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股関節の詰まりはスクワットで改善できます | 詰まりの原因も理学療法士が解説

股関節の詰まりはスクワットで改善できます | 詰まりの原因も理学療法士が解説

 

足を深く曲げたり伸ばしたりときの【股関節がつまるようなイヤな感覚】に悩まされていませんか?

デスクワークが多い人やスポーツで股関節を酷使する人に多いこの悩み。

実は【スクワットで改善】出来るんです。

今ではだれもが知っているスクワットの動きですが、ただ闇雲にやってしまうと返って股関節を痛めてしまいます。

つまりの原因となる部分をきちんと理解し、正しいフォームを意識することが大切です。

本記事では、股関節のつまりを改善するスクワットの方法を専門家がわかりやすく解説していきます。

 

股関節がつまる時に考えられること

ある程度まで股関節を曲げたり伸ばしたりした時に感じる、うずくような違和感。

その原因として考えらることに

  • 筋肉の問題
  • 関節の問題

の2つがあります。

特に、関節に問題があるケースでは股関節の何らかの病気が関係しているケースがあるので要注意です。

 

筋肉の問題

股関節は骨盤という受け皿に先端が丸い大腿骨の頭がはまり込む形をしています。

大腿骨の頭がお皿の上をうまく転がったり滑ったりすることで、あらゆる方向へ動くことができます。

その動かす原動力となるのが股関節のまわりにある筋肉です。

前側と後側の筋肉が正常に伸び縮みすることで、スムーズに足を曲げたり伸ばしたりすることが出来ます。

  • 足を曲げる時は前側が縮み、後ろ側が伸びる
  • 足を伸ばす時は前側が伸び、後ろ側が縮む

ところが、どちらかの筋肉が凝り固まってしまうと関節のスムーズな動きを妨げてしまいます。

股関節の前側にある筋肉が硬くなったり、うまく伸び縮みしなくなると足を曲げていったとき筋肉が挟み込まれることで違和感を感じてしまいます。

また、股関節の後ろ側の筋肉が硬くなると、腸腰筋のスムーズな動きをじゃましてしまいます。

これが股関節のつまりにつながってしまいます。

 

関節の問題

もともとの股関節のつくりに問題がある場合年齢を重ねるごとに生じる関節の変形によっても股関節のつまりが生じる場合があります。

この場合に考えられるのが、

  • 変形性股関節症
  • 臼蓋形成不全

の2つです。

※関節に問題があるケースでは、のちに重症化すると歩けないほど痛みが増してしまう可能性があるので早めに受診しておきましょう。

変形性股関節症

関節に問題のあるケースの中で40~50代以降の人変形性股関節症を発症している可能性があります。

関節を支える軟骨が加齢により弱くなりすり減ってしまったり、急に体重が増えるなど関節に掛かる負担が増えてしまうと痛みが出てしまいます。

徐々に関節が変形し痛みが強くなると、動きが制限されたり歩くことが困難となってしまいます。

変形性股関節症

症状

股関節症の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。股関節は鼠径部(脚の付け根)にあるので、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。

関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては持続痛(常に痛む)や夜間痛(夜寝ていても痛む)に悩まされることになります。

一方日常生活では、足の爪切りがやりにくくなったり、靴下が履きにくくなったり、和式トイレ使用や正座が困難になります。また長い時間立ったり歩いたりすることがつらくなりますので、台所仕事などの主婦労働に支障を来たします。階段や車・バスの乗り降りも手すりが必要になります。

  • 股関節が変形してうまく骨頭がはまり込まない
  • 関節の動きに制限が生じる
  • 変形が進み痛みや違和感が生じる

これが変形性股関節症によってつまり感が生じる原因です。

 

臼蓋形成不全きゅうがいけいせいふぜん

股関節の受け皿に当たる臼蓋きゅうがいは子供の成長に伴って発育していきます。

これが、何らかの原因で発育不足となったのが臼蓋形成不全です。

変形性股関節症に見られるような、動き始めや動いた後に股関節の前や横に痛みが生じる場合が多くみられます。

病気の進行に伴い、痛みは悪化し関節の動きが制限されてしまいます。

▼症状

臼蓋形成不全臼蓋形成不全

小児期の臼蓋形成不全は基本的には乳児の時に超音波やX線(レントゲン)で診断される画像上の診断名なので、臨床的に問題となるような症状はありません。
ただ発育性股関節形成不全のように、大腿の皮膚溝(しわ)が非対称であったり、脚の開きが悪いこと(開排制限)があります。

  • そもそも骨盤のかぶりが浅くて動きが狭い
  • 受け皿と大腿骨頭の大きさが合っていないため、少しの動きで違和感を感じやすい

これが臼蓋形成不全によってつまりが生じる原因です。

 

スクワットで股関節のつまりを改善する方法

スクワットで改善出来るのは、股関節のつまりの原因が筋肉にあるケースです。

やり方次第で効かせる筋肉が変わってくるため、正しい方法で効かせたい筋肉をしっかり動かすことがポイントとなります。

まずは、以下で解説する

  • 間違ったスクワットのやり方
  • 正しいスクワットのやり方

の2つの違いをチェックしてみましょう。

 

間違ったスクワットのやり方

よくあるNGパターンは次の5つです。

  • 息を止めてしまう
  • 膝が内側に入ってしまう
  • つま先より膝が前に出てしまう
  • かかとが浮いてしまう
  • 腰が丸まってしまう

一つでも当てはまる人は効果が出ないばかりではなく、膝や腰を痛めてしまう可能性もあります。

次で解説する正しいやり方をいますぐチェックしましょう。

 

正しいスクワットのやり方

股関節のつまりをとるスクワットの最大ポイントは、【おしりの筋肉をしっかりと意識すること】です。

では、その方法を早速ご紹介していきます。

  • 足を肩幅より少し広めに広げる
  • 息を吐きながらおしりを後ろに突き出すように腰を下げていく
  • 膝とつま先は同じ向きにして、太ももが床と平行になる程度まで下げる 

つまりや痛みが出た際は、その手前まででOK

  • 息を吸いながら元に戻る

腰を下げていった時に、おしりのあたりに力が入っている感覚があればOKです。

無理しない範囲でまずは10回2セットを目安に行ってみましょう。

 

逆にスクワットで股関節がつまる人もいる

正しいスクワットの方法を試してみても、股関節がつまってしまう人もいます。

この場合に考えられるのが、以下の典型的な3つのパターンです。

  • おしりが硬い人
  • 内股の人
  • 股関節の前側の筋肉が硬い人

 

おしりが硬い人

長時間座りっぱなしの姿勢でいると、使われなくなったおしりの筋肉(深層外旋六筋しんそうがいせんろきん臀筋群でんきんぐん)が硬くなってしまいます。

おしりの筋肉が硬くなると、

  • 大腿骨頭が前に押し出される
  • 関節のはまり具合が悪くなる
  • 足を曲げた時に股関節の前側の筋肉が挟み込まれる
  • 股関節がつまる

このような不具合が生じることでつまりを感じやすくなってしまいます。

他にも、おしりの筋肉が硬いと腸腰筋がスムーズに伸び縮みしにくくなり関節のうごき自体にも影響が出てしまいます。

 

内股の人

足の付け根に当たる股関節は、もともと体の真横よりも少し前側を向くような構造をとっています。

大腿骨もその分少し内を向くように付いているため、足を曲げる時にはおしりの筋肉がはたらき大腿骨を外にねじることでスムーズに動くことが出来ます、

女性で多い内股の人は、

  • 大腿骨の内側へのねじれが強い
  • 反り腰となりやすくおしりの筋肉もはたらきにくい
  • 足を曲げたときにうまく関節がハマらず挟み込んでしまう

上記の理由で股関節がつまりやすくなってしまいます。

 

股関節の前側の筋肉が硬い人

股関節のつまりの原因となりやすいのが股関節の前側にある腸腰筋ちょうようきんです。

腸腰筋は大腰筋だいようきん腸骨筋ちょうこつきんの2つが合わさったインナーマッスルです。

股関節の奥深い部分で上半身と下半身をつなぎ、おもに股関節を曲げるときに力を発揮します。

反り腰の人や長時間座った姿勢でいるなど股関節を曲げたまま過ごすと常に緊張状態となり、凝り固まってしまいます。

足を曲げるときに伸び縮みしにくくなり、挟み込まれることで詰まってしまいます。

 

スクワット以外で股関節のつまりを改善する方法

スクワットでも股関節のつまりが改善しない人は、おしりや股関節の前側の筋肉の硬さをとることが重要です。

  • ストレッチ
  • マッサージ
  • 筋トレ

1日で硬さをとるのは難しいですが、毎日コツコツと続けることで徐々に良くなっていきます。

 

ストレッチ

日頃から、ストレッチを継続し特に硬くなりやすい股関節周りを柔軟に保つことは関節の動きを引き出すためにも重要です。

しかし、股関節が浅くなってしまっている状態で、無理にストレッチを行うことは痛みや脱臼につながってしまう危険があります。

痛みの無い範囲で特に硬くなりやすい股関節の前側やおしり周りの柔軟性を保つための以下のストレッチを行ってみましょう。

股関節の前側のストレッチ

股関節のつまりの原因となりやすい腸腰筋のストレッチです。

ポイントは腰が反りすぎないように注意し、しっかりと股関節の前側に効かせることです。

  1. 片膝立ちになり後ろの足は寝かせる
  2. 両手を前足の膝にのせ、ゆっくりと前側に体重をのせるように動かす
  3. 後ろ足の付け根の伸びを感じながら20秒キープ 
  4. 反対も同様に行う

 

おしりの筋肉のストレッチ

デスクワークで特に硬くなりやすいおしり周りの筋肉のストレッチです。

おしりまわりが硬くなると、骨盤まわりも硬くなるのでこまめに行うことが大切です。

座って気軽に行えるので、仕事の合間などにコツコツと続けてみましょう。

  1. 椅子に腰をかけ、片方の足首をもう片方の膝の上にのせる
  2. そのまま上半身を前に倒す
  3. おしりの伸びを感じながら20秒キープ
  4. 反対も同様に行う

 

マッサージ

ストレッチと比較し、関節の動きを伴わないマッサージは股関節の負担となりにくいです。

なかなか自分ではほぐしにくい部分でも、テニスボールを使うと誰でも簡単にほぐすことができます。

特に硬さの感じる部分は、痛みのない範囲でまずはやさしくマッサージをしてみましょう。

①股関節の付け根のマッサージ

股関節の前側をほぐすマッサージです。

つまりの原因となりやすい腸腰筋を中心に、徐々に範囲を変えながらほぐしていきましょう。

  1. うつ伏せで両肘を立てる
  2. 股関節の付け根にテニスボールを当てる
  3. そのままゆっくりと押し当てるようにしてマッサージ

 

②おしりのマッサージ

おしりの深い部分の筋肉はなかなかストレッチではほぐしにくいところです。

テニスボールを使うことで、適度に圧が加わりより効果的にほぐすことができます。

痛みの無い範囲で行ってみましょう。

  1. 仰向けになり、両膝を立てる
  2. おしりの下にボールを当て、ゆっくりと体重を掛けていく
  3. 徐々にボールの位置をずらしながらマッサージ

 

筋トレ

股関節のまわりにある筋肉をバランスよく鍛えることは、つまりの解消にも重要です。

普段の生活でおとろえてしまいやすいおしりの筋トレを紹介していきます。

ストレッチやマッサージでしっかりと股関節をほぐした後で、さっそく行ってみましょう。

おしりの後ろの筋肉を鍛えるトレーニング

    大臀筋を鍛えるトレーニングです。
    スクワットを行うよりも、ダイレクトに鍛えることができます。
    踵で体を持ち上げるように意識し、おしりをしっかりと鍛えていきましょう。
  1. 仰向けになり両膝を立て肩幅に広げる
  2. ゆっくりとおしりを上に持ち上げて下ろす
  3. 20回を目安に行う

 

おしりのインナーマッスルを鍛えるトレーニング

股関節のつまりを改善するために欠かせないおしりのインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。

両膝を左右に開いたときに、おしりの穴を締めるように意識すると効果がアップします。

  1. 仰向けになり両膝を立て肩幅に広げる
  2. ゆっくりと両膝を左右に倒し、股関節を広げる
  3. ゆっくりと両膝を閉じる
  4. 20回を目安に行う

 

まとめ

今回は、股関節のつまりの原因や解消法について解説してきました。

スクワットはただの筋トレにとどまらず、正しい方法で行うことで股関節のつまりの改善させる効果もあります。

股関節のつまりに悩む人は、ぜひ本記事で紹介した方法を実践してみましょう。

ストレッチやマッサージ、筋トレと合わせて行うことでより効果的です。

 


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ABOUT US
木城 拓也
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。 その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。 筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
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