この記事を監修している人:木城 拓也(理学療法士免許所有)
理学療法士の国家資格を取得後、都内のスポーツ整形外科クリニックで医師と連携しつつプロスポーツ選手や箱根駅伝選手などを担当し、技術を磨いてきました。その過程でイタリアの医師が考案した国際コースである『Fascial manipulation(筋膜マニピュレーション)』のコースを修了しています。筋膜を通じて痛みに悩まされている人を救いたいです。
木城先生
こめかみがズキズキする。
頭が重くて締め付けられる感じがする。
そんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか。
頭痛にはさまざまな種類や原因があります。
本記事では、頭痛のなかでもこめかみが痛い原因について解説します。
痛みの治し方や対処法なども解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
さらに、痛みを今すぐどうにかしたい方に向けて、あなたの痛みに効く具体的な筋膜リリースの方法をLINEから無料でお伝えしています。ぜひご活用ください。
目次
こめかみが痛い原因はなぜ…考えられる理由について
頭痛には3つの種類があり、それぞれ原因や症状、痛みの特徴が異なります。
なかでも目の外側にある頭部の側面のこめかみが痛い原因は、以下のようなものが挙げられます。
- 偏頭痛(片頭痛)
- 緊張性頭痛
- 脳疾患
こめかみにズキズキとした痛みが生じる場合、慢性的な原因がほとんどです。
こめかみ付近に痛みがあるという症状はどんな病気に関連しますか?
こめかみ付近に痛みがある場合に関連する病気は、以下のとおりです。
- 偏頭痛(片頭痛)
- 緊張型頭痛(筋肉収縮性頭痛)
- 副鼻腔炎
- 中耳炎
- 顎関節(がくかんせつ)症
- 側頭(巨細胞性)動脈炎
- 腫瘍や出血による頭痛
それぞれみていきましょう。
こまかみ付近の痛みの原因:①偏頭痛(片頭痛)
こめかみに痛みが生じた場合に、考えられる病気のなかでも多いのが偏頭痛です。
特に女性に多くみられ、30代女性の2割が偏頭痛の症状があるとされています。
頭部の片側もしくは両側のこめかみ部分に、ズキズキと脈を打つような痛みが生じるのが特徴です。
そのほか吐き気を伴ったり、ひどい場合は嘔吐や下痢の症状が現れたりします。
また音や光、匂いに過敏になってしまったり、キラキラした光や砂嵐のようなものが見えて視界がぼやける、閃輝暗点の症状がみられる場合もあります。
偏頭痛は脳の血管が何らかの原因で急激に拡張され、その血管の周囲を通っている三叉神経を刺激するのが原因です。
偏頭痛が起こりやすい要因として、以下のようなものが挙げられます。
- 空腹時の血糖値低下
- アルコール摂取
- ストレス
- 騒音などの物理的な外部刺激
- 寝不足や寝過ぎ
偏頭痛の予防として、日常生活を送るうえでストレスをため込まないことや、頭痛の原因となる食べ物やアルコールを避けるなど、頭痛の原因を除外することが重要です。
こまかみ付近の痛みの原因:②緊張型頭痛(筋肉収縮性頭痛)
頭痛の種類のなかで最も多いのが緊張型頭痛です。
疲労やストレス、首周辺の筋肉の緊張や目の疲れなどが原因で起こります。
症状としてはこめかみや後頭部、額を中心に頭部が重く感じたり、締め付けられるような痛みが徐々に現れ、だらだらと長い時間続きます。
頭痛だけでなく肩こりやめまい、目の疲れ、倦怠感などの症状がみられ、午後から日没にかけて症状が出やすいのが特徴です。
緊張型頭痛の原因は頭や首、肩の筋肉の緊張による血行不良の場合が多く、その要因は以下のとおりです。
- 身体的・精神的ストレス
- 長時間のデスクワーク
- 顎関節(がくかんせつ)症
- 目の疲れ
緊張型頭痛は、身体と精神の緊張による影響が大きいため、ストレスをため込まないよう注意しましょう。
特に肩や後頭部の筋肉の過度な緊張が、緊張型頭痛に大きく関わっていると言われています。
そのため肩や後頭部、目を温めた蒸しタオルを当ててリラックスさせたり、ストレッチをして体の緊張を緩和させたりして、血行を改善するのが効果的です。
こまかみ付近の痛みの原因:③副鼻腔炎
副鼻腔炎は、風邪などが原因で鼻の鼻腔と呼ばれる部位周辺にある副鼻腔という部位に炎症が生じて、膿がたまることを指します。
副鼻腔炎には、風邪や喘息などの細菌感染が原因で起こる急性副鼻腔炎と、急性副鼻腔炎が長引いたり、繰り返したりすることで慢性化した慢性副鼻腔炎に分けられます。
副鼻腔炎の原因は、細菌感染がほとんどです。
病気や疲労により、身体の免疫力が低下している状態のときに発症しやすいといえます。
副鼻腔炎の症状は、以下のとおりです。
- 鼻が詰まる
- たん
- 頭痛
- 目の周囲の痛み
- 黄色い鼻水が出る
- 歯の違和感や痛み
副鼻腔炎の治療法は薬物療法が一般的で、ひどい場合は手術を行うケースもあります。
こまかみ付近の痛みの原因:④中耳炎
中耳炎とは、耳の内部にある中耳という部位に、ウイルスや細菌が感染し炎症が生じている状態です。
中耳炎は、以下の4つに分けられます。
- 急性中耳炎
- 滲出性中耳炎
- 慢性中耳炎
- 真珠腫性中耳炎
急性中耳炎
急性中耳炎は、特に子どもにみられることが多く、風邪の状態で喉や鼻の炎症とともに起こるケースがほとんどです。
頭痛以外に、耳の中の痛みや耳垂れ(耳漏)、熱などの症状がみられます。
滲出性中耳炎
滲出性中耳炎は、子どもの難聴の原因で最も多く、滲出液が鼓膜の奥にある中耳にたまっている状態です。
急性中耳炎と異なり、痛みを感じないため気づかず慢性化する可能性があります。
慢性中耳炎
慢性中耳炎は、急性中耳炎や滲出性中耳炎が慢性化した状態です。
聴力に深く影響する鼓膜や耳小骨などに異常がみられ、抗生物質や点耳薬が処方されます。
場合によっては、手術が必要なケースもあります。
真珠腫性中耳炎
中耳に垢のかたまりである真珠腫ができ、周囲の骨を溶かし進行するのが真珠腫性中耳炎です。
滲出性中耳炎が進行して発症する場合が多く、頭痛だけでなく耳の痛みや耳垂れ、めまい、顔面神経麻痺などがみられます。
真珠腫性中耳炎は、一般的に早急な手術が必要です。
こまかみ付近の痛みの原因:④顎関節(がくかんせつ)症
顎関節症は、頭痛の代表的な原因の一つです。
顎関節症になると下顎にかかる力のバランスに異常が生じ、顎が水平ではなく左右どちらかに傾いた状態で動きます。
それによって側頭骨などのアライメント不良を引き起こし、頭痛を引き起こします。
また顎関節のアライメント不良によって、顎関節周囲の筋肉が過度に緊張するのも頭痛を引き起こす原因です。
こまかみ付近の痛みの原因:⑤側頭(巨細胞性)動脈炎
側頭(巨細胞性)動脈炎は、頭部や頚部、こめかみを通る側頭動脈に慢性の炎症が生じ、頭痛などの症状を引き起こす病気です。
側頭動脈炎の原因は未だ不明で、こめかみにズキズキとした脈を打つような激しい痛みが生じたり、食べ物を噛む際に顔面筋に痛みが生じたりします。
放置することで失明する可能性もあるため、早急な治療が必要です。
こまかみ付近の痛みの原因:⑥腫瘍や出血による頭痛
脳に腫瘍ができたり、脳内で出血が起こったりすると頭蓋内が圧迫され、頭痛を引き起こします。
頭蓋内圧迫が原因の場合、頭痛の症状だけが1週間以上続くことは少なく、麻痺や意識障害などの症状がみられ始めます。
腫瘍ができた部位や出血が起こっている部位によって症状が異なるため、病院でのCT検査を行う必要があるでしょう。
そのほか姿勢不良が原因で頭痛が起こっている場合もあります。
姿勢不良で起こる頭痛についてまとめた記事も公開してますので、ぜひご覧ください。
こめかみが痛い場合の対処法・治し方
こめかみが痛い場合の対処法や治し方は、以下のとおりです。
- こめかみのマッサージを行う
- ズキズキ痛む場合は冷やす
- 筋緊張がある場合は温める
- 静かな場所で安静にする
- 長く続く場合は医療機関を受診する
こめかみのマッサージを行う
こめかみの痛みが生じている原因が緊張型頭痛の場合、こめかみのマッサージを行い症状の緩和を図りましょう。
ただし強くマッサージしすぎると、逆に痛みが増してしまう可能性があるため注意が必要です。
緊張型頭痛のおもな原因となる側頭筋の緊張を緩和するマッサージを紹介します。
- 歯を食いしばった際に盛り上がる、耳のやや斜め上部分を押さえる
- 指で上下左右、斜めにマッサージする
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ズキズキ痛む場合は冷やす
こめかみが脈を打つようにズキズキと痛む場合は、保冷剤などを使用してこめかみ周辺を冷やすことで症状を軽減する効果が期待できます。
【注意点】
偏頭痛は、温めてしまうと逆に症状を悪化させてしまいます。
筋緊張がある場合は温める
こめかみ周囲の筋肉が硬くなっているのが原因で頭痛が起こっていると考えられる場合は、温めることで症状が軽くなる場合があります。
お風呂で湯船に浸かって、全身を温めるようにしましょう。
また濡らして絞ったタオルを、電子レンジで温めてビニールなどに入れてこめかみに当てて温めるのもおすすめです。
静かな場所で安静にする
偏頭痛によるこめかみの痛みが生じた場合、外部の音や光などの刺激で症状が悪化してしまう可能性があります。
よって、照明が点いていない暗く静かな環境で安静にするのも対処法の一つです。
長く続く場合は医療機関を受診する
こめかみの痛みが長い時間続いている場合は、早急に医療機関を受診しましょう。
思わぬ重い病気が隠れている可能性があるため、自己判断せず医療機関で検査を行い二次被害を予防しましょう。
もし何科を受診すれば良いかわからない場合は、まずは内科の受診を推奨します。
こめかみの痛みに効果的なストレッチを紹介
こめかみの痛みに効果的なストレッチは、以下のとおりです。
- 肩甲骨のストレッチ
- 腕と指のストレッチ
それぞれみていきましょう。
肩甲骨のストレッチ
こめかみの痛みには、肩甲骨のストレッチが効果的です。
こめかみの痛みの原因として、肩甲骨の硬さが挙げられます。
肩甲骨が硬いのが原因で、首や肩周囲の筋肉が過緊張を起こすのも、こめかみの痛みを引き起こす原因の一つです。
肩甲骨のストレッチ方法を、以下で紹介します。
ぜひ実践してみてください。
- 両方の腕がV字になるよう、両肘を曲げて肩より高い位置に上げる ※肘や手が上がらない方は上がる高さで行う
- 手は軽く拳を作って、鎖骨ほどの高さに上げる
- 肘の高さはできるだけ下げないように、肋骨から肩甲骨を離すイメージで
両肘をゆっくりと大きく息を吐きながら、5秒ほど後方に引いて肩甲骨を内側に寄せる - 肩甲骨を内側に寄せた状態をキープしながら、肘を下げて脱力
- 1~4を5回ほど繰り返す
【ポイント】
起床時、就寝前のタイミングで5回ずつ行いましょう。
仕事の合間や休憩時間にも行えると、より効果を実感しやすいといえます。
ストレッチは一度行っても効果は実感しにくいため、継続することが大切です。
腕と指のストレッチ
腕と指のストレッチも、こめかみの痛みに効果的なストレッチの一つです。
一見こめかみとは関係のない部位に思えますが、腕や指の筋膜は頭部の筋膜までつながっているため腕や指のストレッチをすることで、こめかみ周囲の筋肉や筋膜の緊張を軽減する効果が期待できます。
腕と指のストレッチの方法を、以下で紹介します。
ぜひ実践してみてください。
- 右腕を伸ばして、床と水平になる高さまで上げる
- 高さをキープした状態で、手のひらを上に向ける
- 左手で指先を手の甲側へ反らすように引っ張る
- 左手も同様に行う
【ポイント】
ストレッチする側の肘は、できるだけ曲げないよう行うことが大切です。
また伸ばされているのを意識するのではなく、逆手で指を引っ張ることに意識を集中しましょう。
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まとめ
今回は、こめかみが痛い原因や痛みの治し方、対処法なども解説しました。
頭痛にはさまざまな種類と原因があり、なかでもこめかみが痛い場合、緊張型頭痛と偏頭痛が多くを占めます。
理学BODYでは、こめかみの痛みの原因となる筋膜へアプローチし、症状を根本から改善と再発の予防を行います。
もし病院や治療院へ通ってもなかなか症状が改善しない場合は、筋膜のプロである私たちに一度ご相談ください。
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