メッツ / METs(めっつ)
運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの。
メッツとは運動や身体活動の強度の単位です。
安静時(静かに座っている状態)を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。
歩く・軽い筋トレをする・掃除機をかける・洗車する・子どもと遊ぶなどは3メッツ程度、やや速歩・ゴルフ(ラウンド)・通勤で自転車に乗る・階段をゆっくり上るなどは4メッツ程度、ゆっくりとしたジョギングなどは6メッツ、エアロビクスなどは7メッツ、ランニング・クロールで泳ぐ・重い荷物を運搬するなどは8メッツ程度といったように、様々な活動の強度が明らかになっています。
(最終更新日:2021年9月21日)
縄跳びのメッツは、その回数や速さによっても変わりますがおおよそ8〜12メッツ程度と言われています。
対して、ランニングは、これも走る速さによって多少の上下はありますがゆっくり縄跳びを飛んだ時と同じ8メッツ程度とされています。
メッツで比較すると、キツさとしては大体同じか縄跳びの方が上回ると考えらます。
ただ飛ぶだけなのに、ランニングと同等の運動を行えると考えると、あまり運動経験がない人がダイエットとして取り入れるのは縄跳びの方が適しているかもしれません。
2.消費カロリーはどっちが多いのか
ダイエットで脂肪を燃やすために最も重要となる消費カロリーは一体どちらが多いでしょうか?
ここでは、実際にランニングと縄跳びを同じ時間行った時の消費カロリーを計算してみます。
消費カロリーの計算方法は、消費カロリー(kcal) = メッツ×体重kg × 運動時間 ×1.05で求めることができます。
例として体重50kgの人がランニングと縄跳びをそれぞれ20分行った場合で比較してみましょう。
- 時速8kmの軽めのランニング(8.3メッツ)を20分行った場合:145kcal
- 一般的な前飛びを毎分100ー120ステップ(11.8メッツ)を20分行った場合:207kcal
年齢や性別によって、多少の誤差はありますが実際数値化してみると、同じ20分でも縄跳びの方がよりカロリーを消費出来ることがわかります。
3.痩せやすいのはどっちなのか
上記の内容を踏まえると結論として、痩せやすいのは縄跳びであるということがわかります。
縄跳びの方が、運動の強度(メッツ)がランニングよりも高いため、短い時間でもより効率的に消費カロリーを高めることがわかります。
また、運動強度が高い分、筋力のアップにも効果的です。
ここまで読み進めていくと、たった10分や20分でダイエット効果が得られる縄跳びに挑戦したくなってきますよね。
縄跳びにはダイエット以外にも私たちの体に嬉しい効果をもたらしてくれます。
この効果については次で詳しく解説していきます。
縄跳びの痩せる以外に注目される3つの効果
縄跳びは、短時間で効率よく脂肪を燃やすダイエット効果以外にも、
- 筋力アップ
- 心肺機能アップ
- 骨の強化
といった健康的な体作りには欠かせない嬉しい効果をもたらしてくれます。
1.筋力アップ
有酸素運動のイメージが強い縄跳びは、実は全身の筋力アップにもとても効果的です。
特に、ジャンプで蹴り出す動作と着地を繰り返すことで太ももの大きな筋肉である大腿四頭筋やふくらはぎの下腿三頭筋の筋力が鍛えられます。
また飛んでいる際に体をまっすぐに保つことで腹筋や背筋などの上半身の筋力もバランス良く鍛えられていきます。
それだけでなく、脇をしっかりと締めて飛ぶことやあや飛びなど、効率よく腕を使って縄を回すことで肩周りや腕の筋肉も刺激されていきます。
ただ飛んでいるだけのように見えても、実は全身の筋力トレーニングの役割も果たしてくれているのです。
2.心肺機能アップ
ダイエットにも健康な体作りにも欠かせないのが心肺機能の高さです。
心肺機能とは、簡単に言うと酸素の取り組みと二酸化炭素の排出を行う肺の働きと、肺で取り込んだ酸素を血液にのせて全身に送る心臓の働きのことです。
筋力をアップさせるために筋トレを行うのと同様、心肺機能をアップさせる為にはある程度負荷をかけてトレーニングを行うことが重要です。
ある程度の負荷がかかる有酸素運動である縄跳びは、そんな心肺機能のアップにも効果的です。
心肺機能をアップさせる為には、通常の運動よりも「少しキツいかな?」と感じる程度の速さで20分程度跳び続けることでより効果が高まります。
これから、体力を付けたい人やスポーツ選手のトレーニングではこのようなポイントを絞って行ってみましょう。
3.骨が強化される
加齢とともに、問題となるのが骨がスカスカになり脆くなってしまう骨粗鬆症。
怪我や病気で運動が出来なくなってしまったり、寝たきり状態となってしまうと骨の密度が極端に低下し骨折してしまいやすくなります。
若い内から骨を強くする為には、必要な栄養を摂ることももちろん重要ですが、それ以上に適度な運動をして骨に刺激を与えることも大切です。
特に縄跳びでは、ジャンプの着地の際に骨に適度な刺激が入るので骨の強化にもつながります。
このように、定期的に縄跳びをすることでダイエット以外にも縄跳びの効果はたくさんあります。
縄跳びの効果的な4つのポイント
では、実際に縄跳びを行う際に、効果を存分に発揮するためにはどんなことに気を付ければ良いのでしょうか?
ここでは、そんな疑問を解決するためのポイントを解説していきます。
1.縄の長さ
縄跳びの長さが長すぎたり、短すぎたりするとうまく飛び続けることが出来ません。
きちんと自分に合った長さの縄を選ぶことが十分な効果を引き出す大切なポイントとなります。
この自分に合った長さは、身長を元に合わせる方法と実際に縄を当てて合わせる方法があります。
まず大体の長さを知るために、自分の身長+55cmを目安にしてみましょう。
大体の長さがわかったら、今度は実際に縄を持って長さを調整していきます。
適切な縄の長さは、両足で縄を踏んで立った時にちょうど両手が肘の高さに来る辺りがちょうど良いと言われています。
この時、肘の角度が直角(90度)になるように注意しましょう。
この方法で調整することによって両手の手首を軸にして縄を回した際に、ちょうど縄が頭の上を通過し、地面を通るような長さとなるのです。
2.縄跳びの基本的なフォーム
縄跳びの効果を引き出す上で、正しいフォームで行うことは欠かせません。
まずは猫背や反り腰にならないように、背筋をまっすぐと伸ばすことが重要です。
その際、両脇は軽く締めておく事で背筋をまっすぐに保ったまま飛び続けることができます。
縄を回す時は、両肘は動かさずに手首を回すようにし、両足のつま先に重心を乗せて短くジャンプするように飛びましょう。
これが基本の縄跳びのフォームとなります。
3.ダイエットに効果的なかけ足跳び
よりダイエット効果を高めたい人は「かけ足跳び」にチャレンジしてみましょう。
かけ足跳びは、その場でかけ足をするよう跳ぶ方法で、片足や体幹のバランス能力が必要となります。
普通の前飛びよりも使う筋力が大きく、ダイエット効果もぐんと高くなります。
普通の前跳びに飽きた時や、少し縄とびに慣れてきた人は前跳びと混ぜて行うことも効果的です。
4.あやとびは腕の引き締めに効果的
ジャンプしながら体の前で手を交差したり広げたりを繰り返すあやとびは、難易度が少々上がりますが、二の腕のシェイプアップに効果的です。
手首だけではなく、肩甲骨周りから胸を開く・閉じる動作を繰り返すことで効率よく二の腕の脂肪を燃やすことができます。
あやとびだけで10分以上行うのはなかなか難しいという人も、前跳びと組み合わせて行うことで、たるんだ二の腕を引き締めていきましょう。
まとめ
ダイエットのための運動として馴染みのあるランニングと縄跳びですが、短時間で効率よく痩せるのに特に効果的なのは縄跳びということがわかりました。
縄さえあればすぐに始められる手軽さや、比較的誰でも続けやすいので今から運動に挑戦しようと考えている人にはぴったりです。
縄跳びダイエットの流行もあり、今では回数や時間をカウントできるものや、少し重さ(負荷)が掛かる機能がついたものまでその種類は様々です。
また、縄が手元に無いという人は、エア縄跳びもおすすめです。
本記事の内容を参考に、ぜひ自分にあった縄跳びの方法でダイエット効果を存分に楽しみましょう。
ただ体重が減るだけではダメ。
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