この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
「なんだか背骨のあたりが痛い」
「背骨を押すと痛い」
このように、突然背中に痛みを感じたことはないでしょうか。
姿勢不良や背中の筋肉の肉離れによって、背骨がピンポイントに痛むことがあります。
背骨の痛みには、がんや疲労骨折などの放置していると危険なケースもあるため、注意が必要です。
本記事では、背骨がピンポイントで痛む原因や対処方法を解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
理学BODYでは痛みを今すぐどうにかしたい方に向けて、あなたの痛みに効果的な筋膜リリース動画をLINEにて無料でお伝えしています。
ぜひご活用ください。
背骨がピンポイントで痛い原因とは?
背骨がピンポイントで痛む場合には、以下のような原因が挙げられます。
- 姿勢が悪い(猫背)
- 肉離れや靭帯の損傷の怪我
それぞれみていきましょう。
ピンポイントで痛い原因:①姿勢が悪い(猫背)
1つ目の原因は、姿勢が悪く猫背になってしまう場合です。
猫背は胸椎が後方に曲がり、肩が前側に傾いた状態を指すため、背骨や周囲の筋肉に余計なストレスをかける可能性があります。
猫背の状態が続くことにより筋肉の疲労が蓄積され、背中や腰に負担がかかります。
それによって背中を押すと痛みが生じるようになるため、猫背は決して放置してはいけません。
早めに姿勢を改善し、正しい姿勢を維持しましょう。
ピンポイントで痛い原因:②肉離れや靭帯の損傷の怪我
2つ目の原因は、肉離れや靭帯の損傷の怪我です。
重い荷物を持ち上げたり、悪い姿勢で運動を続けたりすることにより、背中の筋肉や靭帯が異常に伸びて肉離れや靭帯損傷を引き起こすことがあります。
軽度な痛みであれば問題ありませんが、痛みが強かったり、長く続いたりする場合は疲労骨折の可能性もあります。
その場合は早急に医療機関を受診し、診察を受けましょう。
肉離れや靭帯の損傷は、背中や背骨の部分に激痛を伴うことがあるため、痛みが生じないように普段から無理な姿勢での運動や動きを避け、身体を適切にケアすることが大切です。
背骨が痛い場合に考えられる怪我や病気
背骨が痛い場合には、以下の怪我や病気が原因に挙げられます。
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 変形性腰椎症
- 骨粗鬆症
それぞれみていきましょう。
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアは、背骨が痛いときに考えられる疾患の一つです。
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎と呼ばれる腰の骨の間にある椎間板が外側へ飛び出すことにより、突出した椎間板が神経を刺激し、圧迫することで強い痛みを生じます。
この疾患は20代から40代に比較的多く、中腰や前かがみになることが多かったり、重い荷物などを急に持ち上げたりするなどの動作で生じることが多いです。
またこの痛みが悪化すると、背骨や腰だけでなく下肢に痛みや痺れが出ることもあります。
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、背中を丸めたり前かがみになったりする姿勢のときに痛みが出やすく、背中をまっすぐに伸ばしていると痛みが落ち着きます。
この疾患は、安静にしていても治らないため整形外科の受診が必要です。
医師の指示のもと、痛い部位への注射や神経ブロックを行うこともあります。
変形性腰椎症
変形性腰椎症は、加齢により徐々に変形していった腰椎が神経を圧迫することによって痛みが生じる疾患です。
椎間板が痛んだり、骨棘と呼ばれる骨の棘ができたりすることにより、背骨が変形することによって生じる腰痛をいいます。
変形性腰椎症の場合、特に立ち上がった直後や、長時間同じ姿勢を続けた後に痛みが強くなります。
悪い姿勢や体重の増加、重い物を持ち上げるといった日常生活の動作などで痛みが増すことがあるため、注意が必要です。
整形外科を受診し医師の指示のもと、痛い部位への注射や神経ブロックを行うこともあります。
骨粗鬆症
骨粗鬆症も、背中の痛みに関連します。
骨粗鬆症とは、加齢や女性ホルモンの減少により骨が弱くなる病気です。
特に40歳以上の閉経後の女性に多くみられ、骨密度検査で測定が可能です。
治療は、薬物療法と食事療法があります。
骨粗鬆症になると、普段の生活において骨折しやすくなるだけでなく、背中や腰への痛みも生じるようになります。
痛みが続く場合は、専門の医療機関へ相談しましょう。
背骨が痛いときにやってはいけないこと
背骨が痛いときにやってはいけないことは、以下のとおりです。
- 荷物を持ち上げる
- 薬に頼る
- 不良な姿勢を続ける
それぞれみていきましょう。
背骨が痛いときにやってはいけないこと:①荷物を持ち上げる
1つ目は、荷物を持ち上げることです。
背骨に痛みがある状態は、背中の靭帯への負荷などがかかったために起きたと考えられます。
その状態で重い荷物を持つと、さらに背中に負荷がかかってしまうため痛みが悪化する可能性があります。
背骨の痛みには疲労骨折などが原因のケースもあるため、なるべく背中に負荷をかけないことが大切です。
背骨が痛いときにやってはいけないこと:②薬に頼る
2つ目は、薬に頼ることです。
痛みがあるときに、痛み止めを服用することは悪いことではありません。
ただし薬に頼ることが常習化することにより、身体への依存性が高まる恐れがあります。
また一時的に痛みは緩和されますが、あくまで症状を抑えるものであり、原因を根本から治すものではありません。
特に医療機関を受診せず市販薬の服用をしている場合は、原因を特定するためにも一度医療機関でみてもらう必要があります。
背骨が痛いときにやってはいけないこと:③不良な姿勢を続ける
3つ目は、不良な姿勢を続けることです。
背骨の痛みは、長時間の同じ姿勢や悪い姿勢から生じることが多くあります。
さらに悪い姿勢は、背骨にストレスを与えるだけでなく、筋肉の緊張を高めてさらに痛みや不快感を引き起こす恐れがあります。
仕事や学習などで長時間座る必要がある場合は、適度に立ち上がったり、身体を伸ばしたりするなどし、筋肉の緊張をほどいてあげましょう。
※理学BODYでは、背骨の痛みに効果的な筋膜リリース動画をLINEにて無料でお伝えしています

背骨の痛みの対処方法
背骨に痛みの対処方法は、以下のとおりです。
- 正しい姿勢で過ごす
- 医療機関を受診する
- 筋トレやストレッチをする
- 整体で施術を受ける
それぞれみていきましょう。
背骨の痛みの対処方法:①正しい姿勢で過ごす
1つ目の対処方法は、正しい姿勢で過ごすことです。
背骨の痛みにつながる猫背にならないよう、常に正しい姿勢を意識しましょう。
猫背にならないようにするためには、以下に注意しましょう。
- 首を下げない
- 首が前に出ないようにする
- 重心が身体の中心にくるようにする
- 背中が丸まらないようにまっすぐにする
猫背の癖がある場合は、猫背になっていないか、近くにいる方にみてもらうことも効果的です。
背骨の痛みの有無に関わらず、常に正しい姿勢を心がけることが大切です。
背骨の痛みの対処方法:②医療機関を受診する
2つ目の対処方法は、医療機関を受診することです。
背中を押すと痛む場合の原因はさまざまあり、なかにはがんや疲労骨折なども考えられます。
特にがんは、放っておくと進行する恐れのある病気であるため、早急に医療機関を受診する必要があります。
また、腰椎椎間板ヘルニアや変形性腰椎症などの場合は、整形外科で治療を受けることが必要です。
専門医による検査や診断を受けることで、以下の問題を正確に把握することが可能です。
- 筋肉の問題
- 骨や関節の異常
- 神経系の問題
痛みがしばらく続く場合は、一度医療機関を受診するようにしましょう。
背骨の痛みの対処方法:③筋トレやストレッチをする
3つ目の対処方法は、筋トレやストレッチをすることです。
筋トレによって体幹や背骨周辺の筋肉、お腹周りの筋肉を強化することで、正しい姿勢を維持でき、痛みが生じにくくなる身体をつくることができます。
また、ストレッチを行うことで硬すぎないしなやかな筋肉をつくることが可能です。
背骨が痛む原因となる筋肉に効果的なストレッチを3つ紹介します。
- 僧帽筋のストレッチ
- 大胸筋に効くストレッチ
- 腸腰筋に効くストレッチ
- 肩甲骨のストレッチ
1.僧帽筋のストレッチ
僧帽筋のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- まず立った状態で肩の力を抜き、深呼吸を行う
- 息を吸ったら、首をゆっくり右に傾ける
- 10秒ほどキープした後、ゆっくりと元の位置に戻す
- 反対側も同様に行う
- これを左右3回ずつ繰り返す
2.大胸筋のストレッチ
大胸筋のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- 腕を上げて肘の内側を壁につける
- 身体を反対側にひねり、目線も外側へ向ける
- 逆側も同様に行う
3.腸腰筋のストレッチ
腸腰筋のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- 四つん這いになり、片足を曲げる
- 逆足を後方に伸ばす
- そのまま身体を伸ばす
- 逆足も同様に行う
4.肩甲骨のストレッチ
肩甲骨のストレッチ方法は、以下のとおりです。
- まず椅子に座り、背筋をピンと伸ばす
- おへその前で手を組み、腕を伸ばし、肩甲骨が開くように胸を突き出す
- この状態で5秒ほどキープする
- 腕を下げて元の状態に戻し、これを10セット繰り返す
しなやかな筋肉は肉離れを防止でき、血流が良くなることで筋肉の持久力が向上し、長時間の労働や運動にも耐えられるようになり、背骨への負担を軽減できるでしょう。
怪我を防止できる筋トレやストレッチですが、正しい方法で行うことが大切です。
必要に応じて、専門家の指導も検討すると良いでしょう。
そのほか、背骨の痛みの原因を改善するためのセルフケアについて解説しています。
ぜひご覧ください。
背骨の痛みの対処方法:④整体で施術を受ける
4つ目の対処方法は、整体で施術を受けることです。
整体は身体の骨格や筋肉のバランスを整えることにより、痛みの原因を根本的に解消することを目指します。
施術自体は、専門的な知識と技術を持つ整体師により行われ、その人それぞれの身体の状態に合わせたカスタムメイドの治療が可能です。
また、身体のバランスを整えることで、痛みだけでなく姿勢の改善や生活習慣の見直しにもつながるでしょう。
しかし、すべての背骨の痛みが整体で改善するわけではありません。
重度の病気が原因の場合もあるため、痛みが長引く場合や症状が重くなる場合は、必ず病院を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。
この記事のまとめ
今回は、背骨の痛みの原因について解説しました。
背骨の痛みの原因には、日頃の姿勢の状態やヘルニアなどの病気が関係します。
軽い痛みであれば、正しい姿勢を心がけて適度に筋トレやストレッチを行うことで改善することが可能です。
しかし、ストレッチなどをしても痛みが改善せず痛みが長引く場合には、病気が原因の可能性があるため早めの受診が必要です。
病院に行くほどの痛みではないけれど身体の状態が気になるという方は、お気軽に当院へご相談ください。
整体により身体のバランスを整えることで、背骨の痛みの解消へつながることもあります。
理学BODYではLINE登録をした方限定で、骨盤の痛みに効果的な筋膜リリース動画をプレゼントしております。
骨盤の痛みに悩まされている方は、以下からぜひお受け取りください。