この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
そのスクワット、腰を痛める方法で行っていませんか。
スクワットは下半身の筋肉を効率的に鍛えられる運動ですが、やり方を間違えると腰痛の原因になってしまいます。
「じゃあどんな方法が正しいの?」
と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、正しいスクワットのやり方と注意点を紹介します。
腰痛を起こさず効率的に下半身を鍛えたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
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ぜひご活用ください。
目次
腰を痛めるスクワットに注意しましょう!
スクワットは、下半身の筋トレとして効果的なトレーニングです。
下半身の筋力が強くなれば、姿勢が改善し腰の動きも安定するため慢性的な腰痛で悩んでいる方にも効果的です。
しかし実際は、スクワットが原因で腰痛になった経験のある方もいらっしゃいます。
腰を痛めた原因を探っていくと、多くの方が正しいやり方を知らなかったり、やりすぎたり、事前のストレッチを怠ったりしてしまっていることがわかります。
そのため、安全かつ効果的な方法を知っていただくことが大切です。
正しい姿勢での効果的なスクワットについて
正しい姿勢でのスクワットについて解説していきます。
ポイントは、股関節や膝関節、腰の負担を最小限に抑えることです。
やり方をみていきましょう。
- 姿勢はまっすぐに立つ
- 両足の幅は肩幅よりも少し広めにとる
- 股関節から曲げていき、それに合わせてつま先と同じ方向へ膝も曲げていく
- 太ももの裏が床と並行になる深さまでしゃがんで元の姿勢に戻る
上記のポイントを意識しながら行うと、以下の部位に筋肉痛が起きやすくなります。
- 太ももの前側・裏側
- おしり
- ふくらはぎ
また、正しいスクワットは下半身の筋肉を鍛える効果以外にも、関節の違和感を改善する効果もあります。
股関節の詰まりもスクワットで改善できるため、ぜひ試してみてください。
【正しいスクワット】トレーニングで腰痛を予防できる
正しい方法でスクワットができれば、腰痛対策になります。
一方で、正しい方法を知らない方が行うスクワットには、以下の特徴があります。
参考にしてください。
- 背中が丸まってしまう
- 腰を過剰に反りすぎている
- おしりを突き出している
- お腹に力が入っていない
- 膝から曲げようとしている
- 膝をつま先より前に出さないようにしている
- 顎が上がって目線が前を向いている
正しく行っているつもりでも、上記の間違った方法では股関節、膝、腰を痛める原因になってしまいます。
そんな方は、まず椅子を使ったトレーニングから始めてみるもの良いでしょう。
椅子で行うスクワットは膝の負担を抑え、安全かつ効果的に行えるためおすすめです。
スクワットを行うときに注意する4つのこと
スクワットを行うときには、以下の4つの注意点を参考に行いましょう。
- ストレッチをする
- つま先は浮かせない
- 腰を反らせすぎない
- 痛みがある場合は控える
上記がスクワットの正しい方法です。
正しく行わないと痛みが改善しないどころか、かえって悪化して慢性化する原因にもなってしまいます。
痛みを予防し効果的に行えるように習得しましょう。
では、それぞれ解説していきます。
1.ストレッチをする
腰を痛めないためには、事前にストレッチをしましょう。
理由は以下のとおりです。
- 怪我を予防できるから
- 筋トレの効果が高くなるから
スクワットでは足腰に強い重みがかかるため、筋肉や関節が柔軟に動かなくてはなりません。
股関節の柔軟性が確保されていれば、無理な可動域で行わずに済むため、怪我を防ぎ腰を守ってくれます。
しかし、ストレッチを行いすぎて筋肉を緩めすぎてしまっても、本来のパフォーマンスを発揮できなかったり、骨盤の安定性が低下したりしてしまうため怪我のリスクが高くなってしまいます。
そのためスクワットの前は、ラジオ体操や屈伸などの動作のなかで関節を動かす動的ストレッチを行い、スクワット後に以下で紹介する方法を行いましょう。
太もも前側のストレッチ
- うつぶせに寝る
- 片足を手で曲げ、おしりの方へもってくる
- かかとを約20秒、おしりに押し付ける
- 左右を行い1セットとし、1~3セット行う
かかとがおしりに付く前に痛くなってしまう場合は、手前で止めましょう。
太もも裏のストレッチ
- 椅子に浅く座り、足を伸ばす
- 膝が曲がらないように手でおさえる
- 身体を前に倒す
- 膝の裏が伸びるのを感じたら止める
- 約20秒キープして1セットとし、1~3セット行う
ふくらはぎのストレッチ
- 壁に両手を付いて、片足を後ろに出す
- 踵を床につけ、膝が伸びていることを確認する
- 2の姿勢をキープしながら前側の膝を曲げる
- 痛すぎない位置で止め、約20秒キープする
- 左右を行い1セットとし、1~3セット行う
両足のつま先をまっすぐ前に向けて行いましょう。
2.つま先は浮かせない
スクワットは、つま先を浮かせずに行いましょう。
かかと重心になってつま先が浮いてしまうと、腰へ過剰な負担がかかってしまうからです。
スクワットの正しいやり方は、股関節から曲げていきそれに合わせて膝も一緒に曲げていくことです。
また上半身はお腹に力をしっかり入れて、丸まったり、反ったりせずにまっすぐな一直線の棒を意識し、前方へ適度に傾けるのが適切といえます。
昔は、つま先よりも膝を前に出さないように行う方法が主流でしたが、後方への負荷が強く過剰におしりを突き出し上半身を反ってしまう姿勢になるため、腰への負担が大きくなってしまいます。
3.腰を反らせすぎない
腰を反らせすぎることは避けましょう。
スクワットで腰を反ってしまうと、腰周囲の筋肉への負荷が大きくなり腰痛の原因となります。
特に慢性的な腰痛の方が腰を反りすぎると、痛みが悪化する原因になります。
事前にしっかりストレッチしても、フォームが乱れてしまえば元も子もありません。
スクワットは、適度に胸を張り背骨が一直線になるよう意識をしてみましょう。
頭から腰にかけて、1mほどの棒を当てながらスクワットするのもおすすめです。
もし頭から胸あたりに棒との隙間がある場合、体幹が丸まっている可能性が考えられます。
また腰あたりに棒との隙間がある場合は、体幹を反ってしまっている可能性が高いでしょう。
スクワットを行う際の自身の姿勢が、現状どうなっているのかを理解し適切な姿勢を意識して行うことが重要です。
4.痛みがある場合は控える
腰が痛いときは控えましょう。
特に、腰が痛くなったばかりの方が治らないうちにスクワットを行うと、かえって痛みが悪化する恐れがあります。
そのため、まずは痛みを治すことを優先しましょう。
病院や治療院などにかかり、専門家の判断を仰ぐことをおすすめします。
前述した事前のストレッチも腰痛には有効ですが、やってはいけないストレッチもあります。
こちらもぜひ参考にしていただき、痛みを悪化させないようにしてください。
※スクワットによる腰の痛みの症状を根本から改善できるよう、あなたの痛みに効果的な筋膜リリース動画をLINEにて無料でお伝えしています

ほかにもさまざまな方法のスクワットを5つ紹介
スクワットの注意点を4つ解説しました。
つづいてさまざまな方法のスクワット5つについて紹介します。
- ワイドスクワット
- ブルガリアンスクワット
- サイドスクワット
- オーバーヘッドスクワット
- スプリットスクワット
正しいやり方を知り、腰痛に効くスクワットを習得しましょう。
ワイドスクワット
ワイドスクワットでは、以下の筋肉が鍛えられて腰痛予防が期待できます。
- 内転筋:太もも内側の筋肉
- 大臀筋:お尻の筋肉
- ハムストリングス:太もも裏側の筋肉
やり方は、以下のとおりです。
- 足を肩幅よりも大きく開き、つま先を外側に向ける
- 胸の前で両手を合わせる
- 股関節から徐々に曲げていき、それに合わせて膝も自然に曲げていく
- 太ももの裏と床が平行になるまで身体を下ろす
- 元の位置にすばやく戻る
- 15回で1セットを1~3セット行う
ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、大臀筋と中臀筋をおもに鍛える効果のあるスクワットです。
お尻周りの筋肉を鍛えることで、骨盤の安定性を高めて姿勢を改善することが期待できます。
やり方は、以下のとおりです。
- 椅子やベッドを背にして立つ
- 右足を後ろに乗せる
※このとき重心は9割ほど前の足にかける - 胸の前で手を組み、左足を曲げながら腰を下ろす
- 左の太ももと床が平行になるまで膝を曲げる
- 元の位置にゆっくりと戻る
- 左右の足を入れ替え、1~5を行う
- 左右10回1セットを1~3セット行う
片足に負荷がかかるため大変ですが、床と平行にすることを意識して行いましょう。
腰の反りすぎ、丸めすぎに注意して行うのもポイントです。
また腰と膝を曲げておしりを下げていく際に、骨盤が外側にぶれないように意識しましょう。
サイドスクワット
サイドスクワットでは、足全体の筋肉を効果的に鍛えられます。
- 大腿四頭筋:太もも前側の筋肉
- 内転筋
- 大臀筋
- 中臀筋
- ハムストリングス:太もも裏側の筋肉
- 下腿三頭筋:ふくらはぎの筋肉
骨盤の安定性を確保できるようになり、腰痛予防が期待できます。
やり方は、以下のとおりです。
- 背筋を伸ばし、肩幅より広く足を開く
- 腕を前に伸ばす
- 片方の足に体重をかけて腰を落としながら、太ももが床と平行になるまで曲げる
- 反対側の膝も同様に曲げる
- 左右10回1セットを1~3セット行う
コツは、体重がかかっていない方の足をピンと伸ばすことです。
内ももがストレッチされるのを感じるくらいまで伸ばすとよいでしょう。
オーバーヘッドスクワット
オーバーヘッドスクワットは、両手をあげて行います。
上半身も鍛えられ、体幹の筋力アップも期待できます。
やり方は、以下のとおりです。
- 肩幅より広く足を開く
- 背筋を伸ばしてバンザイする
- 太ももと床が平行になるまで腰を下ろす
- 10回1セットを1~3セット行う
注意点として、前述したスクワットの注意点をおさえながら行いましょう。
- つま先を浮かせない
- 腰を反らせすぎない
手をあげて行うことで、自然と胸が開き体幹が丸まらないよう意識しやすくなるといえます。
スプリットスクワット
スプリットスクワットも、骨盤の安定性を高めて普段の姿勢改善が期待できます。
やり方は、以下のとおりです。
- 背筋を伸ばし、片方の足を前に出し前後に開く
- 両手を腰に当てる
- 前に出した足の太ももは床と平行、後ろの膝は床すれすれまで腰を下ろす
- 元の位置に戻る
- 15回1セットを1~3セット行う
- 足を前後反対にして1~4を行う
背筋をまっすぐにし、胸を張って行うのがポイントです。
スピードが速くなると、上半身がぶれたり膝が左右にグラグラ揺れたりしてしまいます。
そのため、姿勢をキープできる速さで行いましょう。
上記のさまざまなスクワットを正しく行えば、下半身の筋肉を効率的に鍛えられます。
ぜひ実践してみてください。
ただし、以下の場合は注意が必要です。
- スクワットを行う前から痛みがある
- スクワット後に痛みが出てしまった
上記の場合は、まず痛みの改善を優先してください。
前述したように、病院や治療院を受診することをおすすめします。
この記事のまとめ
スクワットは、下半身の筋肉を効率的に鍛えられる運動ですが、やり方を間違えてしまうと効果が出ないばかりか、腰の痛みにつながってしまいます。
言い換えれば、正しいやり方と姿勢、注意点を知り安全に行えば痛みを予防できるということです。
それでもスクワットが原因で腰痛になってしまった場合は、無理に続けず痛みを治すことを優先してください。
理学BODYでは痛みの根本原因となる筋膜へアプローチし、症状の改善と再発の予防を行います。
もし、病院や整体院へ通っても症状が思うように改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。
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