
このような背骨の痛みでお悩みではありませんか?
今まで痛くなかったのに、急に痛みがでると何か病気の症状なのかと不安になってしまいますよね。
実は背骨が痛い時に考えられることは、4つの原因に分類して判断することが可能なんです。
- 骨の状態が変化して痛みが起きている
- 筋・筋膜にストレスがかかって痛みが起きている
- 神経が伸長または圧迫などの刺激を受けて痛みが起きている
- 猫背や不良姿勢が原因で痛みが起きている
一番危険なのは、自己判断で痛みを対処してしまい症状が悪化してしまうことです。
症状が悪化してしまうと、医療機関での治療を受けたり、手術を受けたりする可能性もあります。
しかし、しっかりと痛みの原因を判別して、適切な対応をとればセルフケアでも症状を改善することができます。


本記事は医療分野の国家資格である理学療法士が監修しています。
痛みの原因がわからずに心配な方に向けて、わかりやすく丁寧に解説していきます。
当院では、本記事でご紹介するような痛みを抱えた方に対して、筋膜リリースという技法を用いて施術を行っている整体院です。
痛みの原因はもうすでにわかっているから、対処法を早く知りたい!
そんな方は、背骨を押すと痛い|4つの原因別【対処法】をご覧ください。
目次
背骨を押すと痛い|痛み・症状別の4つの原因
まずは背骨の痛みを引き起こしている原因を一緒に見つけていきましょう。
背骨を押すと痛い場合に考えられる原因は、以下の4つになります。
- 骨の痛み
- 筋・筋膜の痛み
- 神経の痛み
- その他(内臓などの痛み)
事故や怪我などによる外傷を除いては、上記の原因が痛みに関係していると考えられます。
上記の痛みを起こすきっかけとして猫背や不良姿勢などが影響している場合が多いです。
感じている痛みが上記4つのうちどれに当てはまるのでしょうか。
痛みの原因を判別していくには状態をより具体的にしていくことが大切です。
今回は、痛みをわかりやすく判別するために、見分け方のポイントを表でご紹介していきます。



ぴったりと当てはまらない場合もあるので、当てはまる項目が多い原因が可能性として高いと考えましょう。
その場で痛みを思い返すのが難しい方は、痛みを感じた後に痛みの状態をメモで残しておくと後で見返しやすくおすすめです。
背骨を押すと痛い|危険なケースはコレ
背骨を押したときに感じる痛みでも、医療機関への受診や専門的な治療が必要となる危険なケースもあります。
ここでは、本記事でご紹介する中でも比較的リスクの高い危険なケースをご紹介していきます。
- 骨折
- 骨髄およびその他の腫瘍
- 内臓系疾患
しっかりとチェックするために詳しく解説していきます。
骨折
背骨を押すと痛みがでたり、背部、臀部痛などがある場合、脊椎圧迫骨折の可能性があります。
脊椎圧迫骨折は、主に外傷や骨粗しょう症などが原因で起こります。
痛みによって体動が困難な場合は、コルセットを着用して入院が必要になる場合もあります。
早めに整形外科を受診するようにしましょう。
多くの場合に、2~3ヵ月で骨癒合および症状の軽快が期待できます。急性期症状が強く疼痛コントロールが不良な場合や、疼痛が長引く場合には、手術を行うこともあります。
引用:Doctors File
骨髄およびその他の腫瘍
本項でご紹介する中でも、特に注意なのが腫瘍が疑われる場合です。
腫瘍が発見された場合は、手術や化学療法を行うケースもあります。
背骨や背部痛を症状とする腫瘍は、以下を参考にしてください。
- 骨髄または脊椎腫瘍
- 胃がん
- 膀胱がん
- 食道がん
- 膵臓がん
腫瘍が原因の場合には、背部痛以外にも発熱や体重減少、尿の混濁など痛み以外の症状も見られることもあります。
背部痛のみの場合は、整形外科、発熱を伴う場合は内科、排泄物に異常を感じた場合は泌尿器科など状態に合わせて、受診先を検討しましょう。
最も多い自覚症状は、骨折や溶骨性病変による骨痛です。骨折で最も多いものは頚椎・胸椎・腰椎がつぶれてしまう圧迫骨折で、腰痛・背部痛が最も多い症状です。
貧血や高カルシウム血症も検診の血液検査で見つかり、骨髄腫の早期発見につながることもあります。1年に1回は健康診断を受けることが重要と考えます。
引用:日本赤十字社医療センター
内臓系疾患
背骨の痛みを起こす内臓系の疾患は複数あります。
主に上げられるのは以下の通りです。
- 急性膵炎
- 胆石症
- 腎盂腎炎
- 帯状疱疹
- 大動脈解離・解離性大動脈瘤
予測される危険性の高さから、今回は大動脈解離・解離性大動脈瘤について解説していきます。
大動脈解離・解離性大動脈瘤
大動脈解離は太い血管にある膜が裂けてしまう状態を指します。
また、解離性大動脈瘤はその裂けた部分が膨らんだ状態を指します。
このような状態になってしまうと胸や背中に激痛が起こることが主症状です。
循環不良により内臓の機能不全や脳梗塞、急性心不全を起こすこともあり、最悪の場合、突然死の可能性もあります。
大動脈の中でも心臓に近い部分にある上行大動脈で解離が起こった場合は、血管破裂や心筋梗塞・脳梗塞など命に関わる状況に陥る危険性が高く、早く手術治療を行うことが望ましいとされる。
治療の方法は、裂けてしまった大動脈を人工のものに取り替える手術や、血管のバイパス手術(大動脈の枝分かれしている部分の血流が妨げられている場合に行う)がある。
引用:Doctors File
背骨を押すと痛い|原因のセルフチェック
ここからは痛みの状態から原因をより判別するためのチェックを行っていきましょう。
下記で記載するチェックリストに沿って、当てはまる項目をチェックしてみましょう。

上記のリストに回答することで、痛みの原因を分類していくことができます。
痛みの感じ方には個人差があるため、より近い方を選ぶようにしてみましょう。
- 強いズキズキとした動作時に起こり、痛み以外症状はない…骨が痛む人へへ進む
- 強いまたは弱いズキッとした痛みが動作時に起こり、痛み以外の症状はない…筋・筋膜が痛む人へへ進む
- 動作時、安静時ともにピリピリと痛み、長い時間続く…神経の痛みの人へへ進む
- 動作時・安静時ともにズキズキと痛み、長い時間続く、姿勢を変えると変わる…猫背や不良姿勢の人へへ進む
背骨を押すと痛い|骨が痛む人へ
まずは痛みの原因として、骨が関係している場合について解説していきます。
以下のような症状がある方は、骨が痛みの原因になっているかもしれません。
- 背中を打ったり転んだり、痛みがでたきっかけがある
- 背骨を押すと鋭く強い痛みがある
- 起き上がる際に強い痛みを感じる
- 咳き込んだりくしゃみをすると背中が痛む
- その他の症状がない
- 痛みが1週間ほどつづいている
骨が痛くなる理由
まず骨が痛くなるというのは、どういうことなのでしょうか?
実は実際に痛みを感じているのは骨ではありません。
ここでは骨が痛くなるメカニズムについて解説していきます。
骨は、何層かの構造で形成されていて、層によって役割が分かれています。
体の骨は、中心から海綿質、緻密質で構成されていて、骨全体を覆うように骨膜に覆われています。
骨膜は、痛みを感じる神経や、血管、リンパ管などが走っていて、骨に血液を送る大事な組織です。
例えば、骨折で骨が折れてしまうと、骨膜も一緒に破れてしまいます。
すると、骨膜にある痛みを感じる神経が損傷して、痛みを感じるのです。
また背骨には椎体と呼ばれる骨のほかに、骨を支えるためのクッションである椎間板なども存在します。
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引用:関節が痛い
年齢を重ねるにつれて背骨の形が変形することでも痛みが起きる場合があります。
骨が痛くなる病気や怪我
骨が痛くなってしまう理由をふまえて、背骨が痛くなる病気や怪我についてご紹介していきます。
今回ご紹介する病気や怪我は以下の通りです。
- 脊椎圧迫骨折
- 変形性脊椎症
順番に解説していきます。
脊椎圧迫骨折
脊椎圧迫骨折は、背骨を構成する脊椎(椎体)のどれかが、圧縮ストレスによって骨折してしまう疾患です。
多くの場合は、骨粗しょう症と呼ばれる骨の強度が低下する疾患が、影響しており、高齢者によくみられる疾患です。
圧迫骨折をした方の中には、痛みを感じる場合と感じない場合があります。
骨の強度が低下するとだんだんと背骨が圧潰し、骨膜が破れないために、痛みを感じにくいことが原因です。
急に背中や腰に強い痛みを感じ、寝返りや仰向けができなくなったり、前かがみでしかいられなくなったりすることもあります。このような強い症状がある場合には、早めに医療機関を受診すべきです。
転移性骨腫瘍による圧迫骨折は、骨折した部分を動かした時だけでなく、安静にしている時でも痛みを感じるという特徴があります。
引用:Doctors File
変形性脊椎症
変形性脊椎症は、高齢化によって脊椎と椎間板の形が保てなくなり、変形を起こした状態を指します。
変形が大きいと腰や背中に痛みを感じることがあります。
主に、重い物をたくさん運んだり力仕事を多くしてきたという方は、背骨に負担がかかりやすくなります。
変形性脊椎症そのものは病気とはいえず、無症状のことも多い。しかし、椎体にトゲのようなものができ、椎間板のクッション機能が落ちるといった変化などが進むことで神経が圧迫されると、腰や背中、左右両方の手足の痛みなどが起きる。
引用:Doctors File
背骨を押すと痛い|筋・筋膜が痛む人へ
続いて、痛みの原因として筋・筋膜が関係している場合について解説していきます。
以下のような症状がある方は、筋・筋膜が痛みの原因かもしれません。
- 動いたときに同じ場所が痛む
- 痛みの程度は弱かったり強かったりする
- 普段の生活は送れている
- 痛み以外の症状はあまりない
筋・筋膜が痛くなる理由
筋・筋膜という言葉を初めて聞くという方も少なくないと思います。
筋膜とは、筋肉を覆っている薄い膜です。
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引用:整体サロンPlusL
筋膜は、筋肉同士を連結させたり、体の滑らかな動きを行う際に働いています。
他にも体に負担がかかった時に痛みを感じ取ってくれるセンサーでもあります。
筋膜は本来、いろんな方向に伸び縮みできる組織です。
ですが、滑りが悪くなったり、硬くなってしまうと体の動きが悪くなってしまいます。
そして、偏ったストレスが局所的に集中してしまい、痛みが起きてしまうのです。
筋・筋膜が痛くなる病気や怪我
筋・筋膜が原因で背骨が痛くなってしまう病気や怪我について解説していきます。
今回ご紹介する内容は以下の通りです。
- 筋・筋膜性疼痛症候群
筋・筋膜性疼痛症候群
筋・筋膜性疼痛症候群は、複数の筋肉に限局した慢性的な痛みで、血液検査やレントゲン所見などで異常がないということがポイントです。
背中だけではなく、足の痛みや肩の痛みなど全身も含まれます。
このような状態が、腰に凝った場合は、筋・筋膜性腰痛となります。
背中には、全身の中でも特に大きな筋膜である胸腰筋膜があります。
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引用:アレックス脊椎クリニック
胸腰筋膜は、背中が丸くならないように支えるために広背筋、大殿筋などの筋肉とつながっています。
デスクワークや偏った姿勢での立ち仕事など背中に負担のかかる生活が続くと、背中の筋肉や筋膜が硬くなってしまい痛みが起きてしまうのです。
このような場合には、主に筋膜に対する施術を行っている専門店や体を整える整体院がおすすめです。
背骨を押すと痛い|神経の痛みの人へ
続いて、痛みの原因として神経が関係している場合について解説していきます。
以下のような症状がある方は、神経が痛みの原因かもしれません。
- 痛み以外にしびれの症状がある
- 足の力が入りにくいときがある
- 長距離を歩くことができない
- 背中が重だるい感じがする
神経の痛みが起こる理由
背骨の痛みは骨や筋肉でなく、実は神経の問題だったということも少なくありません。
背骨には、脊柱管と呼ばれる脊髄神経が通る空間があります。
そこには脊髄神経と呼ばれる全身の動きや感覚を脳に伝えるための神経の束があります。
以下の画像のように、何らかの影響で脊柱管が狭くなったり、脊髄神経から出る神経根がストレスを受けると痛みとして感じるようになっているのです。
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引用:ダスキンヘルスレント
そのため神経の痛みは主に、脊髄神経と神経根が関係しています。
そのため神経がストレスを感じるとしびれを感じたり、力が入りにくい脱力感を感じることがあるのです。
姿勢によって神経が圧迫を受けて一時的に症状が出る場合もありますが、慢性的に症状が続いている場合は、整形外科などで診断を受けることが大切です。
神経の痛みが起こる病気や怪我
背骨の痛みやしびれなどの症状を起こす神経由来の病気や怪我についてご紹介していきます。
今回ご紹介する内容は以下の通りです。
- 腰部脊柱管狭窄症
- 椎間板ヘルニア
順番に解説していきます。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症は、腰にある脊柱管が何らかの影響で狭くなってしまい、脊髄神経が圧迫されることで痛みや歩行障害を主とする疾患です。
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引用:製鉄記念八幡病院
多くは加齢に伴った、脊柱の組織の変化によって起こります。
症状としての特徴は、歩き始めると足にしびれやこわばりを感じ、休むと症状が軽快するといった点です。
神経の圧迫の程度によって、症状の強さも異なり、病状が進行するにつれて歩ける距離も短くなってしまう恐れがあります。
似たような症状を感じた場合は、レントゲンやMRI検査ができる整形外科に受診しましょう。
症状が進むと、安静にしていても痛みやしびれが出たり、会陰部に違和感を生じたり、排尿や排便がしづらくなったりする場合もある。馬尾型は両足にしびれや痛みが出ることが多く、神経根型は片側の臀部から足にかけて症状が出ることが多い。
引用:Doctors File
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、背骨を構成する椎体の間にある椎間板が、何らかの要因で変性し、脊髄神経や神経根に当たることで痛みやしびれの症状を起こす疾患です。
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引用:ユビー
加齢していくにつれて椎間板の水分が少なくなり、椎間板が変形視野syくなります。
症状は、ヘルニアが起きた部位によって異なります。
腰で椎間板ヘルニアが起きた場合は、腰や臀部の痛みや足のしびれ、筋力の低下などがあげられます。
首のヘルニアでは、片手もしくは両手がしびれたり細かい手作業が難しく感じます。
胸の位置にあたる胸椎のヘルニアでは、痛みは少なく脱力感が感じられやすいのが特徴です。
脊柱管狭窄症と同様に、MRI検査が行える整形外科へ受診することをおすすめします。
日常的な予防方法としては、背骨に負担をかけないことが大切になる。重いものを持つときは腰をかがめずにひざを使って持ち上げよう。長時間同じ姿勢でいることを避け、適度な運動を習慣づけることも効果がある。
引用:Doctors File
背骨を押すと痛い|猫背や不良姿勢の人へ
最後に、猫背や不良姿勢が痛みに関係している場合について解説していきます。
以下のような症状がある方は、不良姿勢が痛みの原因かもしれません。
- 決まった姿勢で痛みを感じることが多い
- 痛みを感じだしたきっかけがある
- 座って作業する時間が長い
- 周囲から姿勢について指摘されたことがある
猫背や不良姿勢で痛くなる理由
今回ご紹介するいくつかの原因の中でも、筋・筋膜や神経が痛みに影響している方は、姿勢が原因になっている場合も少なくありません。
実は不良姿勢や猫背といっても種類があるのは、ご存知でしょうか?
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引用:安井鍼灸接骨院
体の中でも、特に重さがあるのが頭です。
猫背のように姿勢が悪くなると頭の位置が、体よりも前に出ます。
すると背中側の筋肉や背骨は頭の位置を保とうとして力が入ったりストレスがかかります。
局所的にかかったストレスによって、筋肉や神経が動きにくくなり痛みを感じるようになるのです。
猫背や不良姿勢で痛くなる病気や怪我
背骨の痛みを起こす不良姿勢由来の病気や怪我についてご紹介していきます。
今回ご紹介する内容は以下の通りです。
- 脊柱側弯症
- 筋・筋膜、神経由来の痛み
それぞれ順番に解説していきます。
脊柱側弯症
脊柱は、基本的にはまっすぐの形をしていますが、思春期や偏った姿勢での生活によって、背骨が10度以上横に曲がっている状態を指します。
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引用:社会福財団済生会
特発性のものから先天性ものまであり、原因がさまざまですが、ヘルニアの痛みによる一時的なものもあります。
症状としては、背骨の痛みやこり、疲労などがあげられます。
整形外科のある病院に受診することをおすすめします。
成長期に側弯症が25°未満の軽いカーブの場合は、定期的なX線検査と整形外科医による診察を受けることが大切です。進行した場合は装具治療に移行します。
一般的に側弯が20°~45°程度の中等度の側弯症の場合は、進行防止のために装具治療を行います。装着時間が長いほど効果があります。
成長が止まり、骨が成熟して側弯の進行もなければ、徐々に装具装着時間を減らし、装具治療を終了します。高度の側弯症を矯正し進行を防止できる唯一の方法は手術です。リスクをゼロにすることはできませんが、現在では適切な予防や対処も行われ、手術治療の安全性が向上しています。
引用:日本側弯症学会
筋・筋膜、神経由来の痛み
本記事でご紹介した、筋・筋膜性の痛みや椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など神経によるものは、猫背や不良姿勢が大きく関係する場合もあります。
実際に、椎間板にかかる負担は、座っている姿勢と立っている姿勢で1.4倍近い差があることもわかっています。
予防として、日ごろから正しい姿勢を意識することが大切です。
背骨を押すと痛い|やってはいけないこと3選
ここまで背骨が痛くなる原因を解説してきました。


実際に痛みの原因がわかっても、状態に応じて適切な対処法があります。
間違ったことをやってしまうと症状が悪化してしまう恐れもあるので注意しましょう。
ここでは背骨が痛い時にやってはいけないこと3選をご紹介していきます。
- 無理な筋トレやストレッチ
- 無理に曲げる・反る・捻る
- 自己流で放っておく
無理な筋トレやストレッチ
まずは無理な筋トレやストレッチです。
例えば筋・筋膜性由来の背骨の痛みがあって、ストレッチを行う場合があります。
しかし、痛みが起きている場合は、組織が炎症を起こしている状態でもあるので、その場合大切なのは安静です。
痛みを早く治したい、早く対処した方が良くなると思ってしまって、動画サイトなどを参考にたくさんストレッチや筋トレをしてしまう方も少なくありません。
ストレッチや筋トレも適切な方法と頻度があるため、本記事でご紹介する方法を参考にしてみてください。
無理に曲げる・反る・捻る
姿勢が悪いことで痛みが起きているということまでわかっても、無理に姿勢を変えようとしてはいけません。
猫背だからと言って体を反らしたり曲げたりする行為は、患部へのストレスを高めてしまう可能性があります。
実際に不良姿勢からなる椎間板ヘルニアは、体を曲げることで状態を悪化させる恐れがあります。
腰部脊柱管狭窄症の場合は、背中を反ったり捻ったりすることで状態が悪化する恐れがあります。
症状で不安な方は、整形外科で診断を受けた後、医師の指示に従って対処していくことが大切です。
自己判断で放っておく
最後にもっとも危険なのは、自己判断で放っておくということです。
もちろん安静が重要な怪我や病気はたくさんあります。
ですが、背骨の痛みを引き起こす原因には、がんや内臓由来の病気、心臓病を含む循環系の病気が関係していることもあります。
その場合は、まずは医師の診察を受けること、適切な処置を受けることが重要です。
背骨を押すと痛い|4つの原因別【対処法】
ここまで背骨を押すと痛い場合に考えられる原因と間違った対処法についてご紹介してきました。
ここからはそれぞれの原因別で適切な対処法についてご紹介していきます。
今回ご紹介する内容は以下の通りです。
- 骨が痛くなる時の対処法
- 靭帯が痛くなる時の対処法
- 筋・筋膜が痛くなる時の対処法
- 猫背や不良姿勢で痛くなる時の対処法
それぞれ順番に解説していきます。
骨が痛くなる時の対処法
まずは骨が痛くなる時の対処法です。
具体的な対処法
脊椎圧迫骨折が疑われる場合には、まずは安静が最優先です。
多くの場合は3~4週間ほどで痛みが改善し、動きの制限が緩やかになります。
背骨が動くと痛みを起こしやすいため、捻るような動作はなるべく控え、かがむ際は膝を使って動くようにしましょう。
治癒期間は3~4カ月かかるため、生活の中でもコルセットをして行動する必要があります。
受診の目安
骨が痛いと思ったら以下のポイントを参考にして、受診をするようにしましょう。
- 痛みだしたきっかけが明確である(転倒、衝突など)
- 呼吸や食事をするのもつらい
- 体を起こすときが最も痛い
- 動くと鋭い痛みがある
受診する際は、レントゲンやMRI検査ができる整形外科を受診しましょう。
靭帯が痛くなる時の対処法
続いて靭帯痛みの原因であるときの対処法です。
背中の靭帯が痛くなる病態としては、後縦靭帯骨化症や黄色靭帯骨化症があります。
上記の2つは、背中にある靭帯が硬くなることで、脊髄を圧迫し、痛みやしびれを起こす疾患です。
靭帯はなかなか痛いと感じにくいですが、普段の痛みと違ったり以下でご紹介するような症状がある場合は、靭帯の原因を疑いましょう。
具体的な対処法
後縦靭帯骨化症の場合には、首を後ろに動かしたりする際にとても注意が必要となります。
誤って脊髄が圧迫され症状が悪化すると運動麻痺などを引き起こす場合があります。
受診の目安
普段の痛みと違うと思ったら以下のポイントを参考にして、受診をするようにしましょう。
- 肩や首の痛みがある
- 首が思うように動かせない
- 肩こりがひどい
- 手足のしびれがある
- 排尿、排便時に出にくさを感じる
上記のような症状を感じたらすぐに整形外科や脊椎脊髄外科指導医のいる医療機関へ受診しましょう。
筋・筋膜が痛くなる時の対処法
続いて、筋・筋膜が痛くなる時の対処法です。
筋・筋膜が痛くなる病態としては、ぎっくり腰や筋・筋膜性疼痛症候群があります。


具体的な対処法
ぎっくり腰のような、急激な背中の痛みを感じた場合には、まずは安静にしましょう。
寝方としては、以下のように、膝を立ててクッションをはさんだり、横向きで膝を軽く曲げるような姿勢が効果的です。
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引用:豊田接骨院
筋・筋膜性疼痛症候群の場合には、原因となっている筋膜に対し介入する必要があります。
もっともおすすめなのは筋膜リリースと呼ばれる筋膜に対する徒手療法です。
当院では、国際的スキルでもある筋膜リリースを会得した理学療法士スタッフが施術を行っています。
筋膜についてもっと知りたいという方は、以下の記事もご覧ください。
受診の目安
以下のような症状がある場合は整形外科を受診するようにしましょう。
- 痛みがでた理由が明確である
- 時間をおいても痛みの強さが変わらない
- 腰以外の部位にも痛みがある
- 数日たっても変わらない
また、症状が軽減はしているものの慢性的になっている、痛みの場所が複数あるという方は筋膜が影響しているかもしれません。
筋膜性疼痛は、レントゲンで現れない特徴があり、整形外科病院では改善が難しい場合があります。
筋膜リリースや筋膜調整が行える整体院を利用することをおすすめします。
猫背や不良姿勢で痛くなる時の対処法
最後に猫背や不良姿勢で痛くなる時の対処法です。
※痛みが強い場合やしびれなどを感じている場合は、運動を控えて整形外科を受診しましょう。
具体的な対処法
痛みの程度が落ち着いてきたら、ゆっくりとストレッチをして硬くなっている部位を柔らかくしていきましょう。
ここでは、自宅で簡単にできるストレッチをご紹介していきます。
肩甲骨のストレッチ
肩甲骨の内側にある菱形筋を動かすストレッチです。肩甲骨の負担を減らして、肩回りを軽くさせる効果があります。
開始姿勢:正座で両手を前に伸ばした姿勢
- 肘を曲げて後ろにゆっくりと引いていく
- あごを引きながら胸を張る
- 30秒間キープ
おしりまわりのストレッチ
おしりに付着している大殿筋や中殿筋といった筋肉を動かしていきます。おしりまわりがほぐれることによって腰や背中の負担を減らすことができます。
開始姿勢:仰向けで膝を立てて足を組んだ姿勢
- 両足をゆっくりと持ち上げる
- 両手で膝を抱えるように持つ
- そのまま30秒キープ
少しやってみて効果を感じながら継続するか判断しましょう。
また、当院では、症状や部位ごとにあなたに最適な筋膜リリース動画を配信しています。
LINEで無料でご案内していますので、ぜひ参考にしてみてください。


まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は背骨を押すと痛い時に考えられる原因と対処法についてご紹介してきました。
本記事をおさらいしてみましょう。
- 背骨の痛みの原因は、骨、筋膜、神経、姿勢が関係している
- 発熱や嘔吐、強い神経症状がある場合は、すぐに医療機関を受診する
- 自己流で無理なストレッチや運動は行わない
- 筋や姿勢が影響している感じた場合は、筋膜調整専門店がおすすめ
いつもの何か様子が違う、痛み以外の症状を感じる場合は、早期の受診をおすすめします。
症状としっかり向き合うことがとても大切です。
体を調整したい、体の硬さや慢性的な痛みでお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。