サッカーでボールを蹴ると、足の甲が痛い。
プレー中に走ったり歩いたりしていても、足の甲が痛い。
このような悩みありませんか?
実はサッカーをしている方に足の甲の痛みは多いです。
ですが、特別ぶつけたりひねったりといった痛くなるきっかけはない場合もあります。
また、次第にサッカーをしている時でなくても、日常的に歩いたりする際に痛くなってくる場合もあります。
そこで、今回はサッカーをしている方の足の甲の痛みについて、考えられる事や原因、対策を解説します。
サッカーで足の甲が痛い時に考えられる事
サッカーで足の甲が痛い時に考えられる事は主に以下の3つあります。
- 骨折
- 捻挫
- 筋肉痛
それぞれ解説していきます。
骨折
サッカーで足の甲に起こる痛みで多いのは、中足骨と呼ばれる足の甲を形作る骨の疲労骨折です。
疲労骨折とは、1回の大きな外傷でおこる通常の骨折とは異なり、骨の同じ部位に繰り返し加わる小さな力によって、骨にひびが入ったり、ひびが進んで完全な骨折に至った状態をいいます。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
サッカーのように、長時間の激しい運動や激しい運動を行った後に足の甲から指にかけての痛みを生じ、運動を止めると痛みは治ります。
これは疲労骨折の予兆で、そのまま運動を継続し続けると、すぐに痛みが出るようになり、やがて痛みが強くなって運動できないほどになる可能性があります。
通常の骨折のような強い外傷などが加わって生じる骨折とは違い、小さな力が何度も加わることで起こるのが疲労骨折です。
なので、初めはあまり気にしないかもしれませんが、同じ痛みが続くようであれば注意が必要です。
サッカーでは中足骨骨折が非常に多いので、後でさらに詳しく解説します。
捻挫
捻挫というと、足首をひねって足首が痛くなることをイメージするかもしれません。
ですが、足の甲にも関節があり、そこを捻挫することで痛みを生じる場合もあるのです。
そもそも、捻挫とは、靭帯や腱というような軟部組織といわれるものや、軟骨(骨の表面を覆う関節軟骨、間隙にはさまっているクッションである半月板や関節唇といわれる部分)のケガです。
■参照元:公益社団法人日本整形外科学会
足の甲には、ショパール関節とリスフラン関節と呼ばれる関節があります。
この関節は足首のように大きく動くわけではないので、足首と比べると捻挫する可能性はかなり低いですが、スポーツ中に起こることがあります。
つま先に体重がかかった状態で、足の甲辺りに無理な力が加わった際に受傷する場合が多く、サッカーでは相手選手との接触やフェイントなどつま先で踏ん張ったり切り返したりする時に起こりやすいです。
他には、体操競技や剣道などのスポーツ、ヒールを履く女性、重い物を運ぶ方に起こることがあります。
症状としては、捻挫した周囲の腫れや痛み、つま先に体重をかけると痛みが生じることが特徴です。
足の甲の捻挫の場合、関節を止めている靭帯の損傷がある場合も考えられます。
その場合は痛みを我慢して歩いていると治りが遅くなりますし、さらに靭帯損傷を広げてしまう可能性もあります。
一般的には、体重をかけることを控えるために松葉杖を使用し、患部はギプスで固定します。
なので、つま先へ体重をかけて痛みがある場合は、整形外科を受診し診断を受け、適切な治療を受けることをお勧めします。
筋肉痛
筋肉痛とは、運動によって筋肉が収縮する際に起こる痛みを指します。
主に、慣れない運動をした後や使い慣れない部分の筋肉を使いすぎた、スポーツなどで酷使したことが原因で起こります。
足の甲に関わる筋肉は以下の3つあります。
- 前脛骨筋
- 長母趾伸筋
- 長趾伸筋
前脛骨筋はつま先を持ち上げる筋肉、長母趾伸筋は親指を反らす、長趾伸筋は人差し指から小指を反らす筋肉です。
それぞれ筋肉の働きは異なるので、それを利用してどの筋肉が痛みを起こしていのか、ご自身でも調べることができます。
具体的な方法は以下の通りです。
- つま先を内側へ向け、足の指を全て曲げる
- 手で足首を上から押さえ、つま先を持ち上げるように力を入れる
- この時痛みが出れば、前脛骨筋が筋肉痛の可能性が高い
- つま先を内側へ向け、下へ向ける
- 手で親指を上から押さえ、親指を反らすように力を入れる
- この時痛みが出れば、長母趾伸筋が筋肉痛の可能性が高い
- つま先を外側へ向け、下へ向ける
- 手で人差し指から小指を押さえ、反らすように力を入れる
- この時痛みが出れば、長趾伸筋が筋肉痛の可能性が高い
どの動きでも痛みが出ることもありますが、いずれにせよ痛みが出るのであれば筋肉痛である可能性は高いです。
サッカーで多いのは中足骨骨折
冒頭で言いましたが、サッカーでは足の甲の痛みは非常に多いです。
そして、その原因として多いのが、中足骨骨折です。
プロのサッカー選手でも中足骨骨折を受傷した方は何人もいて、あのネイマール、香川真司、小野伸二なども過去に中足骨骨折を受傷しています。
ここでは、中足骨骨折についてもう少し詳しく解説していきます。
中足骨骨折の症状
中足骨は親指から小指までそれぞれに対応するようにあるため、全部で5本あります。
その中でも多いのは、人差し指に対応する第2中足骨の骨折、次いで第3中足骨の骨折です。
これは別名、行軍骨折とも呼ばれ、長距離の行軍を始めたばかりの新兵にこの骨折が多く見られることから由来しています。
サッカーでよく見られるのは、小指に対応する第5中足骨折で、別名ジョーンズ骨折と呼ばれています。
症状は、運動中や運動後に足の甲が痛い、圧迫すると痛いなどが挙げられます。
しかし、サッカーに多いジョーンズ骨折は運動や圧迫をしても痛みが出ない場合が半数ほどいるとされ、早期発見を遅らせる原因になっています。
中足骨骨折の原因
繰り返し体重の負荷が加わり、筋肉や腱が負荷を吸収して骨への衝撃を和らげる限界を越えると、疲労骨折が起こります。
サッカーをはじめ、各種スポーツなどで何度も負荷がかかって、酷使された場合に起こります。
具体的な原因としては以下のような要因が挙げられます。
- 練習の強度が強すぎる
- 長時間の運動
- 技術が未熟
- 技術や体力に見合っていない練習
- 筋力不足、アンバランスな筋力
- 柔軟性が低い
- 不適切なシューズ
- 練習環境が悪い(硬い、あるいは柔らかい地面)
このような要因から、中足骨へ負担がかかった結果、疲労骨折へとつながります。
中足骨骨折の治療
治療で大事なのは、安静を心がけ、骨折した部位に負担をかけないことです。
ほとんどの場合は治っていきますが、それでも中々治らない場合は手術をする場合もあります。
足の甲の痛みに対する対策
足の甲の痛みに対する対策としては、主に以下の4つです。
- 安静にする
- アイシング
- ストレッチ
- 筋トレ
それぞれ解説していきます。
安静にする
中足骨骨折の場合、痛みがあるのに無理に体重をかけていると中々治りません。
特に第5中足骨の骨折であるジョーンズ骨折は治りにくい場所でもあるので、安静にして体重をかけないことが大切です。
また、捻挫や筋肉痛の場合であっても安静にすることは大事な治療の1つです。
筋肉痛の場合は絶対安静とまではいきませんが、足を酷使し過ぎた結果で体がついていけていないということなので、安静期間を挟み痛みが和らいできてから、徐々に再開するのが良いでしょう。
アイシング
疲労骨折や捻挫、筋肉痛は患部で炎症を起こしているので、アイシングで冷やすことが効果的です。
特に明らかに患部が熱く熱を持っている、腫れて痛みがある場合は、炎症反応が強く出ていますので、冷やした方が良いでしょう。
具体的には、ビニール袋やアイスパックに氷を入れ、患部に当てて冷やします。
患部の感覚がなくなるくらい、15〜20分くらいを目安に冷やすのを止め、痛みが出てきたら再度アイシングしましょう。
熱感がなければ無理に冷やさなくても良いですが、熱感があるうちは1〜3日を目安に続けましょう。
ストレッチ
筋肉痛の場合は、足の甲に関わるすねの筋肉を直接ストレッチすることも大事です。
ですが、疲労骨折の場合はそれだけでは不十分で、他の関節の硬さなどをかばって足の甲へ負担になっている場合が多いです。
そして、かばっている部位として多いのは股関節です。
なので、ここではすねの筋肉のストレッチと股関節の筋肉のストレッチを紹介します。
すねの筋肉のストレッチ
すねには前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋の3つの筋肉があります。
それぞれ使い過ぎで、すねに痛みを感じる場合があるので、しっかりとストレッチしましょう。
- 座った状態でストレッチする側の足を反対の膝に乗せる
- 乗せた足のつま先を外側、下へ向ける
- 痛みのない範囲で伸ばし、10〜20秒キープする
- 3回程度繰り返す
- 座った状態でストレッチする側の足を反対の膝に乗せる
- 乗せた足のつま先を外側、下へ向ける
- そのままの位置をキープし、親指を第一関節から曲げる
- そのまま痛みのない範囲で10〜20秒キープする
- 3回程度繰り返す
- 座った状態でストレッチする側の足を反対の膝に乗せる
- 乗せた足のつま先を内側、下へ向ける
- そのままの位置をキープし、人差し指から小指を全て第一関節から曲げる
- そのまま痛みのない範囲で10〜20秒キープする
- 3回程度繰り返す
それぞれ足首なら足首、親指なら親指と伸ばすべきところをしっかりと伸ばすようにしましょう。
よくあるのが、指を伸ばそうとそこへ集中すると、足首がちゃんと伸びていなかったりするので注意しましょう。
股関節の筋肉のストレッチ
股関節で特に硬くなりやすいのは、お尻から裏ももにかけてのハムストリングス、股関節の前側から前ももの腸腰筋の2つです。
サッカー選手においては、ボールを蹴る動きにも大きく関与する筋肉なので、柔軟性を高めることで足の甲への負担も減らせて一石二鳥です。
ハムストリングスのストレッチは以下の通りです。
- こぶし1個分足を開いて立つ
- しゃがんで両手で足首をつかむ
- 足首をつかんだまま、膝だけ伸ばす
- そのまま10〜20秒キープする
膝を伸ばす時、胸と太ももがなるべくついた状態にしながら行うと、より裏ももがしっかりとストレッチできます。
次に、腸腰筋のストレッチは以下の通りです。
- 両膝立ちになる
- 片足を前につく
- 前足に体重をかけ、後ろ足の前ももが伸びるようにする
- 腰は反らないように少し丸め、十分に前ももが伸びる位置まで体重をかける
- そのまま10〜20秒キープする
前へ体重をかけた時、腰が反り過ぎてしまうと上手く腸腰筋がストレッチできないので、軽くへそを引っ込めるようにして腰が反らないように注意しましょう。
筋トレ
筋トレは股関節の筋肉がしっかりと働くような運動を選択するのが良いです。
既に述べたように、中足骨骨折は股関節など他の部位をかばって負担が溜まった結果、起こることが多いです。
なので、股関節の筋肉がしっかりと働く状態を整えることで、中足骨への負担も減らせることができます。
ここではストレッチでも紹介した腸腰筋の筋トレを紹介します。
腸腰筋は股関節のインナーマッスルでもあり、腸腰筋がしっかり働くことで股関節は安定し、スムーズに動いたり強い力を発揮するのに役立ちます。
逆に腸腰筋が働いていないと、股関節は不安定になるので、周りの筋肉で無理やり固めて安定させようとするため、硬く怪我のしやすい体になってしまいます。
そのためにも、腸腰筋がしっかり働く状態にすることが大切です。
具体的な方法は以下の通りです。
- 肩幅に足を開いて立つ
- ビキニラインの真ん中を左右それぞれさわる
- そこを支点にお尻を遠くへ突き出すようにスクワットする
- 20回程度繰り返す
お尻を突き出す際、股関節を深く曲げるようにしてください。
体が起きていたり、膝がつま先より前に出るようなやり方では、股関節があまり曲がりません。
体をしっかり倒し、膝はつま先より前に出ないようにすると、股関節がしっかり曲がって腸腰筋が働きやすくなります。
理学ボディのおすすめ
とにかく早く足の甲の痛みを治したいは理学ボディで施術を受けることをお勧めします。
理学ボディでは最短で痛みを改善させることにこだわっており、筋膜という組織に対して施術を行います。
中足骨骨折の場合、安静にする期間が必要ですが、安静期間中であっても筋膜の施術は可能です。
中足骨骨折はすぐに受傷するわけではなく、何度も負担がかかって起こるものなので、その過程で筋膜も硬くなっていることが考えられます。
また、筋膜の硬さはストレッチや筋トレでは中々改善できないことも多く、硬くなった筋膜を直接ほぐすことが有効な場合が多いです。
理学ボディのセラピストは筋膜の施術に精通しているので、筋膜によって起こっている痛みととても相性が良いです。
もし、早く痛みを何とかしたくてお困りでしたら、ぜひ理学ボディにお越しいただき、筋膜の施術を受けてみてください。